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救助

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 魔法鎧兵たちが一気に蹴りをつけようと、お父様に襲いかかる。

 いくらお父様とは言え、三人からの猛攻を受け続けていれば、どこかで耐えきれなくなる瞬間が来るだろう。

 だから、私は駆けた。

『移動高速化』を発動。

 お父様と魔法鎧兵の間に入った私は剣を振り下ろされた剣を、懐にしまっていた短剣で素早く弾く。

 そして、お父様と同じ『一点強化』を使用して、極限まで強化した拳を打ち込んだ。

「ぐぁぁぁぁ!?」

 一人の魔法鎧兵が背後に吹き飛んで、壁にめりこむ。

 それを見て恐怖を見せた残り二人も次々と吹き飛ばした。

 私はお父様に背を向けたまま、声をかける。

 さすがに面と向かって話すのは、正体がバレそうで怖い。

「……エルバルク家当主、セイリス・エルバルクだな。ベルドロールが反乱を起こした。エルバルクはあの家に恨まれている。あなたは事態が収まるまで退避していてほしい」

「赤フードの冒険者、だな。最近は貴族家もずいぶん救ってきたようじゃないか。次はエルバルクということか」

「……貴族を優先的に救っているつもりはない。ただ、困っている人間を助けているだけだ」

 すると、お父様は訊ねてくる。

「赤フードの冒険者。お前はなぜ顔を隠す? そのフードには幻惑のスキルがかけられているだろう?」

「…………」

 若い頃に場数を多く踏んだお父様は、正体までは掴めずとも、フードの幻惑効果には気づいたようだ。

 なぜ顔を隠すのか。

 その問いに、私はなんと答えるべきだろうか。
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