クリエイタースキルを使って、異世界最強の文字召喚術師になります。

月海水

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第13話 村長宅での会話

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 ギルダム中央村、村長宅。

 応接室に通されたのは、俺とレーナ、アリカの三人で動物の革で作られたソファに腰を落として、対面している村長のことを見ていた。

 ちなみに『地獄骸』は「モンスターはさすがに遠慮してくれ」ということで、応接室の入り口の外で俺たちを待っている。

「ということで、俺たちは本当にあなたたちをどうこうするつもりはないんです。そして、俺は魔王じゃありません」

 魔王じゃないというところは、特に強く強調しておいた。大事だからね。

 俺がまず話したのは、中央村から草原を越えた先にある、丘の上の暗黒城についてだった。

 暗黒城からここまで、一時間程度の距離。

 彼らが一日にして現れた暗黒城を警戒するのは当然だ。

 俺は、あれは召喚した配下が勝手に作り上げたもので、この地域を支配しようとかそういう意図のもとに築城されたものではないことを告げた。

 話が進むごとに、村長の生気のなかった顔がみるみる良くなっていくのは複雑な気持ちだった。

 最初からちゃんと話を聞いてくれていればよかったのに……。

 そしてもう一つ、俺は自らの文字召喚術師としての能力について伝えた。

 顕現待ちのない即時召喚が可能だということ。クリエイトゲージについては、こちらの弱点ともなる部分なので意図的に隠しておく。

 俺の説明を聞いた村長は冷汗を流していた。

「文字召喚を即時に行うなど……前代未聞じゃ。お主一人で、一つの国を滅ぼすことさえ可能かもしれん」

「まあ、やっぱ、そういうことになるんですよね……。でも、安心してください。俺はそんなことにこの力を使う気はないです。あの城で平穏に暮らすことさえ認めて頂ければ、他には特に干渉しようとも思いません」

「うむ。しっかりと話をしてみてわかった。お主らは敵ではないようじゃ。あの丘の城についてだが、あの場所はギルダム辺境自治区の範囲内。よって、わしが許可を出しておけば、もう誰にも文句は言われないはずだ。すぐにでも許可する旨を村中に告知しておこう」

「ありがとうございます!」

 そうやって、俺が村長から暗黒城を認めてもらう交渉を終えた時、隣を見ると、すやすやと気持ちよさそうな顔でレーナが眠っていた。

「ふっ!」

 腹立たしいので、彼女の小さな鼻先を人差し指で一突きしてみた。

「いたっ! な、なにが起こったんですか!?」

 彼女は飛び起きて辺りを見回すが、俺はさっと手を隠してそ知らぬふりをする。
 
 だが。

「シュウトさんがレーナの鼻先を突いてましたよ」

 今まで黙っていたアリカが出されたお茶を飲みながら、レーナに告げ口をした。

「あ、酷いじゃないか!」

「むむむ~~! 酷いのは、シュウトさまですよ~~~!!」

 俺の抗議を押しのけて、レーナはぽかぽかと身体を両拳で叩いてくる。特に痛くはない。

「……本当に、お主らに害はなさそうだな」

 見ると、なんだか生暖かい笑顔で村長がこちらを眺めていた。
 
 あ、なんだかレーナと同類にされてる気がする!

 いつまでもレーナとじゃれている場合ではない。
 実は、まだ俺には聞きたいことがあった。

 俺たちが街を訪れた時の村人の怯え方。
 それがどうも引っかかったのだ。
 
 村長も普段は聡明な人物のようだし、まだ実際の被害は何も出ていなかったあの状況で、あの取り乱し方は異様だ。

 だから、俺は一つの推測をしていた。

 この村の人間には、突然の異様な訪問者を極度に怖がるだけの理由があるのではないかと。

「村長、もしかしてこの村って、誰かに狙われていたりしますか?」

 俺のその質問に、村長の目つきが変わる。鋭く光り、酷く警戒した刃物のような目つき。

 一度、彼はまばたきをすると、ふうと息を漏らした。

「お主は本当に何も知らんようじゃな。ええと、そこの……アリカと言ったか。アルギア召喚宮殿の第三位召喚術師……つまりはルフェリア王国で三番目に強い超一線級召喚術師のお主なら当然知っておるだろう?」

「ふふ、もちろんです。村長さんの心労も理解しているつもりですよ」

 真面目なトーンで語り出す村長に、とてもクールな感じで返答するアリカ。

 完全にかっこつけている。

 というか、えっ、なんかよくわからないけど、今さらっと王国で三番目に強いとか言ってなかった? そんなに強かったの、この人……。

 あと、同じく宮殿から派遣されているはずなのに、ナチュラルに会話から外されているレーナが不憫でならない。

 村長さん、あなたも彼女のバカな子オーラに気付いてしまったんですね――って、またレーナ寝てる!

「そりゃ、会話からも外されるわな……」

「え、何か言いました? シュウトさん?」

「いや、なんでも話を続けてくれ」

 よだれをたらしそうになっているレーナの口元をハンカチで拭いながら、話を促す。

 俺としても、こういう話の流れは歓迎だった。

 転移してきたこの異世界。
 実はまだ何もその詳細を俺は知らない。

 どうやら村長は問題を抱えていそうだし、アリカが王国で三番目に強いなら、俺はどうなってしまうのかという疑問もある。

 今は一つずつ疑問を潰していこう。

 そうして、俺は村長、アリカと真面目な会話を続けることにした。
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