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第15話 対話準備
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「――なら作りましょう、この地に。俺のこの文字召喚術を以って、この世界のどこにも負けない最強の独立自治区、ギルダムを!」
俺の宣言は極めて明快なものだった。
俺の文字召喚術を使えば、王国や帝国に屈しない地域を作り上げることができるはず。
そうすれば、俺たちは安らかにこの地で暮らしていける。
だが、村長の顔は怪訝そうだった。
俺が首を傾げると、村長は咳払いをしてから口を開く。
「お、お主の提案はわしらにとっては願ったり叶ったりだ。しかし、良いのか? その力があれば、お主一人でこの地を征服することもかなうだろう。みすみす、そんな機会を逃してしまうなんて……」
そんな村長の姿に、アリカはふふっと笑みをこぼした。
「シュウトさんらしいですね。村長さん、彼はその力故に誤解をされることも多いですが、その実、危険な支配欲など持ち合わせていません。彼はただ、平和に暮らしたいだけなのです」
本当に誤解されることばかりで嫌なものだ。
しかし、ようやくこの一帯での魔王疑惑は晴れ、やっと穏やかな生活ができるだろう。
まずは文字召喚術を使って、ギルダムの全ての村に『天使翼』のような拠点防衛型のモンスターを召喚しなくては。
あとは用途に合わせて必要なモンスターを呼び出し、ギルダム全体の防御能力を上げる。
まだまだやることはいっぱいだぞ、と俺が気合を入れ直した時だった。
バゴンッ! と屋外で何かが乱暴に放り投げられたような音がした。
続けて、村人の悲鳴らしきものが聞こえる。
「……何やら、問題が起きたようじゃな」
険しい顔で村長が吐き捨てるように言った。
先ほどまで穏やかだったアリカの表情にも緊張が走る。
「シュウトさん。近くに私たちのもの以外の召喚モンスターの気配がします。どうやら、村人同士の喧嘩ではないようです。お気をつけて」
「次から次に問題発生だな……。おい、レーナ起きろ。外の様子を見に行くぞ」
「ふえっ……ふにゃ~なんですか~今何時ですか~~? って、いたぁい!」
寝ぼけたことを抜かすレーナのおでこを、平手で軽くぺしっと叩いてから、俺はソファから立ち上がった。
正体不明の召喚モンスターがいる。
ということは、俺たち以外の召喚術師が近くにいる可能性があった。それと先ほどの話を合わせて考えると、あまりいい結論は出ない。
急ぐ俺がドアを荒々しく開き、廊下を早足で歩いていくと、『地獄骸』が間を空けず、ぴたりと追従してきた。
「召喚主。敵の気配は多いですぞ。一人二人ではないでしょう。恐らく、小中隊規模の戦力が突如村に侵入してきました」
「こちらのアンデッドたちはどうしている?」
歩みを止めず、俺は現状の把握に努める。
「召喚主のご命令通り、配下の者たちは村の至る所に姿を隠しております」
実は村長宅を訪れる前、俺は『地獄骸』に配下たちの姿を隠させるように命じていた。
理由は簡単。
村の中を普通に徘徊させておくと、村人たちにとっては超恐いはずだからである。
しかし、それが良い方向に出た。
敵は確かに存在しているらしい。
だが、身を隠したアンデッドたちの存在には未だ気付いていないはずだ。
対話で解決すればよし。
いざという時には、アンデッドたちに少しは働いてもらおう。相手を傷つけない程度に。
「いいか、『地獄骸』。基本的にはいつもと同じだ。まずは対話。相手を傷つけることは許さない。大体の事柄は対話で解決するはずだ。今までだってそうだった。そして、今回もそうだ。『地獄骸』は話の推移を隠れて見守っていてくれ」
「はっ、仰せのままに」
そう、全ては話し合いで片がつくのだ。
手持ちの武力を行使するなど、本当の最終手段。
そして、俺は村長宅の玄関扉を開けた。
さあ、対話の時間だ。
俺の宣言は極めて明快なものだった。
俺の文字召喚術を使えば、王国や帝国に屈しない地域を作り上げることができるはず。
そうすれば、俺たちは安らかにこの地で暮らしていける。
だが、村長の顔は怪訝そうだった。
俺が首を傾げると、村長は咳払いをしてから口を開く。
「お、お主の提案はわしらにとっては願ったり叶ったりだ。しかし、良いのか? その力があれば、お主一人でこの地を征服することもかなうだろう。みすみす、そんな機会を逃してしまうなんて……」
そんな村長の姿に、アリカはふふっと笑みをこぼした。
「シュウトさんらしいですね。村長さん、彼はその力故に誤解をされることも多いですが、その実、危険な支配欲など持ち合わせていません。彼はただ、平和に暮らしたいだけなのです」
本当に誤解されることばかりで嫌なものだ。
しかし、ようやくこの一帯での魔王疑惑は晴れ、やっと穏やかな生活ができるだろう。
まずは文字召喚術を使って、ギルダムの全ての村に『天使翼』のような拠点防衛型のモンスターを召喚しなくては。
あとは用途に合わせて必要なモンスターを呼び出し、ギルダム全体の防御能力を上げる。
まだまだやることはいっぱいだぞ、と俺が気合を入れ直した時だった。
バゴンッ! と屋外で何かが乱暴に放り投げられたような音がした。
続けて、村人の悲鳴らしきものが聞こえる。
「……何やら、問題が起きたようじゃな」
険しい顔で村長が吐き捨てるように言った。
先ほどまで穏やかだったアリカの表情にも緊張が走る。
「シュウトさん。近くに私たちのもの以外の召喚モンスターの気配がします。どうやら、村人同士の喧嘩ではないようです。お気をつけて」
「次から次に問題発生だな……。おい、レーナ起きろ。外の様子を見に行くぞ」
「ふえっ……ふにゃ~なんですか~今何時ですか~~? って、いたぁい!」
寝ぼけたことを抜かすレーナのおでこを、平手で軽くぺしっと叩いてから、俺はソファから立ち上がった。
正体不明の召喚モンスターがいる。
ということは、俺たち以外の召喚術師が近くにいる可能性があった。それと先ほどの話を合わせて考えると、あまりいい結論は出ない。
急ぐ俺がドアを荒々しく開き、廊下を早足で歩いていくと、『地獄骸』が間を空けず、ぴたりと追従してきた。
「召喚主。敵の気配は多いですぞ。一人二人ではないでしょう。恐らく、小中隊規模の戦力が突如村に侵入してきました」
「こちらのアンデッドたちはどうしている?」
歩みを止めず、俺は現状の把握に努める。
「召喚主のご命令通り、配下の者たちは村の至る所に姿を隠しております」
実は村長宅を訪れる前、俺は『地獄骸』に配下たちの姿を隠させるように命じていた。
理由は簡単。
村の中を普通に徘徊させておくと、村人たちにとっては超恐いはずだからである。
しかし、それが良い方向に出た。
敵は確かに存在しているらしい。
だが、身を隠したアンデッドたちの存在には未だ気付いていないはずだ。
対話で解決すればよし。
いざという時には、アンデッドたちに少しは働いてもらおう。相手を傷つけない程度に。
「いいか、『地獄骸』。基本的にはいつもと同じだ。まずは対話。相手を傷つけることは許さない。大体の事柄は対話で解決するはずだ。今までだってそうだった。そして、今回もそうだ。『地獄骸』は話の推移を隠れて見守っていてくれ」
「はっ、仰せのままに」
そう、全ては話し合いで片がつくのだ。
手持ちの武力を行使するなど、本当の最終手段。
そして、俺は村長宅の玄関扉を開けた。
さあ、対話の時間だ。
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