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第83話 魔神王じゃないから!
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暗黒城五階、王座の間にて開かれていた全村長会議は終了した。
俺は無事、ラングリアを含む全村長からの承認を受け、正式にギルダム独立自治区の守護者となった。
「どうなることかと思ったが、やるじゃねえか」
会議が終了して声をかけてきたのは、今までずっと黙っていたあごひげのある大柄な村長だった。
「わしはベルギアスだ。小僧、お前の力を試すような真似をして悪かったな。本当なら、俺や中央村長がラングリアを抑えるべきだったんだが、その場の対応力ってのも大事な力の一つだからな」
ベルギアスと名乗った大柄な村長は先ほどまでの鋭い目つきを緩和させて、にやりと笑みを浮かべると握手を求めるように右手を出してきた。俺が握手に応じると、その強い握力で手が痛くなる。
「がはは! これからよろしく頼むぞ、小僧! わしの村は少し遠いがギルダム大峡谷にかかる大橋を管理しておる。帝国が攻めてくるのなら一番の要地だ。この前はアーガルトとかいう帝国の文字召喚騎士に突破されてしまってな、本当にまいった」
ベルギアスは会議中は全く喋らなかったのに、いざ話し出すと止まらないほど陽気な男だった。
こうして、陽気な素の面を見せてくれたということは少しは信頼されたということだろう。少々、所作が乱暴ではあるが、そう捉えると嬉しく思う。
そうやってベルギアスと話していると、元々厄介ではあったが、会議が終わってからさらに厄介になった人物が視界の端に入る。
「……何してるんですか、ラングリアさん」
もう威圧してマウントを取る必要もないので、普通に丁寧語で話しかけるが、
「…………」
ラングリアの返事はない。
彼女は床にひざまづき、目を閉じて両手を祈るように顔の前に掲げていた。
…………そして、なぜかそのスタイルで俺に向かって祈りを捧げている。
「ちょっと、やめてくださいよ……俺は神様じゃないんですから」
そうやって、祈りポーズをやめさせようとした時、
「いいえ、あなたは神です!!」
カッと目を見開いたラングリアは叫ぶように言った。
正直、めちゃめちゃ怖い。
「あなたは自分こそ、私たちを助ける神だと申しました! そして、その不可能と思える宣言を実現して見せてくれました!!」
有言実行を果たした俺を見て、ほぼほぼ狂信者のようになってしまったラングリアは俺を崇めるように神々しそうな視線で見つめてくる。
「おお……あなたこそ救世主……魔王……いや、魔神王シュウト様……ッ! 今までの数々のご無礼、どうか、どうかお許しください!!」
魔神王とかマジやめて。魔王は受け入れたけど、そんなさらにクラスアップした名前は受け入れられません。
「神よぉ!!」
ラングリアはひざまづいた体勢から、俺に抱きつくように腕を伸ばしてきた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
自分を崇拝し、目をバキバキにした老女に抱きつかれる趣味は、俺にはない。
俺は必死で王座の間を逃げ惑う。ラングリアはよろよろと追い続けてくる。
その様子を見て、ベルギアスはガッハッハと大声で笑っていた。
中央村長は優しい瞳で、それでも巻き込まれるのは嫌だとばかりに椅子に座ったままだ。
そして、その他の村長たちはラングリアほどではないが、俺に対して崇拝を含んだ危険な目付きをしている。
いや、誰か助けてくださいよ……マジで。
ラングリアとの不毛な追いかけっこは、彼女の体力が尽きるまで続いた。
俺は無事、ラングリアを含む全村長からの承認を受け、正式にギルダム独立自治区の守護者となった。
「どうなることかと思ったが、やるじゃねえか」
会議が終了して声をかけてきたのは、今までずっと黙っていたあごひげのある大柄な村長だった。
「わしはベルギアスだ。小僧、お前の力を試すような真似をして悪かったな。本当なら、俺や中央村長がラングリアを抑えるべきだったんだが、その場の対応力ってのも大事な力の一つだからな」
ベルギアスと名乗った大柄な村長は先ほどまでの鋭い目つきを緩和させて、にやりと笑みを浮かべると握手を求めるように右手を出してきた。俺が握手に応じると、その強い握力で手が痛くなる。
「がはは! これからよろしく頼むぞ、小僧! わしの村は少し遠いがギルダム大峡谷にかかる大橋を管理しておる。帝国が攻めてくるのなら一番の要地だ。この前はアーガルトとかいう帝国の文字召喚騎士に突破されてしまってな、本当にまいった」
ベルギアスは会議中は全く喋らなかったのに、いざ話し出すと止まらないほど陽気な男だった。
こうして、陽気な素の面を見せてくれたということは少しは信頼されたということだろう。少々、所作が乱暴ではあるが、そう捉えると嬉しく思う。
そうやってベルギアスと話していると、元々厄介ではあったが、会議が終わってからさらに厄介になった人物が視界の端に入る。
「……何してるんですか、ラングリアさん」
もう威圧してマウントを取る必要もないので、普通に丁寧語で話しかけるが、
「…………」
ラングリアの返事はない。
彼女は床にひざまづき、目を閉じて両手を祈るように顔の前に掲げていた。
…………そして、なぜかそのスタイルで俺に向かって祈りを捧げている。
「ちょっと、やめてくださいよ……俺は神様じゃないんですから」
そうやって、祈りポーズをやめさせようとした時、
「いいえ、あなたは神です!!」
カッと目を見開いたラングリアは叫ぶように言った。
正直、めちゃめちゃ怖い。
「あなたは自分こそ、私たちを助ける神だと申しました! そして、その不可能と思える宣言を実現して見せてくれました!!」
有言実行を果たした俺を見て、ほぼほぼ狂信者のようになってしまったラングリアは俺を崇めるように神々しそうな視線で見つめてくる。
「おお……あなたこそ救世主……魔王……いや、魔神王シュウト様……ッ! 今までの数々のご無礼、どうか、どうかお許しください!!」
魔神王とかマジやめて。魔王は受け入れたけど、そんなさらにクラスアップした名前は受け入れられません。
「神よぉ!!」
ラングリアはひざまづいた体勢から、俺に抱きつくように腕を伸ばしてきた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
自分を崇拝し、目をバキバキにした老女に抱きつかれる趣味は、俺にはない。
俺は必死で王座の間を逃げ惑う。ラングリアはよろよろと追い続けてくる。
その様子を見て、ベルギアスはガッハッハと大声で笑っていた。
中央村長は優しい瞳で、それでも巻き込まれるのは嫌だとばかりに椅子に座ったままだ。
そして、その他の村長たちはラングリアほどではないが、俺に対して崇拝を含んだ危険な目付きをしている。
いや、誰か助けてくださいよ……マジで。
ラングリアとの不毛な追いかけっこは、彼女の体力が尽きるまで続いた。
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