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安息の昼休みがヘビーになった件
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安息の昼休みがヘビーになった件
すでに課のオフィスには誰もいなかったので、昼休みになったと思って、キリのいい辺りでイスをゆっくりと立つ。
普通の人の様に素早くこなせないから、何か思う人が在るとしても、目をつぶってもらっていると改めて思いながら――。
そして、いつも通りコッソリとひとけのない辺りで、ありもしない人の気配に神経を砕きながら深い息を吐く。
パンの包装やボトル缶の音にすらビクビクして、袋系は僅かに尖った様な感覚が、脳にブチブチと刺さって堪らない。
仕事の進捗も鈍い上に、少しでもストレスがあるとミスも増えて、余計に神経が研ぎ澄まされてどうのしょうもない。
それでも課長には長い目で流してもらっているし、課の人々は特に良くしてもらっていて、どうやっても頭が上がらない。
それが更に僕の状態やパフォーマンスが、最早どうにもならないレベルに達して、パンをかじったまま沈殿する。
そうしていると、頭の上から僕の後頭部に向けて、いつの間にかフワフワした気配から、天使声が耳許に吹きかかった。
「どうかしましたか……?」
もうここも避難地に出来ないと諦めて、何ともないと返しながら、無理やり予備バッテリーに切り替える。
それだけかと聞かれればその通りで、まあとだけ曖昧に逃げると、「ふーん」と流されては立つ瀬が無い。
オフ時も目撃されれば真富居課長に報告されるか、これからの安息地をどうするか、午後も仕事が待っている。
あらゆるリスクがのしかかってくるのを無理に耐えて、再度目を向けると先の女子社員はどこかへ消えていた。
そんなもんだと、体力バッテリーのチャージを一応は再開しながら、ボトル缶のブラックコーヒーを呑む。
豆の質感やローストの苦味に、含有水分の甘味と全体的な奥行を確認して、僅かな何かを補給してアンパンをかじる。
しかし、強めの糖分に繊細な旨味が弱まって、今朝購入直後のようではなかったが、そう悪くはないと再考する。
帰りは特に何も無かったが、翌日の昼にまた例の女子社員が出現して、その後ろには更に二人ほど覗いている。
陽キャ軍団かとやや観念して済ましていると、やたらニコニコしながら横に陣取って、問答を要求してくるのをどうするか。
何かの手配師の如くにするかと思えば、自分も疲れたとか、ひとりでいるのはつまらないとか始まって仕舞った。
安息にもなるか分からない環境でも、多少でも充電したいのをフニフニと進撃して、こちらをじっと視ている。
あとのふたりも続いて正面にしゃがみ込んで、艶っぽい様な深刻そうな、うち一人は無難に済ましている。
それよりもこの状況は何かといっても、ひとりで少しでも息継ぎしたかっただけで、午後になれば残業も待っている。
確かに性質的にうつに似たような状態だが、真富居課長には色々と背負わせていて、残業も看てもらっている。
それも併せて人並みにならないのは、
苦にもしながらもマイペースでなければ、より追い込むからだろう。
すでに課長くらいには話していて、証明関係も提出済みの上で、仕事量もコントロールしてもらっている。
ただ、ひとは初めのうちは同情するも、直ぐにてのひらを返すリスクがある事は、親を看ればこれでもかと判る。
今の新世代世帯は分からないかもしれないが、数ヶ月中にはイジメられたくらいだから、僕は他人を信用できない。
その日は状況に流されておいたが、やはり今後のうちに何時また余計に苦しむか、そう思えば安息の地を探し直しだ。
その後も毎日昼呑みならず、残業まで僕の作業に参加してまで待つようになって、包囲網を貼っているのか。
「見つけたぜ?」
「アイツいた?」
「見つかったの?」
昼はどこへ逃げても必ず誰かに見つかって、スマホで通報し合うと分かってからは、基本的に観念している。
残業に参加する社員もさらに増えて、頭が上がらないくらいだったが、僕以外の方が圧倒的に作業が速い。
コッソリと大規模な残業が直ぐに終わって、課長は白い新型プリウスでニコニコしながら、スルリとお帰りになる。
「これからどぉ―しよっかぁ」
フニフニと声が吹きかかったには驚いて、僕はつい「おっおぅいぇい」と反応して仕舞ったが、腕にしがみついて来た。
やぁ~らかいナンカがフニフニ圧し付けられては、「ズルい」と反対側でも同じことが起きて、僕は少し固まった。
――どうしてこうなったぁぁぁ……――
もうひとりはアタマを後ろに手を組んで、特に何も無さそうにして、僕から目を逸らして横について来ている。
さらにはカラオケに行こうという事になって、とりつけた部屋で女子社員たちは、色々と注文を取り始めている。
――どうしてこうなったぁぁぁ……――
#HSP
すでに課のオフィスには誰もいなかったので、昼休みになったと思って、キリのいい辺りでイスをゆっくりと立つ。
普通の人の様に素早くこなせないから、何か思う人が在るとしても、目をつぶってもらっていると改めて思いながら――。
そして、いつも通りコッソリとひとけのない辺りで、ありもしない人の気配に神経を砕きながら深い息を吐く。
パンの包装やボトル缶の音にすらビクビクして、袋系は僅かに尖った様な感覚が、脳にブチブチと刺さって堪らない。
仕事の進捗も鈍い上に、少しでもストレスがあるとミスも増えて、余計に神経が研ぎ澄まされてどうのしょうもない。
それでも課長には長い目で流してもらっているし、課の人々は特に良くしてもらっていて、どうやっても頭が上がらない。
それが更に僕の状態やパフォーマンスが、最早どうにもならないレベルに達して、パンをかじったまま沈殿する。
そうしていると、頭の上から僕の後頭部に向けて、いつの間にかフワフワした気配から、天使声が耳許に吹きかかった。
「どうかしましたか……?」
もうここも避難地に出来ないと諦めて、何ともないと返しながら、無理やり予備バッテリーに切り替える。
それだけかと聞かれればその通りで、まあとだけ曖昧に逃げると、「ふーん」と流されては立つ瀬が無い。
オフ時も目撃されれば真富居課長に報告されるか、これからの安息地をどうするか、午後も仕事が待っている。
あらゆるリスクがのしかかってくるのを無理に耐えて、再度目を向けると先の女子社員はどこかへ消えていた。
そんなもんだと、体力バッテリーのチャージを一応は再開しながら、ボトル缶のブラックコーヒーを呑む。
豆の質感やローストの苦味に、含有水分の甘味と全体的な奥行を確認して、僅かな何かを補給してアンパンをかじる。
しかし、強めの糖分に繊細な旨味が弱まって、今朝購入直後のようではなかったが、そう悪くはないと再考する。
帰りは特に何も無かったが、翌日の昼にまた例の女子社員が出現して、その後ろには更に二人ほど覗いている。
陽キャ軍団かとやや観念して済ましていると、やたらニコニコしながら横に陣取って、問答を要求してくるのをどうするか。
何かの手配師の如くにするかと思えば、自分も疲れたとか、ひとりでいるのはつまらないとか始まって仕舞った。
安息にもなるか分からない環境でも、多少でも充電したいのをフニフニと進撃して、こちらをじっと視ている。
あとのふたりも続いて正面にしゃがみ込んで、艶っぽい様な深刻そうな、うち一人は無難に済ましている。
それよりもこの状況は何かといっても、ひとりで少しでも息継ぎしたかっただけで、午後になれば残業も待っている。
確かに性質的にうつに似たような状態だが、真富居課長には色々と背負わせていて、残業も看てもらっている。
それも併せて人並みにならないのは、
苦にもしながらもマイペースでなければ、より追い込むからだろう。
すでに課長くらいには話していて、証明関係も提出済みの上で、仕事量もコントロールしてもらっている。
ただ、ひとは初めのうちは同情するも、直ぐにてのひらを返すリスクがある事は、親を看ればこれでもかと判る。
今の新世代世帯は分からないかもしれないが、数ヶ月中にはイジメられたくらいだから、僕は他人を信用できない。
その日は状況に流されておいたが、やはり今後のうちに何時また余計に苦しむか、そう思えば安息の地を探し直しだ。
その後も毎日昼呑みならず、残業まで僕の作業に参加してまで待つようになって、包囲網を貼っているのか。
「見つけたぜ?」
「アイツいた?」
「見つかったの?」
昼はどこへ逃げても必ず誰かに見つかって、スマホで通報し合うと分かってからは、基本的に観念している。
残業に参加する社員もさらに増えて、頭が上がらないくらいだったが、僕以外の方が圧倒的に作業が速い。
コッソリと大規模な残業が直ぐに終わって、課長は白い新型プリウスでニコニコしながら、スルリとお帰りになる。
「これからどぉ―しよっかぁ」
フニフニと声が吹きかかったには驚いて、僕はつい「おっおぅいぇい」と反応して仕舞ったが、腕にしがみついて来た。
やぁ~らかいナンカがフニフニ圧し付けられては、「ズルい」と反対側でも同じことが起きて、僕は少し固まった。
――どうしてこうなったぁぁぁ……――
もうひとりはアタマを後ろに手を組んで、特に何も無さそうにして、僕から目を逸らして横について来ている。
さらにはカラオケに行こうという事になって、とりつけた部屋で女子社員たちは、色々と注文を取り始めている。
――どうしてこうなったぁぁぁ……――
#HSP
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