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第二章
館の探索
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森の中で少女が肩で息をする。その周りには狼の死人が体を両断されていた。しかし、動いていないわけではない。死人であるからか臓物を撒き散らしてなお動き回る。その姿はまさに不死身の怪物だ。
「はぁっ……はぁっ……くそったれめ」
肩で息をしていた少女、ミーシャが狼のゾンビを忌々しげに見下ろす。一体、二体……三体と襲いかかられても、魔術で応戦できる。だが、それが何度も続くとなれば話は別だ。
平野から森の中へ入った後、何度も続く狼のゾンビに襲撃を受け、少しずつであるが魔力を消費させられている。指輪を取り返すために魔力を残しておかなければならないため、比較的戦闘を避けるように警戒しているのだが、数が多すぎるのか、何度も遭遇して戦闘するはめになっている。
迫り来る狼ゾンビを投擲が刻まれたルーン石で応戦したのだが、相手は半身が千切れても生者を貪ろうとする怪物。全身を灰になるまで焼き尽くせば殺すことはできるだろうが、そんなことすれば一発でバレてしまう。
魔物の多さに嫌気が差すと同時に何故これほどの不死者が出現するのか疑問に思う。
死人(ゾンビ)は放置された死体から生まれる。悪霊、怨霊が死体に取り憑き、生きている間に受けた不条理や理不尽をはらすかのように生者に襲いかかる。
これほどの死人が発生する原因として考えられるのは近くに大量の獣の死体があることだ。ここは地方とは言え貴族が住む場所――そんな付近に死体を放置しておくだろうか……いいや、そんなことはない。必ず処理するはずだ。
――そうしないのは何かの目的があるからなのだろう
樹木によじ登って注意深く周囲を見渡し、館を発見する。
馬の足跡を追いかけ、草原を駆け抜け、森に入り魔物をやり過ごしてここまで来た。潜入は指輪がなくなった今難しいかもしれないが、やらないという選択肢はない。
ミーシャが息を整え、魔力を感知するため集中する。しかし、術式が破壊されてしまったのか……指輪の在処は分からない。代わりに感じ取れたのは、館を包む結界の魔力――その起点だ。
一つ一つが独自に動いており、一つ潰されても僅かな隙間が空くだけの被害に収まる。そして、柵の内側には警備をしている騎士がいる。
指輪の魔力が感知できない以上、中に入って探し回るしかない。それも夜の内にだ。
懐に入っているルーン石を確かめる。攻撃系統の燃費の良い魔術道具は残り僅か……残りは探索系統のものばかりだ。
瞼を閉じ、一度だけ深く呼吸をする。
目的は指輪の奪還……絶対に見つかるな、捕まるな。戦闘は極力避けろ。
少女は、顔を引き締め立ち上がり、指輪の奪還に向けて動き出す。
豪華な絨毯が引いてある廊下をなるべく音を立てずに移動する。
騎士が身に付ける甲冑、何のためにあるのか分からない大きな壺……それらを横切り、奥へと進んでいく。
ミーシャの目の前をルーン石が滑っていく。
まるで、鼠が床を這うように素早く移動していくのに対し、ミーシャは周りに気を配りながら移動しており、ドンドンと距離が開いていく。
小石のような大きさのルーン石、夜の視界の悪さも相まってこれ以上離れれば見えなくなると思いきや、ミーシャから一定の距離を開くとピタッと急停止する。
そして、主人を待つ動物のようにミーシャが来るのをずっとその場で待ち、ミーシャが近寄ると再び、動き出す。
あの後、無事に侵入することが上手くいったミーシャは指輪の捜索を始めた。始めたのだが、過ごすのには問題ないのだが、一人で捜索を行なうのには、この館は大きすぎた。
敷地内には三つの館があり、騎士たちがいる場所を含めなくても100以上の部屋があるだろう。それらを一つ一つ丁寧に探していったら、朝になってしまう。
そうならないためにと使用したのが、ルーン石。探索のルーンが刻まれたルーン石全てを用い、指輪の探索を行なった。
探索のルーン――財と定めた物がどこにあるかを感知する魔術。大事な指輪を探すのにはピッタリの魔術だ。
ただ、広い館であったため、探索には時間が掛かってしまった。魔術の結果が出るまで大人しく待つしかないのだが、その間に警備の見回りが当然来るので、大きめの壺や甲冑の中に身を隠しながら待ち、しばらくすると結果が出たので、指輪の元まで案内をしてもらっているのだ。
窓から槍を持った騎士の姿を目にし、頭を下げて移動するが目の前に視線を戻し、一度も止まることがなかった足が止まった。
目の前にあったのは、館と館を繋ぐ連絡通路……そこに見張りの騎士が二人いた。片方の騎士は、視野を確保するためか、蝋燭に明かりを灯している。
見られたかと警戒するが、二人の表情におかしな点はない。どうやら暗闇でよく見えないのはあちらも同じらしい。
「あぁ、くそっ……また遠吠えが聞こえる。早くアイツらを追っ払って欲しいよ」
「このバカッ!何言ってんだ。そんなことして村とかが犠牲になったらどうするんだ?」
「す、すいません――でも、俺、不死者は苦手なんですよ」
「アホ、苦手じゃない奴なんているか。それよりも仕事しろ、仕事」
情けない声を上げる一人にピシャリと言い放つ。
蝋燭を持った騎士が返事をして周囲を見渡すが、いつもやっている行動なのだろう。その行為には注意深さが足りてないのが分かった。
ミーシャは探索のルーンを回収し、自分の懐にある袋を取り出す。袋の中身には残り少ないルーン石……。その中の一つ、投石が刻まれたルーン石を手に取り、狙いを定めて物陰から投擲する。
狙うのは蝋燭の火――狙いを定めたと言っても、10メートルある場所から小さな炎を狙うことなど難しい。だが、その困難を魔術は可能にする。
足りなかった飛距離を伸ばし、やや上方に向きを修正する。騎士たちに夜中で小石の見分けなど付くはずもなく、蝋燭の火が唐突に消えたことに驚いた。
「おわっ――火が消えちまった」
「何だ?風か?」
「いや、風は吹いませんでしたよ?」
疑問を浮かべる騎士たちは首をかしげ、何かあるのかと周りを見ても、視野が上手く効かないため、確認のしようがない。考えているばかりでいつまで経っても答えは出てこないと判断した二人はこんなこともあるのだろうとあまり深く考えないことにした。
「仕方ない。火を貰って来ます。直ぐ戻るので見張っていて下さい」
「分かった、早く戻って来いよ」
そう言って、蝋燭を持って一人が奥へと消えていく。それを見届けたミーシャは次の行動に移った。
ミーシャの隠れている物陰は窓ガラスと対面になっている。それに向けて袋の中から適当なルーン石を掴み取り、一度で割れるように思い切り投げつける。既に投石のルーンは何度も使用しているせいで底を着いた。それでもガラス一枚を割るのに魔術は使わなくても大丈夫であるし、精度もそれほど必要ではない。ようはガラスが割れれば良いのだ。
パリンッと硬質な音を立てて割れる。それに気付かない警備ではない。
近づいてくる騎士の視野に入らぬよう物陰に隠れ、ジッとする。近づいてくる足音に見つかるかもしれないという緊張感で冷や汗が止まらない。
「何なんだ、一体……あぁクソ、割れてやがる」
割れたガラスに気を取られた瞬間に、ミーシャがその後ろを通過する。
バクバクと心臓を鳴らしながら、気付かない内にと忍び足で……しかし、急いで通路を渡っていく。
「ん?」
「――ッ!!」
騎士がミーシャの方へと向く一瞬前、向かいの館に渡りきり、物陰へと飛び込む。
マントの端が見られていないかと焦るが、騎士がガラスを拾い集める作業を始めるのを見て、胸をなで下ろした。
この敷地内にある館は三つ、方向的に考えてこの館の中にあるのは間違いない。
探索のルーン石を取り出し、ミーシャは静かに走り出した。
「はぁっ……はぁっ……くそったれめ」
肩で息をしていた少女、ミーシャが狼のゾンビを忌々しげに見下ろす。一体、二体……三体と襲いかかられても、魔術で応戦できる。だが、それが何度も続くとなれば話は別だ。
平野から森の中へ入った後、何度も続く狼のゾンビに襲撃を受け、少しずつであるが魔力を消費させられている。指輪を取り返すために魔力を残しておかなければならないため、比較的戦闘を避けるように警戒しているのだが、数が多すぎるのか、何度も遭遇して戦闘するはめになっている。
迫り来る狼ゾンビを投擲が刻まれたルーン石で応戦したのだが、相手は半身が千切れても生者を貪ろうとする怪物。全身を灰になるまで焼き尽くせば殺すことはできるだろうが、そんなことすれば一発でバレてしまう。
魔物の多さに嫌気が差すと同時に何故これほどの不死者が出現するのか疑問に思う。
死人(ゾンビ)は放置された死体から生まれる。悪霊、怨霊が死体に取り憑き、生きている間に受けた不条理や理不尽をはらすかのように生者に襲いかかる。
これほどの死人が発生する原因として考えられるのは近くに大量の獣の死体があることだ。ここは地方とは言え貴族が住む場所――そんな付近に死体を放置しておくだろうか……いいや、そんなことはない。必ず処理するはずだ。
――そうしないのは何かの目的があるからなのだろう
樹木によじ登って注意深く周囲を見渡し、館を発見する。
馬の足跡を追いかけ、草原を駆け抜け、森に入り魔物をやり過ごしてここまで来た。潜入は指輪がなくなった今難しいかもしれないが、やらないという選択肢はない。
ミーシャが息を整え、魔力を感知するため集中する。しかし、術式が破壊されてしまったのか……指輪の在処は分からない。代わりに感じ取れたのは、館を包む結界の魔力――その起点だ。
一つ一つが独自に動いており、一つ潰されても僅かな隙間が空くだけの被害に収まる。そして、柵の内側には警備をしている騎士がいる。
指輪の魔力が感知できない以上、中に入って探し回るしかない。それも夜の内にだ。
懐に入っているルーン石を確かめる。攻撃系統の燃費の良い魔術道具は残り僅か……残りは探索系統のものばかりだ。
瞼を閉じ、一度だけ深く呼吸をする。
目的は指輪の奪還……絶対に見つかるな、捕まるな。戦闘は極力避けろ。
少女は、顔を引き締め立ち上がり、指輪の奪還に向けて動き出す。
豪華な絨毯が引いてある廊下をなるべく音を立てずに移動する。
騎士が身に付ける甲冑、何のためにあるのか分からない大きな壺……それらを横切り、奥へと進んでいく。
ミーシャの目の前をルーン石が滑っていく。
まるで、鼠が床を這うように素早く移動していくのに対し、ミーシャは周りに気を配りながら移動しており、ドンドンと距離が開いていく。
小石のような大きさのルーン石、夜の視界の悪さも相まってこれ以上離れれば見えなくなると思いきや、ミーシャから一定の距離を開くとピタッと急停止する。
そして、主人を待つ動物のようにミーシャが来るのをずっとその場で待ち、ミーシャが近寄ると再び、動き出す。
あの後、無事に侵入することが上手くいったミーシャは指輪の捜索を始めた。始めたのだが、過ごすのには問題ないのだが、一人で捜索を行なうのには、この館は大きすぎた。
敷地内には三つの館があり、騎士たちがいる場所を含めなくても100以上の部屋があるだろう。それらを一つ一つ丁寧に探していったら、朝になってしまう。
そうならないためにと使用したのが、ルーン石。探索のルーンが刻まれたルーン石全てを用い、指輪の探索を行なった。
探索のルーン――財と定めた物がどこにあるかを感知する魔術。大事な指輪を探すのにはピッタリの魔術だ。
ただ、広い館であったため、探索には時間が掛かってしまった。魔術の結果が出るまで大人しく待つしかないのだが、その間に警備の見回りが当然来るので、大きめの壺や甲冑の中に身を隠しながら待ち、しばらくすると結果が出たので、指輪の元まで案内をしてもらっているのだ。
窓から槍を持った騎士の姿を目にし、頭を下げて移動するが目の前に視線を戻し、一度も止まることがなかった足が止まった。
目の前にあったのは、館と館を繋ぐ連絡通路……そこに見張りの騎士が二人いた。片方の騎士は、視野を確保するためか、蝋燭に明かりを灯している。
見られたかと警戒するが、二人の表情におかしな点はない。どうやら暗闇でよく見えないのはあちらも同じらしい。
「あぁ、くそっ……また遠吠えが聞こえる。早くアイツらを追っ払って欲しいよ」
「このバカッ!何言ってんだ。そんなことして村とかが犠牲になったらどうするんだ?」
「す、すいません――でも、俺、不死者は苦手なんですよ」
「アホ、苦手じゃない奴なんているか。それよりも仕事しろ、仕事」
情けない声を上げる一人にピシャリと言い放つ。
蝋燭を持った騎士が返事をして周囲を見渡すが、いつもやっている行動なのだろう。その行為には注意深さが足りてないのが分かった。
ミーシャは探索のルーンを回収し、自分の懐にある袋を取り出す。袋の中身には残り少ないルーン石……。その中の一つ、投石が刻まれたルーン石を手に取り、狙いを定めて物陰から投擲する。
狙うのは蝋燭の火――狙いを定めたと言っても、10メートルある場所から小さな炎を狙うことなど難しい。だが、その困難を魔術は可能にする。
足りなかった飛距離を伸ばし、やや上方に向きを修正する。騎士たちに夜中で小石の見分けなど付くはずもなく、蝋燭の火が唐突に消えたことに驚いた。
「おわっ――火が消えちまった」
「何だ?風か?」
「いや、風は吹いませんでしたよ?」
疑問を浮かべる騎士たちは首をかしげ、何かあるのかと周りを見ても、視野が上手く効かないため、確認のしようがない。考えているばかりでいつまで経っても答えは出てこないと判断した二人はこんなこともあるのだろうとあまり深く考えないことにした。
「仕方ない。火を貰って来ます。直ぐ戻るので見張っていて下さい」
「分かった、早く戻って来いよ」
そう言って、蝋燭を持って一人が奥へと消えていく。それを見届けたミーシャは次の行動に移った。
ミーシャの隠れている物陰は窓ガラスと対面になっている。それに向けて袋の中から適当なルーン石を掴み取り、一度で割れるように思い切り投げつける。既に投石のルーンは何度も使用しているせいで底を着いた。それでもガラス一枚を割るのに魔術は使わなくても大丈夫であるし、精度もそれほど必要ではない。ようはガラスが割れれば良いのだ。
パリンッと硬質な音を立てて割れる。それに気付かない警備ではない。
近づいてくる騎士の視野に入らぬよう物陰に隠れ、ジッとする。近づいてくる足音に見つかるかもしれないという緊張感で冷や汗が止まらない。
「何なんだ、一体……あぁクソ、割れてやがる」
割れたガラスに気を取られた瞬間に、ミーシャがその後ろを通過する。
バクバクと心臓を鳴らしながら、気付かない内にと忍び足で……しかし、急いで通路を渡っていく。
「ん?」
「――ッ!!」
騎士がミーシャの方へと向く一瞬前、向かいの館に渡りきり、物陰へと飛び込む。
マントの端が見られていないかと焦るが、騎士がガラスを拾い集める作業を始めるのを見て、胸をなで下ろした。
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