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第三章
前半戦決着
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「ほうほう……この若いのが」
「ええ!!私はこの方の熱意に心動かされました。是非この方に力を貸したいんです!!」
「お主…………この後、儂らも戦うこと忘れてない?」
手を組める人を連れてきたと思ったら、突然この大会に参加することになった経緯を拳を握りながら熱弁するレギン。その姿に目的を忘れているんじゃないかと心配しながら尋ねてしまう。
「あのぅ……この方が先程言っていた?」
「はい!!こちらが私のチームである「はいはい、お主は少し黙っておれ」――むぐっ」
全く止まらないレギンの口に懐から取り出した饅頭を押し当てる。最後まで言わせて貰えなかったレギンは不満げだったが、直ぐに口の中に広がる甘い食感に夢中になる。
老人と青年はその間に話を進めていく。
「儂らは最後まで残り、トーナメントになれば全力で当たる。という条件でここに集まっておるが、お主はそれで良いということかのう」
「ええ、僕もお義夫さんに認めて貰わなければなりませんから……」
「そうか、まぁ頑張ってくれ。もし当たったら手加減はせんがのう」
老人の見立てではこの青年はまだ戦士としては未熟――しかし、戦いに参加する決意は買っても良いものだと考え、手を組むことを許し、確固たる決意を持って頷いた男に微笑みながら背を叩く。そんな二人の後ろでは相変わらず饅頭の甘さを味わいながらも二人を見つめるレギンがいた。
騒がしかった観客がよりいっそう騒がしくなる。
「ふむ、この騒ぎよう……もう少しで決着がつくかもしれんのう」
「――!!」
「あわわわわわ!?」
老人が髭を撫でながら口にした言葉に饅頭を口に含みながらレギンがリングの見れる位置に駆け寄り、男は迫る戦いの時間に焦りを感じ始める。
饅頭を飲み込み、人波をかぎ分けてレギンがようやくリングの見える立ち位置に立つ。目に映ったのは残り少なくなった闘技者達――その中でも確実に残るであろう三名だ。
「マルジーナ選手が大きく吹き飛ばされた!ロック選手の怪力無双は伊達ではない!!おーーとっ!?そのロック選手に向けて突撃するのはマルテ選手ぅ!!マルテさーんそんなガチムチ男コテンパンにしちゃってーーー!!」
実況の通り、通常の二倍はありそうな巨漢の男に槍を手に取った女性が突っ込んで行く。それを目にしたのか、ロックも鉄槌を持ち直し、突撃してくるマルテに迎え討つ準備をする。
もはや二人の戦いを邪魔するほどの人数はリング上にはいない。更にマルテが加速する。自らが一本の槍のように真っ直ぐに恐れることなく向かっていく。
それはロックも同様だ。彼がどっしりと構えて立っているだけで、巨大な岩を連想させる。動きは鈍重だが、真っ直ぐ突っ込んでくる相手にカウンターを合わせることなど簡単だ。間合いに入る瞬間に、鉄槌を振るう。リングのタイルを削り飛ばしながら、右下からマルテ目掛けて鉄槌が迫る。
そんな回避不能な一撃をマルテは足で蹴った。
「と、跳んだぁーーーー!?マルテ選手、ロック選手の鉄槌に合わせて空高く跳びましたぁ!!ヒュウッカァックイィー!!さながら現代の戦乙女だぁ!!」
空高く跳んだマルテに誰もが驚愕する。怪力を難なく吸収する柔軟な全身バネがなければ無事ではなかっただろう。
高く跳んだマルテを誰もが目で追いかけるが、時間が悪かった。現在の時間は正午。太陽が真上に昇る時間だ。
目で追いかけた者は太陽と重なったマルテを直視できずに目を覆う。それはロックも同じだった。手で覆うことはしなかったものの、マルテの動きが見えなかった。それが勝敗を分けた。
「――ガッ」
「巨大な槍がロック選手の腕を貫いたぁ!!これでは鉄槌を振るえない!!やばい、やばいぞぉ!?」
巨大な鉄槌はロックであったとしても二本の腕が必要だ。腕一本ではどうしようもない。そこで、自らの戦いが敗北に終わったことをロックは確信した。彼は足掻くでも泣き叫ぶでもなく迫る拳を甘んじて受け入れた。
「乙女の鉄拳炸裂ぅ!!顔面もろだぁ~アレは痛い!!」
勝利したマルテに向かって拍手を送る者もいるが、まだ戦いは終わっていないとマルテは槍を持って別の戦いに乱入していく。自分とは不利な相手を叩き落としていく作戦だろう。
「――中々の娘じゃのう」
「ご老公!?いつの間に……」
戦いを食い入るように見ていたレギンが隣にいつの間にか現れた老人に驚く。
「ほっほっほ」
「いや、ほっほっほじゃないですよ」
暢気に笑う老人にツッコミを入れるが、相変わらず老人は笑い続ける。この老人が筋骨隆々の奴らでせめぎ合った場所をどうやって突破してきたのか気になった。着ている服も着崩れている様子もないし、体力を消費している様子もないのだ。本当に暗殺者なんじゃないかと疑ってしまう。
「それにしても、大体絞られてきたのう」
「えぇ」
残り十名――後半分の人数が脱落すれば、明日のトーナメント戦に出場できるメンバーが決定する。
「若いの……誰が残ると思う?」
「え?私ですか?…………えっと、そうですね」
リング上で血を流し、戦う戦士達一人一人を観察し、悩んだあげく取りあえず、実力がなさそうな者から示すことにした。
「取りあえず、お坊ちゃまはないかな……」
「ほう、何故じゃ?」
「明らかに戦いを避けています。周りを騎士が守っていますが、そこにマルテさんが向かっています。騎士三人が守っていますが、実力はマルテさんの方が上ですから脱落は確実だと思いますよ」
他の者達は分からないが、これには自信がある。足運び、体重移動。どれを見ても騎士三人よりもマルテ一人の方が強い。貴族の坊ちゃんは数に入れてない。ある程度剣は使えるようだが、リング上にいる闘技者の中で一番お粗末だからだ。
しかし、それに異を唱えたのは老人だった。
「それは、まだ分からんぞ?」
「どういうことです?」
自信満々に宣言したことに異を唱えられて目を白黒させるレギン。老人はそんなレギンを気にすることなく続ける。
「お主は、貴族の坊主を守っているのが騎士三人だけと言ったな?」
「そうじゃないんですか?」
「見ておれ」
老人がリングの上を指し示す。老人の指し示した方向では、マルテが貴族に向かっている。それに気付いた騎士三人が前に出るが、実力はマルテの方が上、瞬く間に片付けられてしまった。これで貴族の方が敗北する。レギンの言葉通りに……しかし次の瞬間、横で戦っていた老戦士が、戦っていた剣士に吹き飛ばされて偶然間に入り、貴族に向けて突き出された槍を斧で受け流す結果となった。
「あれは……」
「もう分かったじゃろ……横で戦っていた剣士と老戦士も貴族の護衛じゃよ。あっ――ちなみに離れて戦っておる奴らも貴族側の奴らじゃ」
「え?」
老戦士を追って剣士も戦いに乱入してくる。だが、実質二対一。そして、実力は拮抗している。ジワジワとマルテがリングの端へと追い詰められていく。
女一人に男二人で責める様子に野次を飛ばす者やマルテを応援する声が聞こえるが、応援も虚しく、場外へと押し出されてしまった。
マルテが場外へと押し出された瞬間に、終了を告げる太鼓の音が闘技場に響き渡る。
「終了ーー!!約三百名の内に残った五名が決まったぁー!!個人的にはマルテちゃんが残って欲しかったけど仕方ない。さぁて!!前半戦は終わり、半刻すれば後半戦が始まります。この間にトイレや食事は済ませておいて下さいよお客さん!!熱く戦士がぶつかり合う後半戦――絶対に見逃さないように!!」
残念がる声、勝利を喜ぶ声――様々な声が闘技場に響き渡る。残ったのは、貴族とその護衛である剣士と老戦士、そして、傭兵と騎士だった。
全てが貴族の味方。これであの貴族はトーナメントで無事に勝ち残る確率がかなり高くなっただろう。
「結局有利なのは貴族なんですかね……」
リング上で勝ち誇る貴族を客席から見下ろす。
「さぁのう……しかし、負ける気はさらさらないんじゃろう?」
「当たり前ですよ」
まるで既に勝利を確定したように笑っている貴族がレギンの癇に障ったのか、吐き捨てるように言い放ち、レギンはその場を後にした。
「ええ!!私はこの方の熱意に心動かされました。是非この方に力を貸したいんです!!」
「お主…………この後、儂らも戦うこと忘れてない?」
手を組める人を連れてきたと思ったら、突然この大会に参加することになった経緯を拳を握りながら熱弁するレギン。その姿に目的を忘れているんじゃないかと心配しながら尋ねてしまう。
「あのぅ……この方が先程言っていた?」
「はい!!こちらが私のチームである「はいはい、お主は少し黙っておれ」――むぐっ」
全く止まらないレギンの口に懐から取り出した饅頭を押し当てる。最後まで言わせて貰えなかったレギンは不満げだったが、直ぐに口の中に広がる甘い食感に夢中になる。
老人と青年はその間に話を進めていく。
「儂らは最後まで残り、トーナメントになれば全力で当たる。という条件でここに集まっておるが、お主はそれで良いということかのう」
「ええ、僕もお義夫さんに認めて貰わなければなりませんから……」
「そうか、まぁ頑張ってくれ。もし当たったら手加減はせんがのう」
老人の見立てではこの青年はまだ戦士としては未熟――しかし、戦いに参加する決意は買っても良いものだと考え、手を組むことを許し、確固たる決意を持って頷いた男に微笑みながら背を叩く。そんな二人の後ろでは相変わらず饅頭の甘さを味わいながらも二人を見つめるレギンがいた。
騒がしかった観客がよりいっそう騒がしくなる。
「ふむ、この騒ぎよう……もう少しで決着がつくかもしれんのう」
「――!!」
「あわわわわわ!?」
老人が髭を撫でながら口にした言葉に饅頭を口に含みながらレギンがリングの見れる位置に駆け寄り、男は迫る戦いの時間に焦りを感じ始める。
饅頭を飲み込み、人波をかぎ分けてレギンがようやくリングの見える立ち位置に立つ。目に映ったのは残り少なくなった闘技者達――その中でも確実に残るであろう三名だ。
「マルジーナ選手が大きく吹き飛ばされた!ロック選手の怪力無双は伊達ではない!!おーーとっ!?そのロック選手に向けて突撃するのはマルテ選手ぅ!!マルテさーんそんなガチムチ男コテンパンにしちゃってーーー!!」
実況の通り、通常の二倍はありそうな巨漢の男に槍を手に取った女性が突っ込んで行く。それを目にしたのか、ロックも鉄槌を持ち直し、突撃してくるマルテに迎え討つ準備をする。
もはや二人の戦いを邪魔するほどの人数はリング上にはいない。更にマルテが加速する。自らが一本の槍のように真っ直ぐに恐れることなく向かっていく。
それはロックも同様だ。彼がどっしりと構えて立っているだけで、巨大な岩を連想させる。動きは鈍重だが、真っ直ぐ突っ込んでくる相手にカウンターを合わせることなど簡単だ。間合いに入る瞬間に、鉄槌を振るう。リングのタイルを削り飛ばしながら、右下からマルテ目掛けて鉄槌が迫る。
そんな回避不能な一撃をマルテは足で蹴った。
「と、跳んだぁーーーー!?マルテ選手、ロック選手の鉄槌に合わせて空高く跳びましたぁ!!ヒュウッカァックイィー!!さながら現代の戦乙女だぁ!!」
空高く跳んだマルテに誰もが驚愕する。怪力を難なく吸収する柔軟な全身バネがなければ無事ではなかっただろう。
高く跳んだマルテを誰もが目で追いかけるが、時間が悪かった。現在の時間は正午。太陽が真上に昇る時間だ。
目で追いかけた者は太陽と重なったマルテを直視できずに目を覆う。それはロックも同じだった。手で覆うことはしなかったものの、マルテの動きが見えなかった。それが勝敗を分けた。
「――ガッ」
「巨大な槍がロック選手の腕を貫いたぁ!!これでは鉄槌を振るえない!!やばい、やばいぞぉ!?」
巨大な鉄槌はロックであったとしても二本の腕が必要だ。腕一本ではどうしようもない。そこで、自らの戦いが敗北に終わったことをロックは確信した。彼は足掻くでも泣き叫ぶでもなく迫る拳を甘んじて受け入れた。
「乙女の鉄拳炸裂ぅ!!顔面もろだぁ~アレは痛い!!」
勝利したマルテに向かって拍手を送る者もいるが、まだ戦いは終わっていないとマルテは槍を持って別の戦いに乱入していく。自分とは不利な相手を叩き落としていく作戦だろう。
「――中々の娘じゃのう」
「ご老公!?いつの間に……」
戦いを食い入るように見ていたレギンが隣にいつの間にか現れた老人に驚く。
「ほっほっほ」
「いや、ほっほっほじゃないですよ」
暢気に笑う老人にツッコミを入れるが、相変わらず老人は笑い続ける。この老人が筋骨隆々の奴らでせめぎ合った場所をどうやって突破してきたのか気になった。着ている服も着崩れている様子もないし、体力を消費している様子もないのだ。本当に暗殺者なんじゃないかと疑ってしまう。
「それにしても、大体絞られてきたのう」
「えぇ」
残り十名――後半分の人数が脱落すれば、明日のトーナメント戦に出場できるメンバーが決定する。
「若いの……誰が残ると思う?」
「え?私ですか?…………えっと、そうですね」
リング上で血を流し、戦う戦士達一人一人を観察し、悩んだあげく取りあえず、実力がなさそうな者から示すことにした。
「取りあえず、お坊ちゃまはないかな……」
「ほう、何故じゃ?」
「明らかに戦いを避けています。周りを騎士が守っていますが、そこにマルテさんが向かっています。騎士三人が守っていますが、実力はマルテさんの方が上ですから脱落は確実だと思いますよ」
他の者達は分からないが、これには自信がある。足運び、体重移動。どれを見ても騎士三人よりもマルテ一人の方が強い。貴族の坊ちゃんは数に入れてない。ある程度剣は使えるようだが、リング上にいる闘技者の中で一番お粗末だからだ。
しかし、それに異を唱えたのは老人だった。
「それは、まだ分からんぞ?」
「どういうことです?」
自信満々に宣言したことに異を唱えられて目を白黒させるレギン。老人はそんなレギンを気にすることなく続ける。
「お主は、貴族の坊主を守っているのが騎士三人だけと言ったな?」
「そうじゃないんですか?」
「見ておれ」
老人がリングの上を指し示す。老人の指し示した方向では、マルテが貴族に向かっている。それに気付いた騎士三人が前に出るが、実力はマルテの方が上、瞬く間に片付けられてしまった。これで貴族の方が敗北する。レギンの言葉通りに……しかし次の瞬間、横で戦っていた老戦士が、戦っていた剣士に吹き飛ばされて偶然間に入り、貴族に向けて突き出された槍を斧で受け流す結果となった。
「あれは……」
「もう分かったじゃろ……横で戦っていた剣士と老戦士も貴族の護衛じゃよ。あっ――ちなみに離れて戦っておる奴らも貴族側の奴らじゃ」
「え?」
老戦士を追って剣士も戦いに乱入してくる。だが、実質二対一。そして、実力は拮抗している。ジワジワとマルテがリングの端へと追い詰められていく。
女一人に男二人で責める様子に野次を飛ばす者やマルテを応援する声が聞こえるが、応援も虚しく、場外へと押し出されてしまった。
マルテが場外へと押し出された瞬間に、終了を告げる太鼓の音が闘技場に響き渡る。
「終了ーー!!約三百名の内に残った五名が決まったぁー!!個人的にはマルテちゃんが残って欲しかったけど仕方ない。さぁて!!前半戦は終わり、半刻すれば後半戦が始まります。この間にトイレや食事は済ませておいて下さいよお客さん!!熱く戦士がぶつかり合う後半戦――絶対に見逃さないように!!」
残念がる声、勝利を喜ぶ声――様々な声が闘技場に響き渡る。残ったのは、貴族とその護衛である剣士と老戦士、そして、傭兵と騎士だった。
全てが貴族の味方。これであの貴族はトーナメントで無事に勝ち残る確率がかなり高くなっただろう。
「結局有利なのは貴族なんですかね……」
リング上で勝ち誇る貴族を客席から見下ろす。
「さぁのう……しかし、負ける気はさらさらないんじゃろう?」
「当たり前ですよ」
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