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夢魔討伐編
第13話
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魔人族の戦士たちが港へと押し寄せるのを尻目に屋根を伝って王城を目指す。
フォルテムは潜入部隊に敵の大将の居所を探らせていたらしい。
他にもフォルテムは潜入部隊に攻める時に有利になるように様々な細工を施させていた。
食糧庫に火を放ったり、武器庫に忍び込み、弓に細工をしたり、剣を盗んだり、油をタップリ詰め込んだ皮袋を戦士たちの休んでいる宿舎に投げ込んだり、毒のある魚を食料に忍ばせたり、とかなりの妨害を行ったと語ってくれた。
戦いにおいて私は敵に容赦はしないが、戦いが始まってもいないのに倒れてしまう魔人族には同情してしまう。
見下ろせば、路地裏には下呂を吐き散らす魔人族や武器がない、弓が切れたと騒ぐ魔人族がいる。
それが全体の半分。つまり、残りの半分はフォルテムたちを殺すために港へ向かっているということ。
フォルテムたちは港に繋がる通路を家を破壊することで塞ぎながら船出の準備を進めている。
全軍では呆気なく突破されてしまうが、残り半分程度なら防ぎ切れるだろう。
船に乗ることができれば、後は一方的にバリスタで攻撃できるし、上手く行けば私の援護もできるかもとフォルテムは口にしていた。
「まぁ、その前に私は終わらせるけどねッ」
屋根から飛び上がり、壁を乗り越え王城の中へと侵入し、目を見開いた。
氷の山と岩の城。
摩訶不思議な光景に目を奪われる。
おとぎの国にでも出てきそうな城だ。城には人影は見当たらず、がらんとしているが、逆にそれが城の神秘さを醸し出している。
「貴様、何者だ!?」
「っと、不味い。こんなことしている場合じゃなかった」
魔人族の声で我に返り、細剣を抜き放つ。
先程まで誰もいなかった通路には魔人族で溢れ返っていた。
「森人? ふん、軟弱な種族が剣など持って――」
言い切る前に魔人族の喉を掻き斬る。
相手が一人だと油断している魔人族たちの思考が切り替わる前に続けて細剣を振るう。
「妖精剣術『風鈴』」
不規則な動きで魔人族の間をすり抜ける。風が通ったとしか思えない速度、魔人族は誰一人として私を捉えることができなかった。
ほぼ同時に魔人族が血を吹き出し、苦しみながら倒れていく。
「汚い音色……」
細剣に付いた血を払い、私は敵の大将のいる所へと向かう。
「あなたが魔人族の大将か?」
城の庭園で魔人族に護衛された人物を見つけて声を掛ける。
問いを投げたが、殆ど確信していた。フォルテムから敵大将の特徴は全て聞いていたのだ。その特徴に目の前の人物はピッタリと当てはまる。
長身の女性、白い肌、そして二つの白銀の剣。それがフォルテムから聞いた情報だ。
男の魔人族に囲まれているが、女性でありながらその人物は他よりも頭一つ高く、青ではなく雪のような白い肌、左右の腰に一本ずつある剣。
これだけ特徴が合っていて間違い何てことはないだろう。
「大将かどうか、か」
ゆっくりと女の魔人族が私に体を向ける。
「森人族、確信がないのなら一人でも敵の大将の顔を知っている者を連れて来るべきだったな。情報は貰っているだろうが、私が替え玉だったらどうするつもりだ?」
「そうなったらそうなっただ。あなたを片付けて探すよ」
「ふっ戦争の経験がないのか? そんな悠長な時間は戦争にないぞ」
「そういうあなたも随分とゆっくりしているようだが?」
売り言葉に買い言葉で応酬する。
私の周囲には魔人族が付かず離れずの距離を保っている。逃がすつもりはないようだ。逃げることなんてしないけど。
「良いんだよ。私は……地の利、天の利がそちらにあったとしても戦力差を覆らすほどではない」
「確かに、そうだな。だが、あなたの首を取れば状況は変わる」
魔人族の女性に細剣を突き付ける。
この距離なら一呼吸の内に殺せる。
それでも魔人族の女性は焦った様子を見せない。柄に手を伸ばそうともしない。
「そんな作戦私が予期していなかったとでも思うのか? 当然、対策はしてあるさ」
「私に討ち取られない自信があるようだな」
「当たり前だろう。私を誰だと思っている」
「ならば、剣を構えろ。名を告げろ。そしてすぐに首を刎ねてやる」
「ハッ――」
小馬鹿にするように魔人族の女性が嗤う。
「馬鹿が、私が何でここにいるかも想像できない小娘が調子にのるんじゃねぇよ」
その瞬間、地面が崩れた。
足場がなくなり、重力に従って下へと落ちる。
下には大量の怪物の群れが涎を垂らしていた。
「敵大将を狙いに来た手練れを殺すために用意した罠だ。たった一人だけで私を討ち取りに来るというのは予想外だったが、まぁ良い。限界まで飢えた獣の牙と爪、思う存分味わうと良い」
何故、敵の大将が城の庭園にいたのか理解する。
これを狙っていたのだ。
戦力差を覆すために大将を討ち取りに来る者を嵌めるための作戦。大将が出ずとも戦力に余裕があるからこそ彼女はこの作戦を取ったのだろう。決死の覚悟で戦いに挑みに来た者を嘲笑うために。
「趣味が悪い。わざわざ庭園を造り変える何て頑張る方向性が間違っているぞ」
敵の大将の性格の悪さに苦笑いする。
もしかしたら、敵がここに来るまでに討ち取られているかもしれない。もっと言うならここに来なかった場合もある。
こんなことに庭園を造り変える何て馬鹿げている。自分の策にそれほど自信があったのか、それとも馬鹿なのか。
まぁ、私がここに来てしまったので相手の計画通りにことが進んでいると言っても良いのだが。
「まぁ、これから先は計画通りに何て進めさせないけどね」
そう口にして飛び掛かって来た怪物をひらりと避けて、その背中を蹴った。
トトン、と続けて飛び掛かる怪物、落ちてくる瓦礫を足場にする。
「え?」
「邪魔だ」
覗きに来た魔人族の戦士の頭を細剣で突き刺し、地上へと戻る。
目を丸くする女の魔人族に薄い笑みを張り付けて口を開く。
「へーい、呆気ない罠のお返しをしに来てやったぞ。アルビノ魔人族。その頭と胴体に綺麗に穴を開けてやるから泣いて喜ぶと良い」
「罠一つ回避したぐらいで調子にのるなよ小娘。それで死んでいればと後悔することになるぞ」
「だったら後悔させてみろ。おばさん」
ビキッと女の魔人族の額に青筋が浮かぶ。
周囲にいた魔人族の誰かが息を飲む音が聞こえた。
「我が名は偉大なる魔人王に忠義を尽くす四天王が一人、夢魔――メトゥス・ディーバ」
「森人族ヴェネディクティアの娘、リボルヴィア」
互いに名乗りを上げる。
メトゥスが両手を広げると同時に周囲にいた魔人族の戦士も動き出し、私もメトゥス目掛けて走り出した。
「そう来ると思っていた」
真っ直ぐに走る私を見てメトゥスが笑みを深める。
瞬間、私の目の前を氷の壁が遮った。
横を見れば、地面に手を付ける魔人族の姿がある。
「氷の壁を作る輝術か」
「こっちじゃ魔術って言うんだよ。それに、氷の壁を作るだけじゃねぇッ」
私を囲む様に壁が作られ、続けて上から氷柱が落ちて来る。
速い。魔人族は輝術が得意な種族ではないと聞いていたのに、このレベルで使用できるのか。
魔人王の側近である魔人四天王の配下ともなれば、実力は相当高いのだろう。だけど――。
「その壁、薄過ぎるよ」
足に力を込め、蹴る。
「妖精剣術『無窮一刺・破城』」
一撃、ではない。私に一撃で壁を破る力はない。しかし、多少の傷はつけられるし、何より速さには自信があった。
一撃に見える速度の連撃を氷の壁に叩き込み、破壊する。
氷の壁を突き破り、間に割り込んで来た魔人族も跳ね飛ばし、メトゥスに細剣を突き付ける。
メトゥスが咄嗟に両腰にあった剣を掲げた。
細剣と二刀がぶつかり合った瞬間、百を超える剣戟と火花が散る。
「ッ――」
「――飛べ」
圧倒的速度による数百の連続突き技を受けたメトゥスが剣を弾かれ、衝撃を受け切れずに後方に吹き飛ぶ。
庭園にあった草木が倒され、地面に転がり、庭園の端でようやく止まった。
再度、剣と二刀がぶつかり合う。だが、今度は弾かれることなく拮抗した。
「亜種巨人と違って弱いと思ったけど、そうでもないのか」
「舐めるなよクソガキがッ!!」
追撃を弾き返され、距離が開く。
ようやく私を敵として見たメトゥスが二刀を構える。その立ち姿は油断していた先程とは違い、隙が無い。
ようやく本格的な戦いを始められる。
かつて敗北した存在と同じ肩書を持つ者との戦い。どれだけ私が強くなれたのかを測るには丁度良い。
そう考えてほくそ笑み、私は細剣を構え、走り出した。
フォルテムは潜入部隊に敵の大将の居所を探らせていたらしい。
他にもフォルテムは潜入部隊に攻める時に有利になるように様々な細工を施させていた。
食糧庫に火を放ったり、武器庫に忍び込み、弓に細工をしたり、剣を盗んだり、油をタップリ詰め込んだ皮袋を戦士たちの休んでいる宿舎に投げ込んだり、毒のある魚を食料に忍ばせたり、とかなりの妨害を行ったと語ってくれた。
戦いにおいて私は敵に容赦はしないが、戦いが始まってもいないのに倒れてしまう魔人族には同情してしまう。
見下ろせば、路地裏には下呂を吐き散らす魔人族や武器がない、弓が切れたと騒ぐ魔人族がいる。
それが全体の半分。つまり、残りの半分はフォルテムたちを殺すために港へ向かっているということ。
フォルテムたちは港に繋がる通路を家を破壊することで塞ぎながら船出の準備を進めている。
全軍では呆気なく突破されてしまうが、残り半分程度なら防ぎ切れるだろう。
船に乗ることができれば、後は一方的にバリスタで攻撃できるし、上手く行けば私の援護もできるかもとフォルテムは口にしていた。
「まぁ、その前に私は終わらせるけどねッ」
屋根から飛び上がり、壁を乗り越え王城の中へと侵入し、目を見開いた。
氷の山と岩の城。
摩訶不思議な光景に目を奪われる。
おとぎの国にでも出てきそうな城だ。城には人影は見当たらず、がらんとしているが、逆にそれが城の神秘さを醸し出している。
「貴様、何者だ!?」
「っと、不味い。こんなことしている場合じゃなかった」
魔人族の声で我に返り、細剣を抜き放つ。
先程まで誰もいなかった通路には魔人族で溢れ返っていた。
「森人? ふん、軟弱な種族が剣など持って――」
言い切る前に魔人族の喉を掻き斬る。
相手が一人だと油断している魔人族たちの思考が切り替わる前に続けて細剣を振るう。
「妖精剣術『風鈴』」
不規則な動きで魔人族の間をすり抜ける。風が通ったとしか思えない速度、魔人族は誰一人として私を捉えることができなかった。
ほぼ同時に魔人族が血を吹き出し、苦しみながら倒れていく。
「汚い音色……」
細剣に付いた血を払い、私は敵の大将のいる所へと向かう。
「あなたが魔人族の大将か?」
城の庭園で魔人族に護衛された人物を見つけて声を掛ける。
問いを投げたが、殆ど確信していた。フォルテムから敵大将の特徴は全て聞いていたのだ。その特徴に目の前の人物はピッタリと当てはまる。
長身の女性、白い肌、そして二つの白銀の剣。それがフォルテムから聞いた情報だ。
男の魔人族に囲まれているが、女性でありながらその人物は他よりも頭一つ高く、青ではなく雪のような白い肌、左右の腰に一本ずつある剣。
これだけ特徴が合っていて間違い何てことはないだろう。
「大将かどうか、か」
ゆっくりと女の魔人族が私に体を向ける。
「森人族、確信がないのなら一人でも敵の大将の顔を知っている者を連れて来るべきだったな。情報は貰っているだろうが、私が替え玉だったらどうするつもりだ?」
「そうなったらそうなっただ。あなたを片付けて探すよ」
「ふっ戦争の経験がないのか? そんな悠長な時間は戦争にないぞ」
「そういうあなたも随分とゆっくりしているようだが?」
売り言葉に買い言葉で応酬する。
私の周囲には魔人族が付かず離れずの距離を保っている。逃がすつもりはないようだ。逃げることなんてしないけど。
「良いんだよ。私は……地の利、天の利がそちらにあったとしても戦力差を覆らすほどではない」
「確かに、そうだな。だが、あなたの首を取れば状況は変わる」
魔人族の女性に細剣を突き付ける。
この距離なら一呼吸の内に殺せる。
それでも魔人族の女性は焦った様子を見せない。柄に手を伸ばそうともしない。
「そんな作戦私が予期していなかったとでも思うのか? 当然、対策はしてあるさ」
「私に討ち取られない自信があるようだな」
「当たり前だろう。私を誰だと思っている」
「ならば、剣を構えろ。名を告げろ。そしてすぐに首を刎ねてやる」
「ハッ――」
小馬鹿にするように魔人族の女性が嗤う。
「馬鹿が、私が何でここにいるかも想像できない小娘が調子にのるんじゃねぇよ」
その瞬間、地面が崩れた。
足場がなくなり、重力に従って下へと落ちる。
下には大量の怪物の群れが涎を垂らしていた。
「敵大将を狙いに来た手練れを殺すために用意した罠だ。たった一人だけで私を討ち取りに来るというのは予想外だったが、まぁ良い。限界まで飢えた獣の牙と爪、思う存分味わうと良い」
何故、敵の大将が城の庭園にいたのか理解する。
これを狙っていたのだ。
戦力差を覆すために大将を討ち取りに来る者を嵌めるための作戦。大将が出ずとも戦力に余裕があるからこそ彼女はこの作戦を取ったのだろう。決死の覚悟で戦いに挑みに来た者を嘲笑うために。
「趣味が悪い。わざわざ庭園を造り変える何て頑張る方向性が間違っているぞ」
敵の大将の性格の悪さに苦笑いする。
もしかしたら、敵がここに来るまでに討ち取られているかもしれない。もっと言うならここに来なかった場合もある。
こんなことに庭園を造り変える何て馬鹿げている。自分の策にそれほど自信があったのか、それとも馬鹿なのか。
まぁ、私がここに来てしまったので相手の計画通りにことが進んでいると言っても良いのだが。
「まぁ、これから先は計画通りに何て進めさせないけどね」
そう口にして飛び掛かって来た怪物をひらりと避けて、その背中を蹴った。
トトン、と続けて飛び掛かる怪物、落ちてくる瓦礫を足場にする。
「え?」
「邪魔だ」
覗きに来た魔人族の戦士の頭を細剣で突き刺し、地上へと戻る。
目を丸くする女の魔人族に薄い笑みを張り付けて口を開く。
「へーい、呆気ない罠のお返しをしに来てやったぞ。アルビノ魔人族。その頭と胴体に綺麗に穴を開けてやるから泣いて喜ぶと良い」
「罠一つ回避したぐらいで調子にのるなよ小娘。それで死んでいればと後悔することになるぞ」
「だったら後悔させてみろ。おばさん」
ビキッと女の魔人族の額に青筋が浮かぶ。
周囲にいた魔人族の誰かが息を飲む音が聞こえた。
「我が名は偉大なる魔人王に忠義を尽くす四天王が一人、夢魔――メトゥス・ディーバ」
「森人族ヴェネディクティアの娘、リボルヴィア」
互いに名乗りを上げる。
メトゥスが両手を広げると同時に周囲にいた魔人族の戦士も動き出し、私もメトゥス目掛けて走り出した。
「そう来ると思っていた」
真っ直ぐに走る私を見てメトゥスが笑みを深める。
瞬間、私の目の前を氷の壁が遮った。
横を見れば、地面に手を付ける魔人族の姿がある。
「氷の壁を作る輝術か」
「こっちじゃ魔術って言うんだよ。それに、氷の壁を作るだけじゃねぇッ」
私を囲む様に壁が作られ、続けて上から氷柱が落ちて来る。
速い。魔人族は輝術が得意な種族ではないと聞いていたのに、このレベルで使用できるのか。
魔人王の側近である魔人四天王の配下ともなれば、実力は相当高いのだろう。だけど――。
「その壁、薄過ぎるよ」
足に力を込め、蹴る。
「妖精剣術『無窮一刺・破城』」
一撃、ではない。私に一撃で壁を破る力はない。しかし、多少の傷はつけられるし、何より速さには自信があった。
一撃に見える速度の連撃を氷の壁に叩き込み、破壊する。
氷の壁を突き破り、間に割り込んで来た魔人族も跳ね飛ばし、メトゥスに細剣を突き付ける。
メトゥスが咄嗟に両腰にあった剣を掲げた。
細剣と二刀がぶつかり合った瞬間、百を超える剣戟と火花が散る。
「ッ――」
「――飛べ」
圧倒的速度による数百の連続突き技を受けたメトゥスが剣を弾かれ、衝撃を受け切れずに後方に吹き飛ぶ。
庭園にあった草木が倒され、地面に転がり、庭園の端でようやく止まった。
再度、剣と二刀がぶつかり合う。だが、今度は弾かれることなく拮抗した。
「亜種巨人と違って弱いと思ったけど、そうでもないのか」
「舐めるなよクソガキがッ!!」
追撃を弾き返され、距離が開く。
ようやく私を敵として見たメトゥスが二刀を構える。その立ち姿は油断していた先程とは違い、隙が無い。
ようやく本格的な戦いを始められる。
かつて敗北した存在と同じ肩書を持つ者との戦い。どれだけ私が強くなれたのかを測るには丁度良い。
そう考えてほくそ笑み、私は細剣を構え、走り出した。
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