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魔人決戦編
第20話
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シリス国の街から出立して約三ヵ月――私は大森林の入口にいた。
出発する前に予想していた通り、約三ヵ月ここに来るまでにかかった。
今では森人族の男から貰った情報は古い情報。どうなっているのか想像もつかない。死体の山が築かれていても可笑しくないだろう。
本当にこれで良かったのか。
旅をしている間に浮かんできた疑問が再び浮かんでくる。前に進む足も重い。
こちらを優先すると決めたはずなのに……アルバ様が心配だが、こちらの方が危ないと判断しただろうに。
「いや、それだけじゃないか」
森の中を進みながら呟く。
アルバ様が心配なのは間違いない。だけど……そう。私は柄にもなく緊張しているのだ。
足が重くなっているのも、その緊張故のこと。
「こんな状況じゃなきゃ、帰らなかったのかもな」
帰郷を望んでいても、違う状況であればもしかしたら帰らなかったかもしれない。
あと少し、これをしてから、あれをしてから。そんな風に先延ばしにしていたかもしれない。
どんな風に帰れば良いのか分からなかったから。
「女々しいなぁ……」
頬を叩く。気持ちを切り替える。
ここはもう危険な場所だ。いつ魔人族と遭遇するか分からない。気を引き締めよう。
「……上から行くか」
木の上に登り、枝から枝へと飛び移る。
懐かしい移動方法だ。これなら速く里に辿り着ける。
「ッ——酷い匂いだ。獣人族か?」
途中、大森林の美しさには似合わない異臭を鼻が嗅ぎ取る。
焦げたような、腐ったような臭いだ。前回獣人族の里で嗅いだ臭いよりもなお酷い。
獣人族の里に近づいたようだ。魔人族の存在も声で感じ取る。
息を潜めて身を隠し、獣人の里を探る。
一番最初に目に飛び込んで来たのは山のように積まれた獣人族の死体だった。
「クソガァアア!」
「チッ煩い獣共だ。オラァ!!」
里のあちこちから怒声と悲鳴が上がっている。
男は大森林の資源を運び出す労働力として、女は慰みものとして働かされている。獣人族は完全に支配下に置かれ、奴隷とされているのが一目瞭然だった。
それらを尻目に獣人の里を出る。
彼等を救うことはしない。ここで騒ぎを起こせば森人族の里にいるであろう魔人族にも気取られることになる。私は森人の里を救いに来たのであって、獣人を救いに来たのではないのだ。
男の話に出ていた里に一緒に攻めて来た翼竜は獣人族の里にはいなかった。
ということは森人族の里にいるのだろうか。その場合、魔人族の軍勢と一緒に相手をしなければいけなくなる。
無論、負けるつもりはないが、私は守ることが不得意だ。
戦で負け、奴隷にされて疲労しきっている森人族を守りながら戦うのは厳しい。人質にでもされたらもっと厄介だ。
「多勢に無勢……それなら、夜襲しかないか」
できるなら、将軍や隊長などから狙っていくのが良いだろう。指揮系統を麻痺させることができる。
森人族の里の近くにある身を隠せる場所に辿り着き、そこで息を潜める。
そして、日が沈み、夜が訪れると私は物音を立てることなく静かに里へと足を踏み入れた。
森の中を身を潜めて進んでいく。
天幕の中からは女の悲鳴と男の下卑た笑い声が聞こえる。
この声には聞き覚えがある。多分だが、この女性の声の主は私に勉強を教えたくれたあの森人の女性だ。
中で何が起こっているのかは簡単に想像ができる。
だけど、助けるつもりはない。
それらを無視して里の奥地にある天幕へと向かう。
どんな種族でも一番偉い者がいる所は豪華で安全な所と相場が決まっている。この里で一番安全なのは巨大樹の中、もしくはそこの根元だ。
魔人族の軍を率いる者もそこにいる可能性が高い。
そう考えて、全てを無視して突き進み、窓から巨大樹の中へと飛び込む。
素早く物陰に隠れ、耳を澄ませば魔人語が聞こえてくる。天幕のようなものは巨大樹の周囲にはなかったが、巨大樹を取り囲むように魔人族の戦士が配置されていたことから、ここに軍を率いる者――将軍、隊長のような者はいるはずだ。
細剣を抜き、静かに息を吐く。
「隠密暗殺開始、ってね」
物陰から飛び出し、階段を下る。
この巨大樹の造りはシンプルだ。
上までは螺旋階段一本で繋がっているだけ。途中で隠れる場所はなく、一目で侵入者が来ていると分かる造りになっている。
だから、ゆっくりとしている暇はない。
最高速度で階段を駆け上がり、気付かれる前に殺る。これが最も成功率の高い暗殺だ。
「え?」
すれ違った魔人族の首に剣先を当てて切り裂く。
喉をやられたせいで魔人族は声も出せずに階段の上を転がり、苦しむ。その間に私は更に先へと進む。
権力者は高い所を好むから軍の将軍や隊長なども上にいる、と最初は考えたが、この巨大樹は里長のいた一番上の部屋まで途中で休憩する部屋もなく、螺旋階段が永遠とあるだけだ。
そんな所にいても伝令が遅れるし、面倒なだけ。
ここに永住するつもりのない魔人族がそこで寛ぐこともないだろうと考えて、私は下に向かっている。
その考えは正しく、下に行くにつれて軍の中核を担うような魔人族の姿をチラホラと見かけるようになる。
だが、相手は私を認識することはなかった。
巨大樹の根の部分に近い部屋にいたのは十名程度の魔人族。
その奥で腰を降ろしていた魔人族の風格は、魔人四天王には劣るものの他とは別格だった。
そんな者でも私を捉えきれず、喉を斬られたことだけに気付き、苦しんで死んでいく。
細剣に付いた血を払い、再び階段を上り、飛び込んだ窓から外へと出る。
「さて、残るは魔人族の戦士たちと翼竜だけど……問題は翼竜の方か」
森人族の里の中にも、その近くにも翼竜の姿を見ることが無かった。
何処かに隠れているのか、それとも別の場所を攻めているからいないだけなのか。後者の方が面倒が少なくて良いのだが……。
「っと、そんなに簡単にはいかないか」
遠くの方で、精確には巨大樹の方から叫び声が聞こえてくる。恐らく暗殺がバレたのだろう。軍全体に情報が広がるのも時間の問題だ。
死体を隠す時間もなかったため、仕方が無いのだが、少し予定を変えよう。
「よし。翼竜は後回しにして森人族を助けよう。捕まっているとすればあそこしかない」
森人族の里で牢屋は一つしかない。
向かったのは私が追放される前に閉じ込められた牢屋だ。
出発する前に予想していた通り、約三ヵ月ここに来るまでにかかった。
今では森人族の男から貰った情報は古い情報。どうなっているのか想像もつかない。死体の山が築かれていても可笑しくないだろう。
本当にこれで良かったのか。
旅をしている間に浮かんできた疑問が再び浮かんでくる。前に進む足も重い。
こちらを優先すると決めたはずなのに……アルバ様が心配だが、こちらの方が危ないと判断しただろうに。
「いや、それだけじゃないか」
森の中を進みながら呟く。
アルバ様が心配なのは間違いない。だけど……そう。私は柄にもなく緊張しているのだ。
足が重くなっているのも、その緊張故のこと。
「こんな状況じゃなきゃ、帰らなかったのかもな」
帰郷を望んでいても、違う状況であればもしかしたら帰らなかったかもしれない。
あと少し、これをしてから、あれをしてから。そんな風に先延ばしにしていたかもしれない。
どんな風に帰れば良いのか分からなかったから。
「女々しいなぁ……」
頬を叩く。気持ちを切り替える。
ここはもう危険な場所だ。いつ魔人族と遭遇するか分からない。気を引き締めよう。
「……上から行くか」
木の上に登り、枝から枝へと飛び移る。
懐かしい移動方法だ。これなら速く里に辿り着ける。
「ッ——酷い匂いだ。獣人族か?」
途中、大森林の美しさには似合わない異臭を鼻が嗅ぎ取る。
焦げたような、腐ったような臭いだ。前回獣人族の里で嗅いだ臭いよりもなお酷い。
獣人族の里に近づいたようだ。魔人族の存在も声で感じ取る。
息を潜めて身を隠し、獣人の里を探る。
一番最初に目に飛び込んで来たのは山のように積まれた獣人族の死体だった。
「クソガァアア!」
「チッ煩い獣共だ。オラァ!!」
里のあちこちから怒声と悲鳴が上がっている。
男は大森林の資源を運び出す労働力として、女は慰みものとして働かされている。獣人族は完全に支配下に置かれ、奴隷とされているのが一目瞭然だった。
それらを尻目に獣人の里を出る。
彼等を救うことはしない。ここで騒ぎを起こせば森人族の里にいるであろう魔人族にも気取られることになる。私は森人の里を救いに来たのであって、獣人を救いに来たのではないのだ。
男の話に出ていた里に一緒に攻めて来た翼竜は獣人族の里にはいなかった。
ということは森人族の里にいるのだろうか。その場合、魔人族の軍勢と一緒に相手をしなければいけなくなる。
無論、負けるつもりはないが、私は守ることが不得意だ。
戦で負け、奴隷にされて疲労しきっている森人族を守りながら戦うのは厳しい。人質にでもされたらもっと厄介だ。
「多勢に無勢……それなら、夜襲しかないか」
できるなら、将軍や隊長などから狙っていくのが良いだろう。指揮系統を麻痺させることができる。
森人族の里の近くにある身を隠せる場所に辿り着き、そこで息を潜める。
そして、日が沈み、夜が訪れると私は物音を立てることなく静かに里へと足を踏み入れた。
森の中を身を潜めて進んでいく。
天幕の中からは女の悲鳴と男の下卑た笑い声が聞こえる。
この声には聞き覚えがある。多分だが、この女性の声の主は私に勉強を教えたくれたあの森人の女性だ。
中で何が起こっているのかは簡単に想像ができる。
だけど、助けるつもりはない。
それらを無視して里の奥地にある天幕へと向かう。
どんな種族でも一番偉い者がいる所は豪華で安全な所と相場が決まっている。この里で一番安全なのは巨大樹の中、もしくはそこの根元だ。
魔人族の軍を率いる者もそこにいる可能性が高い。
そう考えて、全てを無視して突き進み、窓から巨大樹の中へと飛び込む。
素早く物陰に隠れ、耳を澄ませば魔人語が聞こえてくる。天幕のようなものは巨大樹の周囲にはなかったが、巨大樹を取り囲むように魔人族の戦士が配置されていたことから、ここに軍を率いる者――将軍、隊長のような者はいるはずだ。
細剣を抜き、静かに息を吐く。
「隠密暗殺開始、ってね」
物陰から飛び出し、階段を下る。
この巨大樹の造りはシンプルだ。
上までは螺旋階段一本で繋がっているだけ。途中で隠れる場所はなく、一目で侵入者が来ていると分かる造りになっている。
だから、ゆっくりとしている暇はない。
最高速度で階段を駆け上がり、気付かれる前に殺る。これが最も成功率の高い暗殺だ。
「え?」
すれ違った魔人族の首に剣先を当てて切り裂く。
喉をやられたせいで魔人族は声も出せずに階段の上を転がり、苦しむ。その間に私は更に先へと進む。
権力者は高い所を好むから軍の将軍や隊長なども上にいる、と最初は考えたが、この巨大樹は里長のいた一番上の部屋まで途中で休憩する部屋もなく、螺旋階段が永遠とあるだけだ。
そんな所にいても伝令が遅れるし、面倒なだけ。
ここに永住するつもりのない魔人族がそこで寛ぐこともないだろうと考えて、私は下に向かっている。
その考えは正しく、下に行くにつれて軍の中核を担うような魔人族の姿をチラホラと見かけるようになる。
だが、相手は私を認識することはなかった。
巨大樹の根の部分に近い部屋にいたのは十名程度の魔人族。
その奥で腰を降ろしていた魔人族の風格は、魔人四天王には劣るものの他とは別格だった。
そんな者でも私を捉えきれず、喉を斬られたことだけに気付き、苦しんで死んでいく。
細剣に付いた血を払い、再び階段を上り、飛び込んだ窓から外へと出る。
「さて、残るは魔人族の戦士たちと翼竜だけど……問題は翼竜の方か」
森人族の里の中にも、その近くにも翼竜の姿を見ることが無かった。
何処かに隠れているのか、それとも別の場所を攻めているからいないだけなのか。後者の方が面倒が少なくて良いのだが……。
「っと、そんなに簡単にはいかないか」
遠くの方で、精確には巨大樹の方から叫び声が聞こえてくる。恐らく暗殺がバレたのだろう。軍全体に情報が広がるのも時間の問題だ。
死体を隠す時間もなかったため、仕方が無いのだが、少し予定を変えよう。
「よし。翼竜は後回しにして森人族を助けよう。捕まっているとすればあそこしかない」
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