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魔人決戦編
第30話
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頭の天辺から股にかけて魔剣が通っていく。
あぁ、これが死ぬということか。
死が近づいているせいか、ゆっくりと時間が流れている。
恐怖はない。むしろ、刃の冷たい感触が心地よく感じられた。
死ぬ間際など人生で一度しか味わえないものだ。よく味わっておこう。
視界の隅には目を見開いているアルバ様の姿が見える。
名前も呼んでくれている。
私のことを覚えていなかったから、友人とすら思われていないのではと疑っていたが、死んだら悲しむぐらいの存在にはなれていたらしい。
だからこそ、少し申し訳ない。
やっぱり、私一人では勝てなかった。
――それじゃあ、後は頼んだぞ。私。
「何!?」
私を斬り殺したデレディオスがもう一人の私を見て目を見開く。
あのデレディオスを真正面から度肝を抜かせられたと思えると少し、誇らしくなった。
「『二段・無窮追走』!!」
デレディオスが魔剣を戻すよりも早く、闘人鎧を纏わせるよりも早く、細剣を心臓に突き刺す。
「ガハッ――ハ、ハハハハ、凄まじいな。走る、という行為を極限にまで突き詰めれば、そこまで行きつくのか」
「流石だな。私が何をしたのかもう分かっているのか」
素直にデレディオスを尊敬する。
一目見ただけで私が何をしたのか理解したようだ。
今の私なら走るだけで何十人にも見える様に影を残すことだってできる。私が行ったのは、その更に先にある『走る』という行為の極致だ。
その領域は速すぎるあまり私自身すら置き去りにし、この世にもう一人の私を作り出す。
簡単に言ってしまえば、私は走るだけで分身を作れるようになったのだ。
一段、この段階で置き去りになった私を置いて、走った私が敵に直進。それで敵を殺せなかった場合は二段目、過去の私が敵を殺しに行く。
現在と過去からの二段攻撃。それがこの技の正体だ。
細剣を引き抜くとデレディオスはゆっくりと背中から地面に倒れた。
「まだやるか?」
「心臓を貫かれたのだぞ。普通はそんなこと聞くか? もう戦いはせんよ」
「今にも起き上がってきそうだけどね」
「我も人間ぞ。こうなれば死を待つのみのか弱き存在よ」
「八大星天は人間を越えた存在だろう」
デレディオスが人間な訳がない。こんな人間がいて堪るか。
こんな奴が人間だと言うのならば、きっと世の中はあちこちで争いが起きて笑いながら死ぬ奴等ばかりになる。黒神も大忙しになるだろう。
「フ――そう言えば、我がそう名乗った時あまり驚かなかったな。知っていたのか?」
「いいや、驚くよりも納得の方が勝っただけ」
「フハハハ! そうかそうか」
一頻り笑った後、デレディオスは改めて私を見上げる。
「リボルヴィア、少し近う寄れ」
「えぇ……」
倒れるデレディオスの傍に膝を付いた。
不意打ちをする男ではない。何より、これが師弟としての最後やり取りになると思えたから、素直に従った。
「ククッ何だ。甘さを捨てたと口にした割には今にも泣きそうではないか。それほど我はお主の心に残っておったのか?」
「当たり前でろう。私にとって、あなたは私を認めてくれた初めての人だ」
「クハハハ! 全く、寂しがり屋の兎かお主は……懐に入られたら、途端にその人物には甘くなる。いつかそれが原因で死ぬのではないか?」
「……それは、心配だとでも言うの?」
「戯け、我を越えた戦士の心配などするか。だが、覚悟はせねばならんぞ。我を越えたということは、お主の階級は緋級となり、八大星天の座はお主に引き継がれたと言うことだ。輝きの強い星というのは厄介事を引き寄せやすいからな」
「…………やっぱり心配しているじゃない」
「全く、何でそうなるのだ。はぁ、お主そんな性格だったか?」
ぐしゃりと乱暴に頭を撫でられる。
旅の最中払いのけていたそれを私は黙って受け入れた。
「私はずっと……あなたを師と呼びたくはなかった」
「知っている。師匠というものに嫌悪を抱いていたのだろう」
「そうだけど、それは理由の一つでしかない」
これは知らなかったのか、デレディオスは軽く驚いた表情を見せる。
あのデレディオスでも全てを見透かしている訳ではないと知り、笑みを浮かべた。
そして、これまで言えなかった言葉を口にする。
「私はな、デレディオス。あなたのことを父と呼びたかったんだ」
「――――」
剣を教えてくれた。生き方を教えてくれた。理解できないものだけど、戦士とはこういうものだと生き様を見せてくれた。頭を撫でてくれた。
その在り方は師匠と言うよりも距離が近く感じられて、暖かかったから、そう呼びたかった。呼びたくなった。
「お主と言う奴は。止めておけ。我が父親など後悔するだけだ。現に息子を放り出して旅をして、碌に顔を覚えられていないのだからな」
「ハハハッ確かに、それは父親失格だな。でも、私にとっては違うよ。だって、あなたと私は出会えて、旅ができたのだから」
「……はぁ」
大きくデレディオスが溜息を付く。
「そんな所まで予想外に成長せずとも良いのだがなぁ」
「成長と言うの? 元々思っていたことだ」
「だとしても死に際にそんなことを言わずとも良いだろう。我はどうやってこの後死ねばよいのだ」
「そんなこと知るか。私を殺しに来た罰だと思え」
再びデレディオスが大きく溜息を付き、眉間に皺を寄せた。
これまで散々好き勝手してくれたのだ。これぐらいは許して貰おう。相手が死の間際?関係ないね!
「リボルヴィア――」
暫くしてデレディオスが口を開く。
最初の頃は死にそうになかったが、血が抜けてきたせいで顔色が優れていない。声色も何処か弱弱しくなっている。
「お主の強さならば、魔人王は簡単に殺せるだろう。だが、頼みがある」
「何?」
「彼奴は見逃せ」
短く告げられた言葉に私は軽く目を見開いた。
魔人王の実力は知らないが、デレディオスが私なら殺せると言えばそうなのだろう。だが、その魔人王を見逃せと頼み込んでくるのは予想外だ。
デレディオスなら戦士として相応しい最期を遂げさせてやれとでも口にすると思ったが。
「分かった。手を尽くす」
死に際の愚痴を聞くつもりはないが、頼みならば別だ。
しっかりと頷いた私を見てデレディオスは安心したような表情を浮かべた。
「礼を言う」
そう口にしてデレディオスは静かに目を閉じた。
声を掛ければ直ぐにでも起きそうだ。
だけど、そんなことは起きないだろう。
眠っているように見えても、それはただの私の願望でしかない。
首に手を添える。
脈は完全に止まっていた。
「デレディオス、貴方の言う通りだったよ。私は口達者なだけだった。最後の最後まで、あなたを敵として見ることはできなかった。大切なものから動かすことはできなかったよ」
私は今日、また大切なものを無くした。それも自分自身の手で。
涙が頬を伝い、地面を濡らした。
あぁ、これが死ぬということか。
死が近づいているせいか、ゆっくりと時間が流れている。
恐怖はない。むしろ、刃の冷たい感触が心地よく感じられた。
死ぬ間際など人生で一度しか味わえないものだ。よく味わっておこう。
視界の隅には目を見開いているアルバ様の姿が見える。
名前も呼んでくれている。
私のことを覚えていなかったから、友人とすら思われていないのではと疑っていたが、死んだら悲しむぐらいの存在にはなれていたらしい。
だからこそ、少し申し訳ない。
やっぱり、私一人では勝てなかった。
――それじゃあ、後は頼んだぞ。私。
「何!?」
私を斬り殺したデレディオスがもう一人の私を見て目を見開く。
あのデレディオスを真正面から度肝を抜かせられたと思えると少し、誇らしくなった。
「『二段・無窮追走』!!」
デレディオスが魔剣を戻すよりも早く、闘人鎧を纏わせるよりも早く、細剣を心臓に突き刺す。
「ガハッ――ハ、ハハハハ、凄まじいな。走る、という行為を極限にまで突き詰めれば、そこまで行きつくのか」
「流石だな。私が何をしたのかもう分かっているのか」
素直にデレディオスを尊敬する。
一目見ただけで私が何をしたのか理解したようだ。
今の私なら走るだけで何十人にも見える様に影を残すことだってできる。私が行ったのは、その更に先にある『走る』という行為の極致だ。
その領域は速すぎるあまり私自身すら置き去りにし、この世にもう一人の私を作り出す。
簡単に言ってしまえば、私は走るだけで分身を作れるようになったのだ。
一段、この段階で置き去りになった私を置いて、走った私が敵に直進。それで敵を殺せなかった場合は二段目、過去の私が敵を殺しに行く。
現在と過去からの二段攻撃。それがこの技の正体だ。
細剣を引き抜くとデレディオスはゆっくりと背中から地面に倒れた。
「まだやるか?」
「心臓を貫かれたのだぞ。普通はそんなこと聞くか? もう戦いはせんよ」
「今にも起き上がってきそうだけどね」
「我も人間ぞ。こうなれば死を待つのみのか弱き存在よ」
「八大星天は人間を越えた存在だろう」
デレディオスが人間な訳がない。こんな人間がいて堪るか。
こんな奴が人間だと言うのならば、きっと世の中はあちこちで争いが起きて笑いながら死ぬ奴等ばかりになる。黒神も大忙しになるだろう。
「フ――そう言えば、我がそう名乗った時あまり驚かなかったな。知っていたのか?」
「いいや、驚くよりも納得の方が勝っただけ」
「フハハハ! そうかそうか」
一頻り笑った後、デレディオスは改めて私を見上げる。
「リボルヴィア、少し近う寄れ」
「えぇ……」
倒れるデレディオスの傍に膝を付いた。
不意打ちをする男ではない。何より、これが師弟としての最後やり取りになると思えたから、素直に従った。
「ククッ何だ。甘さを捨てたと口にした割には今にも泣きそうではないか。それほど我はお主の心に残っておったのか?」
「当たり前でろう。私にとって、あなたは私を認めてくれた初めての人だ」
「クハハハ! 全く、寂しがり屋の兎かお主は……懐に入られたら、途端にその人物には甘くなる。いつかそれが原因で死ぬのではないか?」
「……それは、心配だとでも言うの?」
「戯け、我を越えた戦士の心配などするか。だが、覚悟はせねばならんぞ。我を越えたということは、お主の階級は緋級となり、八大星天の座はお主に引き継がれたと言うことだ。輝きの強い星というのは厄介事を引き寄せやすいからな」
「…………やっぱり心配しているじゃない」
「全く、何でそうなるのだ。はぁ、お主そんな性格だったか?」
ぐしゃりと乱暴に頭を撫でられる。
旅の最中払いのけていたそれを私は黙って受け入れた。
「私はずっと……あなたを師と呼びたくはなかった」
「知っている。師匠というものに嫌悪を抱いていたのだろう」
「そうだけど、それは理由の一つでしかない」
これは知らなかったのか、デレディオスは軽く驚いた表情を見せる。
あのデレディオスでも全てを見透かしている訳ではないと知り、笑みを浮かべた。
そして、これまで言えなかった言葉を口にする。
「私はな、デレディオス。あなたのことを父と呼びたかったんだ」
「――――」
剣を教えてくれた。生き方を教えてくれた。理解できないものだけど、戦士とはこういうものだと生き様を見せてくれた。頭を撫でてくれた。
その在り方は師匠と言うよりも距離が近く感じられて、暖かかったから、そう呼びたかった。呼びたくなった。
「お主と言う奴は。止めておけ。我が父親など後悔するだけだ。現に息子を放り出して旅をして、碌に顔を覚えられていないのだからな」
「ハハハッ確かに、それは父親失格だな。でも、私にとっては違うよ。だって、あなたと私は出会えて、旅ができたのだから」
「……はぁ」
大きくデレディオスが溜息を付く。
「そんな所まで予想外に成長せずとも良いのだがなぁ」
「成長と言うの? 元々思っていたことだ」
「だとしても死に際にそんなことを言わずとも良いだろう。我はどうやってこの後死ねばよいのだ」
「そんなこと知るか。私を殺しに来た罰だと思え」
再びデレディオスが大きく溜息を付き、眉間に皺を寄せた。
これまで散々好き勝手してくれたのだ。これぐらいは許して貰おう。相手が死の間際?関係ないね!
「リボルヴィア――」
暫くしてデレディオスが口を開く。
最初の頃は死にそうになかったが、血が抜けてきたせいで顔色が優れていない。声色も何処か弱弱しくなっている。
「お主の強さならば、魔人王は簡単に殺せるだろう。だが、頼みがある」
「何?」
「彼奴は見逃せ」
短く告げられた言葉に私は軽く目を見開いた。
魔人王の実力は知らないが、デレディオスが私なら殺せると言えばそうなのだろう。だが、その魔人王を見逃せと頼み込んでくるのは予想外だ。
デレディオスなら戦士として相応しい最期を遂げさせてやれとでも口にすると思ったが。
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だけど、そんなことは起きないだろう。
眠っているように見えても、それはただの私の願望でしかない。
首に手を添える。
脈は完全に止まっていた。
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