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終編
第41話
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バリエル神聖国家を支える六大貴族。
その六大貴族でも最大の力を持つユース家。その当主の一室で当主ではないものの同じ六大貴族の末裔であるルクティアが体中に血を吐いて倒れていた。
衣服は剥ぎ取られ、絹の様に美しかった白い肌には青い痣や深い切り傷がある。
いつも整えられていた髪は乱れ、揃っていた歯は前歯が欠けてしまっている。両手は絹の糸によって後ろで縛られ、動くことすらできないでいた。
「嘆かわしい」
部屋の奥で仰々しい椅子に座った男――ホモーウス・レグ・ユースが呟く。
「我らは神に選ばれし人間。いや、我等こそが人間だ。他の人モドキは神の敵、我らが支配するべきこの世界を汚す癌でしかない存在。あれらに手を貸すなど、我ら人間を滅ぼそうとしているとしか考えられない。どう考えれば、あんな行動ができるのだ?」
あんな行動、と言うのはルクティアが森人族であるリボルヴィアとペネトラティアを招き入れ、第四教会に侵入、そして逃走に手を貸したことだ。
彼女はそれがバレてこうして拘束されていた。
「……相変わらず、被害妄想が激しいですね」
「ルクティアッ貴様という奴は!!」
現モルタルズ家当主であるルクティアの兄が倒れているルクティアに詰め寄ろうとする。その拳は固く握り締めている。
何をするのか、誰でも容易に想像できた。
部屋の中に鈍い音と短い悲鳴が数回響く。
「ハァッ、ハァッ……申し訳ございません。ユース殿。妹は幼い頃からこの国の教育を施す時に限って逃げ出すことが多く……私は何とかしようとしていたのですが、その頃から逃げ足だけは早く」
私はちゃんとやっていましたと同じ六大貴族であるにも関わらず、ユース家の当主に媚びた様子を見せるモルタルズ家の当主。
一般人の間では知られていない上下関係がそこにはあった。
「ふん、努力しても結果が伴わなければ意味がないのだがなぁ。我が国に無能な貴族はいらんぞ?」
「――も、申し訳ございませんッ。今すぐこの愚妹の教育をやり直します!!」
「いや、こいつの意思は硬い。お前では揺るがすこともできんだろう」
ホモーウスがルクティアの兄から視線を外し、地面に倒れるルクティアに移る。
「さて、まだお前の答えを聞いていなかったな。答えよ。何故我ら人類を裏切ったのだ?」
ルクティアの髪を掴み、自身の顔と同じ高さへと持ちあげる。
「ッ私は裏切ったんじゃない。友達を助けただけよ」
「友? まさか、あの森人のことか? あれを友と呼ぶとは……一体どんな神経をしているんだ? 精神検査をすることをおすすめしよう」
心底理解できないとばかりにホモーウスがルクティアの髪を離して、汚いものでも触ったかのように髪に触れた手を叩く。
「いらないわよ。あなたたちの教え何てもう二度と聞きたくはない。あなたたちの教えは常に自分たちを褒め称えるものばかり。幼い頃からずっと違和感があった。実際に外の世界に触れたら、それは確信に変わった。あなたたちは、可笑しい。只人族と他の種族は何も変わらない。ただ耳が尖がっていたり、鱗があったり、色が違ったり、背丈が違ったりするだけ。あなたたちの言う世界を汚す癌なんて存在はいなかった」
地面で藻掻きながらも、ルクティアはホモーウスを睨み付ける。
幸運か不幸か、幼い頃から彼女は目に映るもの全てに疑問を持つことができた。
川は山から流れて来る。何故?
物は上から下へと落ちる。何故?
地面に転がした物体が止まる。何故?
人が人を殺すのはいけない。何故?
神は人を愛している。何故?
只人以外の種族は悪しき存在である。何故?
そうして疑問を持ち、答えを求めて続けた結果、彼女は大人の口から出る言葉には明確な答えと根拠のない妄想が混じっていることに気付く。
数学の様に理論を並べて答えが出せることができればスッキリしただろう。だが、神への信仰、他種族への敵意は理論を求めても大人が口にする言葉は結果だけ。
敵意を持つに至る歴史もなく、ただ当時のルクティアは困惑した。
「ふん、旅で洗脳でもされたか?」
「洗脳しているのはあなたたちでしょ。只人族以外は敵だとこの国の人たちにそう教え続けている。今は少しでも疑問を持てば罰を与えるらしいじゃない」
「あぁ、六大貴族の一人が教育に疑問を持ち、外に飛び出すなどあってはならぬことだったからな。今はもう二度とそのようなことがないよう監視の目を光らせているのだよ。若い奴等にはお前のような考えを持つ者がいるからな。正しい方向に導くためにも矯正してやらねばならん」
本気で自分が正しいことをしていると思っているホモ―ウスにルクティアは吐き気を覚える。
「自分たちの都合の良いように子供を育てる。そういうの本当に嫌い。あなたの魂は黒神にすら拒絶されるでしょうね」
「なんと、それは素晴らしい。人モドキが言い伝える神など所詮は偽神。そんな所へ行くなど私は御免被るからな。しかし、我が国の貴族が偽神を信じているような発言はいただけないな」
ホモーウスが後ろに立つ配下に命じ、ルクティアの腕を取り、無理やり立たせる。
「ルクティア・フィーデス・モルタルズよ。最早お前を世界を救った英雄の一人として扱うことはせん。これからは罪人として牢に繋がれるが良い」
ルクティアは何も言わない。
自分自身が行ったことがバレればどうなるかなど分かりきっていたこと。既に行動に移した時から覚悟はできていた。
「これ以上森人族を怒らせたら星が降って来るわよ」
これからバリエル神聖国家が行うことを知っているからこそ、最後の忠告を行う。
八大星天。この星で最も強き存在。人でありながら星を掴んだ者。あるいは神。
バリエル神聖国家は只人族以外の他種族に敵意を持ってはいるが、侮っている訳ではない。しっかりと情報収集を行い、森人族の中に新しい星が出たことをしっかりと把握していた。
それを怒らせることになるぞ。その忠告受けてホモーウスは薄く笑う。
「星など恐るるに足らず。砕き、支配すれば良いだけのことだ」
その六大貴族でも最大の力を持つユース家。その当主の一室で当主ではないものの同じ六大貴族の末裔であるルクティアが体中に血を吐いて倒れていた。
衣服は剥ぎ取られ、絹の様に美しかった白い肌には青い痣や深い切り傷がある。
いつも整えられていた髪は乱れ、揃っていた歯は前歯が欠けてしまっている。両手は絹の糸によって後ろで縛られ、動くことすらできないでいた。
「嘆かわしい」
部屋の奥で仰々しい椅子に座った男――ホモーウス・レグ・ユースが呟く。
「我らは神に選ばれし人間。いや、我等こそが人間だ。他の人モドキは神の敵、我らが支配するべきこの世界を汚す癌でしかない存在。あれらに手を貸すなど、我ら人間を滅ぼそうとしているとしか考えられない。どう考えれば、あんな行動ができるのだ?」
あんな行動、と言うのはルクティアが森人族であるリボルヴィアとペネトラティアを招き入れ、第四教会に侵入、そして逃走に手を貸したことだ。
彼女はそれがバレてこうして拘束されていた。
「……相変わらず、被害妄想が激しいですね」
「ルクティアッ貴様という奴は!!」
現モルタルズ家当主であるルクティアの兄が倒れているルクティアに詰め寄ろうとする。その拳は固く握り締めている。
何をするのか、誰でも容易に想像できた。
部屋の中に鈍い音と短い悲鳴が数回響く。
「ハァッ、ハァッ……申し訳ございません。ユース殿。妹は幼い頃からこの国の教育を施す時に限って逃げ出すことが多く……私は何とかしようとしていたのですが、その頃から逃げ足だけは早く」
私はちゃんとやっていましたと同じ六大貴族であるにも関わらず、ユース家の当主に媚びた様子を見せるモルタルズ家の当主。
一般人の間では知られていない上下関係がそこにはあった。
「ふん、努力しても結果が伴わなければ意味がないのだがなぁ。我が国に無能な貴族はいらんぞ?」
「――も、申し訳ございませんッ。今すぐこの愚妹の教育をやり直します!!」
「いや、こいつの意思は硬い。お前では揺るがすこともできんだろう」
ホモーウスがルクティアの兄から視線を外し、地面に倒れるルクティアに移る。
「さて、まだお前の答えを聞いていなかったな。答えよ。何故我ら人類を裏切ったのだ?」
ルクティアの髪を掴み、自身の顔と同じ高さへと持ちあげる。
「ッ私は裏切ったんじゃない。友達を助けただけよ」
「友? まさか、あの森人のことか? あれを友と呼ぶとは……一体どんな神経をしているんだ? 精神検査をすることをおすすめしよう」
心底理解できないとばかりにホモーウスがルクティアの髪を離して、汚いものでも触ったかのように髪に触れた手を叩く。
「いらないわよ。あなたたちの教え何てもう二度と聞きたくはない。あなたたちの教えは常に自分たちを褒め称えるものばかり。幼い頃からずっと違和感があった。実際に外の世界に触れたら、それは確信に変わった。あなたたちは、可笑しい。只人族と他の種族は何も変わらない。ただ耳が尖がっていたり、鱗があったり、色が違ったり、背丈が違ったりするだけ。あなたたちの言う世界を汚す癌なんて存在はいなかった」
地面で藻掻きながらも、ルクティアはホモーウスを睨み付ける。
幸運か不幸か、幼い頃から彼女は目に映るもの全てに疑問を持つことができた。
川は山から流れて来る。何故?
物は上から下へと落ちる。何故?
地面に転がした物体が止まる。何故?
人が人を殺すのはいけない。何故?
神は人を愛している。何故?
只人以外の種族は悪しき存在である。何故?
そうして疑問を持ち、答えを求めて続けた結果、彼女は大人の口から出る言葉には明確な答えと根拠のない妄想が混じっていることに気付く。
数学の様に理論を並べて答えが出せることができればスッキリしただろう。だが、神への信仰、他種族への敵意は理論を求めても大人が口にする言葉は結果だけ。
敵意を持つに至る歴史もなく、ただ当時のルクティアは困惑した。
「ふん、旅で洗脳でもされたか?」
「洗脳しているのはあなたたちでしょ。只人族以外は敵だとこの国の人たちにそう教え続けている。今は少しでも疑問を持てば罰を与えるらしいじゃない」
「あぁ、六大貴族の一人が教育に疑問を持ち、外に飛び出すなどあってはならぬことだったからな。今はもう二度とそのようなことがないよう監視の目を光らせているのだよ。若い奴等にはお前のような考えを持つ者がいるからな。正しい方向に導くためにも矯正してやらねばならん」
本気で自分が正しいことをしていると思っているホモ―ウスにルクティアは吐き気を覚える。
「自分たちの都合の良いように子供を育てる。そういうの本当に嫌い。あなたの魂は黒神にすら拒絶されるでしょうね」
「なんと、それは素晴らしい。人モドキが言い伝える神など所詮は偽神。そんな所へ行くなど私は御免被るからな。しかし、我が国の貴族が偽神を信じているような発言はいただけないな」
ホモーウスが後ろに立つ配下に命じ、ルクティアの腕を取り、無理やり立たせる。
「ルクティア・フィーデス・モルタルズよ。最早お前を世界を救った英雄の一人として扱うことはせん。これからは罪人として牢に繋がれるが良い」
ルクティアは何も言わない。
自分自身が行ったことがバレればどうなるかなど分かりきっていたこと。既に行動に移した時から覚悟はできていた。
「これ以上森人族を怒らせたら星が降って来るわよ」
これからバリエル神聖国家が行うことを知っているからこそ、最後の忠告を行う。
八大星天。この星で最も強き存在。人でありながら星を掴んだ者。あるいは神。
バリエル神聖国家は只人族以外の他種族に敵意を持ってはいるが、侮っている訳ではない。しっかりと情報収集を行い、森人族の中に新しい星が出たことをしっかりと把握していた。
それを怒らせることになるぞ。その忠告受けてホモーウスは薄く笑う。
「星など恐るるに足らず。砕き、支配すれば良いだけのことだ」
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