狩猟小屋に飼われた青年

くろねこや

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部屋とベッド 〜アルト視点

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リゲルさんはそのまま小屋で暮らすことになった。

『若い男が増えて狩りがラクになった』とアルクルは嬉しそうだ。

グードゥヤ先生の指導によって弓の精度が上がってきたそうだから、剣と合わせて近接、遠距離攻撃の両方が出来る彼がいると作戦の幅が広がるんだろう。僕も負けていられない。


リゲルさんは暗い色の服を好むせいか細く見えていたけど、脱いだら凄かった。

上腕に負った切り傷の治療をしながら、思わず見事な筋肉に見惚れちゃったよ…。やっぱりギーウスの子なんだなぁ。



一方、自分の部屋がなくなったギーウスは、僕とヴェダの部屋を行ったり来たりしている。

当番・・じゃない方のベッドへ潜り込んでくる感じ。

1人で寝るのが寂しくて苦手だった僕は嬉しいけど、ヴェダは落ち着かないみたい。





「ねぇアルト。明日からもずっと、僕と同じ部屋で寝ない?」

リゲルさんを除く全員と“一周”した後、僕と抱き合いながらヴェダが言った。

『ずっと同じ部屋で寝る』ということは、同じ部屋で暮らしたいってことだよね?


どうやら彼は、僕と他の人が2人きりで一緒に寝ているのがイヤみたい。

僕が壁の隙間から彼の部屋を覗き見ていたように、彼もこちらを覗いていたんだって。


「『仕事』だから他の人と抱き合うのは我慢するけど、朝まで一緒に眠るのは僕とだけにしてほしい…」

“我慢”? 

もしかして、妬いてくれてた?

なんか…すごく嬉しい。


それに、恋人同士の僕たちが同じ部屋で暮らすのはとても自然なことのように思えた。

朝、ヴェダの顔を見て1日が始まるなんて、幸せすぎてどうにかなりそう。


という訳で、“夜の相手”が待つ部屋へ僕かヴェダが行き、眠る前に2人の部屋へ戻って来ることになった。


ギーウスとアルクルに限界までされて、失神するみたいに寝てしまうことがあるんだけど、大丈夫だろうか…。

グードゥヤとウルスは僕を抱いて寝るとよく眠れるって言ってたし。抱いて眠れる大きなクッションを作ってあげようかな。

あと、部屋を持たないプロキオが来た時はどうしよう。


「食堂の長椅子を繋げて、毛皮を敷けばいいよ」

なんて、ヴェダのプロキオに対する扱いがヒドい…。

…無理もないか。僕がここに来るまでずっと、“吐き気がするほど臭うもの”を舐めさせられたり受け入れさせられたりしてたんだもんね。まだ許せないのだろう。

僕がプロキオに怒ったのを見て、ヴェダも『イヤな時は怒ってよかったんだ』って気付いたみたい。純真無垢だった天使様に“怒り”という負の感情を教えてしまった…。

出会った頃の妖精みたいにふわふわした彼も好きだったけど、僕は怒ったり嫉妬したりする今の彼も人間らしい感じがして好きだ。


「物置になってる部屋を泊まれるように改造すればいい。窓はないし少し狭いがベッドさえ入ればいいだろう」

『ベッドはオレが作っておく』と言ってくれたギーウスが頼もしすぎて、『大好き!』となった僕だった。


「僕の部屋…!」

プロキオは自分の部屋が出来て嬉しいみたい。正確には『来客用の部屋』という扱いなんだけどね。


ここに住み始めて2年以上が経ち、すっかり荷物が増えてしまった僕の部屋にヴェダが移動して、空いた部屋にギーウスが暮らすことになった。



リゲルさんが暮らすようになってから、プロキオが来た翌日にみんなでする・・のはやめていた。

いつもあまりに自然な感じで地面に大熊の毛皮を敷き始めるから、外に出て全員でセックスするのは、僕が知らない『全員の結束を深めるための儀式』か何かだと思って受け入れていたんだけど、あの行為には特に意味なんてなかったらしい。

ちなみに冬の間は寒いから、テーブルをどかした食堂の床でしてた。もちろん分厚い毛皮を敷いて。何故か暖炉の炎を見てると、蚊遣の煙がなくても興奮してしまうんだ。


みんなにされると怖いくらい身体がおかしくなっちゃうから、しなくなってホッとしたような…、少し物足りないような…?

ヴェダも同じ気持ちなのかな?

2人きりのベッドで、つい抱いたり抱かれたりを繰り返してしまう。







そんなある日、山に巨大な熊が現れた。獲物を追って別の山から来たようだった。

ところが。僕が作った麻痺毒を塗った矢をグードゥヤとリゲルさんに使ってもらったら、誰も負傷することなくあっさり倒せたらしい。『小屋にあの巨体を持ち帰る方が大変だった』とギーウスが苦笑いしたくらいだ。

通常の毒と違って、あの麻痺毒は火を通せば食べられる肉になるから便利なんだよね。

『あの時お前たちがいてくれたら…』と、僕とリゲルさんの肩に手を置いて、アルクルが泣いた。ミザールさんのことを思い出してしまったのだろう。


その夜、ヴェダと2人で過ごす筈だったのに、僕たちの部屋に酔ってひどく股間を昂らせたアルクルがやって来た。

“熊”だったからね…。何となく予感はしてたんだけどさ。

ちょうど抱き合うようにヴェダの中へ挿入させてもらっていた僕のお尻は無防備で…。アルクルが後ろから僕に突っ込んできたんだ。

酒臭くて熱い舌に首筋をべろべろ舐められるし、歯形が付くほど齧られるし、尻は叩かれるし、抽挿は乱暴だし。でもヴェダの締め付けが気持ちよくて、後ろも“長いの”に奥まで入り込まれたせいでヤバくて…。変な性癖に目覚めてしまいそう…。


その後ウルスとグードゥヤが来て、ギーウスが来た。

部屋へ入ってきた彼らは、僕たち2人をベッドの上に並べると交代で抱いた。4人同時にされると、僕とヴェダの口とお尻はいっぱいになる。

蚊遣も焚かないし、暖炉もない。外と違って気を逸らすものは何もない。

それなのに、興奮した男たちに次々と抱かれ続けて、何故か分からないけどすごく満ち足りた気持ちになったんだ。

ついには昂まりすぎたアルクルとギーウスに、突っ込んだまま身体を抱き上げられて、そのまま揺さぶるように歩き回られたり、後ろからもう一本・・・・追加されたりすると、声を抑えることなんて出来なくなった。

男の首へ必死にしがみついて、唇で口を塞いでもらったけど、たぶん大きな声を出してしまったと思う。



その間リゲルさんは部屋に篭っていたみたい。

僕たちの部屋は狭いからドアは開けたまま。最後は廊下まで連れ出されて激しく抱かれた僕とヴェダ。たぶん一晩中“その声”を聞かせてしまったと思う。



そんな夜があってから、まるでタガが外れたように、『プロキオが来た翌日はみんなでセックスする』っていう習慣がまた始まったんだ。

ついにはギーウスが、僕とヴェダのベッドを4人くらいで眠れそうなサイズに改造しちゃったよ…。

天井からは干してる薬草が大量に垂れ下がり、作業用の机や薬棚、2人分の私物をしまった棚もあるのに…。部屋がギッチギチに狭い…。


すると今度は、一階に製薬スペースを作ってくれた。水や火が使いやすくて便利!

…って。僕たちの部屋は、巨大なベッドと私物を入れた棚だけという、まるで『セックスするための部屋』みたいになってしまった…。

『2人で広々寝られていいじゃないか』って笑ってるギーウス! さっき『“ヤリ部屋”みたいだなァ…』って呟いたの聞こえてるんだからな!!

うわぁ。すっごく恥ずかしい…。



それにしてもリゲルさんと目を合わせることが出来ないよ!!

だって朝食を渡す時、僕とヴェダを見た途端に彼の顔がカアッと真っ赤になったんだ。

疲れが取れていないみたいだし、あくびを噛み殺しているのをよく見かけるから、僕たちのせいで寝不足なのかもしれない。

まるでこの小屋に来たばかりの僕みたい…。
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