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ごめんねのご奉仕 〜アルト視点(後編)
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プロキオが出した先走りとオイルの混ざったものが、トロリと透明な糸を引き僕の指に絡んでいる。
その指でお尻をほぐすことにした。
「んっ…、」
つぷりと中指を差し込み、ヌルヌル抜き差しするうちに、慣れた僕の身体は違和感を快感へ変えていく。
上体を起こしたプロキオが僕の痴態を瞬きせずにじっと見ていた。
指の数を3本まで増やして拡げるようバラバラに動かすと、ヌチャヌチャいやらしい音がしてくる。
…そろそろいいかな。
僕のなかに入りたくて、テラテラ濡れたプロキオのものが揺れている。はぁはぁ荒い呼吸音が彼の興奮を物語っているようだった。
仰向けに横たわった彼の胴を跨いで膝をつく。指に触れた胸筋と腹筋の凹凸にいつもながら惚れ惚れする。
ひくひく揺れるプロキオのものを片手で支えながら、もう片方の手で自身の尻たぶをぐっと開き、ゆっくり腰を下ろしていけば、お尻の中心にひたりと丸くて大きな熱が触れた。
(あ、入ってくる)
そう思った直後、ズブリと一息に貫かれる。
「んぁっ!!」
開いた僕の両膝がシーツの上を滑り、腰ががくりと落ちたのだ。
…実際はプロキオが僕の膝を開かせるように両手で悪戯していたのだが、あまりの衝撃に気付かなかった。
思わず仰け反った後、はっ、はっ、と息を整えていると、内側からググッとお腹側の弱いところを押し込まれて動けなくなる。
堪らず身体を丸めた僕の視界に、プロキオの指が近づいてくるのが見えた。
「ま、まって、まだ」
胸に迫る指先。それから逃れようとするけれど動けない。少しでも動こうとすれば下半身から痺れのようなものが背骨を走り抜けて堪らないのだ。
シャツの布越しに左右の尖りをキュッと同時に摘まれる。
「あぁっ!!!」
その瞬間、胸からビリビリが走り抜けた。
ギューッと僕の内部が彼を搾り上げたのだろう。ビュルビュルと腹の中に精が放たれるのを感じた。
どうして出したばかりなのにもう復活しているのだろう。締めたせいで更に内側から押し拡げられる気持ちいい場所。自分の身体なのにガクガク震えて制御出来ない。
食い締めるように、出されたものを味わうように。キュンキュンと腹の中が勝手に蠕動してしまう。
「はぁ…気持ちいい。アルト、お願い。そろそろ動いていい?」
待って、いま動かれたら…。
「…、」
はくはくと口は開くのに、声が出ない。
「動くよ、ごめん、動く」
待って、待って。
「ああぁぁ!!!」
鍛えられた強い腰によって、下からゴスンと衝撃が与えられる。
「うあっ、あっ、あっ、まって、まっ、あっ、」
プロキオの腹上で弾むように突き上げられ続ける僕の身体。
穴から出し入れされる度に太い雁首が掻き出すのだろう。中太りした幹を伝いトロリと粘液が外まで流れ出し、グジュグジュという音を奏でる。
それからパチュン、パチュン、と尻を腰骨で打たれる音。濡れているせいか余計に響く卑猥な音たちに耳の中まで犯されるようだ。
「あっ、あっ、あっ、あっ、」
この部屋は物置だったから他の部屋と少し離れてるせいで、安心した僕は抑えることなく声を上げてしまう。
「アルトッ、アルトッ、好きっ、好きだっ、」
視界が激しく揺れて、太腿の内側に痺れが走り、腹の中から背骨にジンジンと伝わる快感に頭の機能が低下していく。
きもちい、きもちい、
それしか頭にない。
「あっ、あっ、あっ、あっ、」
壊れたみたいに喘ぐ声しか上げられない。
快感を逃がそうと仰け反りすぎて、
あ、
後ろに……倒れる。
「アルトッ」
僕の両腕はプロキオに掴まれた。
左右の手首が一纏めにされてしまうほど大きな手。
毎日馬車の手綱を握る、その分厚くて逞しい手が、僕を支えてくれている…。
「あり…がと」
ほっとして思わず緩んだ僕の顔を見て、プロキオは何故かぐっと耐えるような顔をした。
「くっ、アルトッ」
もう片方の大きな手が僕のぐしょぐしょに濡れてぶるぶる揺らされてるものを包み込む。
ゴツゴツ硬くなった手のひらの皮が、敏感な所に擦れ…、
「あ、あぁぁ!!」
堪らなくなって僕は白濁液を迸らせていた。
「アルトッ、アルトッ、」
僕の名前を狂ったように呼ぶプロキオ。
仰向けに組み伏せられ、横抱きにされ、うつ伏せに背後から押しつぶされ、体勢を変えて何度も何度も、僕が気を失うまで抱かれ続けた。
目を開けると、ぐったり重い身体を大きな手が撫でてくれていた。しばらく起き上がれそうにない。
「…そうだ、アルト」
理性を取り戻したらしいプロキオが、ふと思い出したように口を開いた。
「君がくれたハンカチのお陰で、安く買い叩こうとされなくなったよ」
これまでは“田舎の村人が売りに来た物資”だからと下に見て、強引に値を下げさせようとする商人がいたらしい。ところがハンカチをチラリと見せるだけで手のひらを返したように態度を改められるそうだ。
国境にある田舎男爵とはいえ、フォークス家の紋章は案外知られているらしい。
「んっ、…それなら良かった」
首筋から背中までをザラリと硬い指先で撫でられて、敏感になっている僕の身体がゾクゾク震えた。
「あとね、アルトが作ってくれてる石鹸で毎日身体を洗うようになってから、いろんな人に話しかけてもらえるようになったんだ」
それはそうか。プロキオは匂いが良くなれば完璧だもんね。少し濃い顔だけどキリッとしてカッコいいし、働き者だし、
「アルトのおかげだよ」
何より優しい。
「あ、でも…この前怖いことがあって」
その優しい声が、急に弱々しいものに変わる。
「ん?」
「小さな村の宿だったんだけど。夜中に目が覚めたらさ、お腹の上に髪の長い女性がいて…」
え、怖…。怪談話…?
「僕の服を脱がせてきてさ、」
あー、なるほど?
よほど恐ろしい目に遭ったのだろう。僕の背中を抱いた手に力が入った。
「びっくりして、慌ててシオンの所に走っちゃった」
そのまま厩で夜を明かしたのだという。
「あぁ、僕も経験あるよ。びっくりするよね、アレ」
「え、アルトも? そっか、旅してたんだよね。…そうなんだよ。怖くてさ。もうあの宿に泊まれない。あの村には一軒しかないのに」
どうしたらいいかな?
「んー。そうだなぁ」
あ、そうだ。
良いことを思いついた僕は、プロキオの首元に近づくと、
「お守りをあげよう」
「あ、アルト?」
ぢゅっ、
「んんっ?!」
耳の下あたりに思い切り吸い付いた。シャツの襟に隠れるか隠れないかという微妙な位置だ。
プロキオ、顔真っ赤。可愛い。
「この印を見せて、娼館で遊んできたふりをすれば良いよ」
「しょうかん…」
「それでもダメなら『性病に気をつけるようにね』って教えてあげればいい」
「っ、じゃあさ、もう一つ痕を付けてくれないかな」
トンとプロキオが指を置いたのは胸の上。耳を当てるとトクントクン規則正しい音が聞こえるところだ。
確かに“遊んできた”なら“情熱的な感じ”がいいかも。
「分かった」
目の前の胸に唇を押し当て、思い切りぢゅっと吸う。
真っ赤な花が咲いたように、僕の痕がプロキオの肌に残った。まるで“執着心が強い恋人が付けた印”みたいだ。
再び悪戯心が湧いてきた。
もう一つ付けちゃおう。すごいやつ。
呼吸に揺れる胸の突起に吸い付き、
「いっ!!!」
そのままガリッと噛みついた。
「痛いよアルト…」
小さな乳首の周りに派手な歯形がくっきりと残った。真っ赤になったその部分が僕の唾液で濡れてエッチだ。
「これだけ情熱的な痕を残せば“遊んできた”感じがするでしょう?」
プロキオは自分の胸を見ると、真っ赤な顔でコクコク頷き、
「ありがとう」
涙目のまま嬉しそうに笑った。
◇
ギーウスを乗せた馬車。
そこに乗ろうとするプロキオへ、いつものようにクッキーを渡す。すぐ食べる用と、日持ちする用、彼の相棒用が入った袋だ。
「ありがとう、アルト」
嬉しそうに笑う彼の頭にはやはり犬の耳が見える気がした。盛大に振られる尻尾も。
「やっぱり娼館に行ったフリをするのはやめる」
急に何を言い出すのかと戸惑った僕の手を、プロキオはキュッと大きな手で捕えると、
「『大切な人が家で待ってくれてるんだ』って言うよ」
そう僕の耳に囁いた。
昨夜を思い出させる手の熱さ、注がれた声の甘さに思わず耳を押さえて赤面していると、
後ろからシャツをクンッと引かれる。
「アルトのばか。浮気者…」
うわ…。膨れた頬が可愛すぎるよヴェダ。
『浮気者』なんて言葉、どこで覚えたの?
プロキオとギーウスを見送った後、僕はヴェダを抱き締めると、
『可愛い、大好き』って何度も頬や額や瞼にキスをした。
「…もう。アルトってば、」
真っ赤になったヴェダも、僕の頬や額、瞼にキスを返すと、
「僕も大好きだよ」
微笑んで僕の背中に手を回し、キュッと力を込めてくれた。
朝まで1人にしてごめん、ヴェダ。
今夜はたっぷりご奉仕させてね。
その指でお尻をほぐすことにした。
「んっ…、」
つぷりと中指を差し込み、ヌルヌル抜き差しするうちに、慣れた僕の身体は違和感を快感へ変えていく。
上体を起こしたプロキオが僕の痴態を瞬きせずにじっと見ていた。
指の数を3本まで増やして拡げるようバラバラに動かすと、ヌチャヌチャいやらしい音がしてくる。
…そろそろいいかな。
僕のなかに入りたくて、テラテラ濡れたプロキオのものが揺れている。はぁはぁ荒い呼吸音が彼の興奮を物語っているようだった。
仰向けに横たわった彼の胴を跨いで膝をつく。指に触れた胸筋と腹筋の凹凸にいつもながら惚れ惚れする。
ひくひく揺れるプロキオのものを片手で支えながら、もう片方の手で自身の尻たぶをぐっと開き、ゆっくり腰を下ろしていけば、お尻の中心にひたりと丸くて大きな熱が触れた。
(あ、入ってくる)
そう思った直後、ズブリと一息に貫かれる。
「んぁっ!!」
開いた僕の両膝がシーツの上を滑り、腰ががくりと落ちたのだ。
…実際はプロキオが僕の膝を開かせるように両手で悪戯していたのだが、あまりの衝撃に気付かなかった。
思わず仰け反った後、はっ、はっ、と息を整えていると、内側からググッとお腹側の弱いところを押し込まれて動けなくなる。
堪らず身体を丸めた僕の視界に、プロキオの指が近づいてくるのが見えた。
「ま、まって、まだ」
胸に迫る指先。それから逃れようとするけれど動けない。少しでも動こうとすれば下半身から痺れのようなものが背骨を走り抜けて堪らないのだ。
シャツの布越しに左右の尖りをキュッと同時に摘まれる。
「あぁっ!!!」
その瞬間、胸からビリビリが走り抜けた。
ギューッと僕の内部が彼を搾り上げたのだろう。ビュルビュルと腹の中に精が放たれるのを感じた。
どうして出したばかりなのにもう復活しているのだろう。締めたせいで更に内側から押し拡げられる気持ちいい場所。自分の身体なのにガクガク震えて制御出来ない。
食い締めるように、出されたものを味わうように。キュンキュンと腹の中が勝手に蠕動してしまう。
「はぁ…気持ちいい。アルト、お願い。そろそろ動いていい?」
待って、いま動かれたら…。
「…、」
はくはくと口は開くのに、声が出ない。
「動くよ、ごめん、動く」
待って、待って。
「ああぁぁ!!!」
鍛えられた強い腰によって、下からゴスンと衝撃が与えられる。
「うあっ、あっ、あっ、まって、まっ、あっ、」
プロキオの腹上で弾むように突き上げられ続ける僕の身体。
穴から出し入れされる度に太い雁首が掻き出すのだろう。中太りした幹を伝いトロリと粘液が外まで流れ出し、グジュグジュという音を奏でる。
それからパチュン、パチュン、と尻を腰骨で打たれる音。濡れているせいか余計に響く卑猥な音たちに耳の中まで犯されるようだ。
「あっ、あっ、あっ、あっ、」
この部屋は物置だったから他の部屋と少し離れてるせいで、安心した僕は抑えることなく声を上げてしまう。
「アルトッ、アルトッ、好きっ、好きだっ、」
視界が激しく揺れて、太腿の内側に痺れが走り、腹の中から背骨にジンジンと伝わる快感に頭の機能が低下していく。
きもちい、きもちい、
それしか頭にない。
「あっ、あっ、あっ、あっ、」
壊れたみたいに喘ぐ声しか上げられない。
快感を逃がそうと仰け反りすぎて、
あ、
後ろに……倒れる。
「アルトッ」
僕の両腕はプロキオに掴まれた。
左右の手首が一纏めにされてしまうほど大きな手。
毎日馬車の手綱を握る、その分厚くて逞しい手が、僕を支えてくれている…。
「あり…がと」
ほっとして思わず緩んだ僕の顔を見て、プロキオは何故かぐっと耐えるような顔をした。
「くっ、アルトッ」
もう片方の大きな手が僕のぐしょぐしょに濡れてぶるぶる揺らされてるものを包み込む。
ゴツゴツ硬くなった手のひらの皮が、敏感な所に擦れ…、
「あ、あぁぁ!!」
堪らなくなって僕は白濁液を迸らせていた。
「アルトッ、アルトッ、」
僕の名前を狂ったように呼ぶプロキオ。
仰向けに組み伏せられ、横抱きにされ、うつ伏せに背後から押しつぶされ、体勢を変えて何度も何度も、僕が気を失うまで抱かれ続けた。
目を開けると、ぐったり重い身体を大きな手が撫でてくれていた。しばらく起き上がれそうにない。
「…そうだ、アルト」
理性を取り戻したらしいプロキオが、ふと思い出したように口を開いた。
「君がくれたハンカチのお陰で、安く買い叩こうとされなくなったよ」
これまでは“田舎の村人が売りに来た物資”だからと下に見て、強引に値を下げさせようとする商人がいたらしい。ところがハンカチをチラリと見せるだけで手のひらを返したように態度を改められるそうだ。
国境にある田舎男爵とはいえ、フォークス家の紋章は案外知られているらしい。
「んっ、…それなら良かった」
首筋から背中までをザラリと硬い指先で撫でられて、敏感になっている僕の身体がゾクゾク震えた。
「あとね、アルトが作ってくれてる石鹸で毎日身体を洗うようになってから、いろんな人に話しかけてもらえるようになったんだ」
それはそうか。プロキオは匂いが良くなれば完璧だもんね。少し濃い顔だけどキリッとしてカッコいいし、働き者だし、
「アルトのおかげだよ」
何より優しい。
「あ、でも…この前怖いことがあって」
その優しい声が、急に弱々しいものに変わる。
「ん?」
「小さな村の宿だったんだけど。夜中に目が覚めたらさ、お腹の上に髪の長い女性がいて…」
え、怖…。怪談話…?
「僕の服を脱がせてきてさ、」
あー、なるほど?
よほど恐ろしい目に遭ったのだろう。僕の背中を抱いた手に力が入った。
「びっくりして、慌ててシオンの所に走っちゃった」
そのまま厩で夜を明かしたのだという。
「あぁ、僕も経験あるよ。びっくりするよね、アレ」
「え、アルトも? そっか、旅してたんだよね。…そうなんだよ。怖くてさ。もうあの宿に泊まれない。あの村には一軒しかないのに」
どうしたらいいかな?
「んー。そうだなぁ」
あ、そうだ。
良いことを思いついた僕は、プロキオの首元に近づくと、
「お守りをあげよう」
「あ、アルト?」
ぢゅっ、
「んんっ?!」
耳の下あたりに思い切り吸い付いた。シャツの襟に隠れるか隠れないかという微妙な位置だ。
プロキオ、顔真っ赤。可愛い。
「この印を見せて、娼館で遊んできたふりをすれば良いよ」
「しょうかん…」
「それでもダメなら『性病に気をつけるようにね』って教えてあげればいい」
「っ、じゃあさ、もう一つ痕を付けてくれないかな」
トンとプロキオが指を置いたのは胸の上。耳を当てるとトクントクン規則正しい音が聞こえるところだ。
確かに“遊んできた”なら“情熱的な感じ”がいいかも。
「分かった」
目の前の胸に唇を押し当て、思い切りぢゅっと吸う。
真っ赤な花が咲いたように、僕の痕がプロキオの肌に残った。まるで“執着心が強い恋人が付けた印”みたいだ。
再び悪戯心が湧いてきた。
もう一つ付けちゃおう。すごいやつ。
呼吸に揺れる胸の突起に吸い付き、
「いっ!!!」
そのままガリッと噛みついた。
「痛いよアルト…」
小さな乳首の周りに派手な歯形がくっきりと残った。真っ赤になったその部分が僕の唾液で濡れてエッチだ。
「これだけ情熱的な痕を残せば“遊んできた”感じがするでしょう?」
プロキオは自分の胸を見ると、真っ赤な顔でコクコク頷き、
「ありがとう」
涙目のまま嬉しそうに笑った。
◇
ギーウスを乗せた馬車。
そこに乗ろうとするプロキオへ、いつものようにクッキーを渡す。すぐ食べる用と、日持ちする用、彼の相棒用が入った袋だ。
「ありがとう、アルト」
嬉しそうに笑う彼の頭にはやはり犬の耳が見える気がした。盛大に振られる尻尾も。
「やっぱり娼館に行ったフリをするのはやめる」
急に何を言い出すのかと戸惑った僕の手を、プロキオはキュッと大きな手で捕えると、
「『大切な人が家で待ってくれてるんだ』って言うよ」
そう僕の耳に囁いた。
昨夜を思い出させる手の熱さ、注がれた声の甘さに思わず耳を押さえて赤面していると、
後ろからシャツをクンッと引かれる。
「アルトのばか。浮気者…」
うわ…。膨れた頬が可愛すぎるよヴェダ。
『浮気者』なんて言葉、どこで覚えたの?
プロキオとギーウスを見送った後、僕はヴェダを抱き締めると、
『可愛い、大好き』って何度も頬や額や瞼にキスをした。
「…もう。アルトってば、」
真っ赤になったヴェダも、僕の頬や額、瞼にキスを返すと、
「僕も大好きだよ」
微笑んで僕の背中に手を回し、キュッと力を込めてくれた。
朝まで1人にしてごめん、ヴェダ。
今夜はたっぷりご奉仕させてね。
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