vtuberさんただいま炎上中

なべたべたい

文字の大きさ
63 / 86
第5章 新たなるステージ

63話 お、大爺様すげえ!

しおりを挟む
「グレイ!大福!餌の時間だぞ~」

俺がドッグフードとキャットフードに、それに加えてペットでも食べれるケーキを作ってそれを床に置くと、はぁはぁと息を荒くしてグレイは走ってくると、餌の前で涎を垂らして、大福が来るのを今か今かと待ち構えていた。

そんなグレイの事はどうでもいいかの様に、大福はあくびをしながらゆっくりとこちらへと歩いて来た。

「ほら、グレイに大福たーんとお食べ」

俺はグレイと大福の頭を撫でながらそう話した。

あの配信の後、宣言通り俺がグレイの上に大福を乗せた画像をツイッターにあげた所、それがびっくりグレイと大福の画像はバズり、俺のことを放っておいてどんどん2匹は人気になっていった結果、それ以来俺のツイッターはグレイと大福目当てで見にくる動物好きと、俺が前からちょくちょくあげている料理の画像やレシピを見にくる奥様方に、そんなに勢力には劣るが九重ホムラのファン及びアンチの、3勢力がごった煮状態になっていた。

まぁそんなおかげで俺のツイッターはグレイと大福のおかげで、ありがたい事にフォロワーが5万人を超え、俺のユーチューブの登録者の約2倍近くになっていた。

そんな訳で俺はグレイと大福に感謝の意も込めて、作るのは初めてだったのだがペット用のケーキを作ってあげたのだ。

俺の作ったケーキを美味しそうに食べている2匹を見ながら、俺はニヤニヤと笑みを浮かべていると、仕事用のスマホが鳴った。

誰からだろう?ハジメか?

そんな事を思いながら俺がスマホの画面を見ると、そこには俺達一期生のマネージャーの様な事をしてくれていた園野さんから連絡が来ていた。

その名前を見た俺は先程までのゆるい顔から一瞬で、真面目な顔つきに変わり連絡を取った。

『もしもし園野さんどうかしましたか?』
『あ、ホムラさん朗報です。多分ですけど例の件うまく行きそうです。』

俺が電話に出て園野さんに質問をした所、園野さんは前見た時の様な暗い感じは一切なく、まだ運営があんな事になる前の様にハキハキとした声でそう話をしてくれた。

園野さんの言う例の件とは、以前meme先生にも説明した事のある、九重ホムラの権利をユメノミライと言うよりかは、ユメノミライを運営して居る会社から奪取すると言う作戦だ。

正直俺的にはこの作戦に関しては、すぐに結果が出るとは思ってなく、こんなにも早く園野さんから連絡が入った事に驚いた。

と言うか園野さんからの連絡で、例の作戦が現実味が増して今更ながら俺は、本当にこんな作戦で上手くいくのか?
と少し心配になって来た。

その成功するかもよくわからなくなって来た例の作戦と言うのは、その名も【ごり押せ!金と権力で権利を奪取作戦】だ。

その作戦内容は作戦名の通り、権力と金で腐った運営から無理矢理奪うと言った作戦だ。

実は母方の実家に行った際に大爺様が、俺の今の現状を知った際に静かに怒り、そこで俺が九重ホムラの権利を手に入れたいと話した時に、大爺様は自分を後ろ盾に使ってもいいと言う事を言われたので、俺は元作戦【ごり押せ!金の力で権利を奪取作戦】から、【ごり押せ!金と権力で権利を奪取作戦】へと変更する事にした。

前にも行った事があるとは思うが、うちの運営と言うよりかはその上層部は、vtuberと言うものには全く興味はなく、その実態は金と権力に目が無いだけの無能集団なので、元々俺は金さえ積めば簡単に九重ホムラの権利を譲ってくれるとは思っていたが、それだけだと多分足元を見られて結構吹っ掛けられると思っていたので、金が貯まるのに時間が掛かっていたのだが、権力の権化と言ってもいい大爺様の名前を借りれるのならば、虎の威を借る狐ばりに大爺様の権力を使えば、あのガバガバだった作戦は、あっという間に成功率99%とを超える作戦へと変身したのだった。

とは言ったものの、その作戦は俺が運営の上層部と直接会って話さないといけない為、その為にはまずは俺がその運営の上層部に会わないといけないのだが、俺如き一般企業勢クソ雑魚vtuberが、腐っても大手とは言えないが、名前の通っている企業の上層部と簡単に会えるわけもなく、その辺を園野さんに頼んでいたのだが、まさかこんなにも早く連絡が来るとは思っていなかった為、俺は驚いた。

『え、もう話がついたんですか!?』
『はい、ホムラさんに言われた通り大爺様さんでしたっけ?その人の名前を出したら、すぐに返事が来て話し合いがしたい。……との事です。』
『なるほど、わかりました。それで日時は?』
『はい、それはですね……』

そんな訳で1週間後に俺と園野さんで、ユメノミライを運営をしている会社の本社に行き、話し合いする事になった。

そうして俺は園野さんとの通話を切り、そして改めて思ったのだが……

「お、大爺様すげぇぇ!」

流石は金城との縁談を取って来れる程の男だ!

その圧倒的な権力、レベルが違ぇぜ!

「って言うかこんなにもあっさり行くなら、もっと前に相談しとけば良かったな」

俺は過去に何度も抗議したりしていた事を思い出して、何ともやるせ無い気持ちになりながらも、もっと早くに手を打っておけば、前のライブにももしかしたら出れていたかも知れないと思い、少し落ち込みその場に座った所、グレイと大福は落ち込んでいる俺を見て、慰めようとこちらの方へと来ると、頭をスリスリと擦り付けて来た。

その様子に俺の心は癒された。

「お前ら慰めてくれるのか!かわゆい奴らめ~!」

そう言って俺はグレイと大福を両腕に抱えて、わしゃわしゃと撫で回した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私がガチなのは内緒である

ありきた
青春
愛の強さなら誰にも負けない桜野真菜と、明るく陽気な此木萌恵。寝食を共にする幼なじみの2人による、日常系百合ラブコメです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...