あの頃の君に…

百千藤(もちと)

文字の大きさ
3 / 7
第二話

いじめられっ娘との出逢い

しおりを挟む
佑「あ~~着いた!あっちい」

剣「セーフ!みんな間に合ったねー」

汗をかいてまで走ったかいがあり無事みんな遅刻することなく学校に着くことができた。
早くクーラの効いた教室に入って涼みたいものだ。

薺「ねえ、一限目て何だっけ?」

真白「はっ!!えっと…確か…体育だったような。」

佑「終わった…」

薺「死んだ…」

星「みんな忘れてたみたいだな。」

佑「最悪だよ!マジで。」

確かに最悪だ、只でさえ熱いのに体育なんてたまったもんじゃない。
体力がない僕はなおさらだしおまけに体育館でバスケだったような…

葉「はぁ~。早く教室に行こ」


靴を上履きに履き替えて、教室に向かうついでにトイレを済ませようと思い足を運ぶと人だかりができていた。
少しずつ近づいていくと集まっている生徒達の会話が聞こえてきた。

生徒「あの女子可哀想。」「あれはやり過ぎじゃね?」

剣「何かあったのかな?」

佑「知らね。おい!お前ら邪魔なんだよ。トイレ使えねーだろ!」

佑の声で皆が振り向き一人のクラスメイトが僕らにあいさつしてきた。

「あ!椿君おはよう。みんなもおはよう。」

佑「こんなに集まって何してんだ?」

「その…女子トイレで」

薺「女子トイレに何かあるの?って何あれ?」

星「ん?おいおい!マジかよあれ。」

星の言葉とともに女子トイレを覗いてみるとそこには、バケツに入った水を頭からかけられている一人の女子生徒がいた。

「お前調子乗ってんじゃねーよ」「人の男に手だしてんじゃねーよ」

三人の女子生徒達の怒号がトイレに鳴り響いている。

剣「どーする?止めた方がいいんじゃないの?」

佑「え?あれを止めんのか?無理だろ。」

真白「やめたほうがいいだろうな、俺たちが止めに入ったところで治らないし更に悪化する可能性だってある。」

星「そうだよな。あーゆうのは彼女には悪いけど関わらない方がいいかもな。なぁ葉…っておい!!マジかよアイツ」

薺「あ~行っちゃった。ああなったらもう止まんないよ」

みんなの言葉も耳に入らないくらいの早さで僕の足は彼女の方へと自然と向かっていた。


葉「ねぇ…何してんの?」

女子生徒1「えっ?あっ楸君!!おはよう。」

葉「うん、おはようじゃなくて何してんのって聞いてんの?」

女子生徒2「いやっこれはこの子が!」

葉「にしてもやり過ぎでしょう、まだ登校してきたばっかりだよ。授業も始まるしもう辞めときなよ…ね?」

女子生徒3「楸君が言うならそうするけど…みんなもう教室に戻ろ!あっ楸君その女にあんまり関わらない方が良いよ。」

最後にその言葉を吐いてイジメていた三人は自分たちの教室に戻っていった。
僕は、彼女達が言ったその意味を後々知ることになる。


これが僕、楸葉と一本百合依(いちもとリリイ)との最初の出逢いだ…

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんとの親子丼をちょっと書きたくなっただけです。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

嘘をつく唇に優しいキスを

松本ユミ
恋愛
いつだって私は本音を隠して嘘をつくーーー。 桜井麻里奈は優しい同期の新庄湊に恋をした。 だけど、湊には学生時代から付き合っている彼女がいることを知りショックを受ける。 麻里奈はこの恋心が叶わないなら自分の気持ちに嘘をつくからせめて同期として隣で笑い合うことだけは許してほしいと密かに思っていた。 そんなある日、湊が『結婚する』という話を聞いてしまい……。

処理中です...