鎖でつないで、ここにとどめて

青埜澄

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6話

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「靖一は?……出す?」

 ノラがゆっくりと顔を上げ、上目遣いで見つめてくる。そのまま、そっと靖一の熱に触れた。

「手は使うな。犬らしく、口で奉仕しろ」

 その言葉にノラは一瞬まばたきをし、それからゆっくりと動き出した。器用に唇を使い、それを取り出して舌先でぺろりと舐める。柔らかく濡れた感触に、靖一の腰がじわりと熱を帯びて反応する。
 ノラの唇がそれを口に含み、喉奥へと沈んでいく。苦しそうに頭を振る動きを、靖一は片手で押さえた。するとノラの手が、苦しさに耐えかねたようにその根元に伸びてくる。

「……んぶっ、ご」
「駄目だ。手は、自分のを扱け」

 命令に、ノラはわずかに怯えたように目を見開いたが、従順に自分の脚の間へ手を伸ばす。その指先は迷いながらも、自分の中心に触れ、上下に動かし始めた。
 靖一はノラの頭を前後に動かしながら、その様子を見下ろす。ノラの指が空中を泳ぐたび、命令を思い出したように再び自身へと戻される。まるで、意識の奥底で靖一の声に縛られているかのようだった。
 やがて、ぐっと腰を前に押し出すと、喉奥の感触が際立つ。ノラのあばらが浮かび、眉間にしわが寄る。そこに熱が高まっていき、靖一は固くなったそれを一気に引き抜いた。

 ノラの喉が跳ね、口元から涎がぼとぼとと垂れ落ちた。

「ゲェッ……オエッ」

 咳き込むノラの頭を軽く撫でるように押さえながら、靖一は言った。

「ほら、ノラ。俺に尻を突き出して、自分で穴を広げて言ってみな。『ここに入れてください』ってな」

 ノラは咳をひとつ洩らして顔を赤らめた。そして、ぼそりと呟く。

「……ほんと容赦ないな。御主人様は」

 そう言いながらくるりと背を向け、四つん這いになる。尻を突き出し、両手でその中心を開きながら、小さく言った。

「……ここに、入れてください」

 靖一の視界に広がったその姿は、あまりにも無防備で、媚びたようで、それでいて──少しだけ愛らしくもあった。
 指先でゆっくりと中を探り、潤滑剤をつけて押し込んだ瞬間、ノラの身体がびくりと跳ねる。

「──あ……!」

 狭くて、熱くて、奥でうねる感触。ノラの内壁が、ゆるやかに締めつけてくる。靖一はゆっくりと腰を動かしながら、ノラの声色に耳を澄ませた。

「あっ、そこ……っ」

 その反応を拾って、そこを何度も擦る。ノラの喘ぎは次第に甘く、潤んだものに変わっていった。

「……もっと……きて……」

 切なげにこぼれる声に、靖一の動きが激しさを帯びる。腰を押し込むたび、ノラの身体が跳ね、ベッドがわずかにきしむ。
 気づけば、自分の呼吸も荒くなっていた。
 ノラの背中を押さえながら、靖一は最後のひと突きを深く沈めるように押し込んだ。

「──っ、んっ……!」

 果てた瞬間、ノラの身体が大きく震えた。
 熱が溢れ、内側に広がっていく感触。だが、靖一はすぐには抜かなかった。ノラの中の熱を感じながら、しばらくそのままじっとしていた。
 やがてゆっくりと腰を引くと、ノラも小さな声を洩らしながら、ぐったりとベッドに沈みこんだ。
 その背中を無言で見つめる。背中には赤い痕が点々とついていた。
 靖一は、そっとその肩に手を伸ばした。触れるか触れないかの距離で、ためらう。
 だが、ノラがその手に気づいたように、震える指で靖一の肌にそっと触れてきた。
 そのぬくもりに、靖一は少しだけ目を細めた。
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