鎖でつないで、ここにとどめて

青埜澄

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13話

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 ノラを押し倒し、ベッドに手錠で固定した時点で、靖一の中の獣は目覚めていた。そして、その視線は容赦なくノラの全身をなぞっていた。

 ぴんと張った腕、頬を染める赤、何より──その黒いレースのメイド服。
 肩が露わになっていて、スカートは少し持ち上がり、腿の付け根まで見えている。

「似合ってる」

 靖一はそう言うとノラの両脚を掴み、ゆっくりと開いていく。

「……なに、するの……」

 ノラがそう言ったときには、もう靖一の視線は下着の奥へと降りていた。
 両脚を大きく開かされた恰好で、視線だけを与えられる。触れられてもいないのに、ノラの腰が小さく震える。

「……これ着たら主導権譲るって言ったのに……」

 靖一は返事をしなかった。触れないまま、そのまま間を取る。
 ノラが焦れたように腰を浮かせた瞬間──そのタイミングで、靖一は指を下着の上からゆっくり撫でた。

「っ……ぁ……っ、……や……」

 ノラの身体が跳ねる。濡れているのが、はっきり分かった。

 靖一は手を止める。そして何も言わず、ノラの顔を見る。目が合ったまま、何もしない。

「……触って……?」
「『触ってください。お願いします』だろ。要求には応えてやるよ」
 
 一瞬ノラの瞳が揺れる。

「触ってください。お願いします」

 恥ずかしげに言うその声を聞いて、やっと靖一は再び手を動かした。今度は下着の隙間から直接、熱のこもったところをなぞる。
 指の腹がぬるりと濡れ、指を奥へと沈めた。

「やっ……ぁ、んっ……ん、ぁ……!」

 膝を立てさせた姿勢のまま、靖一はノラの中を探るように指を動かす。くちゅ、くちゅと水音が室内に響く。

 ノラの乳首が服越しに立ち上がっているのが目に入った。

 靖一は言葉を発さず、ノラの胸元へと顔を近づけ、服の上から軽く舌を這わせる。レース越しの感触に、ノラの身体が再び跳ねた。

「……っふ、ぁ……ダメ、そんなの……」

 靖一はそこで止める。そして、またじっとノラを見つめたまま何も言わない。

「……脱がせてください。直接、触ってほしいです……」

 その言葉が出た瞬間、靖一はメイド服の前ボタンを外し、その隙間から片方の乳首を露わにした。

 むき出しになったそこに、舌を押し当てて、強く吸う。
 「ちゅっ」「んっ」という湿った音に混じって、ノラの喉から情けない声が漏れる。

「っ、は……ん、あ、ぁっ……!」

 腰の下では、挿入を待つようにノラの性器がひくひくと震えていた。
 靖一はその上に自分の熱を押し当てたまま、動かない。ただ、わずかに擦りつけるだけ。

「……して……」

 それでも、靖一は動かない。

「……入れて……ください……もう、我慢できない……」

 その言葉に、やっと腰を打ちつけた。
 一気に奥まで貫かれたノラは、ベッドの上で小さく跳ねるように仰け反った。

「あっ、ぁ、くぅっ……!」

 激しく、何度も、奥を打つ。パンパンと肌がぶつかる音が響き、シーツの上でノラの髪が乱れる。

 手錠で縛られたまま、身動きの取れない体を、靖一は押さえつけながら繰り返し突き上げる。

「っ、あ……あぁっ、や、っ……!」

 靖一はずっと、無言のまま。
 ただ、腰の動きだけがどんどん激しくなり、スピードを増していく。

 服を脱がせきることはしない。メイド服のまま、乳首だけが露出した格好で、犯され続ける。
 その背徳感も混ざって、ノラの目は完全にとろんと潤み、口元が無意識に開いた。

「ん……っ、靖一……もっと……もっとください……!」

 反応を促すように締めつけが強くなる。
 靖一は一瞬だけ動きを止めて、ノラの首筋に唇を這わせた。そして耳元で、低く囁く。

「……いい子だな」

 そして再び、激しく打ちつける。

 ベッドが軋む音と、濡れた水音と、ノラの喘ぎ声が混ざり合い、ホテルの一室は淫靡な空間へと塗り替えられていく。

 そして、何度目かの突き上げの後──

「っ……ああっ……っ、い、い……っ!」

 ノラの身体が震えきると同時に、靖一も熱を吐き出すように奥を満たした。

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