ノーコン天使と悪魔公爵~契約の対価は必ず払ってもらう(予定)!~

如月咲耶

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そして二人は

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その一時間後。
豪壮華麗な魔王宮の一角、奥の謁見の間へと続く回廊を歩くラフィエルとエイレーネの姿があった。

どっしりとした円柱が両脇に立ち並ぶ回廊は、しんと静まり返っていた。
先導する兵士と二人の足音が、かつかつと廊下に反響する。


「ラフィエル様……」

不意に、エイレーネが少し前を歩いている彼の袖を引いた。
物問いたげに見つめてくる翡翠の瞳は、言い知れぬ不安に揺れている。
無理もないだろう。
魔王の所に連れて行かれた自分が一体どうなるのかがまるでわからないのだから。


「……大丈夫だ。何があっても、俺はお前を離す気ないから」

ぽふん、と彼女の頭を軽く叩いて。
潜めた声でラフィエルが告げた言葉に、少女はようやく安心したように小さく笑って頷いた。




やがて、謁見の間に着いた二人の前で扉が大きく開かれる。
先導の兵士が彼らの到着を告げて、彼らが部屋に足を踏み入れた途端。


「………レーネ…っ!」

どこか聞き覚えのある声が、エイレーネの名を声高に呼んだ。
驚いたラフィエルが声の主へと視線をやると、そこには二人の天使がいた。
こちらへと駆け寄ってくる大柄な壮年の天使に、彼は見覚えがあった。

「――――大天使次長の、ガブリエル殿…?」
「……父様……っ!?」

呟いた声に、エイレーネの叫びが重なる。

「レーネ! 無事だったんだな、よかった……! お前が突然いなくなって、俺たちがどんなに心配していたか……!」

突進してきた大天使次長は悪魔から愛娘をひったくるようにして抱きしめた。
父親がいかに心配していたかを目の当たりにして、彼女も申し訳なさそうに謝る。

「心配かけてごめんなさい、父様……」
「大丈夫か? 何かひどい目にあわされたり、変なことをされたりしなかったか?」
「ええ、大丈夫よ。ラフィエル様がいろいろよくしてくれたから」

尋ねながら、父親は怪我がないか上から下まで見回して。
傷一つなく至って元気そうな娘の姿を確認すると、とりあえず安心したように息をついた。




「ラフィエルよ、そなた…とんでもないことをしでかしてくれたのう…」

ガブリエルの迫力に押され目の前の光景を呆然と眺めていたラフィエルは、魔王の声でようやく我に返った。

「陛下……それは……」
「よりにもよって、大天使次長殿のご息女を……しかも、次代の『地の守護天使』候補でもある天使を攫ってくるとは……」
「な……っ!」

渋い顔で魔王が告げた事実に、彼は衝撃を受けた。


この世界は、地・水・火・風の四大元素から成り立っている。
世界のバランスが崩れぬよう、その構成要素であるそれぞれを管理・守護する天使が天界には存在する。
勿論、その守護天使にはそれだけの強大な魔力と心身の清らかさが必要とされる。

(道理で、レーネがああまで純粋無垢だった訳だ……)

箱入り娘も顔負けの純粋無垢ぶりや、それに似合わぬ強大な魔力も、これで全て納得がいく。

普通の天使なら恋愛も自由であるし、結婚し子供を作ることもできる。
しかし、守護天使は人間の言葉で言うなら『神官・巫女』にも等しい存在。
それだけに心も身体も清らかであることを要求される。
従って、守護天使に選ばれた者は一生独身を通すのが普通である。




「知らぬこととはいえ、今回のことはたとえ四大公爵の一人であるそなたといえど……流石に許す訳にはいかぬ」

厳しい表情の魔王が目で合図を送ったのは――――同じく四大公爵の一人、ラムダだった。
魔王の指示を受けて、彼は淡く銀色に輝く手錠を手にしてラフィエルへ近づいてくる。

「ごめんよ、ラフィエル」
「ラムダ……」

すまなそうな顔をした友人の手によって、かしゃりと冷たい手錠が掛けられる。
それは、悪魔の魔力を封じる銀水晶でできた手錠だった。
勿論、彼のような大悪魔用に特別に作られた強力なものである。


両手にはめられたそれを憮然とした面持ちで眺め、ラフィエルは口を開いた。

「お言葉ながら、陛下。私は彼女を攫ってきた訳ではありません。契約の下、合意の上で連れて来たのですから」
「………契約だと? 天使相手に?」
「はい」

悪魔が天使相手に契約するなど前代未聞、あまりにも意外な答えに、魔王はおろかその場にいた全員(ラムダを除く)が目を剥いた。

「エイレーネよ、それは本当か?」
「はい、その通りです。ラフィエル様には人間の女の子の命を助けてもらいましたから」

彼女の答えに、今度こそ全員が驚きの声を上げた。
彼らの知るラフィエルと彼女の言う善行が全くそぐわなかったからである。

「契約印も既につけてあります」

そこに、ラフィエルがまたまた爆弾発言を投げ込む。

「なっなんだとぉ…っ!?」

それに真っ先に反応したのは、父親のガブリエルであった。

「レーネっ、どこだ! どこにそんな印を……っ!」
「えっ? ここだけど……」

血相を変えて尋ねてくる父親に、エイレーネは胸元を少し広げてその印を見せた。
胸に刻まれた独特の文様を見て、父親は真っ赤になって怒り出す。


「こいつ……っ!! なんてことしやがったっ!!」

怒りの形相も凄まじく、手錠をはめられたままのラフィエルに詰め寄り、胸倉を掴み上げる。
しかし、その手は他ならぬ娘によって止められた。

「父様っ、やめて! ラフィエル様は悪くないんだから!」

必死の面持ちで言い募り、少女はラフィエルを庇うように前に立った。


「何が悪くないんだ! 契約だか何だか知らないが、お前は騙されて連れてこられたんだぞ! おまけにこんな印までつけられて!」
「女の子の魂を助けてってラフィエル様に頼んだのは、私よ! ラフィエル様は悪くない! それどころか、ラフィエル様のおかげで、力も随分制御できるようになったの。いろいろ親切に面倒見てもらって、訓練もしてもらったんだから…!」

エイレーネの口から語られる意外な姿に、彼をよく知る魔王も太乙も目を丸くして聞いている。


被害者である彼女にこうまで加害者である悪魔を擁護されては、ガブリエルも調子が狂ってしまったらしい。
気を取り直そうと、大きく咳き払いをして。

「とっとにかく! 休戦中であるにも関わらず、天使を、しかも『地の守護天使』候補の天使を攫ったのですから! 下手をすれば、こちらが休戦を破棄してもおかしくない所ですぞ! 魔王陛下が必ずエイレーネを見つけて無事に返すと確約して下さったからこそ、それに免じて今まで黙って待っていただけのこと」

表情を改め、彼は大天使次長として改めて抗議する。
それに対して、魔王はいちいち頷いてみせた後、重々しく口を開いた。

「臣下の不始末、誠に申し訳ない。ただ、ご息女の言葉からすると、ラフィエルは彼女を大切に扱ってはいたようだし、こうして無事に戻ってきたことに免じて、どうか今回のことは許してもらいたい。勿論、この男には厳しい処分を下す。それで今回のことは不問に処してはくれまいか? せっかく休戦で得た平穏を乱したくはないゆえ」


魔王の丁重な謝罪に、流石のガブリエルもいつまでも怒りを持続させている訳にはいかなかった。
元々彼も和睦派であり、今回のことを騒ぎ立てて今の和平に亀裂を入れるつもりはなかったのである。


「………陛下がそこまで仰るのならば、今回のことは不問にいたしましょう。私どもとて、今の平和を崩したい訳ではありません。ただ、二度とこんなことを起こされては困りますが」

彼も渋々ながら怒りの矛先を収めることにしたようだ。

「無論、今後は誓ってこのようなことは起こさせぬゆえ」
「わかりました。では、そのように大天使長にもお伝えします」
「よろしく頼む。大天使長にくれぐれもよしなに」

魔王と大天使次長の間で言葉が交わされ、とりあえずこれで今回の事件は決着がついたように思われた。


「承りました。………それでは、これにて失礼いたします。レーネ、帰るぞ」

丁寧に辞去の挨拶をすると、彼は娘の手を引っ張ってその場を去ろうとする。
しかし、エイレーネはその場に踏み止まり、抗った。

「待って、ラフィエル様はどうなるの?」
「当然、陛下の仰った通り、厳罰に処されるだろう。さ、帰るぞ。皆が心配してる」
「そ、んな……ラフィエル様は悪くないって、言ってるのに!」
「天使を攫っておいて、何が悪くないんだ。お前はあいつに誑かされてるんだ。天界に帰れば、そんな気の迷いもすぐ覚める」
「違うっ!! ラフィエル様は…っ」

頑として動こうとしない娘に業を煮やしたのか、ガブリエルは有無を言わせぬ力で腕を掴み引きずっていく。

「いやっっ!! ラフィエル様と離れたくない…っ! ラフィエル様……!」

あらん限りの力で暴れるが、父の腕は万力のようにがっちりとエイレーネを戒めて離してくれない。
悲痛な声で、彼女は必死に愛する人を呼んだ。


その叫びを耳にして、すぐにも彼女を取り戻すべく駆け出そうとしたラフィエルだったが。

「レーネ……うっ!?」

身体が全く思うように動かないのに気づいて、愕然とした。
その場に立っていることはできても、足を踏み出すことも、腕を上げるのにすら恐ろしいまでの力を込めなければ動かないのだ。
どうやら、ラムダの特製らしきこの手錠は魔力だけでなく、彼の運動能力すら封じる力を持っているようだった。

「く……っ!」

それでも全身の力を振り絞り、ようやく一歩を踏み出しただけで。
身体中の力が吸い取られるような感覚を覚え、がくりと膝をついてしまう。

そんな彼の姿を見て、エイレーネはますます暴れ彼の元へ行こうとするが。
父の頑健な腕に引き戻される。


「っ、ラフィエル様―――っ!!」

彼女の絶叫が広間に痛々しくこだまする。

ピシッ。

その瞬間、エイレーネの耳にある翡翠色の石に亀裂が入る。
叫んでもがく娘を押さえる方に気を取られ、ガブリエルもそれに気づいてはいなかった。

そして。
小さく音を立てて、制御装置は砕け散った。


ズ……ズズ…ッ。

「な、なんだ……っ!?」
「地震か…? 一体何故…!?」

不気味な地響きと共に、地面が揺れ始めた。
それと同時に、広間を支える柱にびしりびしりと亀裂が走っていく。

突然の異変で動揺した父親の力が緩んだ隙に、エイレーネは拘束から逃れた。
そして、ラフィエルを目指して真っ直ぐに駆けてくる。


「ラフィエル様…!」
「……レーネ…っ」

躊躇うことなく、天使はそのまま悪魔公爵の胸に飛び込んだ。

「私、ラフィエル様が好き…! あなたと離れたくない、ずっと一緒にいたい…!」

力いっぱいしがみつきながら、伝える言葉は涙に震えていた。

「俺もだ。俺も…お前を離したくない。………愛してるよ、レーネ」

手錠のせいで抱きしめ返してやれないのを口惜しく思いつつ、ラフィエルもまた想いを告げる。
涙に濡れた顔が上がり、翡翠色の瞳が彼を見つめて。
この上なく幸せそうに微笑むのがわかった。


しかし、二人がそうやって想いを確かめ合っている間にも、大地は鳴動し、城の天井や柱がみしみしと軋んでいる。
うろたえる人々の中、ラムダがよろめきながらこちらへやって来て。

「ラフィエルっ、いちゃついてる場合じゃないよ! これって、ひょっとしてエイレーネちゃんの制御装置が壊れたせいじゃないのか?」

怒鳴る声が耳に入り、ようやく二人は周りの事態に気がついた。


「レーネ…これは、お前のせいか?」

彼女の左耳を見れば、いつもそこにきらめいていた翡翠色の石がなくなっている。
感じ取れる力の波動も、彼女の訓練に付き合ってきたラフィエルには充分すぎるほどに覚えがあるものだ。

「ご、ごめんなさい……でも、ラフィエル様と引き離されるかと思ったら……コントロールが効かなくなっちゃって……」
「お前を責めてる訳じゃない。お前を守ってやれなかった俺のせいでもあるんだから」

くしゃりと顔を歪めて謝ってくるエイレーネに、彼は首を振った。
しかし、このままでは下手すれば暴走する力が魔王宮をも破壊してしまいかねない。
力を止めることができなければ、魔王は皆の命と城を守るために彼女を殺すという選択肢を取らざるを得ないだろう。
事態は思った以上に深刻だった。


「訓練の時を思い出すんだ。集中しろと言っただろう?」
「やってるんだけどっ……でも……うまくいかないの……っ!」

無理もない。
今までは、制御装置の力があったからこそ、何とかコントロール可能な域まで達することができたのだ。
それが全くなくなって、強すぎる感情のままに力が放出されてしまった今となっては。
これまでの訓練の成果を持ってしても、止めることはかなり難しいだろう。
しかし、できないでは済まされない。死にたくなければやるしかないのだ。



「――――レーネ、俺のことだけ考えて」
「え…っ?」

不意にかけられた言葉に、エイレーネは戸惑いながらラフィエルを見つめた。

「集中しろと教えただろう? だから、他のことは考えなくていい。今は俺のことだけ考えてて」
「………うん」

頷いた少女に微かに笑ってみせて。
ラフィエルは身体中の力を腕に総動員させ、手錠をはめられたままの両手を持ち上げる。
それだけでもかなりの体力を消耗するのがわかったが。
何とか彼女の顔に触れることができた。

そして、まだ幼さの残る頬のラインを両手で包み、口づける。
唇を重ね、自分だけに意識を向けさせるよう、確かに自分の存在を刻みつけるように深く舌を絡ませた。

「ん………っ…」

熱烈な口づけを交わす間にも、エイレーネは彼の首に腕を絡めてより近くへ引き寄せようとする。
数え切れないほどにキスはしたけれど、二人が想いを自覚してからはまだ二度目のキス。
唇を求め合う甘さに、すぐに夢中になる。
相手のことしか考えられなくなってしまう。

――――ラムダや魔王、ガブリエルらが呆気に取られてそんな彼らを見ていることも知らずに。





「………止まった……?」

不意に、まともに歩くことすら難しかった振動がぴたりとやんだ。
人々は落ちてくる破片から頭を庇うために上げていた腕を恐る恐る下ろす。

いつのまにか、地鳴りも揺れも収まっていた。
それを確認して、人々はほうっと安堵の息をつく。
先程までの地震がまるで嘘のように、辺りには再び静けさが戻っていた。

ただ、柱や壁に走る亀裂、床に散らばる破片が、先程までの地震の凄まじさを物語っていた。




「陛下、ご無事ですか?」
「ああ……大天使次長殿もお怪我がないようで何よりだ」

ようやく、魔王も玉座に腰を落ちつける。
幸い、ひどく揺れたわりに怪我人はほとんど出ていなかった。
数少ない怪我人も皆せいぜいかすり傷程度の軽傷で済んでいる。
揺れていた時間が短かったせいもあるだろうが。



「さて、あの二人のことだが……」

そう言って魔王が目を向けた先には、公衆の面前でディープキスをかましてくれた悪魔と天使のカップルがいた。
魔王の視線を受けても、エイレーネはラフィエルから離れまいとぴったりとくっついている。
手錠のせいで動けずとも、彼の眼差しもまた強い決意の色を宿していた。


「下手に引き離そうとすれば、また先程のような事態になるであろう。それに、ご息女の力の暴走を止められるのは……どうやらラフィエルだけらしい。相思相愛の者を引き裂くほど私も野暮ではないし……第一また城を壊されるような目には遭いたくないのでな」

そして、苦笑する魔王がガブリエルに向かって口にした提案は。

「この二人が離そうとしてももはや離れられぬ関係であることは、火を見るより明らか。…だとしたら、この際彼らのことをきっかけに、休戦から本格的な和平交渉に入ってもよいのではないかと思うのだが。いかがかな?」
「む……和睦、ですか…」

考え込むガブリエル。
どちらにせよ、長らく続いた戦争状態で魔界も天界も疲弊している。
彼としても、元々和睦派であったので、それは娘のことさえなければすぐにでも快諾したい案ではあった。
しかし。
どうにもラフィエルのことが腹立だしいのは、父親としては当然のことといえよう。


「それは……私の一存では何とも……天界に戻り、大天使長や他の者と相談の上お返事いたします」

そう答えたものの、おそらく彼の上司はこの和平案を受け入れるであろうことはわかっていた。
素直にもろ手を上げて賛成、とは言わない所にガブリエルの意地があったというべきか。

そんな彼の心を察していたのだろう。
魔王は全てを心得たというような笑みを浮かべて、鷹揚に頷いた。

「うむ、よろしく頼む。よい返事を期待していると、大天使長にも伝えてもらえるかな?」
「は……」

恭しく頭を下げた大天使次長に、思い出したように付け加える。

「それと……ラフィエルへの処分はとりあえず保留ということにしておく。でないと、またまた城を壊されるかもしれんからな」

その言葉に顔を輝かせる天使をちらりと見やった後、魔王はその父親に向かってにやりと笑った。
――――エイレーネが広間を壊した責任は問わぬから、もう二人の仲を認めてやれ、と。


「………………わかりました」

魔王にまで言われてしまえば、ガブリエルもそれ以上反対することもできず不承不承頷くしかなかった。




「じゃあ、私はずっとラフィエル様と一緒にいられるのね?」

ラムダによって手錠を外されたラフィエルに、エイレーネが嬉しそうに尋ねてくる。
ようやく自由に動かせるようになった手で、彼は目の前の天使を抱きしめた。

「ああ、これからはずっと一緒だ」

抱き返してくる腕を愛しく思いながら、見上げてくる恋人の鼻先に軽くキスをして。
こっそりと囁いた。


「帰ったら、キスの本当の意味を教えてやるよ」




-完-


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