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(๑><๑) ハーシア15歳♡
13:家令も?!
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カフェで小1時間ほどハーシアと甘味を楽しんだイクスの行動は早かった。
屋敷に帰るなり、セシル伯爵家に先触れを持たせた従者を走らせた。
同時に貴族院に提出する婚約の届を作成し、あとはセシル伯爵の署名さえあればすぐに提出できるようにした。
結婚は親の承諾があれば0歳でも可能だが爵位が継げるのは20歳から。
ファクターは現在21歳。
ならばと婚約期間を貴族法で定められている婚約期間の最短3か月で良いだろうとユリアに持たせる持参金の引き出しも手配をした。
ファクターと婚約をするのはユリアでハーシアではない。
あれだけ手を回してもユリアはファクターと会っている。
好き合う者同士が惹かれ合うのを邪魔するのも野暮。ならば望み通りにしてやればハーシアが不貞の子を養育させられることも無い。
――いいや、あれは想像なんだ。悪い想像なんだ――
思いを振り払うと家令が出来上がった書面を封筒に入れながらイクスに声を掛けた。
「これでよろしいのでは?ハーシアお嬢様にはきちんとした相手を見つけられればよろしいのです」
「え?…」
「差し出がましい事を。申し訳ございません」
家令は頭を下げたが、イクスは家令の言葉が気になった。
「どういう意味なんだ?」
「独り言で御座います。年を取りましたせいでしょうか。ここ1年、現実と空想の境が判らなくなることがあるのです」
家令の口から続いた言葉は、イクス、バーバラと同じ言葉だった。
「仮にも伯爵家のお嬢様です。ユリア様がその様な事をするはずがないのに。申し訳ございません」
「いや、いいんだ」
イクスは混乱した。
偶然にしては過ぎている。長く苦楽を共にしてきている妻バーバラもだが、家令も同じ記憶がある事に。同様に家令も自分だけがおかしくなったのだろうかと思っていただけにイクスも同じだと知ると大いに驚いた。
こうなるだろうなとおおよその予測が合致することはあるにしても、ここまで寸分違わず同じであることなどない。同じことを経験していない限りは。
「最初からこうしていれば良かったんだろうか」
「どうでしょうか」
家令が言葉を濁したのはきっとハーシアの行動だ。
ハーシアだけが予測も出来ない行動を取っている。
突然デヴュタントには行かないと言い出したり、執務を手伝ったり。
はと、気付く。
イクスはハーシアにもユリアにも執務を教えたことはない。
いずれはどこかの家に嫁ぐので教えねばならないが、執務の内容は各家によって異なるので変に癖をつけない方がいい。
婚約をしてからの花嫁修業で行き詰ったところを手助けしてやればよいと考えていたのに、ハーシアは執務が出来たのだ。誰にも教えられていないのに。
「ハーシアも同じような経験をした記憶…いや想像があると思うか?」
「こればかりは本人でないと何とも。ですが、ハーシアお嬢様が同じ轍を踏まぬようにと抗っていらっしゃるのなら、デヴュタントの件も執務も納得が出来ようかと」
イクスも家令と同意見だった。
仮にもう一度同じ時間をやり直しているのなら、ユリアは同じ生き方をしたいのだろう。
つまり、前回の生き方に不満はなかったと言う事だ。
しかし、ハーシアは不満がある。だから藻掻いている。
イクスにはそう思えた。
「同じ時をやり直しているのであれば、人の道を踏み外す不貞に走る前に相手も同じですし添い遂げさせてあげれば少なくとも姉の夫との間違いを犯すことはないと考えます」
家令の言う通りだ。
ユリアの夫がファクターになるなら不貞でも何でもない。
周囲を欺いてサーシスを養子なんて事もしなくていいのだ。
ベルマウス伯爵家当主としてイクスの気持ちは固まった。
屋敷に帰るなり、セシル伯爵家に先触れを持たせた従者を走らせた。
同時に貴族院に提出する婚約の届を作成し、あとはセシル伯爵の署名さえあればすぐに提出できるようにした。
結婚は親の承諾があれば0歳でも可能だが爵位が継げるのは20歳から。
ファクターは現在21歳。
ならばと婚約期間を貴族法で定められている婚約期間の最短3か月で良いだろうとユリアに持たせる持参金の引き出しも手配をした。
ファクターと婚約をするのはユリアでハーシアではない。
あれだけ手を回してもユリアはファクターと会っている。
好き合う者同士が惹かれ合うのを邪魔するのも野暮。ならば望み通りにしてやればハーシアが不貞の子を養育させられることも無い。
――いいや、あれは想像なんだ。悪い想像なんだ――
思いを振り払うと家令が出来上がった書面を封筒に入れながらイクスに声を掛けた。
「これでよろしいのでは?ハーシアお嬢様にはきちんとした相手を見つけられればよろしいのです」
「え?…」
「差し出がましい事を。申し訳ございません」
家令は頭を下げたが、イクスは家令の言葉が気になった。
「どういう意味なんだ?」
「独り言で御座います。年を取りましたせいでしょうか。ここ1年、現実と空想の境が判らなくなることがあるのです」
家令の口から続いた言葉は、イクス、バーバラと同じ言葉だった。
「仮にも伯爵家のお嬢様です。ユリア様がその様な事をするはずがないのに。申し訳ございません」
「いや、いいんだ」
イクスは混乱した。
偶然にしては過ぎている。長く苦楽を共にしてきている妻バーバラもだが、家令も同じ記憶がある事に。同様に家令も自分だけがおかしくなったのだろうかと思っていただけにイクスも同じだと知ると大いに驚いた。
こうなるだろうなとおおよその予測が合致することはあるにしても、ここまで寸分違わず同じであることなどない。同じことを経験していない限りは。
「最初からこうしていれば良かったんだろうか」
「どうでしょうか」
家令が言葉を濁したのはきっとハーシアの行動だ。
ハーシアだけが予測も出来ない行動を取っている。
突然デヴュタントには行かないと言い出したり、執務を手伝ったり。
はと、気付く。
イクスはハーシアにもユリアにも執務を教えたことはない。
いずれはどこかの家に嫁ぐので教えねばならないが、執務の内容は各家によって異なるので変に癖をつけない方がいい。
婚約をしてからの花嫁修業で行き詰ったところを手助けしてやればよいと考えていたのに、ハーシアは執務が出来たのだ。誰にも教えられていないのに。
「ハーシアも同じような経験をした記憶…いや想像があると思うか?」
「こればかりは本人でないと何とも。ですが、ハーシアお嬢様が同じ轍を踏まぬようにと抗っていらっしゃるのなら、デヴュタントの件も執務も納得が出来ようかと」
イクスも家令と同意見だった。
仮にもう一度同じ時間をやり直しているのなら、ユリアは同じ生き方をしたいのだろう。
つまり、前回の生き方に不満はなかったと言う事だ。
しかし、ハーシアは不満がある。だから藻掻いている。
イクスにはそう思えた。
「同じ時をやり直しているのであれば、人の道を踏み外す不貞に走る前に相手も同じですし添い遂げさせてあげれば少なくとも姉の夫との間違いを犯すことはないと考えます」
家令の言う通りだ。
ユリアの夫がファクターになるなら不貞でも何でもない。
周囲を欺いてサーシスを養子なんて事もしなくていいのだ。
ベルマウス伯爵家当主としてイクスの気持ちは固まった。
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