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第48話 キタ━━(゚∀゚)━━!!!!
物事とは重なるもの。
ホリーがルドルフの弟妹の元に行き、アンジーが捨てセリフを残しラモハラ伯爵家を飛び出す同じ日。
「はぁ…なんなのよ。これじゃアタシが悪者じゃない」
「全くだ。最高裁判院にまで申し立てたというのに、一体訴状の何を読んだんだ」
ウッペラス伯爵家当主キオザとその娘チュラブリーは最終の結審をした書類を忌々し気にギュッと握り、下された結果に不満をぶちまけた。
短い結婚生活となったが、パバート伯爵家のマックスとの離縁は成立していた。揉めていたのは慰謝料だったが全面的にパバート伯爵家の言い分が認められてウッペラス伯爵家は慰謝料を相殺どころか一方的に払う事になった。
「あの変態男!あんなのにお咎めなしなんて。世の中どうにかしてるわ」
初夜はノーマルだったのだが、その翌日が問題だった。
「ちょっと待っててくれ」と言われて待っていると全裸にスタイをしたマックスが現れた。
開口一番。
「ママぁ。ぼく。かわいい」
――キモイわ!――
赤ちゃん言葉で強請って来る夫。もうすぐ60歳。
仕方なく応えようと「何をするの?」と返したら何故が全裸にスタイ姿の男が部屋をスキップ。
「ぼくのパパ、みせてあげゆ」
何事?と案内された隣の部屋でチュラブリーは動けなくなった。
それぞれが行為中のポージングをした「お一人様専用」の人形が数十体。しかもすべて男性。
男性用ではなく、人形の性別は明らかに男性だ。
ハッキリ言って蝋人形のほうがまだ心臓に優しい。
チュラブリーは叫び声をあげて脱兎のごとく逃げ出した。
――ないない。ないわ――
ケイトリンも夫コーネリアスと関係を持ったのは1度だが、実はチュラブリーも1度である。
しかし離縁の申し立てで査察に訪れた査察管はその人形を「問題なし」とした。
何故ならすべての人形は隊服を着ていて、マックスは「私兵を雇う金がないので人形でカムフラージュ」と説明をしたのだ。
取り揃えられた各国の騎士団、警護団、警備隊の隊服。
――やられた。そっちの趣味もあった?!――
尤も、結婚式だからと言って湯も浴びず、記憶にある最後に清拭をしたのが結婚する2,3か月前、湯を浴びたのは多分1年前?と正確な記憶もないので、教会で誓いのキスをし、初夜を済ませたマックスに同情票が集まったのは言うまでもない。
結局部屋を汚したとして改装や修繕費用を求められ完全敗訴のウッペラス伯爵家当主キオザとチュラブリー。キオザは王都に来たついでに領で獲れる作物の営業をしてくると言い、チュラブリーは1人で安全な場所での王都観光をしていた。
「はぁ、やっぱり王都は良いわね。アタシみたいな伯爵令嬢に相応しい街だわ。最初がジジィだったんだから次はもっと若い夫、王都に屋敷のある若い夫がいいわね。うん。お父様に頼まなきゃ!」
独り言ちながら公園を歩くチュラブリーに声が掛かった。
「ねぇ。貴女。王都に住みたいの?」
「え?あんた…誰?」
「見たところ貴女…伯爵家あたりのご令嬢かしら」
チュラブリーはドキリとした。
――え?私、そんなに令嬢オーラだしてた?――
「実は…ぐすっ…知り合いが…ずずっ…」
「どうしたの?なんでいきなり泣いてるの?」
――あんたの体臭がキツイからよ!――
とは言えない。声を掛けて来たアンジーだった。
しかし、この刺激臭に反応して出る涙、鼻水を利用しない手はない。
アンジーはチュラブリーを褒めまくった。
「だって、貴女、素敵、可憐って言葉を具現化してるじゃない。こんな伯爵令嬢見たことないわ」
前半は嘘だが、後半は本当である。
「実はね、知り合いなんだけど奥様が男を作って逃げてしまった貴族…伯爵様なんだけど後妻さんを探しているの。でも見た目をすごく重視するからもう王都にはお眼鏡に叶う令嬢はいないと思ってたの」
――え?後妻?どうしよう…でも伯爵家って?――
チュラブリーは降ってわいた話に俄然乗り気になった。
色々と条件を口にしたものの離縁経験のある令嬢にまともな縁談が来ないことくらいチュラブリーだって知っている。
自分も伯爵家、前の夫も伯爵家、この話に乗っても伯爵家。
――めっちゃお得感があるんじゃないの?――
何より美貌を重視するのならチュラブリーも美人だと言われているに等しい。
――悪い気はしないわね――
チュラブリーはアンジーに「もっと詳しく聞きたい」とベンチに腰掛けて話を長引かせ父を待つことにした。
パバート伯爵家は王都郊外に屋敷があったが、それでも屋敷のある場所は田舎の領地よりもずっと繫栄していて、このまま田舎に帰りたくない。そんな気持ちもあった。
領地から王都郊外、そして次が王都ならステップアップ。
――やっぱり呪われ侯爵の縁談をホリーに回したから私にもツキが回ってきたんだわ――
チュラブリーはアンジーから「相手は41歳の伯爵」と聞いてさらに前のめり。
――ジジィ捨てたら若いの来た~――
考えていたより年齢は高いが、最初が60手前なのだから40代、しかもなったばかりなら30代と大差ない。これは逃してなる物かと思いつつ「もう!お父様、遅い!」父が戻るのを待ち侘びた。
ホリーがルドルフの弟妹の元に行き、アンジーが捨てセリフを残しラモハラ伯爵家を飛び出す同じ日。
「はぁ…なんなのよ。これじゃアタシが悪者じゃない」
「全くだ。最高裁判院にまで申し立てたというのに、一体訴状の何を読んだんだ」
ウッペラス伯爵家当主キオザとその娘チュラブリーは最終の結審をした書類を忌々し気にギュッと握り、下された結果に不満をぶちまけた。
短い結婚生活となったが、パバート伯爵家のマックスとの離縁は成立していた。揉めていたのは慰謝料だったが全面的にパバート伯爵家の言い分が認められてウッペラス伯爵家は慰謝料を相殺どころか一方的に払う事になった。
「あの変態男!あんなのにお咎めなしなんて。世の中どうにかしてるわ」
初夜はノーマルだったのだが、その翌日が問題だった。
「ちょっと待っててくれ」と言われて待っていると全裸にスタイをしたマックスが現れた。
開口一番。
「ママぁ。ぼく。かわいい」
――キモイわ!――
赤ちゃん言葉で強請って来る夫。もうすぐ60歳。
仕方なく応えようと「何をするの?」と返したら何故が全裸にスタイ姿の男が部屋をスキップ。
「ぼくのパパ、みせてあげゆ」
何事?と案内された隣の部屋でチュラブリーは動けなくなった。
それぞれが行為中のポージングをした「お一人様専用」の人形が数十体。しかもすべて男性。
男性用ではなく、人形の性別は明らかに男性だ。
ハッキリ言って蝋人形のほうがまだ心臓に優しい。
チュラブリーは叫び声をあげて脱兎のごとく逃げ出した。
――ないない。ないわ――
ケイトリンも夫コーネリアスと関係を持ったのは1度だが、実はチュラブリーも1度である。
しかし離縁の申し立てで査察に訪れた査察管はその人形を「問題なし」とした。
何故ならすべての人形は隊服を着ていて、マックスは「私兵を雇う金がないので人形でカムフラージュ」と説明をしたのだ。
取り揃えられた各国の騎士団、警護団、警備隊の隊服。
――やられた。そっちの趣味もあった?!――
尤も、結婚式だからと言って湯も浴びず、記憶にある最後に清拭をしたのが結婚する2,3か月前、湯を浴びたのは多分1年前?と正確な記憶もないので、教会で誓いのキスをし、初夜を済ませたマックスに同情票が集まったのは言うまでもない。
結局部屋を汚したとして改装や修繕費用を求められ完全敗訴のウッペラス伯爵家当主キオザとチュラブリー。キオザは王都に来たついでに領で獲れる作物の営業をしてくると言い、チュラブリーは1人で安全な場所での王都観光をしていた。
「はぁ、やっぱり王都は良いわね。アタシみたいな伯爵令嬢に相応しい街だわ。最初がジジィだったんだから次はもっと若い夫、王都に屋敷のある若い夫がいいわね。うん。お父様に頼まなきゃ!」
独り言ちながら公園を歩くチュラブリーに声が掛かった。
「ねぇ。貴女。王都に住みたいの?」
「え?あんた…誰?」
「見たところ貴女…伯爵家あたりのご令嬢かしら」
チュラブリーはドキリとした。
――え?私、そんなに令嬢オーラだしてた?――
「実は…ぐすっ…知り合いが…ずずっ…」
「どうしたの?なんでいきなり泣いてるの?」
――あんたの体臭がキツイからよ!――
とは言えない。声を掛けて来たアンジーだった。
しかし、この刺激臭に反応して出る涙、鼻水を利用しない手はない。
アンジーはチュラブリーを褒めまくった。
「だって、貴女、素敵、可憐って言葉を具現化してるじゃない。こんな伯爵令嬢見たことないわ」
前半は嘘だが、後半は本当である。
「実はね、知り合いなんだけど奥様が男を作って逃げてしまった貴族…伯爵様なんだけど後妻さんを探しているの。でも見た目をすごく重視するからもう王都にはお眼鏡に叶う令嬢はいないと思ってたの」
――え?後妻?どうしよう…でも伯爵家って?――
チュラブリーは降ってわいた話に俄然乗り気になった。
色々と条件を口にしたものの離縁経験のある令嬢にまともな縁談が来ないことくらいチュラブリーだって知っている。
自分も伯爵家、前の夫も伯爵家、この話に乗っても伯爵家。
――めっちゃお得感があるんじゃないの?――
何より美貌を重視するのならチュラブリーも美人だと言われているに等しい。
――悪い気はしないわね――
チュラブリーはアンジーに「もっと詳しく聞きたい」とベンチに腰掛けて話を長引かせ父を待つことにした。
パバート伯爵家は王都郊外に屋敷があったが、それでも屋敷のある場所は田舎の領地よりもずっと繫栄していて、このまま田舎に帰りたくない。そんな気持ちもあった。
領地から王都郊外、そして次が王都ならステップアップ。
――やっぱり呪われ侯爵の縁談をホリーに回したから私にもツキが回ってきたんだわ――
チュラブリーはアンジーから「相手は41歳の伯爵」と聞いてさらに前のめり。
――ジジィ捨てたら若いの来た~――
考えていたより年齢は高いが、最初が60手前なのだから40代、しかもなったばかりなら30代と大差ない。これは逃してなる物かと思いつつ「もう!お父様、遅い!」父が戻るのを待ち侘びた。
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