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第52話 メンツ丸つぶれ
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離縁の届を出せば調べられるが、届を出さずに再婚をしようとすればそれは重婚となる。
しかしアンジーが得意げにジンジャーの前で喋った言葉には最初の結婚も問題ありと判断をされた。
コーネリアスとアンジーより遅れて3時間後にはラモハラ伯爵夫妻も手を後ろ手に縛られて連行されてきた。収監された房が向かい側となり、ラモハラ伯爵はコーネリアスを、ラモハラ伯爵夫人はアンジーを怒鳴った。
「何てことをしてくれたんだーッ!」
夫婦そろって怒鳴っていたが、翌日最初にラモハラ伯爵夫妻が同時に聴取に呼ばれた。
聴取室に入ったラモハラ伯爵夫妻は揃ったように足が止まった。
部屋には聴取を口述筆記する書記官と取調官のほかにもう1人、ブレッドマン侯爵家の当主ジンジャーがいたからである。直ぐに判ったのは仮面をつけていたから。
壁に背を凭れさせて腕を胸の前で組んで足を交差させて立っているジンジャーはそれだけでラモハラ伯爵に絶望を感じさせた。
聴取前には何故収監されたのは説明されていて、ブレッドマン侯爵家にケイトリンがいて「返せ」とアンジーが言ってしまった事も、アンジーが馬車の扉を叩いた時、コーネリアスがブレッドマン侯爵家の馬車だと注意したことも知らされていた。
「さて、フェキ伯爵家との結婚だが…聞きたいことは解るな?」
「はい…」と、伯爵。
「あのっ…は、はい」と夫人。
「反社会的勢力との取引は最近では厳しくなったが、貴族、特に伯爵家以上の爵位のある家には50年以上前から付き合いを控えるよう陛下から通達があったはずだ。その間に2度、陛下は交代しているからどうでもいいと解釈をしたのか?」
「いえ…知っておりました。ただっ!主に付き合いがあったのは父でっ!私は引き継ぐ形だったので…」
「私は夫に!夫に従っただけです!嫁いだ身で逆らえませんし!」
「だから責任はないとでも?」
「いえ…そんな事は!でも逆らえなかったんです。実権を握っているのは父でしたし、床に臥しても逆らう事は出来なかったんです」
「そうですよ!あの義父には誰も逆らえませんっ!」
「詭弁だな。逆らえなかった、頼まれたと言っても事情は知っていたし、連絡も取りあったのはお前だろう?」
「そうですけど!そうですけどぉぉ!」
「貴方はあの義父を知らないからそんな軽くいうんです!」
夫妻の言い訳など取調官は聞く耳を持たない。
淡々と告げた。
「先ずは…父親から爵位を継ぐそれは問題ないので罪には問われない。しかし、反社会的勢力を使い申し入れた結婚については白紙。婚姻の事実はないものとする。それに伴いフェキ伯爵家と言いたいところだがフェキ伯爵家も同罪だ。賠償金については唯一の被害者となるケイトリン・フェキへの支払いとなる。いいな?」
「はい…異議は御座いません」
「ハッ…可愛がってやったのに‥あのク●アマッ」
伯爵としてはこれ以上の罪を重ねる方が痛みを伴う事を知っていた。「やめないか」と伯爵が夫人を窘めた。夫人は「気分が悪い」と顔を背けた。
「では先にラモハラ伯爵夫妻、貴方がたの私財からその手続きをする。署名を」
ないないと言いながらもラモハラ伯爵夫妻は意外に貯め込んでいた。自分の金を出すのが嫌で渋っていただけなのだ。
署名が終わると取調官は「次に」と続けた。
「結婚が白紙になった以上、ラモハラ伯爵、夫人、貴方がたは他家の令嬢を奴隷、いや奴隷以下に扱っていた。虐待もね暴行なんですよ。で、医師の診察記録があります。生きているのが不思議な状態…つまり…殺人未遂です」
「そんな!!あれは妻がやったことです」
「なんで私なの?どうして私に押し付けるのよ!」
「だとしても知っていましたし、実行しましたよね。手を出していれば勿論ですが、手を出していなくても未必の故意が適用になります。ここにね、示談書があります。示談に応じるなら被害者のケイトリンさんは嘆願書を出してもいいと言ってるんです」
「示談…示談に応じます。何をすればいいですか?謝罪?謝罪ですか?」
「貴方が下げる頭にどれほどの価値があると?」
「じゃぁ何をすればいいのよ!」
「この場合は…手っ取り早いのは金銭補償ですね」
「そんな…さっき賠償金でほとんど失ったんですよ?これ以上持っていませんよ。いいです。いいです。示談にはやはり応じません。徹底抗戦します」
「そうよ。年寄から金を巻き上げて放り出す気?!どこまで悪漢なのよ。あの女ッ」
「では示談は無し…でよろしいですかね?」
「そうしてくれ」「するわけないでしょ」
取調官は書記にその旨を記載するよう敢えて言葉をかけた。
「少し休憩しましょうか。手続きが終わるまで30分ほどですけど」
「あぁ、気分が悪い。ここは茶も出ないのかね」
「茶を楽しむ場ではありませんのでね」
ラモハラ伯爵夫妻は何故取調官が休憩を挟んだのか意味が判っていなかった。
30分ほどで扉をノックする音がして係員が取調官に書類を2枚渡した。
そのうちの1枚が反社会的勢力を使っての結婚をした賠償金がケイトリンに支払われたという証明書だった。
ムスっとするラモハラ伯爵夫妻だったが「最後に」と取調官は残りの1枚の書面を差し出した。
その書面をちらっと見て、ハっとしたラモハラ伯爵は取調の机の天板に顔を打ち付ける勢いで書面に見入った。
「嘘ですよね…」
「嘘だと思いますか?」
「なんなのよ‥‥えぇーっ?!何よこれ!」
「残念ですね。ラモハラ伯爵家の財産。先代が所有していたようですけども先ほど貴方の証言で反社会的勢力と繋がっていたのは先代。つまり…本来得られなかったものを不当に得ていた事になりますので没収です。それから先代に遡り爵位も没収です。陛下も認めるのならと仰って書類を作ってくださいましたが…無駄にならずに良かった?と言うべきですかね」
「待ってくれ。だとしたら私は、私と妻は平民…」
「そうなりますね。ついでにご子息も身分は平民です。先代から遡ってね?」
「で、では…平民が伯爵令嬢に…」
「そうなりますね。示談はされないとの事だったので。そ~れで~賠償金については先に処理をしましたので支払われております。良かったですね。で、殺人未遂については徹底抗戦されると。今まで平民が勝った事例がないのですが医師の診断がある以上多分執行まで数日…ま、健闘を祈ります。短い間ですが親子の絆も深めてくださいね」
項垂れるラモハラ伯爵夫妻。取調官の最後の言葉の意味が判らなかったがコーネリアスが同じ房に入るのだろうと思いきや、同じ房に入るのは寝たきりの父親だった。
「仕事、早いね~」
「そうですか?侯ほどじゃないですよ。全く…完璧な書類持ってこられたら!!こっちのメンツ、丸つぶれじゃないですかぁぁ!!ちゃんと貰えるものは確保する!手順まで決めるってど~いう事っ?!」
「うん。でも、そういうのが侯爵家の仕事だから」
「くぅぅ~仮面してるのに絶対ほくそ笑んでるでしょ!!くやしぃぃーっ!」
取調官はファイルをバンバン!!机に叩きつけて悔しがった。
「ガンバレー(棒)官僚になるの、待ってるよ~」
ジンジャーは手をひらひらさせてラモハラ伯爵夫妻担当の取調官を見送ると係員に言った。
「はい、次、次。早く帰ってホリーに会いたいんだ」
係員は思った。
――これが呪われ侯爵?聞いた話と違うラフさがあるんだけど?――
そう思いつつ、コーネリアスとアンジーを連れて来てくれと外の係員に声を掛けた。
しかしアンジーが得意げにジンジャーの前で喋った言葉には最初の結婚も問題ありと判断をされた。
コーネリアスとアンジーより遅れて3時間後にはラモハラ伯爵夫妻も手を後ろ手に縛られて連行されてきた。収監された房が向かい側となり、ラモハラ伯爵はコーネリアスを、ラモハラ伯爵夫人はアンジーを怒鳴った。
「何てことをしてくれたんだーッ!」
夫婦そろって怒鳴っていたが、翌日最初にラモハラ伯爵夫妻が同時に聴取に呼ばれた。
聴取室に入ったラモハラ伯爵夫妻は揃ったように足が止まった。
部屋には聴取を口述筆記する書記官と取調官のほかにもう1人、ブレッドマン侯爵家の当主ジンジャーがいたからである。直ぐに判ったのは仮面をつけていたから。
壁に背を凭れさせて腕を胸の前で組んで足を交差させて立っているジンジャーはそれだけでラモハラ伯爵に絶望を感じさせた。
聴取前には何故収監されたのは説明されていて、ブレッドマン侯爵家にケイトリンがいて「返せ」とアンジーが言ってしまった事も、アンジーが馬車の扉を叩いた時、コーネリアスがブレッドマン侯爵家の馬車だと注意したことも知らされていた。
「さて、フェキ伯爵家との結婚だが…聞きたいことは解るな?」
「はい…」と、伯爵。
「あのっ…は、はい」と夫人。
「反社会的勢力との取引は最近では厳しくなったが、貴族、特に伯爵家以上の爵位のある家には50年以上前から付き合いを控えるよう陛下から通達があったはずだ。その間に2度、陛下は交代しているからどうでもいいと解釈をしたのか?」
「いえ…知っておりました。ただっ!主に付き合いがあったのは父でっ!私は引き継ぐ形だったので…」
「私は夫に!夫に従っただけです!嫁いだ身で逆らえませんし!」
「だから責任はないとでも?」
「いえ…そんな事は!でも逆らえなかったんです。実権を握っているのは父でしたし、床に臥しても逆らう事は出来なかったんです」
「そうですよ!あの義父には誰も逆らえませんっ!」
「詭弁だな。逆らえなかった、頼まれたと言っても事情は知っていたし、連絡も取りあったのはお前だろう?」
「そうですけど!そうですけどぉぉ!」
「貴方はあの義父を知らないからそんな軽くいうんです!」
夫妻の言い訳など取調官は聞く耳を持たない。
淡々と告げた。
「先ずは…父親から爵位を継ぐそれは問題ないので罪には問われない。しかし、反社会的勢力を使い申し入れた結婚については白紙。婚姻の事実はないものとする。それに伴いフェキ伯爵家と言いたいところだがフェキ伯爵家も同罪だ。賠償金については唯一の被害者となるケイトリン・フェキへの支払いとなる。いいな?」
「はい…異議は御座いません」
「ハッ…可愛がってやったのに‥あのク●アマッ」
伯爵としてはこれ以上の罪を重ねる方が痛みを伴う事を知っていた。「やめないか」と伯爵が夫人を窘めた。夫人は「気分が悪い」と顔を背けた。
「では先にラモハラ伯爵夫妻、貴方がたの私財からその手続きをする。署名を」
ないないと言いながらもラモハラ伯爵夫妻は意外に貯め込んでいた。自分の金を出すのが嫌で渋っていただけなのだ。
署名が終わると取調官は「次に」と続けた。
「結婚が白紙になった以上、ラモハラ伯爵、夫人、貴方がたは他家の令嬢を奴隷、いや奴隷以下に扱っていた。虐待もね暴行なんですよ。で、医師の診察記録があります。生きているのが不思議な状態…つまり…殺人未遂です」
「そんな!!あれは妻がやったことです」
「なんで私なの?どうして私に押し付けるのよ!」
「だとしても知っていましたし、実行しましたよね。手を出していれば勿論ですが、手を出していなくても未必の故意が適用になります。ここにね、示談書があります。示談に応じるなら被害者のケイトリンさんは嘆願書を出してもいいと言ってるんです」
「示談…示談に応じます。何をすればいいですか?謝罪?謝罪ですか?」
「貴方が下げる頭にどれほどの価値があると?」
「じゃぁ何をすればいいのよ!」
「この場合は…手っ取り早いのは金銭補償ですね」
「そんな…さっき賠償金でほとんど失ったんですよ?これ以上持っていませんよ。いいです。いいです。示談にはやはり応じません。徹底抗戦します」
「そうよ。年寄から金を巻き上げて放り出す気?!どこまで悪漢なのよ。あの女ッ」
「では示談は無し…でよろしいですかね?」
「そうしてくれ」「するわけないでしょ」
取調官は書記にその旨を記載するよう敢えて言葉をかけた。
「少し休憩しましょうか。手続きが終わるまで30分ほどですけど」
「あぁ、気分が悪い。ここは茶も出ないのかね」
「茶を楽しむ場ではありませんのでね」
ラモハラ伯爵夫妻は何故取調官が休憩を挟んだのか意味が判っていなかった。
30分ほどで扉をノックする音がして係員が取調官に書類を2枚渡した。
そのうちの1枚が反社会的勢力を使っての結婚をした賠償金がケイトリンに支払われたという証明書だった。
ムスっとするラモハラ伯爵夫妻だったが「最後に」と取調官は残りの1枚の書面を差し出した。
その書面をちらっと見て、ハっとしたラモハラ伯爵は取調の机の天板に顔を打ち付ける勢いで書面に見入った。
「嘘ですよね…」
「嘘だと思いますか?」
「なんなのよ‥‥えぇーっ?!何よこれ!」
「残念ですね。ラモハラ伯爵家の財産。先代が所有していたようですけども先ほど貴方の証言で反社会的勢力と繋がっていたのは先代。つまり…本来得られなかったものを不当に得ていた事になりますので没収です。それから先代に遡り爵位も没収です。陛下も認めるのならと仰って書類を作ってくださいましたが…無駄にならずに良かった?と言うべきですかね」
「待ってくれ。だとしたら私は、私と妻は平民…」
「そうなりますね。ついでにご子息も身分は平民です。先代から遡ってね?」
「で、では…平民が伯爵令嬢に…」
「そうなりますね。示談はされないとの事だったので。そ~れで~賠償金については先に処理をしましたので支払われております。良かったですね。で、殺人未遂については徹底抗戦されると。今まで平民が勝った事例がないのですが医師の診断がある以上多分執行まで数日…ま、健闘を祈ります。短い間ですが親子の絆も深めてくださいね」
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「そうですか?侯ほどじゃないですよ。全く…完璧な書類持ってこられたら!!こっちのメンツ、丸つぶれじゃないですかぁぁ!!ちゃんと貰えるものは確保する!手順まで決めるってど~いう事っ?!」
「うん。でも、そういうのが侯爵家の仕事だから」
「くぅぅ~仮面してるのに絶対ほくそ笑んでるでしょ!!くやしぃぃーっ!」
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ジンジャーは手をひらひらさせてラモハラ伯爵夫妻担当の取調官を見送ると係員に言った。
「はい、次、次。早く帰ってホリーに会いたいんだ」
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