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婚約解消③ー①
「殿下、素晴らしいです」
「流石でございます。これで何の憂いもなく」
まもなく成人となるセレスタンを誰もが誉めそやした。
言葉にはもれなく
「シルヴェーヌ様が婚約者で良かった」
「王妃となるのがシルヴェーヌ様で良かった」
と語尾が付く。
今までは誰もがセレスタンを単独で持ち上げたのに、今では【シルヴェーヌ】と一緒ならとまるでセレスタンだけでは事が足らない、成し得なかったと言われているようでセレスタンの機嫌は決して良くはなかった。
結果を残してくるシルヴェーヌをあしらう事も出来ない上に、無碍に扱う事も出来ない。これと言った瑕疵もなく強い言葉で罵倒する事も叶わない。
セレスタンの中では早い段階からあの日の問いの答えは出ていた。
何時その答えを伝えればシルヴェーヌに深く伝わるかも思い描き、その日は近かった。
同時に第二王子ディオンの周りには貴族がめっきり減った。
確かに母である側妃の実家と、バイエ侯爵家には財産がある。金の面には何の問題も無かったがその他が問題しかなかった。
アデライドは幼少期、大人たちが見立てたように豊満な肢体、庇護欲そそる少し垂れた目、ぷっくりとした小さな唇をアヒルのように少し突き出せば大半の男性は下半身が疼いた。
だが、頭の中身は【デザート】【ドレス】【宝飾品】の3つが90%を占めており、残りは少し前に覚えた房事で一杯だった。
王族であるがゆえに成人の18歳までは子を成す行為は禁忌とされていたが、もし懐妊が解っても2,3か月後、安定するまでは秘匿され発表になるのは6カ月後だと言われディオンはようやくアデライドと結ばれたのだ。それは良かったのだが、アデライドの独占欲が更に強まってしまった。
片時も離れようとしないアデライドは少し動けば豊かな2つの大きな瓜が零れるのではないかと思うようなデザインのドレスを着てディオンの執務室に居座る。
秘匿されるべき執務内容は筆談となったが、今度はそれを【他の女への連絡】だと勘違いをしたアデライドが取り上げて音読してしまう。
ディオンの浮気とも取れる女遊び、と言っても2人きりで茶会をしたりという程度のものが原因ではあったが、ディオンはアデライドの束縛の強さゆえに大事な執務は一切任せてもらえなくなったのだ。
現状でセレスタンにシルヴェーヌがいる限り土壇場になっての王太子交代、即位はディオンという線は限りなく薄くなった事にさっさと乗り換える貴族が増えてしまった。
イライラはたまるが、一時の清涼剤とも言えるのは異母兄の執務室での定期公務の時間だった。アデライドを兎角嫌っているセレスタンは入室を許さなかったのもあるが、アデライドもセレスタンを嫌っていた。
位置的にシルヴェーヌの向かいに腰を下ろす事になったディオンは窓から吹いてくる風に乗ってくる柔らかいシルヴェーヌの香りに癒された。
シルヴェーヌの発言を目を閉じてまるで詩の朗読を聞いているかのように。
立ち上がれば愛おし気に目で追うディオン。
その様子をセレスタンは見逃すはずも無かった。
成人のお披露目はセレスタンとディランの誕生日がさほどに離れていない事から3か月後に決まった。国王から日時を告げられた執務室からの帰りにセレスタンはディオンを呼び止めた。
「ディオン。話があるんだが」
「珍しいな。明日は蜂蜜の雨でも降るんじゃないか?」
「冗談は今度の機会にしてくれ。大事な話だ」
セレスタンとディオンが2人きりで何かをしたことなど何年振りだろうか。
5歳、いや6歳。それくらい昔に遡らねば思い当たらないほどに久しい。
セレスタンは人払いをするとディオンと向かい合わせにソファに腰を下ろした。
時期が時期だけにお互い口にする物はない。茶も無い状況にセレスタンは部屋の隅に置かれたワゴンからグラスを無造作に2つ手に取る。
ポットから茶を注いでディオンに好きな方を選ばせて残った方を先に口にした。
「で?話とは何だ」
ディオンの少し苛立った声が裏返るまでは一言で済んだ。
「今度の披露目で、婚約解消を発表する」
「は?はぁぁ?!」
前のめりになって驚くディオンの肩を掴んでセレスタンは耳元で囁いた。
「シルヴェーヌを娶ってやってくれないか」
「ヒュッ!!」
「どうだ?」と問うセレスタンにディオンは首を縦に振る事しか出来なかった。
驚き過ぎて声の出し方を忘れてしまったのだ。
返事をしようとすると、喉の奥が詰まり豚の鳴き声のように【ンゴゴ】と出てしまう。それほどまでに想定すらしていなかった事にディランは頭の整理も追いつかなかった。
落ち着いた頃に「何故自分なのか」と問えばセレスタンは微笑んだ。
「お前たちが真実の愛、運命の番だと思うからだ」
迷いのない声でセレスタンは力強くディオンに告げた。
「だが、父上が何と言うか…」
「父上なら大丈夫だ。しかし万が一と言う事もある。お前は――」
セレスタンはディオンに説明をした。
披露目の日。
2人が成人した事を国王が告げたあと、一旦は休憩に入る。
その後で現在の婚約者が妃として決定した事を告げるため、国王と王妃は再度壇上にあがりそこに2人がそれぞれの婚約者が呼ばれエスコートをして入場してくる。
出生順から言えばセレスタンだが、その時セレスタンは1人で入場し、シルヴェーヌをディオンがエスコートして入場をしてくる。
誰もが驚くだろうが、そこで2人が真実の愛で結ばれている事を告白し身を引くと宣言をする。
「では即位はどうするんだ?」
「私は生涯独身を貫く。だから玉座は譲ってくれないか」
「それは‥‥」
ディランは頭の中で算盤を弾いた。
正直、今アデライドに邪魔をされて執務、政務についての評価は下の下である。国王となるにはこれからの2年間かなり厳しい教育になるのは必然でそれも面倒。
バイエ侯爵家には悪いが、アデライドは王妃の器ではなく側妃すら怪しいレベルである。王弟となってもセレスタンが生涯独身なのであれば側妃は認められるだろう。
当日アデライドは準備だと言って控室に閉じ込めるか、うっかりを装って会場に入れておいてエスコートしようにもいなかったではないかと装えばいい。
「わかった。玉座は要らない。しかしシルヴェーヌはこの事を――」
「勿論知らない。私からのサプライズだ。余興には丁度いいだろう?そうそう!いい事をもう一つ教えてやろう」
「なんだ?」
「シルヴェーヌは生い立ちが特殊でね。嫉妬心を煽られると余計に執着するそうなんだ。罵倒された後に優しくされると自分への愛を感じると言っていた。婚約して数年不仲の噂があったのはその為さ」
「そうだったのか…知らなかった」
「女性には気を使うからね。公になると恥ずかしいんじゃないのか?」
セレスタンは証人が1人必要だからと婚約解消の書類を出してきた。
セレスタンの紋が透かしで入った正式な書面に書かれていた文字は【婚約解消】だった。
既にセレスタンの名前は署名されていて、あとはシルヴェーヌと証人1人。
そこに国王の決済印があれば完成だった。
ディランは迷わずに署名をした。
頬を染めて礼まで言ってディランが部屋を出て行った後、セレスタンは涙を流して大笑いした。
「流石でございます。これで何の憂いもなく」
まもなく成人となるセレスタンを誰もが誉めそやした。
言葉にはもれなく
「シルヴェーヌ様が婚約者で良かった」
「王妃となるのがシルヴェーヌ様で良かった」
と語尾が付く。
今までは誰もがセレスタンを単独で持ち上げたのに、今では【シルヴェーヌ】と一緒ならとまるでセレスタンだけでは事が足らない、成し得なかったと言われているようでセレスタンの機嫌は決して良くはなかった。
結果を残してくるシルヴェーヌをあしらう事も出来ない上に、無碍に扱う事も出来ない。これと言った瑕疵もなく強い言葉で罵倒する事も叶わない。
セレスタンの中では早い段階からあの日の問いの答えは出ていた。
何時その答えを伝えればシルヴェーヌに深く伝わるかも思い描き、その日は近かった。
同時に第二王子ディオンの周りには貴族がめっきり減った。
確かに母である側妃の実家と、バイエ侯爵家には財産がある。金の面には何の問題も無かったがその他が問題しかなかった。
アデライドは幼少期、大人たちが見立てたように豊満な肢体、庇護欲そそる少し垂れた目、ぷっくりとした小さな唇をアヒルのように少し突き出せば大半の男性は下半身が疼いた。
だが、頭の中身は【デザート】【ドレス】【宝飾品】の3つが90%を占めており、残りは少し前に覚えた房事で一杯だった。
王族であるがゆえに成人の18歳までは子を成す行為は禁忌とされていたが、もし懐妊が解っても2,3か月後、安定するまでは秘匿され発表になるのは6カ月後だと言われディオンはようやくアデライドと結ばれたのだ。それは良かったのだが、アデライドの独占欲が更に強まってしまった。
片時も離れようとしないアデライドは少し動けば豊かな2つの大きな瓜が零れるのではないかと思うようなデザインのドレスを着てディオンの執務室に居座る。
秘匿されるべき執務内容は筆談となったが、今度はそれを【他の女への連絡】だと勘違いをしたアデライドが取り上げて音読してしまう。
ディオンの浮気とも取れる女遊び、と言っても2人きりで茶会をしたりという程度のものが原因ではあったが、ディオンはアデライドの束縛の強さゆえに大事な執務は一切任せてもらえなくなったのだ。
現状でセレスタンにシルヴェーヌがいる限り土壇場になっての王太子交代、即位はディオンという線は限りなく薄くなった事にさっさと乗り換える貴族が増えてしまった。
イライラはたまるが、一時の清涼剤とも言えるのは異母兄の執務室での定期公務の時間だった。アデライドを兎角嫌っているセレスタンは入室を許さなかったのもあるが、アデライドもセレスタンを嫌っていた。
位置的にシルヴェーヌの向かいに腰を下ろす事になったディオンは窓から吹いてくる風に乗ってくる柔らかいシルヴェーヌの香りに癒された。
シルヴェーヌの発言を目を閉じてまるで詩の朗読を聞いているかのように。
立ち上がれば愛おし気に目で追うディオン。
その様子をセレスタンは見逃すはずも無かった。
成人のお披露目はセレスタンとディランの誕生日がさほどに離れていない事から3か月後に決まった。国王から日時を告げられた執務室からの帰りにセレスタンはディオンを呼び止めた。
「ディオン。話があるんだが」
「珍しいな。明日は蜂蜜の雨でも降るんじゃないか?」
「冗談は今度の機会にしてくれ。大事な話だ」
セレスタンとディオンが2人きりで何かをしたことなど何年振りだろうか。
5歳、いや6歳。それくらい昔に遡らねば思い当たらないほどに久しい。
セレスタンは人払いをするとディオンと向かい合わせにソファに腰を下ろした。
時期が時期だけにお互い口にする物はない。茶も無い状況にセレスタンは部屋の隅に置かれたワゴンからグラスを無造作に2つ手に取る。
ポットから茶を注いでディオンに好きな方を選ばせて残った方を先に口にした。
「で?話とは何だ」
ディオンの少し苛立った声が裏返るまでは一言で済んだ。
「今度の披露目で、婚約解消を発表する」
「は?はぁぁ?!」
前のめりになって驚くディオンの肩を掴んでセレスタンは耳元で囁いた。
「シルヴェーヌを娶ってやってくれないか」
「ヒュッ!!」
「どうだ?」と問うセレスタンにディオンは首を縦に振る事しか出来なかった。
驚き過ぎて声の出し方を忘れてしまったのだ。
返事をしようとすると、喉の奥が詰まり豚の鳴き声のように【ンゴゴ】と出てしまう。それほどまでに想定すらしていなかった事にディランは頭の整理も追いつかなかった。
落ち着いた頃に「何故自分なのか」と問えばセレスタンは微笑んだ。
「お前たちが真実の愛、運命の番だと思うからだ」
迷いのない声でセレスタンは力強くディオンに告げた。
「だが、父上が何と言うか…」
「父上なら大丈夫だ。しかし万が一と言う事もある。お前は――」
セレスタンはディオンに説明をした。
披露目の日。
2人が成人した事を国王が告げたあと、一旦は休憩に入る。
その後で現在の婚約者が妃として決定した事を告げるため、国王と王妃は再度壇上にあがりそこに2人がそれぞれの婚約者が呼ばれエスコートをして入場してくる。
出生順から言えばセレスタンだが、その時セレスタンは1人で入場し、シルヴェーヌをディオンがエスコートして入場をしてくる。
誰もが驚くだろうが、そこで2人が真実の愛で結ばれている事を告白し身を引くと宣言をする。
「では即位はどうするんだ?」
「私は生涯独身を貫く。だから玉座は譲ってくれないか」
「それは‥‥」
ディランは頭の中で算盤を弾いた。
正直、今アデライドに邪魔をされて執務、政務についての評価は下の下である。国王となるにはこれからの2年間かなり厳しい教育になるのは必然でそれも面倒。
バイエ侯爵家には悪いが、アデライドは王妃の器ではなく側妃すら怪しいレベルである。王弟となってもセレスタンが生涯独身なのであれば側妃は認められるだろう。
当日アデライドは準備だと言って控室に閉じ込めるか、うっかりを装って会場に入れておいてエスコートしようにもいなかったではないかと装えばいい。
「わかった。玉座は要らない。しかしシルヴェーヌはこの事を――」
「勿論知らない。私からのサプライズだ。余興には丁度いいだろう?そうそう!いい事をもう一つ教えてやろう」
「なんだ?」
「シルヴェーヌは生い立ちが特殊でね。嫉妬心を煽られると余計に執着するそうなんだ。罵倒された後に優しくされると自分への愛を感じると言っていた。婚約して数年不仲の噂があったのはその為さ」
「そうだったのか…知らなかった」
「女性には気を使うからね。公になると恥ずかしいんじゃないのか?」
セレスタンは証人が1人必要だからと婚約解消の書類を出してきた。
セレスタンの紋が透かしで入った正式な書面に書かれていた文字は【婚約解消】だった。
既にセレスタンの名前は署名されていて、あとはシルヴェーヌと証人1人。
そこに国王の決済印があれば完成だった。
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