32 / 36
クロヴィスの違和感と記憶回復
しおりを挟むセレスタンが来て2、3カ月は何事もなかったが、半年を過ぎようという今、クロヴィスは自身の部屋に違和感を感じた。見渡しても誰もいないし、盗られた物はない。
何の違和感だろうとずっと考えていた。
部屋の清掃は使用人が行うので、誰かの匂いが残っていたという類ではない。
暫く考えて、やっとその違和感の正体がわかった。
少しずつ違うのだ。引き出しもクローゼットもクロヴィスは自分が取り出しやすいように物を置く癖があった。それが少し動かされているのだ。
引き出しをあけた、閉じたでペンの向きは変わらない。
書類もクロヴィスは手に取りやすいように一束を少しずらして置く癖があった。
それがピシリと揃っておかれている。
クローゼットの中の靴も少し内またになるように並べた靴が真っ直ぐになっている。
物が無くなったわけでもなく、増えたわけでもない。
――何かを探している――
そう思える違和感だった。
何を探しているのか。クロヴィスは考えた。金なら現金で多くはないが深夜に早馬で出る事があれば乗り継ぐ馬を2、3回分は引き出しの中に仕舞ってあったが、全くなくなっていなかった。
金でなければ何を探すだろう。そう考えた時に【宝飾品】に行き当たった。
しかし、クロヴィスは宝飾品の類は持っていなかった。
それでも、思い当たるものがあった。
側近をしていた時に、側近の証として賜ったブローチである。
あのシルヴェーヌが襲われた時の夜会で、正門を通り抜ける際に出来るだけ若い新兵を選んで王家の紋が入った側近の証であるブローチを見せて通過した。
だが、あんなものを欲しがってどうするんだろうかと考えた。
王家の紋が入っている以上、夜会などにつけていくには不向きである。出所を問われるからだ。側近だからこそ付けている事が当たり前とされていたが、他者がそれを欲しがっても何の利も無い。
換金も出来ないし、持っているだけで窃盗を疑われる。
クロヴィスは暫く泳がせてみる事に決めた。
正面からセレスタンを問いただしたところでのらりくらりと逃げられるのが解っていた。
逃げられないためには、現行犯で押さえるしかない。
時計を見るとシルヴェーヌが散策に出る時間だった。
日課となっている散策を前にシルヴェーヌはリーネに髪を纏めてもらっていた。
執事のセレスタンは「1人で庭を散策しても問題ない」と言った事から敷地内の庭に限って1人で散歩をする事があった。
「妃殿下、髪を少し引っ張りますので痛ければ仰ってください」
「軽く纏めてくれていいんだけれど」
「いえ、きちんと結っておきましょう」
てきぱきと髪を優しく結っていくリーネは鏡越しにも真剣そのものだった。
シルヴェーヌはリーネに問い掛けた。
「リーネさんはどこか貴族の出ですの?」
「私は没落してしまい、平民同然です。そのような事を何故お聞きになるのです?」
「身のこなし方や話し方に、きちんとした学びを受けていると思うの」
「そうですか…私は学園などには行けませんでしたので祖母に習いました。実家はテデック伯爵家です。もう名前も残っておりませんけれど。今日も散歩へ行かれるのですか?」
「えぇ。庭師さんの作る野菜が芽を出したそうなの。今日は早番でしたわね。いつもありがとう。ゆっくり休んで頂戴ね」
そう言いながら、シルヴェーヌはリーネにクリームを手渡した。
「手が荒れているわ。使って」
「そんなっ。頂けません」
「皸になると手を握ったり開いたりも辛いはずよ」
「あ…ありがとうございます」
湖畔に行くにはテラスから庭を通る。
いつもならいる筈のセレスタンの姿がなかったがハリスに声をかける。
散策で湖畔に出るシルヴェーヌ。クロヴィスはその隣を手を取って歩いていた。
カサカサと落ち葉を踏みしめると音がする。
1週間ほど前に降った大雨の影響で湖の水は水嵩を増していて、いつもの場所ではない所に2人は出た。
「綺麗」
「えぇ‥‥とても」
数歩うしろに跪くクロヴィスは、風になびくシルヴェーヌの髪を見ていた。
クロヴィスはシルヴェーヌにも違和感を感じていた。
湖へシルヴェーヌが行きはじめたのは1,2か月前の事である。
シルヴェーヌに対しての違和感を感じたのは先日の事だった。
時折、散策の途中で木を見上げたり、花の前に座り込んだりとするようになった。
ふと目を離し、視線を戻すと姿が見えない事があり探し回れば大抵湖畔にいた。
風に肩に羽織ったショールが飛ばされても振り向きもしない。
外では誰が聞き耳を立てているか判らない。クロヴィスは名前ではなくシルヴェーヌを妃殿下と呼ぶ。
「妃殿下。そろそろお戻りくださいませ」
背後にゆっくりと近づくと斜め後ろで跪ひざまずき頭を垂れる。
シルヴェーヌは振り向きながら声をかけた。
「戻ります」
「はい」
クロヴィスの腕に細い指をかけると「危険ですからしっかりと」と声と同時に手を握り引いていく。
「何か思いだされましたか?」
「いいえ。何も」
「そろそろ寒くなりますので明日からは屋敷でお過ごしください」
「そう…また迷惑をかけてしまうわね」
「妃殿下、ここでは誰もそのような事は」
「そうね…そうだったわね」
シルヴェーヌに歩調を合わせてモヤモヤとした違和感を感じながら離宮まで帰ったことだった。
その時に感じた違和感は何だったのだろう。
そう考えながらも顔に当たる湖面を吹いてくる風はやはり冷たい。
クロヴィスはシルヴェーヌに戻ろうと声をかけた。
「わたくし、もう少しここにいたいですわ」
「晴れた日のもっと早い時間にしましょう。もう風が出ています」
「残念だわ…」
やはり違和感を感じた。
渋るシルヴェーヌの手を取り小道を歩いていく。
時折シルヴェーヌが湖の方をチラチラと見ていた。
湖畔の小道を歩き、植え込みに続く小道の分岐でクロヴィスは立ち止まった。
「どうされたの?」
立ち止まったクロヴィスにシルヴェーヌは顔を見上げた。
「正直に言ってください」
「正直に?どうしたのです?」
「記憶が戻っているのではありませんか?」
短い沈黙が流れた。
シルヴェーヌは声は出さずに微笑んだ。
クロヴィスはつい、シルヴェーヌの肩に手を置き、「いつから!」と問うた。
「何の事ですの?」
「惚けないでください。あなたは先日【また迷惑】をかけると言った。記憶がない状態で王妃殿下の宮にいた時からなのですから【また】はないでしょう。それに、わたくしと言っている。以前は…私だった」
「クロヴィス様は騙せませんね。…記憶は戻っています。全て覚えています。前の事も今の事も」
「で、ですが、殿下を見た時に表情一つ変えず――」
「クロヴィス様、表情に出さないのは基本中の基本ですわ」
「いったい…いつから…」
「本を見た後‥‥クロヴィス様が呼吸が乱れたわたくしを抱きしめて下さった時に、何かを感じたんです。どこかで同じような事があった気がしました」
「そんな前から?」
「いいえ、その時はそれで終わったのです。思い出したのはアデライド様に触れられた時。手が少し触れただけなのですが、お手製の本を見て呼吸が乱れた時、瞼を閉じても女性の顔がずっと消えなかった。ですがその人が目の前に現れた。仲よくしようと言った言葉、手の感触、手を弾いた時の目。それで思い出しました」
「かなり前じゃないですか!言ってくれればっ」
「試したかったのです」
「試したかった?何を…私をですか?」
「いいえ、クロヴィス様ではなく‥‥彼女を。そして彼を」
そう言ってシルヴェーヌは顔を背け湖の方を見た。
スっと腕をあげて、湖面を指で指し示した。
シルヴェーヌが指で指し示したのはもう夕暮れに近いというのに対岸に向かって進む一艘の小舟だった。
夕焼けを反射する湖面の光りをクロヴィスは手を庇のように眉にあて目を凝らした。
「あれはっ!」
クロヴィスはその船を漕いでいるのがリーネだと解った。中央に誰かが腰を下ろしている。
そして向かう対岸にはアレンス侯爵家の別荘がある。
「彼らは定期的に対岸の別荘を行き来しています。戻って来るのはおそらく深夜か早朝。見つけたのは偶然ですが以前にクロヴィス様が船で王都に行かれたでしょう?だから気が付いたのです。リーネさんの手は豆だらけ。彼女はあぁやって舟を漕ぐ日はわたくしの髪を結うんです。皸だらけの手で舟を漕ぐために。髪を結うには椿油をかなり使いますから」
「何のためにそんな事を…あ、そう言えば私の部屋…荒らされてはいませんが何かを探されたような痕跡と言いますか…感じはします」
「心境の変化はあったかも知れませんが、彼はあまり長い期間【待つ】というのはしない人だと思います。成果を求める時間は早いと思うのです。最初の3カ月ほどは様子見、今が動いている時だと思いますわ。そのためにクロヴィス様が持っている何かが必要なのでしょう。記憶が戻っていると解ると急激に動くかも知れません。なので黙っていました。嘘を吐いてごめんなさい」
「それは必要な嘘だと思うよ。嘘はいけないが時に必要な嘘もある」
「お願いがあります。王妃殿下の容態が知りたいのです。彼に気づかれぬよう」
「ダメですと言っても‥‥あぁ、もう!判りました。何とかやってみます」
クロヴィスは【これが惚れた弱み】なのだとつくづくシルヴェーヌの行動を止められない自分が情けなく思えてしまった。
何の違和感だろうとずっと考えていた。
部屋の清掃は使用人が行うので、誰かの匂いが残っていたという類ではない。
暫く考えて、やっとその違和感の正体がわかった。
少しずつ違うのだ。引き出しもクローゼットもクロヴィスは自分が取り出しやすいように物を置く癖があった。それが少し動かされているのだ。
引き出しをあけた、閉じたでペンの向きは変わらない。
書類もクロヴィスは手に取りやすいように一束を少しずらして置く癖があった。
それがピシリと揃っておかれている。
クローゼットの中の靴も少し内またになるように並べた靴が真っ直ぐになっている。
物が無くなったわけでもなく、増えたわけでもない。
――何かを探している――
そう思える違和感だった。
何を探しているのか。クロヴィスは考えた。金なら現金で多くはないが深夜に早馬で出る事があれば乗り継ぐ馬を2、3回分は引き出しの中に仕舞ってあったが、全くなくなっていなかった。
金でなければ何を探すだろう。そう考えた時に【宝飾品】に行き当たった。
しかし、クロヴィスは宝飾品の類は持っていなかった。
それでも、思い当たるものがあった。
側近をしていた時に、側近の証として賜ったブローチである。
あのシルヴェーヌが襲われた時の夜会で、正門を通り抜ける際に出来るだけ若い新兵を選んで王家の紋が入った側近の証であるブローチを見せて通過した。
だが、あんなものを欲しがってどうするんだろうかと考えた。
王家の紋が入っている以上、夜会などにつけていくには不向きである。出所を問われるからだ。側近だからこそ付けている事が当たり前とされていたが、他者がそれを欲しがっても何の利も無い。
換金も出来ないし、持っているだけで窃盗を疑われる。
クロヴィスは暫く泳がせてみる事に決めた。
正面からセレスタンを問いただしたところでのらりくらりと逃げられるのが解っていた。
逃げられないためには、現行犯で押さえるしかない。
時計を見るとシルヴェーヌが散策に出る時間だった。
日課となっている散策を前にシルヴェーヌはリーネに髪を纏めてもらっていた。
執事のセレスタンは「1人で庭を散策しても問題ない」と言った事から敷地内の庭に限って1人で散歩をする事があった。
「妃殿下、髪を少し引っ張りますので痛ければ仰ってください」
「軽く纏めてくれていいんだけれど」
「いえ、きちんと結っておきましょう」
てきぱきと髪を優しく結っていくリーネは鏡越しにも真剣そのものだった。
シルヴェーヌはリーネに問い掛けた。
「リーネさんはどこか貴族の出ですの?」
「私は没落してしまい、平民同然です。そのような事を何故お聞きになるのです?」
「身のこなし方や話し方に、きちんとした学びを受けていると思うの」
「そうですか…私は学園などには行けませんでしたので祖母に習いました。実家はテデック伯爵家です。もう名前も残っておりませんけれど。今日も散歩へ行かれるのですか?」
「えぇ。庭師さんの作る野菜が芽を出したそうなの。今日は早番でしたわね。いつもありがとう。ゆっくり休んで頂戴ね」
そう言いながら、シルヴェーヌはリーネにクリームを手渡した。
「手が荒れているわ。使って」
「そんなっ。頂けません」
「皸になると手を握ったり開いたりも辛いはずよ」
「あ…ありがとうございます」
湖畔に行くにはテラスから庭を通る。
いつもならいる筈のセレスタンの姿がなかったがハリスに声をかける。
散策で湖畔に出るシルヴェーヌ。クロヴィスはその隣を手を取って歩いていた。
カサカサと落ち葉を踏みしめると音がする。
1週間ほど前に降った大雨の影響で湖の水は水嵩を増していて、いつもの場所ではない所に2人は出た。
「綺麗」
「えぇ‥‥とても」
数歩うしろに跪くクロヴィスは、風になびくシルヴェーヌの髪を見ていた。
クロヴィスはシルヴェーヌにも違和感を感じていた。
湖へシルヴェーヌが行きはじめたのは1,2か月前の事である。
シルヴェーヌに対しての違和感を感じたのは先日の事だった。
時折、散策の途中で木を見上げたり、花の前に座り込んだりとするようになった。
ふと目を離し、視線を戻すと姿が見えない事があり探し回れば大抵湖畔にいた。
風に肩に羽織ったショールが飛ばされても振り向きもしない。
外では誰が聞き耳を立てているか判らない。クロヴィスは名前ではなくシルヴェーヌを妃殿下と呼ぶ。
「妃殿下。そろそろお戻りくださいませ」
背後にゆっくりと近づくと斜め後ろで跪ひざまずき頭を垂れる。
シルヴェーヌは振り向きながら声をかけた。
「戻ります」
「はい」
クロヴィスの腕に細い指をかけると「危険ですからしっかりと」と声と同時に手を握り引いていく。
「何か思いだされましたか?」
「いいえ。何も」
「そろそろ寒くなりますので明日からは屋敷でお過ごしください」
「そう…また迷惑をかけてしまうわね」
「妃殿下、ここでは誰もそのような事は」
「そうね…そうだったわね」
シルヴェーヌに歩調を合わせてモヤモヤとした違和感を感じながら離宮まで帰ったことだった。
その時に感じた違和感は何だったのだろう。
そう考えながらも顔に当たる湖面を吹いてくる風はやはり冷たい。
クロヴィスはシルヴェーヌに戻ろうと声をかけた。
「わたくし、もう少しここにいたいですわ」
「晴れた日のもっと早い時間にしましょう。もう風が出ています」
「残念だわ…」
やはり違和感を感じた。
渋るシルヴェーヌの手を取り小道を歩いていく。
時折シルヴェーヌが湖の方をチラチラと見ていた。
湖畔の小道を歩き、植え込みに続く小道の分岐でクロヴィスは立ち止まった。
「どうされたの?」
立ち止まったクロヴィスにシルヴェーヌは顔を見上げた。
「正直に言ってください」
「正直に?どうしたのです?」
「記憶が戻っているのではありませんか?」
短い沈黙が流れた。
シルヴェーヌは声は出さずに微笑んだ。
クロヴィスはつい、シルヴェーヌの肩に手を置き、「いつから!」と問うた。
「何の事ですの?」
「惚けないでください。あなたは先日【また迷惑】をかけると言った。記憶がない状態で王妃殿下の宮にいた時からなのですから【また】はないでしょう。それに、わたくしと言っている。以前は…私だった」
「クロヴィス様は騙せませんね。…記憶は戻っています。全て覚えています。前の事も今の事も」
「で、ですが、殿下を見た時に表情一つ変えず――」
「クロヴィス様、表情に出さないのは基本中の基本ですわ」
「いったい…いつから…」
「本を見た後‥‥クロヴィス様が呼吸が乱れたわたくしを抱きしめて下さった時に、何かを感じたんです。どこかで同じような事があった気がしました」
「そんな前から?」
「いいえ、その時はそれで終わったのです。思い出したのはアデライド様に触れられた時。手が少し触れただけなのですが、お手製の本を見て呼吸が乱れた時、瞼を閉じても女性の顔がずっと消えなかった。ですがその人が目の前に現れた。仲よくしようと言った言葉、手の感触、手を弾いた時の目。それで思い出しました」
「かなり前じゃないですか!言ってくれればっ」
「試したかったのです」
「試したかった?何を…私をですか?」
「いいえ、クロヴィス様ではなく‥‥彼女を。そして彼を」
そう言ってシルヴェーヌは顔を背け湖の方を見た。
スっと腕をあげて、湖面を指で指し示した。
シルヴェーヌが指で指し示したのはもう夕暮れに近いというのに対岸に向かって進む一艘の小舟だった。
夕焼けを反射する湖面の光りをクロヴィスは手を庇のように眉にあて目を凝らした。
「あれはっ!」
クロヴィスはその船を漕いでいるのがリーネだと解った。中央に誰かが腰を下ろしている。
そして向かう対岸にはアレンス侯爵家の別荘がある。
「彼らは定期的に対岸の別荘を行き来しています。戻って来るのはおそらく深夜か早朝。見つけたのは偶然ですが以前にクロヴィス様が船で王都に行かれたでしょう?だから気が付いたのです。リーネさんの手は豆だらけ。彼女はあぁやって舟を漕ぐ日はわたくしの髪を結うんです。皸だらけの手で舟を漕ぐために。髪を結うには椿油をかなり使いますから」
「何のためにそんな事を…あ、そう言えば私の部屋…荒らされてはいませんが何かを探されたような痕跡と言いますか…感じはします」
「心境の変化はあったかも知れませんが、彼はあまり長い期間【待つ】というのはしない人だと思います。成果を求める時間は早いと思うのです。最初の3カ月ほどは様子見、今が動いている時だと思いますわ。そのためにクロヴィス様が持っている何かが必要なのでしょう。記憶が戻っていると解ると急激に動くかも知れません。なので黙っていました。嘘を吐いてごめんなさい」
「それは必要な嘘だと思うよ。嘘はいけないが時に必要な嘘もある」
「お願いがあります。王妃殿下の容態が知りたいのです。彼に気づかれぬよう」
「ダメですと言っても‥‥あぁ、もう!判りました。何とかやってみます」
クロヴィスは【これが惚れた弱み】なのだとつくづくシルヴェーヌの行動を止められない自分が情けなく思えてしまった。
96
お気に入りに追加
2,623
あなたにおすすめの小説

【本編完結】記憶をなくしたあなたへ
ブラウン
恋愛
記憶をなくしたあなたへ。
私は誓約書通り、あなたとは会うことはありません。
あなたも誓約書通り私たちを探さないでください。
私には愛し合った記憶があるが、あなたにはないという事実。
もう一度信じることができるのか、愛せるのか。
2人の愛を紡いでいく。
本編は6話完結です。
それ以降は番外編で、カイルやその他の子供たちの状況などを投稿していきます
【完結】このままずっと、気付かないで
遥瀬 ひな
恋愛
オフィリアはギルバートの婚約者だ。そう、生まれた時からずっと。
なのに今、その婚約を解消して欲しいと言われている。他でもないギルバート本人から、なんの前触れもなく突然に。
「すまない、オフィリア。」
「畏まりました、王太子殿下。」
そう答えるしかない、わたくし。それ以外の答えなど求められてはいないと分かっているから。
♪たくさんの、いいね❤️やエール🎉ありがとうございました♪

「君との婚約は時間の無駄だった」とエリート魔術師に捨てられた凡人令嬢ですが、彼が必死で探している『古代魔法の唯一の使い手』って、どうやら私
白桃
恋愛
魔力も才能もない「凡人令嬢」フィリア。婚約者の天才魔術師アルトは彼女を見下し、ついに「君は無駄だ」と婚約破棄。失意の中、フィリアは自分に古代魔法の力が宿っていることを知る。時を同じくして、アルトは国を救う鍵となる古代魔法の使い手が、自分が捨てたフィリアだったと気づき後悔に苛まれる。「彼女を見つけ出さねば…!」必死でフィリアを探す元婚約者。果たして彼は、彼女に許されるのか?
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

いくつもの、最期の願い
しゃーりん
恋愛
エステルは出産後からずっと体調を崩したままベッドで過ごしていた。
夫アイザックとは政略結婚で、仲は良くも悪くもない。
そんなアイザックが屋敷で働き始めた侍女メイディアの名を口にして微笑んだ時、エステルは閃いた。
メイディアをアイザックの後妻にしよう、と。
死期の迫ったエステルの願いにアイザックたちは応えるのか、なぜエステルが生前からそれを願ったかという理由はエステルの実妹デボラに関係があるというお話です。

記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる