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第11話 いいんじゃないでしょうか?
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必死で「手しか握ってない」「唇は触れただけ」「ともに朝を迎えたのは数えるほど」
――真っ黒やん・・・グレー通り越して漆黒やん――
この日、準夜勤だった事を後悔する使用人達はベルガシュの言葉に疲労の色が濃く滲み出る。
呆れてしまってもうベルガシュとディララ以外、口から言葉を発する者が誰もいない。
教養もマナーも壊滅的と言われたベルガシュでも未成年に手を出す=身の破滅だと言う事は理解をしていたようで、ディララの腕を掴んで「本当は18歳だろう?」何度も問い質すのだが、余程に焦っていると見えてアウトなワードがポンポン飛び出す始末。
しかし、ベルガシュがどんなに慌てようとディララが15歳であるのは揺るぎようがない事実。
顔色も蒼くなったり白くなったりと忙しいベルガシュだが、ディララの素振りから関係があるのは間違いない。
手を出した以上、ベルガシュは責任を取らねばならないが直ぐに離縁は出来ないし、何より再婚するにしてもディララの年齢が足りてなければどうにもならない。
ズキズキと頭が痛くなるオルコット侯爵夫妻だが、相反してアイリーンは楽観的だった。
ハルテ伯爵家と言えば、オルコット侯爵夫人と何度か出向いた茶会で現伯爵夫人と挨拶を交わした事をアイリーンは思い出した。
何も情報が無ければお互い気が付く事はなかっただろうが、ハルテ伯爵夫人が再婚だと言う事は周知の事実だし、高位貴族でもあるオルコット侯爵家にモストク伯爵家の令嬢が嫁いだと言うのも知らぬ者はいない。
現ハルテ伯爵夫人はアイリーンの生みの母。生後4か月のアイリーンを捨てて実家のタゲニ伯爵家に戻り、21歳も年上のハルテ伯爵と再婚していた。
――お兄様なら面影は覚えて・・・いないわね2歳になる前だもの――
離れてしまった17年の歳月は余りにも長かった。
出会う前にアイリーンは「ハルテ伯爵様が再婚相手だったんだ」とまるで他人事のような感情しか湧かなかった
アイリーンは生みの母に会ってみたい気持ちがなかったとは言えないが、実際会って挨拶を交わした時、ハルテ伯爵夫人は激しく動揺。アイリーンとの感情の温度差、落差は大きかった。
アイリーンと兄のペルタスが手紙を出せども出せども来ない返事を待ちわびた頃に生まれたのがディララ。
ハルテ伯爵夫人に挨拶をした時はディララがベルガシュと付き合いがある事は知らなかったが、ここでベルガシュに「実は異父姉妹」と打ち明けたら息の根を止める事になるかも知れない。
――ま、世の中知らない方が良い事もあるわね――
ディララもアイリーンが異父姉だと知らないようで、嫉妬に燃える目を向けて来ていた。
――嫉妬なんかしなくても、無料進呈するわよ?――
アイリーンは話が始まって初めて口を開く。
「いいんじゃないでしょうか」
ディララだけが疑いを持った目でアイリーンを見るが、他は驚きの表情。
アイリーンは構わず続けた。
「どう逆立ちをしても彼女は17歳になるまでのあと2年は結婚は出来ません。その2年が経過しても、円満な離縁までもう2年半必要です。その間、お2人には愛を育んで頂いて共に領地経営も学んで頂ければ白い結婚による離縁が成立した暁には、問題なく結婚出来ますし、私はお2人の純愛(んぐっ)を邪魔するつもりは毛頭御座いませんもの」
途中、吹き出しそうになるのを堪えてアイリーンははっきりと「白い結婚」と言った。
アイリーンは生理的にベルガシュを受け付けられない。
男性も女性も結婚まで身綺麗でいろ、操を立てろとは言わないし思わない。
女遊びが激しい男である事は最初に聞いていたので、ベルガシュと閨を共にする気は全く無かった。
――自分の身は自分で守らないとね――
恋人が多いと聞いたベルガシュの話を聞いて危惧したのは病気。
肌に赤い花が咲く梅毒は厄介で、最初の症状が出ても数週間で消える。その後3か月程度で発疹などの症状が現れるがこれもまた日が経てば消えていく。
たまにしか侯爵家に戻らないベルガシュ。帰宅時に潜伏期間とも考えられるため「赤い華」が見られないからと言って安心はできない。
出来物や発疹などニキビや蕁麻疹、食あたりと勘違いするかも知れないし、次に症状が出るのは数年後となり、体の内側から蝕まれてからの発症となるので死を待つのみとなる。
初期で判っても治療薬は怪しげな民間療法しかない。となれば触らぬ神に祟りなし。
関係を持たないのが一番の特効薬。
侯爵夫人も「子供が出来ようができまいがどうでもいい」と言っていたし、せめて兄が借りた金だけは5年でなんとか出来るように領地経営をして、その後はヤギのセルジュを探す旅に出ようと思っていた。
そのセルジュも見つかったので離縁するまでの期間、借金を返す事に没頭すればいいだけ。
未成年に手を出した事が判った今、どうあっても離縁の一択しか選べない。
白い結婚上等!と言い放ったアイリーンを侯爵夫人が後押しする。
「そうね。アイリーンの言う通りだわ。こそこそとするより、堂々とした方がベルガシュも楽しいでしょう?誰も邪魔なんかしないわ。ただ、あと4年半は子供を作る事だけはしない事ね。アイリーンとの結婚の事実は消えないからアイリーンへの慰謝料はこちらで何とかするわ。ね?あなた」
法で定められたわけでは無いが、「親の決めた相手と結婚」と「爵位」はセットと考えるのが慣習。イレギュラーな事をすれば干されるのは時間の問題である事もベルガシュは理解をしている。
「離縁の慰謝料も払ってくれて、爵位も渡してくれるというのか?」
そんな虫のいい話?半信半疑のベルガシュはオルコット侯爵の顔を見る。
「そうだな…ベルガシュ。親が選んだ妻を嫌だと言うのだから、離縁までの期間は堪えろ。その後はこのオルコット侯爵家をお前とそのお嬢さんで引き継げばいい。力量に見合ったモノは残してやる」
「いいんですかぁ?!やったぁ、ベルガシュ!結婚出来るわ!慰謝料も払わなくていいなんて。やっぱり私が天使並みに可愛いからねっ!」
「あ、あぁ…そうだな…」
「私、さっそくドレスを作らなくっちゃ。お義父様っ。侯爵家で私のお部屋はどこ?クローゼットの大きさもあるしぃ~。新しいドレスも欲しいの。日当たりはいいのかしら?お庭には私の好きな花が咲いてるからぁ~うーん…」
――咲いてるのは頭の中だけでしょうに!――
確かにオルコット侯爵家の庭には季節を問わず花が咲くように熟練の庭師が配置も考えているが、間違ってもディララの為ではなく侯爵夫妻の為である。
常識人とは次元の違う世界で「1を聞きて10を知る」ディララ。
ディララの気持ちはもう5年先に飛んでいる。
脳内の花畑は「結婚」の先取りで超満開。
「君の荷物を運び入れるのはまだ先の事だ。それまでゆっくりと2人で話し合って決めるといい」
心なしかコメカミがヒクヒクとしているオルコット侯爵が優しくディララに声を掛けたのだが、引いたと思った涙がまたディララの目に溢れ始めた。
「そんなっ…お義父様は私が邪魔なんですか?幸せになるために美の努力を怠らなかった私に・・・まだ我慢を強いるんですの?これ以上、私に何を頑張れと言うんですの!?」
――そういう事ではないだろう!――
どうやらディララは自身の言葉に賛同しない発言には湾曲した理解をするようで、被害妄想も感じられる。相手にしない方が得策とオルコット侯爵はベルガシュに続きを語った。
「ベルガシュ、時間はあるんだから2人で話し合って決めなさい」
ベルガシュは父のオルコット侯爵とアイリーンを交互に見る。
狼狽した表情から読み取れるのは「不安」だが、ディララしか考えられないと言い切ったベルガシュ。
きっと思い通りの筋書きとは違う流れになり、軌道修正が出来ない。
オルコット侯爵と目が合い「はい」と珍しく殊勝な返事を返すと続いてアイリーンと目が合った。
アイリーンは満面の笑みを浮かべた。
「全力で純愛!応援致しますわ。ご安心くださいませ」
小旗でもあれば大きく振ってあげたのに。
アイリーンは心からベルガシュとディララの「純愛」を祝福した。
そうとなれば残りは4年半。やる事が山積みで2人に構っている時間など勿体ない。
アイリーンは家令のブレドに声を掛けると、先程の作付けの話の続きをする為に席を外した。
――真っ黒やん・・・グレー通り越して漆黒やん――
この日、準夜勤だった事を後悔する使用人達はベルガシュの言葉に疲労の色が濃く滲み出る。
呆れてしまってもうベルガシュとディララ以外、口から言葉を発する者が誰もいない。
教養もマナーも壊滅的と言われたベルガシュでも未成年に手を出す=身の破滅だと言う事は理解をしていたようで、ディララの腕を掴んで「本当は18歳だろう?」何度も問い質すのだが、余程に焦っていると見えてアウトなワードがポンポン飛び出す始末。
しかし、ベルガシュがどんなに慌てようとディララが15歳であるのは揺るぎようがない事実。
顔色も蒼くなったり白くなったりと忙しいベルガシュだが、ディララの素振りから関係があるのは間違いない。
手を出した以上、ベルガシュは責任を取らねばならないが直ぐに離縁は出来ないし、何より再婚するにしてもディララの年齢が足りてなければどうにもならない。
ズキズキと頭が痛くなるオルコット侯爵夫妻だが、相反してアイリーンは楽観的だった。
ハルテ伯爵家と言えば、オルコット侯爵夫人と何度か出向いた茶会で現伯爵夫人と挨拶を交わした事をアイリーンは思い出した。
何も情報が無ければお互い気が付く事はなかっただろうが、ハルテ伯爵夫人が再婚だと言う事は周知の事実だし、高位貴族でもあるオルコット侯爵家にモストク伯爵家の令嬢が嫁いだと言うのも知らぬ者はいない。
現ハルテ伯爵夫人はアイリーンの生みの母。生後4か月のアイリーンを捨てて実家のタゲニ伯爵家に戻り、21歳も年上のハルテ伯爵と再婚していた。
――お兄様なら面影は覚えて・・・いないわね2歳になる前だもの――
離れてしまった17年の歳月は余りにも長かった。
出会う前にアイリーンは「ハルテ伯爵様が再婚相手だったんだ」とまるで他人事のような感情しか湧かなかった
アイリーンは生みの母に会ってみたい気持ちがなかったとは言えないが、実際会って挨拶を交わした時、ハルテ伯爵夫人は激しく動揺。アイリーンとの感情の温度差、落差は大きかった。
アイリーンと兄のペルタスが手紙を出せども出せども来ない返事を待ちわびた頃に生まれたのがディララ。
ハルテ伯爵夫人に挨拶をした時はディララがベルガシュと付き合いがある事は知らなかったが、ここでベルガシュに「実は異父姉妹」と打ち明けたら息の根を止める事になるかも知れない。
――ま、世の中知らない方が良い事もあるわね――
ディララもアイリーンが異父姉だと知らないようで、嫉妬に燃える目を向けて来ていた。
――嫉妬なんかしなくても、無料進呈するわよ?――
アイリーンは話が始まって初めて口を開く。
「いいんじゃないでしょうか」
ディララだけが疑いを持った目でアイリーンを見るが、他は驚きの表情。
アイリーンは構わず続けた。
「どう逆立ちをしても彼女は17歳になるまでのあと2年は結婚は出来ません。その2年が経過しても、円満な離縁までもう2年半必要です。その間、お2人には愛を育んで頂いて共に領地経営も学んで頂ければ白い結婚による離縁が成立した暁には、問題なく結婚出来ますし、私はお2人の純愛(んぐっ)を邪魔するつもりは毛頭御座いませんもの」
途中、吹き出しそうになるのを堪えてアイリーンははっきりと「白い結婚」と言った。
アイリーンは生理的にベルガシュを受け付けられない。
男性も女性も結婚まで身綺麗でいろ、操を立てろとは言わないし思わない。
女遊びが激しい男である事は最初に聞いていたので、ベルガシュと閨を共にする気は全く無かった。
――自分の身は自分で守らないとね――
恋人が多いと聞いたベルガシュの話を聞いて危惧したのは病気。
肌に赤い花が咲く梅毒は厄介で、最初の症状が出ても数週間で消える。その後3か月程度で発疹などの症状が現れるがこれもまた日が経てば消えていく。
たまにしか侯爵家に戻らないベルガシュ。帰宅時に潜伏期間とも考えられるため「赤い華」が見られないからと言って安心はできない。
出来物や発疹などニキビや蕁麻疹、食あたりと勘違いするかも知れないし、次に症状が出るのは数年後となり、体の内側から蝕まれてからの発症となるので死を待つのみとなる。
初期で判っても治療薬は怪しげな民間療法しかない。となれば触らぬ神に祟りなし。
関係を持たないのが一番の特効薬。
侯爵夫人も「子供が出来ようができまいがどうでもいい」と言っていたし、せめて兄が借りた金だけは5年でなんとか出来るように領地経営をして、その後はヤギのセルジュを探す旅に出ようと思っていた。
そのセルジュも見つかったので離縁するまでの期間、借金を返す事に没頭すればいいだけ。
未成年に手を出した事が判った今、どうあっても離縁の一択しか選べない。
白い結婚上等!と言い放ったアイリーンを侯爵夫人が後押しする。
「そうね。アイリーンの言う通りだわ。こそこそとするより、堂々とした方がベルガシュも楽しいでしょう?誰も邪魔なんかしないわ。ただ、あと4年半は子供を作る事だけはしない事ね。アイリーンとの結婚の事実は消えないからアイリーンへの慰謝料はこちらで何とかするわ。ね?あなた」
法で定められたわけでは無いが、「親の決めた相手と結婚」と「爵位」はセットと考えるのが慣習。イレギュラーな事をすれば干されるのは時間の問題である事もベルガシュは理解をしている。
「離縁の慰謝料も払ってくれて、爵位も渡してくれるというのか?」
そんな虫のいい話?半信半疑のベルガシュはオルコット侯爵の顔を見る。
「そうだな…ベルガシュ。親が選んだ妻を嫌だと言うのだから、離縁までの期間は堪えろ。その後はこのオルコット侯爵家をお前とそのお嬢さんで引き継げばいい。力量に見合ったモノは残してやる」
「いいんですかぁ?!やったぁ、ベルガシュ!結婚出来るわ!慰謝料も払わなくていいなんて。やっぱり私が天使並みに可愛いからねっ!」
「あ、あぁ…そうだな…」
「私、さっそくドレスを作らなくっちゃ。お義父様っ。侯爵家で私のお部屋はどこ?クローゼットの大きさもあるしぃ~。新しいドレスも欲しいの。日当たりはいいのかしら?お庭には私の好きな花が咲いてるからぁ~うーん…」
――咲いてるのは頭の中だけでしょうに!――
確かにオルコット侯爵家の庭には季節を問わず花が咲くように熟練の庭師が配置も考えているが、間違ってもディララの為ではなく侯爵夫妻の為である。
常識人とは次元の違う世界で「1を聞きて10を知る」ディララ。
ディララの気持ちはもう5年先に飛んでいる。
脳内の花畑は「結婚」の先取りで超満開。
「君の荷物を運び入れるのはまだ先の事だ。それまでゆっくりと2人で話し合って決めるといい」
心なしかコメカミがヒクヒクとしているオルコット侯爵が優しくディララに声を掛けたのだが、引いたと思った涙がまたディララの目に溢れ始めた。
「そんなっ…お義父様は私が邪魔なんですか?幸せになるために美の努力を怠らなかった私に・・・まだ我慢を強いるんですの?これ以上、私に何を頑張れと言うんですの!?」
――そういう事ではないだろう!――
どうやらディララは自身の言葉に賛同しない発言には湾曲した理解をするようで、被害妄想も感じられる。相手にしない方が得策とオルコット侯爵はベルガシュに続きを語った。
「ベルガシュ、時間はあるんだから2人で話し合って決めなさい」
ベルガシュは父のオルコット侯爵とアイリーンを交互に見る。
狼狽した表情から読み取れるのは「不安」だが、ディララしか考えられないと言い切ったベルガシュ。
きっと思い通りの筋書きとは違う流れになり、軌道修正が出来ない。
オルコット侯爵と目が合い「はい」と珍しく殊勝な返事を返すと続いてアイリーンと目が合った。
アイリーンは満面の笑みを浮かべた。
「全力で純愛!応援致しますわ。ご安心くださいませ」
小旗でもあれば大きく振ってあげたのに。
アイリーンは心からベルガシュとディララの「純愛」を祝福した。
そうとなれば残りは4年半。やる事が山積みで2人に構っている時間など勿体ない。
アイリーンは家令のブレドに声を掛けると、先程の作付けの話の続きをする為に席を外した。
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