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第31話 money×3 & gimme×3
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「従業員から出資者を募る?」
カモク侯爵家に呼ばれたイクル子爵とケインは声を合わせて驚いた。
金ならカモク侯爵家から毎月融資は受けているのでわざわざ集めなくても融資された金を使えば大抵の事は出来る。
なのにレンダールは「出資者を募り有限商会を作る」と言い出した。
発行する株式の65%をカモク侯爵家、20%をイクル子爵家。残りの15%を所有となる出資者を募ると言うのだ。
「メリットもデメリットもある。出資者は社員になると言う事だ」
「社員、つまり従業員ですか」
「そうだ。株式商会にすれば広く出資者は集められるが役員に任期があるんだ。義父上を筆頭とする事が出来ない時期が来るんだ」
「つまり…父が平社員になると?」
「平社員‥まぁ似たようなものだ。しかし有限商会は役員に任期はない。そして出資者は社員と限られている。社員は日々の給料の他に売り上げに対して配当を受け取ることが出来る」
「社員ですか…でも出資出来るほどの従業員はいないんですよ」
「ならばだ。比率を変えてカモク家70%、イクル家25%とし、残り5%を従業員に出資してもらうんだ」
「外から集めるのはダメなんですか?」
「株式の譲渡が面倒だからな。株式商会にすれば手持ちの株は売買が簡単だが、売られては困るヤツの手に渡ると面倒だ。例えば反社とか。しかし有限商会は株式の売買や譲渡は社員の承認が必要になる。働いていれば給料の他に配当が貰えるんだから譲ろうなんて奴はあまりいないんだ。ゼロではないが」
「出資額を低くして従業員に投資をしてもらうって事ですね」
「そうだ。そうすれば…我武者羅に商会を続けようとしてきた義父上だ。より潰す事は出来ないとなるだろう?末永く元気でいて貰わねば困る。義父上のような人は生涯現役を生き甲斐にしているだろう?それに売り上げが伸びれば配当額も多くなる。自由にできる金が手に入るんだ。頑張れば頑張るほどにね」
この話を従業員に行うと最初は金がないので無理と言っていた従業員が何故か個別で「出資します」と伝えてきた。
「保険みたいなものさ。ダラダラやってたら売り上げが落ちる。配当も少なくなるだろ?捨ててもイイ金はないけど、元金だけでも最後に戻ればいいんだから金融商会に預けておくよりいいだろ?」
「要は金融商会に預けて元本割れはないけど微々たる利息で我慢するか、自分の働きで元本以上の利息を貰えるかも?ってことだろ?俺の虎の子。旦那さんに預けるよ」
「行くところのない俺を拾って雇い続けてくれてるんだし、リサちゃんだって俺らのために嫁いだんだろ?そこまでされて何も恩を返さないなんて俺には出来ないよ。出資で旦那さんが助かるんなら出資するよ」
失業率も高く、学園など通った訳でもないので学もない従業員は少ない給料でも毎月コツコツと貯めていた貯金を出資すると持ってきてくれたのだ。
株式商会なら確かに巨額の出資をしてくれる人がいるかも知れないが、従業員からすれば頑張って業績が上がれば給料も上がるだろうが配当は金を出してくれたどこかの誰かに持っていかれる。
なら何処かの誰かの為ではなく、自分のために頑張る。その褒美が配当。
配当が上がると言うことは業績も上がり、給料もアップ。全てが自分の働きに連動しているのがカンフル剤になったようだった。
カモク侯爵家に呼ばれたイクル子爵とケインは声を合わせて驚いた。
金ならカモク侯爵家から毎月融資は受けているのでわざわざ集めなくても融資された金を使えば大抵の事は出来る。
なのにレンダールは「出資者を募り有限商会を作る」と言い出した。
発行する株式の65%をカモク侯爵家、20%をイクル子爵家。残りの15%を所有となる出資者を募ると言うのだ。
「メリットもデメリットもある。出資者は社員になると言う事だ」
「社員、つまり従業員ですか」
「そうだ。株式商会にすれば広く出資者は集められるが役員に任期があるんだ。義父上を筆頭とする事が出来ない時期が来るんだ」
「つまり…父が平社員になると?」
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「社員ですか…でも出資出来るほどの従業員はいないんですよ」
「ならばだ。比率を変えてカモク家70%、イクル家25%とし、残り5%を従業員に出資してもらうんだ」
「外から集めるのはダメなんですか?」
「株式の譲渡が面倒だからな。株式商会にすれば手持ちの株は売買が簡単だが、売られては困るヤツの手に渡ると面倒だ。例えば反社とか。しかし有限商会は株式の売買や譲渡は社員の承認が必要になる。働いていれば給料の他に配当が貰えるんだから譲ろうなんて奴はあまりいないんだ。ゼロではないが」
「出資額を低くして従業員に投資をしてもらうって事ですね」
「そうだ。そうすれば…我武者羅に商会を続けようとしてきた義父上だ。より潰す事は出来ないとなるだろう?末永く元気でいて貰わねば困る。義父上のような人は生涯現役を生き甲斐にしているだろう?それに売り上げが伸びれば配当額も多くなる。自由にできる金が手に入るんだ。頑張れば頑張るほどにね」
この話を従業員に行うと最初は金がないので無理と言っていた従業員が何故か個別で「出資します」と伝えてきた。
「保険みたいなものさ。ダラダラやってたら売り上げが落ちる。配当も少なくなるだろ?捨ててもイイ金はないけど、元金だけでも最後に戻ればいいんだから金融商会に預けておくよりいいだろ?」
「要は金融商会に預けて元本割れはないけど微々たる利息で我慢するか、自分の働きで元本以上の利息を貰えるかも?ってことだろ?俺の虎の子。旦那さんに預けるよ」
「行くところのない俺を拾って雇い続けてくれてるんだし、リサちゃんだって俺らのために嫁いだんだろ?そこまでされて何も恩を返さないなんて俺には出来ないよ。出資で旦那さんが助かるんなら出資するよ」
失業率も高く、学園など通った訳でもないので学もない従業員は少ない給料でも毎月コツコツと貯めていた貯金を出資すると持ってきてくれたのだ。
株式商会なら確かに巨額の出資をしてくれる人がいるかも知れないが、従業員からすれば頑張って業績が上がれば給料も上がるだろうが配当は金を出してくれたどこかの誰かに持っていかれる。
なら何処かの誰かの為ではなく、自分のために頑張る。その褒美が配当。
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