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★恋に溺れた男
『大丈夫でございますか?』
『大丈夫なわけがないだろう!』
どうして僕が殴られなきゃならないんだ。
父であるプリング公爵の元へツリピオニーに婚約解消を伝えたと報告をした僕の顔は腫れあがっている。折れこそしなかったが引退するまでは第二騎士団、第一騎士団の団長を歴任しその後は騎士団総督として名を馳せた父の拳をまともに数発食らった。
顔がまだ顔だと判るだけ手加減をしてくれたのですよという執事の声に苛ついてしまう。
第一王子と共に学園生時代から平民女性のエキドゥナに身も心も捧げてきた。
エキドゥナを最初に見つけたのは僕だ。
入学式の会場がわからないと右往左往するエキドゥナを案内したのだ。
今にも零れ落ちそうな涙。瞳を揺らしながら祈るように両手の指を組み合わせて礼を言うエキドゥナに胸の高鳴りが静まらなかった。
婚約をしたばかりのツリピオニーには申し訳ないと思ったが、僕は王立学園、ツリピオニーは魔法学院で学び舎も異なる事から咎める者もいない。
当初こそ、第一王子をはじめ僕を含めて3人の側近たちはエキドゥナを我が妻にと望んだが、エキドゥナが【私の事で争うのは嫌だ】【何時までも5人でいたい】何度もその言葉を聞くと心が穏やかになり、第一王子がエキドゥナを妃とし、僕たちはその2人に生涯忠誠を誓うという事が暗黙の了解となった。
学園生の時は婚約者がそれぞれにいる事についてエキドゥナは何も言わなかった。
それぞれの婚約者は学園には通っていないし、学園生の間は誰にも邪魔されることはなかった。
しかし、卒業するとエキドゥナは怯え始めた。
『私を捨てて婚約者に愛を誓うのでしょう?』
はらはらと涙を溢しながらそう訴えるエキドゥナに僕たち全員は罪の意識に苛まれた。
婚約者に対して不義理を働いているのではなく、婚約者とは遅かれ早かれ婚姻をせねばならない事がエキドゥナを苦しめているのだと思うといたたまれなかったのだ。
最初に父親が財務大臣であるオークルが婚約を解消した。婚約の解消は難航したようで半年ほど何度もオークルは調停に出向いた。エキドゥナの事は相手方も知っていたようで慰謝料で揉めたようだった。
慰謝料を支払えば【解消】という方法を取ると言われ兄の立場を慮って慰謝料の減額に時間がかかったとオークルは無事婚約解消になった日、頬を染めて自慢げに僕に告げた。
次に第一王子と次期宰相と言われたボルテスが婚約破棄になった。
ボルテスは侯爵家だが、婚約者は同じ侯爵家でも格上の侯爵家の令嬢。二女ではあったが第一王子の婚約者がその姉である事から一蓮托生となった。
一時は侯爵家が王家に対し反旗を翻すのではないかと言われたが、王家の所有する肥沃な領地と数年分の運営費など莫大な慰謝料が支払われた。
ボルテスの侯爵家も主産業がある領地を差し出す事で婚約は破棄となったのだ。
残ったのは僕だけだった。
父には相談をせずにツリピオニーへ先に婚約解消を告げた。ツリピオニーだけは高位貴族ではなく伯爵家なのでスムーズに話が進むと思っていた。婚約破棄となれば慰謝料に鉱山を手放す事になるとは露とも思っていなかった。
しかし、手続きに1か月もかかるとなれば父親に署名をしてもらわねばならない事からその晩に話をしたのだが、激怒した父に思い切り数発殴られ、壁にまで体が吹き飛んだ。
母親と執事が大きな音に気が付いて間に入ってくれなかったら死んでいたかもしれない。
『結婚は恋愛結婚で良いと言ったじゃないか』
僕は父にそう言ったが、【バカか】と返された。
そして僕はすっかり勘違いをしている事に気が付いた。
僕とツリピオニーの婚約の理由は何度も聞かされていたから判っていたのにどうして勘違いをしてしまったんだろうか。寝台に仰向けになり天井を見つめて考えた。
僕たちの婚約はあと1カ月と少しすれば解消に向けての書類を提出するはずだった。
ツリピオニーの誕生日の前後で何事もなく婚約は解消になるものだったのに。
判っていたのに、僕の頭のどこかで【この婚約はツリピオニーが望んで、婚約できなければ自死する】と脅して捥ぎ取ったものだと思い込んでいたのだ。
正直、ツリピオニーが何の反論もせずに婚約の解消を受け入れた時は【どうして?】と思ったのは否めない。泣いて縋って婚約の継続を乞うと思い込んでしまっていたからだ。
エスコートも贈り物も全くと言ってよいほどしておらず、対外的に事務的でいいからこなせと何度も言われていたが僕は無視してきた。それでも婚約者であり続けたツリピオニーは何が何でも僕と結婚をしたいのだろうと思い込んでいた。
翌日の昼過ぎにファータ伯爵夫妻が屋敷に来て婚約解消の書面を作成しそれをその日のうちに王宮に提出したと聞かされた。突然の申し出にファータ伯爵夫妻は怒っているかと思ったけれど【今までありがとう。これからの活躍を期待しているよ】と朗らかに肩を叩かれ面くらった。
ファータ伯爵夫妻が帰った後、2歳年下の弟エドワードが僕を蔑んだ目で見ている事に気が付いた。カっとなってなんだ?と聞けば【別に?】とエドワード付の執事と共に部屋に戻っていった。
傷が目立たなくなった2週間後、王宮にいる第一王子の元を訪ねた。
僕たちを見る王妃殿下の目が厳しいが、殿下の部屋に入ると麗しいエキドゥナが新しいドレスのカタログを広げていた。頬杖をついてページをめくるエキドゥナを見ると心がざわざわとする。
『ドレス代金の支払いは頼んだ。あと来月は各各宮の維持費100万にしてくれ』
殿下の声に、ボルテスとオークルは首を横に振った。今まで金を融通出来たのは婚約者に対しての金であり解消や破棄になってからはそれまで自分名義で蓄えた金を出していたという。
それは僕も同じだった。そこでしまったと気が付いたのだった。
ツリピオニーとの婚約を解消したからもうツリピオニーに対してドレスなどを仕立てる請求書を屋敷宛に送って貰っても払ってはくれないだろう。
殿下の宮の維持費も毎月何十万と自身の蓄えから出した事もあり、僕自身が名義となっている資産はほぼない状態なのだ。
ドレスはなんとかしてやりたいが、ドレス代はチラリと覗いた請求書を見て200万を下る事はない。最低の200万にプラスして維持費の100万など捻出できる筈がない。
なんとか手持ちの宝飾品を売れば100万は用意できるかも知れないが来月は無理だ。
そこで僕は考えたのだ。
ツリピオニーに婚約解消を解消してもらって、なかった事にする事に。
結婚はしなくていいだろう。ずっと婚約者でいてもらえればエキドゥナにドレスも買ってやれる。僕たちに生活費も要求している殿下よりもしかすると僕を一番にしてくれるかも知れない。
殿下は僕たちが金を出さなければ生活できないのだ。
エキドゥナが僕を選ぶのも時間の問題だ。その時になってツリピオニーとの婚約を解消してエキドゥナと結婚すればいい。僕は公爵家の嫡男なのだから貧乏な王子妃よりも贅沢出来る公爵夫人のほうがエキドゥナにとっても負担も少なくゆっくり過ごせるはずだ。
両親や伯爵夫妻がゴチャゴチャ言うのならツリピオニーを傷物にすれば良いだけだ。体に傷のある令嬢など誰も妻には望まない。強欲な色魔の爺が関の山だ。
それを僕が、公爵家嫡男でゆくゆくは公爵となる僕が責任を取って婚約者という立場、その後は第二夫人で置いてやると言えば誰も文句はないだろう。
僕は口元の黄色い痣が消えるのを待ってファータ伯爵家に向かった。
『大丈夫なわけがないだろう!』
どうして僕が殴られなきゃならないんだ。
父であるプリング公爵の元へツリピオニーに婚約解消を伝えたと報告をした僕の顔は腫れあがっている。折れこそしなかったが引退するまでは第二騎士団、第一騎士団の団長を歴任しその後は騎士団総督として名を馳せた父の拳をまともに数発食らった。
顔がまだ顔だと判るだけ手加減をしてくれたのですよという執事の声に苛ついてしまう。
第一王子と共に学園生時代から平民女性のエキドゥナに身も心も捧げてきた。
エキドゥナを最初に見つけたのは僕だ。
入学式の会場がわからないと右往左往するエキドゥナを案内したのだ。
今にも零れ落ちそうな涙。瞳を揺らしながら祈るように両手の指を組み合わせて礼を言うエキドゥナに胸の高鳴りが静まらなかった。
婚約をしたばかりのツリピオニーには申し訳ないと思ったが、僕は王立学園、ツリピオニーは魔法学院で学び舎も異なる事から咎める者もいない。
当初こそ、第一王子をはじめ僕を含めて3人の側近たちはエキドゥナを我が妻にと望んだが、エキドゥナが【私の事で争うのは嫌だ】【何時までも5人でいたい】何度もその言葉を聞くと心が穏やかになり、第一王子がエキドゥナを妃とし、僕たちはその2人に生涯忠誠を誓うという事が暗黙の了解となった。
学園生の時は婚約者がそれぞれにいる事についてエキドゥナは何も言わなかった。
それぞれの婚約者は学園には通っていないし、学園生の間は誰にも邪魔されることはなかった。
しかし、卒業するとエキドゥナは怯え始めた。
『私を捨てて婚約者に愛を誓うのでしょう?』
はらはらと涙を溢しながらそう訴えるエキドゥナに僕たち全員は罪の意識に苛まれた。
婚約者に対して不義理を働いているのではなく、婚約者とは遅かれ早かれ婚姻をせねばならない事がエキドゥナを苦しめているのだと思うといたたまれなかったのだ。
最初に父親が財務大臣であるオークルが婚約を解消した。婚約の解消は難航したようで半年ほど何度もオークルは調停に出向いた。エキドゥナの事は相手方も知っていたようで慰謝料で揉めたようだった。
慰謝料を支払えば【解消】という方法を取ると言われ兄の立場を慮って慰謝料の減額に時間がかかったとオークルは無事婚約解消になった日、頬を染めて自慢げに僕に告げた。
次に第一王子と次期宰相と言われたボルテスが婚約破棄になった。
ボルテスは侯爵家だが、婚約者は同じ侯爵家でも格上の侯爵家の令嬢。二女ではあったが第一王子の婚約者がその姉である事から一蓮托生となった。
一時は侯爵家が王家に対し反旗を翻すのではないかと言われたが、王家の所有する肥沃な領地と数年分の運営費など莫大な慰謝料が支払われた。
ボルテスの侯爵家も主産業がある領地を差し出す事で婚約は破棄となったのだ。
残ったのは僕だけだった。
父には相談をせずにツリピオニーへ先に婚約解消を告げた。ツリピオニーだけは高位貴族ではなく伯爵家なのでスムーズに話が進むと思っていた。婚約破棄となれば慰謝料に鉱山を手放す事になるとは露とも思っていなかった。
しかし、手続きに1か月もかかるとなれば父親に署名をしてもらわねばならない事からその晩に話をしたのだが、激怒した父に思い切り数発殴られ、壁にまで体が吹き飛んだ。
母親と執事が大きな音に気が付いて間に入ってくれなかったら死んでいたかもしれない。
『結婚は恋愛結婚で良いと言ったじゃないか』
僕は父にそう言ったが、【バカか】と返された。
そして僕はすっかり勘違いをしている事に気が付いた。
僕とツリピオニーの婚約の理由は何度も聞かされていたから判っていたのにどうして勘違いをしてしまったんだろうか。寝台に仰向けになり天井を見つめて考えた。
僕たちの婚約はあと1カ月と少しすれば解消に向けての書類を提出するはずだった。
ツリピオニーの誕生日の前後で何事もなく婚約は解消になるものだったのに。
判っていたのに、僕の頭のどこかで【この婚約はツリピオニーが望んで、婚約できなければ自死する】と脅して捥ぎ取ったものだと思い込んでいたのだ。
正直、ツリピオニーが何の反論もせずに婚約の解消を受け入れた時は【どうして?】と思ったのは否めない。泣いて縋って婚約の継続を乞うと思い込んでしまっていたからだ。
エスコートも贈り物も全くと言ってよいほどしておらず、対外的に事務的でいいからこなせと何度も言われていたが僕は無視してきた。それでも婚約者であり続けたツリピオニーは何が何でも僕と結婚をしたいのだろうと思い込んでいた。
翌日の昼過ぎにファータ伯爵夫妻が屋敷に来て婚約解消の書面を作成しそれをその日のうちに王宮に提出したと聞かされた。突然の申し出にファータ伯爵夫妻は怒っているかと思ったけれど【今までありがとう。これからの活躍を期待しているよ】と朗らかに肩を叩かれ面くらった。
ファータ伯爵夫妻が帰った後、2歳年下の弟エドワードが僕を蔑んだ目で見ている事に気が付いた。カっとなってなんだ?と聞けば【別に?】とエドワード付の執事と共に部屋に戻っていった。
傷が目立たなくなった2週間後、王宮にいる第一王子の元を訪ねた。
僕たちを見る王妃殿下の目が厳しいが、殿下の部屋に入ると麗しいエキドゥナが新しいドレスのカタログを広げていた。頬杖をついてページをめくるエキドゥナを見ると心がざわざわとする。
『ドレス代金の支払いは頼んだ。あと来月は各各宮の維持費100万にしてくれ』
殿下の声に、ボルテスとオークルは首を横に振った。今まで金を融通出来たのは婚約者に対しての金であり解消や破棄になってからはそれまで自分名義で蓄えた金を出していたという。
それは僕も同じだった。そこでしまったと気が付いたのだった。
ツリピオニーとの婚約を解消したからもうツリピオニーに対してドレスなどを仕立てる請求書を屋敷宛に送って貰っても払ってはくれないだろう。
殿下の宮の維持費も毎月何十万と自身の蓄えから出した事もあり、僕自身が名義となっている資産はほぼない状態なのだ。
ドレスはなんとかしてやりたいが、ドレス代はチラリと覗いた請求書を見て200万を下る事はない。最低の200万にプラスして維持費の100万など捻出できる筈がない。
なんとか手持ちの宝飾品を売れば100万は用意できるかも知れないが来月は無理だ。
そこで僕は考えたのだ。
ツリピオニーに婚約解消を解消してもらって、なかった事にする事に。
結婚はしなくていいだろう。ずっと婚約者でいてもらえればエキドゥナにドレスも買ってやれる。僕たちに生活費も要求している殿下よりもしかすると僕を一番にしてくれるかも知れない。
殿下は僕たちが金を出さなければ生活できないのだ。
エキドゥナが僕を選ぶのも時間の問題だ。その時になってツリピオニーとの婚約を解消してエキドゥナと結婚すればいい。僕は公爵家の嫡男なのだから貧乏な王子妃よりも贅沢出来る公爵夫人のほうがエキドゥナにとっても負担も少なくゆっくり過ごせるはずだ。
両親や伯爵夫妻がゴチャゴチャ言うのならツリピオニーを傷物にすれば良いだけだ。体に傷のある令嬢など誰も妻には望まない。強欲な色魔の爺が関の山だ。
それを僕が、公爵家嫡男でゆくゆくは公爵となる僕が責任を取って婚約者という立場、その後は第二夫人で置いてやると言えば誰も文句はないだろう。
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※不定期更新です。
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