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進化する加護
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今日の元気なローゼ。教会での判定の手伝いをしたお駄賃をもらって領内にある立ち食い食堂でオジサンたちと歓談の真っ最中です。
「向こうの畑はどうかしら」
「そうだなぁ。結構食い荒らされてたぜ」
「やっぱり。今年は多いのねぇ」
「そうだなぁ。なんとかならないもんかね」
「天敵を使うしかないわね。先ずは‥‥カマキリかしら」
「カマキリか…でもあまりの多さに腹いっぱいになるんじゃないか」
「そうなればマルボシハナバエを投下するだけだわ」
どうやらカメムシが大量発生をして困っているようです。
ヤツラは臭いですからね。その上大量に発生しますから困りものです。
「そういえば、お嬢様、なんかへんなヤツラがいるよ。気を付けなよ」
「変な人?裸にトレンチコートとか?」
「それは変と言えば変だが、変態っていうヤツな」
「じゃぁ、右手と左手でじゃんけんしててアツくなってるとか?」
「それは単に危険なヤツだが実害はないな」
「なんかお嬢様の事を聞きまわってるやつがいるんだ」
「えっ?わたくしの事を?誕生日プレゼントなら受付するのに」
「なんで?」
「毎年、誕生日は当日から翌年の前日までプレゼント受け付けてるから」
<<欲張りぃぃ>>
フラッペをオジサンたちにご馳走になりドランチに乗って屋敷に戻ってくるローゼ。
玄関前でローゼを見つけると慌てて奥に走っていくメイドがいますね。
厩舎でドランチにお疲れ様とナデナデしていると執事がやってきます。
「ローゼお嬢様、旦那様がすぐに来るようにと」
「伯父様が?どうしたのかしら」
「とにかく戻られたら直ぐにと仰せです」
「判りました。ドランチに飼い葉をあげたらすぐに行きますと伝えて」
「本当に直ぐ!ですよ。いいですね。直ぐ!今!ナウ!」
「ニャゥゥゥ!と伝えて」
「かしこまりました」
え?通じるの?最後のニャゥで通じるの‥‥お嬢さまって凄いな(違うやろ!)
執事が念押ししたのも判りますね。
敢えてゆっくりでは御座いません。ローゼはドランチに飼い葉をあげる時、直接食べさせます。
モグモグ終わるとホイ。もぐもぐ終わるとホイ。飼い葉桶に入れると言う選択肢はないようです。
「ほい。お食べ~。何の話かなぁ…」
「シャクシャクシャク…ヒヒン」
「ほい。次だよ~お食べ~。もしかするとドランチのお婿さんとかかなぁ」
「シャクシャ‥‥クシャクシャク」
「あ、今、デレたよね?可愛いんだからもぉ~」
というか、女の子なら【ドランチ】なんて名前はやめてあげようよ…
☆~☆~☆~☆
「伯父様、お呼びと伺いましたが」
「おぉローゼ。待ちかねたぞ。そこに座りなさい」
と言っても、お爺様、お婆様、伯父様、義伯母様、お母様、ジャフ叔父様義、義叔母様で座る事がありませんよ。
仕方ないので簡易の椅子をガタガタと引っ張ってきて座ります。
「ローゼ。王宮から使いが来たんだよ」
「王宮‥‥(マズイ……馬車の件を根に持ってるのかも)」
「王太子殿下の婚約者、いや先ずは候補だそうだがお前が選ばれたんだ」
「そうですか。じゃお断りをしてくださいませ」
「えっ??」
「何を驚かれているのです??お断りしてくださいと言ったのです」
思わず顔を見合わせる大人たち。ローゼの母も意味が判らない!という顔をしています。
「ロ、ローゼ?まだ決まりではないんだよ?」
「伯父様!!決まらぬうちから他人を巻きこむな!って事です!!」
「でも、選ばれればお姫様になれるんだよ??」
「お爺様!プリンセスになってイリュージョンしたくありません!!」
「綺麗なフリフリのドレスとか沢山買ってもらえるのよ?」
「伯母様!そんなのはレースのカーテンで 女はうみぃぃ~で経験済みです!」
「だけど王宮なんて珍しい動物や草が庭園にありそうじゃないか」
「叔父様!遠くの庭園より近くの裏山!リバーライアーの糞探し明日から再会ですわ!」
「でもローゼ、あなたの花嫁衣裳を見るまで死ねないわ」
「お婆様!今はもう秋!花嫁衣裳よりドテラ買う方が先です!」
「王都に行けば色々可愛い小物とか沢山買えるわよ?」
「叔母様!可愛い小物かうお金があるなら小回りの利くポニー馬車を買いますわ!」
「いい加減になさい!王太子殿下なのですよ!この上ない名誉です!!」
「何を言ってるの!お母様の目は節穴なの??王太子殿下はタグ付きなの!!」
「そ、それくらいは王族なんだから‥‥仕方ないだろう?」
「婚約者になる前の恋人とか普通なら何とも思わないわよ!」
「ならどうして嫌なんだい?」
「初体験が14歳でお相手は47歳!その次も!その次も!!一番若いお相手が45歳って!!完全に年増専じゃないの!そんな性癖のある人なんか絶対にいやぁぁぁぁ!!」
<<年齢まで判るようになったのか!!>>
いや、驚くところが違いますよね。つっこむのそこじゃないですよね??
日々の教会での活動でどんどん進化していくローゼの加護。
ついにお相手の年齢まで判るようになってます。怖すぎる・・・。
伯父さんのチョイス伯爵はお断りの手紙を書いてくると退室。
フンフン!と鼻息の荒いローゼ。
確かに一番若いお相手が45歳って‥‥ローゼの母より年上ですもんね。
「向こうの畑はどうかしら」
「そうだなぁ。結構食い荒らされてたぜ」
「やっぱり。今年は多いのねぇ」
「そうだなぁ。なんとかならないもんかね」
「天敵を使うしかないわね。先ずは‥‥カマキリかしら」
「カマキリか…でもあまりの多さに腹いっぱいになるんじゃないか」
「そうなればマルボシハナバエを投下するだけだわ」
どうやらカメムシが大量発生をして困っているようです。
ヤツラは臭いですからね。その上大量に発生しますから困りものです。
「そういえば、お嬢様、なんかへんなヤツラがいるよ。気を付けなよ」
「変な人?裸にトレンチコートとか?」
「それは変と言えば変だが、変態っていうヤツな」
「じゃぁ、右手と左手でじゃんけんしててアツくなってるとか?」
「それは単に危険なヤツだが実害はないな」
「なんかお嬢様の事を聞きまわってるやつがいるんだ」
「えっ?わたくしの事を?誕生日プレゼントなら受付するのに」
「なんで?」
「毎年、誕生日は当日から翌年の前日までプレゼント受け付けてるから」
<<欲張りぃぃ>>
フラッペをオジサンたちにご馳走になりドランチに乗って屋敷に戻ってくるローゼ。
玄関前でローゼを見つけると慌てて奥に走っていくメイドがいますね。
厩舎でドランチにお疲れ様とナデナデしていると執事がやってきます。
「ローゼお嬢様、旦那様がすぐに来るようにと」
「伯父様が?どうしたのかしら」
「とにかく戻られたら直ぐにと仰せです」
「判りました。ドランチに飼い葉をあげたらすぐに行きますと伝えて」
「本当に直ぐ!ですよ。いいですね。直ぐ!今!ナウ!」
「ニャゥゥゥ!と伝えて」
「かしこまりました」
え?通じるの?最後のニャゥで通じるの‥‥お嬢さまって凄いな(違うやろ!)
執事が念押ししたのも判りますね。
敢えてゆっくりでは御座いません。ローゼはドランチに飼い葉をあげる時、直接食べさせます。
モグモグ終わるとホイ。もぐもぐ終わるとホイ。飼い葉桶に入れると言う選択肢はないようです。
「ほい。お食べ~。何の話かなぁ…」
「シャクシャクシャク…ヒヒン」
「ほい。次だよ~お食べ~。もしかするとドランチのお婿さんとかかなぁ」
「シャクシャ‥‥クシャクシャク」
「あ、今、デレたよね?可愛いんだからもぉ~」
というか、女の子なら【ドランチ】なんて名前はやめてあげようよ…
☆~☆~☆~☆
「伯父様、お呼びと伺いましたが」
「おぉローゼ。待ちかねたぞ。そこに座りなさい」
と言っても、お爺様、お婆様、伯父様、義伯母様、お母様、ジャフ叔父様義、義叔母様で座る事がありませんよ。
仕方ないので簡易の椅子をガタガタと引っ張ってきて座ります。
「ローゼ。王宮から使いが来たんだよ」
「王宮‥‥(マズイ……馬車の件を根に持ってるのかも)」
「王太子殿下の婚約者、いや先ずは候補だそうだがお前が選ばれたんだ」
「そうですか。じゃお断りをしてくださいませ」
「えっ??」
「何を驚かれているのです??お断りしてくださいと言ったのです」
思わず顔を見合わせる大人たち。ローゼの母も意味が判らない!という顔をしています。
「ロ、ローゼ?まだ決まりではないんだよ?」
「伯父様!!決まらぬうちから他人を巻きこむな!って事です!!」
「でも、選ばれればお姫様になれるんだよ??」
「お爺様!プリンセスになってイリュージョンしたくありません!!」
「綺麗なフリフリのドレスとか沢山買ってもらえるのよ?」
「伯母様!そんなのはレースのカーテンで 女はうみぃぃ~で経験済みです!」
「だけど王宮なんて珍しい動物や草が庭園にありそうじゃないか」
「叔父様!遠くの庭園より近くの裏山!リバーライアーの糞探し明日から再会ですわ!」
「でもローゼ、あなたの花嫁衣裳を見るまで死ねないわ」
「お婆様!今はもう秋!花嫁衣裳よりドテラ買う方が先です!」
「王都に行けば色々可愛い小物とか沢山買えるわよ?」
「叔母様!可愛い小物かうお金があるなら小回りの利くポニー馬車を買いますわ!」
「いい加減になさい!王太子殿下なのですよ!この上ない名誉です!!」
「何を言ってるの!お母様の目は節穴なの??王太子殿下はタグ付きなの!!」
「そ、それくらいは王族なんだから‥‥仕方ないだろう?」
「婚約者になる前の恋人とか普通なら何とも思わないわよ!」
「ならどうして嫌なんだい?」
「初体験が14歳でお相手は47歳!その次も!その次も!!一番若いお相手が45歳って!!完全に年増専じゃないの!そんな性癖のある人なんか絶対にいやぁぁぁぁ!!」
<<年齢まで判るようになったのか!!>>
いや、驚くところが違いますよね。つっこむのそこじゃないですよね??
日々の教会での活動でどんどん進化していくローゼの加護。
ついにお相手の年齢まで判るようになってます。怖すぎる・・・。
伯父さんのチョイス伯爵はお断りの手紙を書いてくると退室。
フンフン!と鼻息の荒いローゼ。
確かに一番若いお相手が45歳って‥‥ローゼの母より年上ですもんね。
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