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兄2人の心配と暴走する婚約者
「様子はどうだ?」
「ジルド様……1時間ほど前目を覚まされましたがお泣きになって…いま眠ったところです」
「そうか。朝までは俺がついているからベスは休みなさい」
「いえ、わたくしが‥」
「いや、明日もベスには様子を見てもらわないといけない。今日は休みなさい」
「判りました。ですが一体‥‥」
「ベス?制服を着ていた時は喜んでいたと聞いたが本当か?無理をしていなかったか?」
「いえ、お友達が出来るかとか、招待しても良いかととても嬉しそうで」
「そうか。ありがとう。おやすみ」
「はい、では失礼を致します」
ジルドはクリスティナの事をゆっくり考えてみます。
明らかに変わったのは兄ヨハンの婚約式の翌日の事だ。
夜に眠るとき、必ずこうやって部屋のどこかに灯りを灯してでないと寝なくなった。
兎に角暗闇を怖がる、いや恐れているのだ。
昼間は何ともないが暗くなってくると明るい所に居たがるのである。
数日は灯りがないと怖いと部屋に幾つもランプを持ち込んで灯し、ベスの手を握って眠った。
だが、昼に母と昼寝をする時は手を繋いで欲しいなどわがままは一切言わない。
「暗闇を怖がる?」
その時後ろに気配を感じるジルド。
振り返ると兄のヨハンがいた。
「暗い場所だけじゃないそ。これも‥‥だ」
そう言って持ってきたのは口が細くなったエールが入った瓶である。
「おいおい。クリスティナはまだアルコールは飲まないぞ」
「酒じゃない。こんな感じの瓶はとにかく嫌がる、いや、恐がるだな」
「そう言えばそうだな」
「あとは…本だ」
「本?いや、よく読んでいると思うが」
「違う。小さかった頃からお気に入りで読んでいた絵本だ」
「絵本?あぁあのよくせがんでたやつか」
「あぁ、ベスに棄ててくれと触るのすら嫌がったと聞いた」
「確か‥‥お姫様と王子様…王子様??」
「あぁ、顕著な変化はそれくらいだが嫌悪するにも程があると思うが振り切っているな」
「だが‥‥王族との関りはまだないはずだ」
「王家主催の展覧会なども徹底して嫌がっているとロクサーヌから聞いた」
「何かあるんだろう」
「そうだな」
年の離れた妹をじっと見つめる強面の兄2人。
家族だからいいですけど、結構怖いですよ?その絵面・・・。
☆~☆~☆~☆
チュンチュン♪ピーヒョロロ~♪
翌朝うにゃ?っと目を覚ますと一般人なら異世界に飛ばされたかと思うほどの叫び声をあげるでしょう。
えぇ。強面の男性が2人も自分を覗き込んでいたらそのまま召されるかも知れません。
ですが、クリスティナにとっては優しくて強い兄2人。
「おはよう…ヨハン兄さま、ジルド兄さま…ウゥゥ~ん」
両手を上にあげてギュギューっと伸びをするクリスティナです。
ホッとした様子のヨハンとジルド。
「腹は空いてないか?何か持ってこさせよう」
「えっ?どうして?病気じゃないのに。食堂にいくわよ?」
「いや、今日は特別だ。兄様が食べさせてやろう」
「いやいや、もうわたくしは子供じゃありません。それにそんなのケイティ様が怒ります」
「そのケイティからもくれぐれも!と言われてるから安心しろ」
ふと時計を見ると10時を過ぎているではありませんか。
どうやら少し前にケイティさんは来ていたようですね。
「あ‥‥制服見せる約束してたんだった」
「心配するな。ケイティも怒ってないよ。また来てくれる」
「うぅぅ~不覚~」
その後運ばれてきた遅すぎる朝食を固形物をジルド兄さま、飲み物をヨハン兄さまに世話されるクリスティナです。
「立てるか?」
「へっ?立てるどころか走れるし、ジャンプも出来るよ?」
「それくらい元気なら良かった。じゃ、そこの椅子に」
「はぁい…って着替えたいんだけどな」
「そうか、じゃ‥‥ベスっ!ベスっ!!」
呼ばれてやって来る大好きなベス。今日はイエローのワンピースを手伝ってもらい着替えます。
そこに扉の向こうからバタバタと大きな音が聞こえますよ。
コンコン!
ノックの音が終わるかどうかくらいの速さで扉が開いて、そこには肩で息をするヨハン兄さまの婚約者であるエヴェリーナが立っています。
「エリィどうしたんだ?」
両手を広げて満面の超怖い笑顔でエヴェリーナを抱きしめようとするヨハンの横を僅差でかわす。
ヨハンの腕が空を切ります。
「クリスっ!良かったぁ!!もう大丈夫なの?どこも痛くないの?」
「えっ…えぇ。お義姉さま。どこも‥」
「あぁ良かったぁ。下で聞いて生きた心地がしませんでしたわぁぁぁぁ」
「グっぐぇっ…お、お義姉…さま…ぐるじぃぃぃ」
ギューっと抱きしめてわんわんなくエヴェリーナにヨハンも苦笑いです。
「えーっと…エリィ今日は買い物だっ…」
「そんなもの!キャンセル!キャンセルでしょ!何を言ってるの!」
「いやでも、予約が・・」
「ヨハン!あなたね!何よりも優先するのはクリスでしょう!」
「い、いえ。お義姉様。わたくしは大丈夫なので…」
「ダメ!ダメです!あぁもう!今日のワンピースも萌えを撃ち抜くわね。流石よ!」
あぁ・・・そこなんですね。
ヨハンとのデートはキャンセルとなりましたが、にこにことテーブルの隣で世話をするエヴェリーナ。
相手が違いませんかね…向こうでヨハン兄さま捨てられたゴーレムになってますが。
そうこうしていると、ジルド兄さまの婚約者、ケイティ様もお見えになりましたよ。
なんとケイティ様は目が覚めたと聞くと自分で騎乗してやって来たと・・・。
愛されてますねぇ。よかったねぇ。
和やかな兄弟+婚約者+妹が囲むテーブル。ジルドが口を開きます。
「クリス。ちょっと聞きたい事があるんだが」
「ジルド様……1時間ほど前目を覚まされましたがお泣きになって…いま眠ったところです」
「そうか。朝までは俺がついているからベスは休みなさい」
「いえ、わたくしが‥」
「いや、明日もベスには様子を見てもらわないといけない。今日は休みなさい」
「判りました。ですが一体‥‥」
「ベス?制服を着ていた時は喜んでいたと聞いたが本当か?無理をしていなかったか?」
「いえ、お友達が出来るかとか、招待しても良いかととても嬉しそうで」
「そうか。ありがとう。おやすみ」
「はい、では失礼を致します」
ジルドはクリスティナの事をゆっくり考えてみます。
明らかに変わったのは兄ヨハンの婚約式の翌日の事だ。
夜に眠るとき、必ずこうやって部屋のどこかに灯りを灯してでないと寝なくなった。
兎に角暗闇を怖がる、いや恐れているのだ。
昼間は何ともないが暗くなってくると明るい所に居たがるのである。
数日は灯りがないと怖いと部屋に幾つもランプを持ち込んで灯し、ベスの手を握って眠った。
だが、昼に母と昼寝をする時は手を繋いで欲しいなどわがままは一切言わない。
「暗闇を怖がる?」
その時後ろに気配を感じるジルド。
振り返ると兄のヨハンがいた。
「暗い場所だけじゃないそ。これも‥‥だ」
そう言って持ってきたのは口が細くなったエールが入った瓶である。
「おいおい。クリスティナはまだアルコールは飲まないぞ」
「酒じゃない。こんな感じの瓶はとにかく嫌がる、いや、恐がるだな」
「そう言えばそうだな」
「あとは…本だ」
「本?いや、よく読んでいると思うが」
「違う。小さかった頃からお気に入りで読んでいた絵本だ」
「絵本?あぁあのよくせがんでたやつか」
「あぁ、ベスに棄ててくれと触るのすら嫌がったと聞いた」
「確か‥‥お姫様と王子様…王子様??」
「あぁ、顕著な変化はそれくらいだが嫌悪するにも程があると思うが振り切っているな」
「だが‥‥王族との関りはまだないはずだ」
「王家主催の展覧会なども徹底して嫌がっているとロクサーヌから聞いた」
「何かあるんだろう」
「そうだな」
年の離れた妹をじっと見つめる強面の兄2人。
家族だからいいですけど、結構怖いですよ?その絵面・・・。
☆~☆~☆~☆
チュンチュン♪ピーヒョロロ~♪
翌朝うにゃ?っと目を覚ますと一般人なら異世界に飛ばされたかと思うほどの叫び声をあげるでしょう。
えぇ。強面の男性が2人も自分を覗き込んでいたらそのまま召されるかも知れません。
ですが、クリスティナにとっては優しくて強い兄2人。
「おはよう…ヨハン兄さま、ジルド兄さま…ウゥゥ~ん」
両手を上にあげてギュギューっと伸びをするクリスティナです。
ホッとした様子のヨハンとジルド。
「腹は空いてないか?何か持ってこさせよう」
「えっ?どうして?病気じゃないのに。食堂にいくわよ?」
「いや、今日は特別だ。兄様が食べさせてやろう」
「いやいや、もうわたくしは子供じゃありません。それにそんなのケイティ様が怒ります」
「そのケイティからもくれぐれも!と言われてるから安心しろ」
ふと時計を見ると10時を過ぎているではありませんか。
どうやら少し前にケイティさんは来ていたようですね。
「あ‥‥制服見せる約束してたんだった」
「心配するな。ケイティも怒ってないよ。また来てくれる」
「うぅぅ~不覚~」
その後運ばれてきた遅すぎる朝食を固形物をジルド兄さま、飲み物をヨハン兄さまに世話されるクリスティナです。
「立てるか?」
「へっ?立てるどころか走れるし、ジャンプも出来るよ?」
「それくらい元気なら良かった。じゃ、そこの椅子に」
「はぁい…って着替えたいんだけどな」
「そうか、じゃ‥‥ベスっ!ベスっ!!」
呼ばれてやって来る大好きなベス。今日はイエローのワンピースを手伝ってもらい着替えます。
そこに扉の向こうからバタバタと大きな音が聞こえますよ。
コンコン!
ノックの音が終わるかどうかくらいの速さで扉が開いて、そこには肩で息をするヨハン兄さまの婚約者であるエヴェリーナが立っています。
「エリィどうしたんだ?」
両手を広げて満面の超怖い笑顔でエヴェリーナを抱きしめようとするヨハンの横を僅差でかわす。
ヨハンの腕が空を切ります。
「クリスっ!良かったぁ!!もう大丈夫なの?どこも痛くないの?」
「えっ…えぇ。お義姉さま。どこも‥」
「あぁ良かったぁ。下で聞いて生きた心地がしませんでしたわぁぁぁぁ」
「グっぐぇっ…お、お義姉…さま…ぐるじぃぃぃ」
ギューっと抱きしめてわんわんなくエヴェリーナにヨハンも苦笑いです。
「えーっと…エリィ今日は買い物だっ…」
「そんなもの!キャンセル!キャンセルでしょ!何を言ってるの!」
「いやでも、予約が・・」
「ヨハン!あなたね!何よりも優先するのはクリスでしょう!」
「い、いえ。お義姉様。わたくしは大丈夫なので…」
「ダメ!ダメです!あぁもう!今日のワンピースも萌えを撃ち抜くわね。流石よ!」
あぁ・・・そこなんですね。
ヨハンとのデートはキャンセルとなりましたが、にこにことテーブルの隣で世話をするエヴェリーナ。
相手が違いませんかね…向こうでヨハン兄さま捨てられたゴーレムになってますが。
そうこうしていると、ジルド兄さまの婚約者、ケイティ様もお見えになりましたよ。
なんとケイティ様は目が覚めたと聞くと自分で騎乗してやって来たと・・・。
愛されてますねぇ。よかったねぇ。
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「クリス。ちょっと聞きたい事があるんだが」
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