31 / 33
怯える目と狂気
しおりを挟む
「放して!放して!」
胴体を抱えられ、揺れる馬上でクリスティナは出来る抵抗を試みます。
しかし、ドレスを着たしかも女の身、暴れても相手には何のダメージも与えられていません。
どんどん遠ざかる馬車。
自分を連れ去った輩の顔を見ようにも顔をあげる事が出来ない程体が揺さぶられます。
(振り落とされたって構うもんですか!!)
走る馬から地面に転がり落ちればどうなるか、無事では済まない事くらいわかります。
その上、街道の馬車道から外れて勢いが止まらなければ渓谷に落ちるかも知れません。
(迷っている時間はないわ!!)
クリスティナは持てる力で思いっきり自分の体をねじります。
「うわっ!!」
胴体を押さえていた男の手が離れると同時に強い衝撃がクリスティナの体を駆け巡ります。
ザザザー
自分の体が地面を滑っていくのを感じます。
指を立てても細い指では何の効果もありません。滑っていく自分の体すら止められない!!
「クリスティナっ!!」
手を離したのは男。その男が手を離した瞬間に馬を反転させて飛び降りてくる。
ドンッ!!
横滑りする体の腰部分に衝撃があります。どうやら渓谷に落ちるギリギリで生えていた木に当たったようです。
「うぅぅっ…」
自分を抱き起す感覚を感じ、痛みを堪えて目を開けると、そこには満面の笑みをたたえたレイザード第一王子。
「あぁ、痛いのかい…どこだろう…どこが痛いんだい」
その声は心配をするような声ではなく、痛い場所を見つけたらさらに痛みを加えそうだと思えるような歓喜を交えたような声です。
「ここかな…ふふっ…堪えなくていいよ…声を出して…さぁ…声を…痛みを我慢しなくていいんだ」
「さ、さわらな・・・いで…」
「あぁぁぁ♡堪らない。言ってごらん。撫でてあげる…いや舐めて欲しいんだろう?」
「いや‥‥こない・・・で…痛ぅっ…」
「はぁぁぁ♡痛いんだね?可愛いよ。君はそうやって僕をいつもじらすんだ…ふふっ」
ねっとりとした手がクリスティナの体や顔を撫でまわる。
上半身を抱き上げたかと思うと首筋に舌を這わせてくるおぞましさに意識が飛びそうになるクリスティナ。
「甘い、君はこんなに甘かったんだね。もっと舐めたい…その唇も…」
舌を出して顔を近づけてくるレイザードに顔を背けるのが精いっぱいだが、背けると頬をベロリと舐められ、全身を悪寒が走る。
「ほっぺも甘いんだね。あぁいい香りがする…ここはどんな味なんだろうねぇ」
荒い息遣いでクリスティナの胸に手を置き、乳房を揉みしだくレイザード。
頭を支える手の指はクリスティナの耳の中にも入ってくる。
「やめて‥‥やめて…」
「いいよぅ♡あぁもうイキそうだ‥‥飲ませてあげるよ。欲しかったんだろう??」
打ちつけた痛みでもうどこが痛いかわからない程の痛みに耐えて震える手で拒絶をするが、その手も握られて指先を口に入れたレイザードの舌の感触が指先から伝わってくる。
悪寒とともにこみ上げてくる吐き気がクリスティナを襲います。
「ティナっ!!」
その声にレイザードがクリスティナから手を離します。
振り返ったレイザードは剣をシンザンには向けず、クリスティナに突きつけます。
「貴様…」
「邪魔をしないでくれ、クリスティナ刺しちゃうよ?いいのかい?」
「ぐっ」
レイザードの目はもう狂気しかありません。その目はもう正常ではないのです。
だからこそシンザンは動けません。
正常でないという事は欲していてもためらいなくクリスティナをその剣で突いてしまうでしょう。
「剣をすてなよ。捨てないの?クリスティナが泣いちゃうよ?僕は良いけど…あぁそれもいいね。クリスティナを刺したらどんな血が流れるんだろう…ゾクゾクするよ」
レイザードの剣がクリスティナのドレスに刺さります。
「ヒッ‥‥」
小さく出たクリスティナの声にレイザードは動きを止めます。
そして股間に目線を少しだけ動かします。
「いけない娘だね…出ちゃったじゃないか…そんな可愛い声を出すなんてお仕置きが必要だね」
レイザードの剣がクリスティナのドレスを土をひっかく様に切り裂いていきます。
あらわになった太ももを見るとまた満面の笑みを浮かべるレイザード。
「誘っているのかい?君もあの女たちと一緒なのかなぁ…違うよねクリスティナ」
狂気のレイザードですが、その時一瞬だけ注意がそれたのをシンザンは見逃しませんでした。
ブォン!!
スパッ!!
下から上に振り上げた長い剣はレイザードの片腕を落とします。
「あっ…ア”ア”っ…僕の腕が…」
そして振り上げた剣が下に振り下ろされるともう片方の腕も落とします。
「グアァァァッ!!痛い!痛い!ガァァァッ!!」
地面を転げまわるレイザード。
「あっ!!」
クリスティナが小さく叫び声をあげます。
転げまわったレイザードは深い渓谷へ落ちて行ったのでした。
胴体を抱えられ、揺れる馬上でクリスティナは出来る抵抗を試みます。
しかし、ドレスを着たしかも女の身、暴れても相手には何のダメージも与えられていません。
どんどん遠ざかる馬車。
自分を連れ去った輩の顔を見ようにも顔をあげる事が出来ない程体が揺さぶられます。
(振り落とされたって構うもんですか!!)
走る馬から地面に転がり落ちればどうなるか、無事では済まない事くらいわかります。
その上、街道の馬車道から外れて勢いが止まらなければ渓谷に落ちるかも知れません。
(迷っている時間はないわ!!)
クリスティナは持てる力で思いっきり自分の体をねじります。
「うわっ!!」
胴体を押さえていた男の手が離れると同時に強い衝撃がクリスティナの体を駆け巡ります。
ザザザー
自分の体が地面を滑っていくのを感じます。
指を立てても細い指では何の効果もありません。滑っていく自分の体すら止められない!!
「クリスティナっ!!」
手を離したのは男。その男が手を離した瞬間に馬を反転させて飛び降りてくる。
ドンッ!!
横滑りする体の腰部分に衝撃があります。どうやら渓谷に落ちるギリギリで生えていた木に当たったようです。
「うぅぅっ…」
自分を抱き起す感覚を感じ、痛みを堪えて目を開けると、そこには満面の笑みをたたえたレイザード第一王子。
「あぁ、痛いのかい…どこだろう…どこが痛いんだい」
その声は心配をするような声ではなく、痛い場所を見つけたらさらに痛みを加えそうだと思えるような歓喜を交えたような声です。
「ここかな…ふふっ…堪えなくていいよ…声を出して…さぁ…声を…痛みを我慢しなくていいんだ」
「さ、さわらな・・・いで…」
「あぁぁぁ♡堪らない。言ってごらん。撫でてあげる…いや舐めて欲しいんだろう?」
「いや‥‥こない・・・で…痛ぅっ…」
「はぁぁぁ♡痛いんだね?可愛いよ。君はそうやって僕をいつもじらすんだ…ふふっ」
ねっとりとした手がクリスティナの体や顔を撫でまわる。
上半身を抱き上げたかと思うと首筋に舌を這わせてくるおぞましさに意識が飛びそうになるクリスティナ。
「甘い、君はこんなに甘かったんだね。もっと舐めたい…その唇も…」
舌を出して顔を近づけてくるレイザードに顔を背けるのが精いっぱいだが、背けると頬をベロリと舐められ、全身を悪寒が走る。
「ほっぺも甘いんだね。あぁいい香りがする…ここはどんな味なんだろうねぇ」
荒い息遣いでクリスティナの胸に手を置き、乳房を揉みしだくレイザード。
頭を支える手の指はクリスティナの耳の中にも入ってくる。
「やめて‥‥やめて…」
「いいよぅ♡あぁもうイキそうだ‥‥飲ませてあげるよ。欲しかったんだろう??」
打ちつけた痛みでもうどこが痛いかわからない程の痛みに耐えて震える手で拒絶をするが、その手も握られて指先を口に入れたレイザードの舌の感触が指先から伝わってくる。
悪寒とともにこみ上げてくる吐き気がクリスティナを襲います。
「ティナっ!!」
その声にレイザードがクリスティナから手を離します。
振り返ったレイザードは剣をシンザンには向けず、クリスティナに突きつけます。
「貴様…」
「邪魔をしないでくれ、クリスティナ刺しちゃうよ?いいのかい?」
「ぐっ」
レイザードの目はもう狂気しかありません。その目はもう正常ではないのです。
だからこそシンザンは動けません。
正常でないという事は欲していてもためらいなくクリスティナをその剣で突いてしまうでしょう。
「剣をすてなよ。捨てないの?クリスティナが泣いちゃうよ?僕は良いけど…あぁそれもいいね。クリスティナを刺したらどんな血が流れるんだろう…ゾクゾクするよ」
レイザードの剣がクリスティナのドレスに刺さります。
「ヒッ‥‥」
小さく出たクリスティナの声にレイザードは動きを止めます。
そして股間に目線を少しだけ動かします。
「いけない娘だね…出ちゃったじゃないか…そんな可愛い声を出すなんてお仕置きが必要だね」
レイザードの剣がクリスティナのドレスを土をひっかく様に切り裂いていきます。
あらわになった太ももを見るとまた満面の笑みを浮かべるレイザード。
「誘っているのかい?君もあの女たちと一緒なのかなぁ…違うよねクリスティナ」
狂気のレイザードですが、その時一瞬だけ注意がそれたのをシンザンは見逃しませんでした。
ブォン!!
スパッ!!
下から上に振り上げた長い剣はレイザードの片腕を落とします。
「あっ…ア”ア”っ…僕の腕が…」
そして振り上げた剣が下に振り下ろされるともう片方の腕も落とします。
「グアァァァッ!!痛い!痛い!ガァァァッ!!」
地面を転げまわるレイザード。
「あっ!!」
クリスティナが小さく叫び声をあげます。
転げまわったレイザードは深い渓谷へ落ちて行ったのでした。
210
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる