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そこは密林
式が終わり、花婿の控室ではフェリックスがサンドバック状態です。
バゴッ!!
「何をやっとんだ!この馬鹿垂れがぁ!兄上が草葉の陰から出てこれんだろうが!」
パチーン!!
「そうよ!リック!よりにもよって口の中までなんて!あり得ません!!」
義叔父、義叔母は目の前で起こった血まみれの珍事に未だに放心状態。
フェリックスは自分の鼻血を拭きつつも、鍛え上げた現役騎士しかも騎士団長。
叔父や叔母が少々殴ろうとびくともしません。
「聞いてくれ!オパールがあんなに可憐で清楚で美しくて嫋やかで、あぁっ!!」
「どっ、どうしたの(んだ)?」
「オパールが俺の嫁さんなんだ!聞いてくれ!俺の!俺のぉぉぉ!!」
あぁ…叔母さん、眩暈を起こしてますよ。義叔母さんも顎が取れてます。
女性陣は判らんでもないとは思いますが、それでも!それでも甥の暴走は目に余ります。
もう何を言っても止まらないんだろうと思うとオパールに申し訳なく思ってます。
「エルザお義姉様‥‥どうしましょう…コレ」
叔母は、義叔母がそっと差し出した箱を見ます。
この国では嫁いできた息子の妻にドレスを贈る習慣があります。
フェリックスが産まれた時、フェリックスの母が用意した物ですが既に亡くなっている母に代り叔母達がフェリックスに託すのです。えぇ。オパールにではなくフェリックスに。
今まで同列の侯爵家だけでなく格下の伯爵家、子爵家、男爵家、ひいては騎士伯の家にも伺いを立てた見合い話はフェリックスの顔の残念さだけでなく、ゴーレムを思わせるガタイの良さ、ご令嬢のウェストよりも大きな二の腕に加え、過去の失恋(もどき)で女嫌いの噂の上に男色で幼児趣味という噂もついて尽く断られています。
騎士の剣の腕前を披露する大会では、試合が終わると上半身裸になる騎士が多くいますが、見目麗しい騎士がその美しい肢体を披露すると黄色い声をあげるご令嬢に対しフェリックスが同じことをすると逃げまどうご令嬢でパニックになった事もあります。
イケメンのシックスパックはご令嬢が二度見、三度見を致しますが、フェリックス‥‥端的に言えば胸毛が凄いです。
特に臍から下はウェルカム・トゥ・ザ・ジャンゴォォォ!
境目がどこかと聞かれたらわかりません。おそらく抜け毛の縮れ具合で判断するしかない程です。
財産狙いのご令嬢たちも流石の剛毛には逃げてしまいました。
過去に叔母があまりの毛深さに脱毛クリームを隣国から取り寄せました。
一度だけ!一度だけですが胸毛がなくなった事があります。
「つるつるになれば、ちょっとはご令嬢の関心が出るかも知れなくてよ?」
しかし、
「ダメです。これは湯あみの時にうまく泡立ちません」
え?‥‥っと叔母はしばし使い方を間違ったのかと思います。
脱毛クリームを石鹸と間違ったのかと聞くと、それが当然!のようにフェリックス。ドヤ顔で言い放ちます。
「石鹸をこうやると(胸元でクルクル)泡立つんだ。泡で洗うと気持ちいいんだよ。でもねこれはダメだ。毛がなくなってしまうから、乳首を擦りすぎる。血が出てしまったよ。それにね生えてくるとシャツから毛先が出てチクチクするんだ」
使い方は間違ってなかったんだなーっと遠くを見る叔母。
きっと生えてきた毛は凶器にもなるんだわ…と思います。
それに、血が出るほど乳首を??もう甥っ子の行動についていけません。
領に帰る途中、姉の墓の前で号泣したのはいつの日だったか・・・。
そっと箱に目線を戻します。
こんな甥っ子だからこそ!折角嫁に来てくれたんだからと最近流行のデザインである大きく胸元が開いたドレスも奮発して贈ろうと思った叔母と義叔母。
「一晩でオパールちゃんが壊れちゃうわ」
1人で歓喜の舞を舞い踊る甥っ子。これでももうすぐ28歳。
遅咲きの色狂いになる事だけはなんとしても阻止せねば!と誓い合うのです。
バゴッ!!
「何をやっとんだ!この馬鹿垂れがぁ!兄上が草葉の陰から出てこれんだろうが!」
パチーン!!
「そうよ!リック!よりにもよって口の中までなんて!あり得ません!!」
義叔父、義叔母は目の前で起こった血まみれの珍事に未だに放心状態。
フェリックスは自分の鼻血を拭きつつも、鍛え上げた現役騎士しかも騎士団長。
叔父や叔母が少々殴ろうとびくともしません。
「聞いてくれ!オパールがあんなに可憐で清楚で美しくて嫋やかで、あぁっ!!」
「どっ、どうしたの(んだ)?」
「オパールが俺の嫁さんなんだ!聞いてくれ!俺の!俺のぉぉぉ!!」
あぁ…叔母さん、眩暈を起こしてますよ。義叔母さんも顎が取れてます。
女性陣は判らんでもないとは思いますが、それでも!それでも甥の暴走は目に余ります。
もう何を言っても止まらないんだろうと思うとオパールに申し訳なく思ってます。
「エルザお義姉様‥‥どうしましょう…コレ」
叔母は、義叔母がそっと差し出した箱を見ます。
この国では嫁いできた息子の妻にドレスを贈る習慣があります。
フェリックスが産まれた時、フェリックスの母が用意した物ですが既に亡くなっている母に代り叔母達がフェリックスに託すのです。えぇ。オパールにではなくフェリックスに。
今まで同列の侯爵家だけでなく格下の伯爵家、子爵家、男爵家、ひいては騎士伯の家にも伺いを立てた見合い話はフェリックスの顔の残念さだけでなく、ゴーレムを思わせるガタイの良さ、ご令嬢のウェストよりも大きな二の腕に加え、過去の失恋(もどき)で女嫌いの噂の上に男色で幼児趣味という噂もついて尽く断られています。
騎士の剣の腕前を披露する大会では、試合が終わると上半身裸になる騎士が多くいますが、見目麗しい騎士がその美しい肢体を披露すると黄色い声をあげるご令嬢に対しフェリックスが同じことをすると逃げまどうご令嬢でパニックになった事もあります。
イケメンのシックスパックはご令嬢が二度見、三度見を致しますが、フェリックス‥‥端的に言えば胸毛が凄いです。
特に臍から下はウェルカム・トゥ・ザ・ジャンゴォォォ!
境目がどこかと聞かれたらわかりません。おそらく抜け毛の縮れ具合で判断するしかない程です。
財産狙いのご令嬢たちも流石の剛毛には逃げてしまいました。
過去に叔母があまりの毛深さに脱毛クリームを隣国から取り寄せました。
一度だけ!一度だけですが胸毛がなくなった事があります。
「つるつるになれば、ちょっとはご令嬢の関心が出るかも知れなくてよ?」
しかし、
「ダメです。これは湯あみの時にうまく泡立ちません」
え?‥‥っと叔母はしばし使い方を間違ったのかと思います。
脱毛クリームを石鹸と間違ったのかと聞くと、それが当然!のようにフェリックス。ドヤ顔で言い放ちます。
「石鹸をこうやると(胸元でクルクル)泡立つんだ。泡で洗うと気持ちいいんだよ。でもねこれはダメだ。毛がなくなってしまうから、乳首を擦りすぎる。血が出てしまったよ。それにね生えてくるとシャツから毛先が出てチクチクするんだ」
使い方は間違ってなかったんだなーっと遠くを見る叔母。
きっと生えてきた毛は凶器にもなるんだわ…と思います。
それに、血が出るほど乳首を??もう甥っ子の行動についていけません。
領に帰る途中、姉の墓の前で号泣したのはいつの日だったか・・・。
そっと箱に目線を戻します。
こんな甥っ子だからこそ!折角嫁に来てくれたんだからと最近流行のデザインである大きく胸元が開いたドレスも奮発して贈ろうと思った叔母と義叔母。
「一晩でオパールちゃんが壊れちゃうわ」
1人で歓喜の舞を舞い踊る甥っ子。これでももうすぐ28歳。
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