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熊は鴨に変身できるのか?
王妃様の護衛と言ってもさほどする事はありません。
ちゃんと仕事はしますけども。
少ない人員の配置でフェリックスは全体の6割を一人でカバーするような位置にいます。
同じく一人で4割はカバーするため、剣の腕は立つけれどチャラ男の異名をもつリカチャはフェリックスの反対側を護衛しております。
視察と言っても要は王妃様のお買い物のようなものです。
マリーの町は銀細工で有名な街です。食器もですが勿論宝飾品も沢山あります。
卸価格で買えるとあって王妃様もいつもより気合が入っています。
2泊3日の日程ですが、マリーの町まではほぼ半日かかります。
到着したらもう夕方でその日は食事と寝るだけ。
翌日は一日視察という名のお買い物。最終日も午前中視察という名のお買い物をして戻るという日程。
愛するオパールの行動であればなんとも思わないフェリックス。
少し前ならそれも義務と淡々と役割をこなし、心にモヤモヤを抱える事もありませんでしたがオパールと夫婦となり、今では通常勤務にも支障をきたすほどのオパール不足による禁断症状も出てしまいます。
♡~♡ ゆうべのワンカット ♡~♡
「あぁ~行きたくない。誰かと変わりたい」
「どうしましたの?そんなにダダを捏ねてはいけませんわ」
「夜が明けたら70時間以上もオパールと会えないんだ。辛い」
「困った旦那様ですわ。お仕事でございましょう?」
「仕事だ。分っているんだ。でも行きたくない。こんな気持ちは初めてだ」
「寂しいんですの?」
「寂しいのもあるが、会えないのが嫌だ。いない間に君に何かがあるのも嫌だ」
「本当に困った旦那様ですわ。でしたらこれを持っていきます?」
「良いのか?困るんじゃないか?」
「沢山ありますもの。ですが誰にも見せないでくださいましね?」
「あら?届きませんわどうしましょう」
「仕方ない。無くしてしまうよりマシだ。胸ポケットに入れておこう」
「よろしいんですの?」
「あぁ、これならギリギリ我慢できそうだ」
「では、お仕事頑張ってくださいましな」
「あぁ‥‥最後にもう一回♡ちゅっ…チュッ…」
ニャォォォン♡
♡~♡ ゆうべのワンカット ♡~♡
何事も無く到着し、翌日のお買い物も貴金属に目のない王妃様は大はしゃぎ。
明日半日の買い物と、王都への移動の警護でやっと帰れると胸のポケットにそっと手を置くフェリックス。
「リカチャ、少し出てくる」
「団長、休憩時間は2時間ですよ。20時には交代してくださいよ」
「判った。用件を済ませたら早く戻るようにする」
夕方になった町は帰りを急ぐ人や飲みに行こうとする人で結構賑わっていますね。
そして流石は銀細工の町でもあります。結構宝飾品を扱う店は多いです。
若い者向けのオシャレな店構えもあれば、昔ながらの古びた宝飾店も。
そんな店をチラチラと見ながら、時折足を止めてショーウィンドウを見て歩みを進めるフェリックス。
向かった先はマリーの町で一番の宝飾品を扱うお店です。
しかし、突然現れた強面の大男に女性店員は白目をむいて卒倒し、団服が黒っぽかったのも災いしてクマと間違われてしまうフェリックス。
怯えられるのは慣れているフェリックスはショーケースに並ぶ宝飾品を見ています。
そこに、モップを武器にした店主が恐る恐る近づいてきます。
気配を察したフェリックス。
「すまない!このネックレスと指輪を……すまない。閉店の掃除中だったのか?」
「うわ!クマが人の言葉をしゃべった!!」
(クマ?おかしいな。オパールとの時間は2人の秘密なんだが…どこから漏れたんだ?)
いや、どこからも漏れていません!
ついでに言うなら、2人の秘密ではなく侯爵家の人に言えない秘密です!!
サロンでどんな会話をしてるのか思い出してごらんなさい!!
「申し訳ない。店主殿か?」
「え、えらく丁寧なクマだな‥‥いや?人間??」
「ハハハ。クマは秘密にしてくれ。妻との秘密なんだ」
それ言っちゃうと全然秘密になりませんよ?
むしろ、奥さんとの間でクマ絡みの何かがあると勘繰られますよ??
「も、もうしわけありません!何かお探しでしょうか?」
「いや、このネックレスと指輪を見せてもらおうかと」
「ハッ!!」
やっと気が付きましたね。店主は肩章と胸章から目の前のクマ、いや大男が騎士団長である事を悟ります。
「そ、それよりも良いものがあるのです」
「何?ここに並んでいるだけではないのか?」
「えぇ。入荷したばかりの品が。すぐにお持ちしますので」
さすが商売人です。ある程度の収入がある騎士団長ともなれば店頭にある品よりも高価なものを買ってくれやすい事を知っています。
何より…目の前の大男は明らかに女性にモテそうにない!!
飲み屋の女に散々貢いで貢いで!ポイっとされる典型的なブサメン!!
何よりも商売人ですから、指には直ぐに目が行っております。
(こいつ!指輪してねぇ!!カモれる!!)
どんどん奥から出てくる品のない宝飾品。
実用的からは程遠いでっかい宝石の周りに小さいクズダイヤが散りばめられてぱっと見は高級そうですが実は提示された金額の半値八掛けでもボッタくりな金額のシロモノ。
確かにキラッキラで豪華そうに見えるんですがフェリックス考えていますね。
どうしたんでしょうか。
ちゃんと仕事はしますけども。
少ない人員の配置でフェリックスは全体の6割を一人でカバーするような位置にいます。
同じく一人で4割はカバーするため、剣の腕は立つけれどチャラ男の異名をもつリカチャはフェリックスの反対側を護衛しております。
視察と言っても要は王妃様のお買い物のようなものです。
マリーの町は銀細工で有名な街です。食器もですが勿論宝飾品も沢山あります。
卸価格で買えるとあって王妃様もいつもより気合が入っています。
2泊3日の日程ですが、マリーの町まではほぼ半日かかります。
到着したらもう夕方でその日は食事と寝るだけ。
翌日は一日視察という名のお買い物。最終日も午前中視察という名のお買い物をして戻るという日程。
愛するオパールの行動であればなんとも思わないフェリックス。
少し前ならそれも義務と淡々と役割をこなし、心にモヤモヤを抱える事もありませんでしたがオパールと夫婦となり、今では通常勤務にも支障をきたすほどのオパール不足による禁断症状も出てしまいます。
♡~♡ ゆうべのワンカット ♡~♡
「あぁ~行きたくない。誰かと変わりたい」
「どうしましたの?そんなにダダを捏ねてはいけませんわ」
「夜が明けたら70時間以上もオパールと会えないんだ。辛い」
「困った旦那様ですわ。お仕事でございましょう?」
「仕事だ。分っているんだ。でも行きたくない。こんな気持ちは初めてだ」
「寂しいんですの?」
「寂しいのもあるが、会えないのが嫌だ。いない間に君に何かがあるのも嫌だ」
「本当に困った旦那様ですわ。でしたらこれを持っていきます?」
「良いのか?困るんじゃないか?」
「沢山ありますもの。ですが誰にも見せないでくださいましね?」
「あら?届きませんわどうしましょう」
「仕方ない。無くしてしまうよりマシだ。胸ポケットに入れておこう」
「よろしいんですの?」
「あぁ、これならギリギリ我慢できそうだ」
「では、お仕事頑張ってくださいましな」
「あぁ‥‥最後にもう一回♡ちゅっ…チュッ…」
ニャォォォン♡
♡~♡ ゆうべのワンカット ♡~♡
何事も無く到着し、翌日のお買い物も貴金属に目のない王妃様は大はしゃぎ。
明日半日の買い物と、王都への移動の警護でやっと帰れると胸のポケットにそっと手を置くフェリックス。
「リカチャ、少し出てくる」
「団長、休憩時間は2時間ですよ。20時には交代してくださいよ」
「判った。用件を済ませたら早く戻るようにする」
夕方になった町は帰りを急ぐ人や飲みに行こうとする人で結構賑わっていますね。
そして流石は銀細工の町でもあります。結構宝飾品を扱う店は多いです。
若い者向けのオシャレな店構えもあれば、昔ながらの古びた宝飾店も。
そんな店をチラチラと見ながら、時折足を止めてショーウィンドウを見て歩みを進めるフェリックス。
向かった先はマリーの町で一番の宝飾品を扱うお店です。
しかし、突然現れた強面の大男に女性店員は白目をむいて卒倒し、団服が黒っぽかったのも災いしてクマと間違われてしまうフェリックス。
怯えられるのは慣れているフェリックスはショーケースに並ぶ宝飾品を見ています。
そこに、モップを武器にした店主が恐る恐る近づいてきます。
気配を察したフェリックス。
「すまない!このネックレスと指輪を……すまない。閉店の掃除中だったのか?」
「うわ!クマが人の言葉をしゃべった!!」
(クマ?おかしいな。オパールとの時間は2人の秘密なんだが…どこから漏れたんだ?)
いや、どこからも漏れていません!
ついでに言うなら、2人の秘密ではなく侯爵家の人に言えない秘密です!!
サロンでどんな会話をしてるのか思い出してごらんなさい!!
「申し訳ない。店主殿か?」
「え、えらく丁寧なクマだな‥‥いや?人間??」
「ハハハ。クマは秘密にしてくれ。妻との秘密なんだ」
それ言っちゃうと全然秘密になりませんよ?
むしろ、奥さんとの間でクマ絡みの何かがあると勘繰られますよ??
「も、もうしわけありません!何かお探しでしょうか?」
「いや、このネックレスと指輪を見せてもらおうかと」
「ハッ!!」
やっと気が付きましたね。店主は肩章と胸章から目の前のクマ、いや大男が騎士団長である事を悟ります。
「そ、それよりも良いものがあるのです」
「何?ここに並んでいるだけではないのか?」
「えぇ。入荷したばかりの品が。すぐにお持ちしますので」
さすが商売人です。ある程度の収入がある騎士団長ともなれば店頭にある品よりも高価なものを買ってくれやすい事を知っています。
何より…目の前の大男は明らかに女性にモテそうにない!!
飲み屋の女に散々貢いで貢いで!ポイっとされる典型的なブサメン!!
何よりも商売人ですから、指には直ぐに目が行っております。
(こいつ!指輪してねぇ!!カモれる!!)
どんどん奥から出てくる品のない宝飾品。
実用的からは程遠いでっかい宝石の周りに小さいクズダイヤが散りばめられてぱっと見は高級そうですが実は提示された金額の半値八掛けでもボッタくりな金額のシロモノ。
確かにキラッキラで豪華そうに見えるんですがフェリックス考えていますね。
どうしたんでしょうか。
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