夫に「好きな人が出来たので離縁してくれ」と言われました。

cyaru

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VOL:8  増え過ぎた秘密

ランスロットの直属の部下となったリリアをランスロットは可愛がった。

そんなリリアが王宮の立ち入り禁止区域に入り、事もあろうか「わぁ~殿下だぁ。かっこいいぃ♡」っといきなり王太子殿下の腕に飛びついた。

管理職は全て呼び出され、配送課全員が減給の処分を受けた。
とうのリリアは「え?聞いてないんですどぉ?入っちゃダメって言ってくれなかったしぃ」と全く反省をしていない。

フロア全員がリリアを蔑視すると同時にランスロットに「首に縄でもつけとけ!」っと冷たい視線を送った。



ある日、リリアが別の課の美丈夫で有名な男性に『昼食一緒にどぉですかぁ?』っと会議が始まる前、茶を配りながら問いかけるという醜聞があった。

ただ問いかけただけではなく、あわや膝の上に座るんじゃないかと、娼婦のような行動も問題視された。場所も弁えていないが、常識が著しく欠如しているリリアに参加していた役職は当然立腹し、リリアは追い出された。

その事でリリアを「コネ」で配属した大臣も各所に謝罪をする羽目になり、リリアは父親から叱責されて3日間無断欠勤が続いた。


『みんなぁ、酷いって思いませぇん?』
『そうだね。きっとみんな自分の事で手一杯なんだよ』
『そぉ?リリィはぁ…えへっ。この可愛さでみぃんなを癒してあげるのにぃ』
『そうだね。ゴース君がいるだけで花が咲いたように思えるよね』
『やだぁ。ゴース君なんて固ぁい。リリィでいいですよぉ?』


ランスロットは甘えられる事が嬉しくてリリアを誘って昼食に出るようになった。昼の時間は12時から13時までだが、リリアは気が向いた時なので10時頃から出る事もあれば行かない事もあったが、ランスロットの部下となってからは休んでいる日以外は毎日昼食を取るのを欠かさない。

行ったとして13時の昼休憩終わり時間に間に合うよう戻った事は一度もないが、誰も気に留めない。いない方が円滑に、問題なくその日が終わるからだ。

リリアは王宮内の食堂ではなく街に出て『予算関係なし』なレストランにランスロットを誘った。30歳をとうに超えたランスロットも向かいで若い女の子と食事をしている事が最初は照れ臭かったが、「若い子にモテるってなかなか出来ないよな」という同僚の言葉を真に受け、鼻の下を伸ばし、段々とそれが日常になって行った。


ある日、財布の中に金がない事に気が付いたランスロットは非常に困った。既にその月はタチアナに『飲み会』と嘘を吐いてリリアと高級レストランで食事を3回していた事もあって言い出せなかった。

そこで思い出したのが独身時代に預けたままになった金だった。
結婚して、実家に金を送るようになってからは金を預ける事はしていなかったが文官になり独身時代の19歳から27歳までに貯めた金は預けた利息も元金に加わっていくので700万リロを少し超えていた。

『2万リロでいいんですけど』
『引き出しをする時は10万リロ単位なんですよ』
『じゃぁ10万リロで』


一旦引き出してしまえばあとはなし崩しになってしまう。10万リロが30万リロ、50万リロと増えていく。いつもより厚みのある財布にランスロットは気も大きくなり、リリアに強請られるままに服や宝飾品などを買い与え、手持ちで足らなければ翌日また預かり金を引き出し支払いに充てるようになった。

そんな金が何時までもあるわけがない。

ランスロットが預かり金を全て引き出すまでにかかった時間は1年足らず。
その後も腕に縋って来るリリアが可愛くて、文官職であったことから金融商会から借り入れをし、それも限度額いっぱいになれば別の金融商会から借り入れをした。

タチアナには「実家に行ってくる」と嘘を吐いて昼間もリリアとデートをするようになった。見つからないようにとわざわざ郊外を選び、泊りで旅行をする事もあった。

タチアナに話を切り出す3か月前には既に自転車操業での利息返済も末期。そしてふと思ったのだ。
『リリアの実家は超金持ちじゃないか』と。
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