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VOL:13 こんなところに?!
「見事に片付いてますね」
家の中に入ったリゲルは感嘆の声を出した。
自分一人でも運び出しやすいようにランスロットの荷物は勿体ないと思いつつも未使用のゴミ袋4つに少しだけ余裕を持たせて詰め込んだ。
タチアナの荷物はトランクが2つと木箱が1つ。
そのトランクももうすぐだった結婚5年目の小旅行にとタチアナが買ったもの。
買った時は初仕事が離婚で家を出るために纏めた荷を入れるだなんて思いもしなかった。
トランクを持とうとするタチアナにリゲルは「忘れ物がないかもう一度見てくるように」と告げて先に木箱を抱え上げた。
「もう無いと思うんですけど」
「思うんじゃなく、ないと確証を持つことが大事だ。昨夜急いで荷造りをしたんだろう?完璧な人間なんていないよ。ここは他家なんだともう一度見て確かめるんだ」
タチアナはリゲルの言葉にもう一度奥の部屋からっゆっくりと忘れ物がないかを見て回った。結果として抱える程ではないが数点そのまま置いておくところだった品が出て来た。
それらをランスロットの袋に入れているとタチアナのトランクを運び終えたリゲルが一緒にもう一度見て回ると言った。
何もない部屋を見られても問題はないだろう。
そう思ったタチアナだったが、リゲルの「見る方法」はどこか違った。
引き出しなどは全て取り出し、奥をしっかり覗く。
その引き出しも二重底になっていないか底蓋と外側の高さを指で計測する徹底ぶり。
照明器具は公爵家のように天井吊りではないが、壁に掛けるタイプのランプも取り外して受け金具に挟まっているモノがないかまで見るのだ。
そしてリビングと寝室の間にある扉の上枠は飾りのように枠が大きくなっていて、そこにリゲルが手を突っ込んだ。
「何かあるな…結構な量だぞ」
「そんなところに?!」
タチアナの背丈では椅子の上に立ってつま先をフルフルさせながらでないと奥まで指先は届かないのだが、リゲルは身の丈が180cm超。
公爵家の持ち物とあって扉の上枠の高さは2m。かなり背の高い扉だ。
リゲルは念のためにと椅子を持って来て、上から覗き込むようにして「詰め込まれた」モノを取り出した。
「何なの…これ…これは給料明細?えっ?係長?でも日付が…」
「タチアナさん、これ、借用書だな。これも…これも」
日付の一番古い給料明細では2年ほど前からランスロットの給料は上がっている。役職も係長となっていてタチアナが知っている支給額ではなかった。
それよりも驚いたのは借用書だ。
日付が古いのは金融商会のものだが、日付が新しくなるに従って民間のちょっと怪しげな店名のものまである。借用書だけでなく督促状と、「遅延利息を含」と書かれた領収書まで出て来た。
「時々こんな場所に「お宝」を隠している奴もいるんだよ。ここは公爵家の持ち物だから何もしていないようだが、経験上、床板に見えるシートを剥がしたら一面に札を敷き詰めていた奴もいるし、壁も食器棚の背面になる部分、向こうの部屋とのたった10cm足らずの隙間を飾り棚に見立てて金塊や宝飾品を隠してた奴もいたよ。全部剥がした時はそりゃ壮観だった」
「リゲルさん…近衛兵もそんな事するんですか?」
「近衛兵はしないけど、俺は近衛と言っても税務部から第二王子を監視するために配属されてた査察官だったから」
「ブェッ?マジですか…」
「知らないのか?家令のロビンさんは元諜報で左目は義眼だぜ?拷問でも口を割らなかった強者だけど、その後隣国のリーブヘルから素っ裸で脱獄した経歴もあるんだぜ」
「素っ裸?!リーブヘルって永久凍土の地にある牢獄でしょう?!」
タチアナも知らなかったリゲルとロビンの過去。
――想像を絶するわね。見た目からは絶対判らないわ――
タチアナはランスロットが隠していた色々な書類を見て「ほんとね」と呟いた。
昇格して給料が上がっていた事も知らなかったし、ランスロットがそれを口にする事もなかった。「直属の部下が出来たんだ」そう話をした時、前置きで「もうすぐ昇格かな?」の言葉に騙された。
そしてこんなに借金をしていた事も知らなかった。
金融商会だけで350万リロ。名前は聞いた事のある金貸しから300万リロ。そして「闇金?」と思うような金貸しからも200万リロ。
――会計課に預けてるのとペイするかしないかくらいね――
住む場所は実家があるんだし、借金が帳消しになるなら生きて行けるだろう。
余りの衝撃にタチアナはもう溜息も出なかったが、リゲルが不穏な言葉を口にした。
「元亭主になにがしか財産があるなら王宮務めだ。32だろ?」
「えぇ…32歳」
「なら1、2‥‥13、14年勤めてるから初級文官でも退職金なんかである程度は相殺出来るだろう。問題はこの借りた金が残る時だな。日付からして婚姻時のものだ。生活に必要だったとか入れ知恵をする者がいたら面倒だぞ」
「でっでもこんなお金…家には入れてくれなかったわ」
「それを証明できるのは当事者のタチアナさんの他に誰がいるんだ?」
タチアナは言いようのない怒りと恐怖で体がブルリと震えた。
途方もない借金の額。その中には怪しげな所からも借りた分もある。
「う、浮気相手に使ったんだと思うの」
「タチアナさん、冷たいようだが…さっきも荷物を見て来いと言った時の言葉、覚えてるか?」
リゲルの目を真っ直ぐみてタチアナは小さく縦に頷いた。
「いい子だ。「思う」じゃダメなんだよ。ハッキリとした確証が無ければこの借金が「生活の為に必要」だったと!夫婦で生活するために必要だったと言い出す方に軍配が上がるんだ」
離縁の確定を大人しく待つだけではダメで。
ランスロットが「夫婦共有の財産」と言う知識はないと思うのも浅はかで。
それに気が付かないようにと祈る事しか出来ないなんて。
タチアナは気が遠くなりそうだった。
泣くつもりはなかったのに、悔しくて目から涙がポロポロと零れてくる。
――なんで浮気までされて、尻拭いまでしなきゃいけないのよ――
「何と言われても平気だという心構えがあれば、旦那様たちも悪いようにはしないと思うぜ」
はと、タチアナは俯いた顔を上げた。
「どういう事?」
「世の中のクズは後始末を手伝ってくれないと判った時、自分の事は棚の上にあげて周りに「こいつは非道なやつだ」と触れ廻り、同情票で雑魚を集める。類は友を呼ぶと言うだろう。そうなれば同調圧力が働いて、間違ってると思っても言い出し難くなって、誤りが正しいと思われ始める。それでも自分を貫けるかどうかだ」
「強く反論しろと?」
「いいや?そんな奴らを情も何もなく事務的に地獄へ叩き落とす振る舞いが出来るかどうかだ。善人は善人の。クズにはクズへの対処法って事だ。仮にそこに幼い子を抱える親がいても罪は罪と断罪する事が出来るかって事だ。特にクズは幼稚な重箱の隅ツツキを始めるからな。それが正論と思ってるんですか~とかな。同調圧力から離れる事も出来ないから仲間に褒められその場の英雄を気取りたがるのさ。嫁いびりの姑に同調するご近所さん。経験はないか?俺の嫁さんはいつも憤慨してるが」
ギュッと手を握る。タチアナは涙をその手で拭った。
「やるわ。少なくとも浮気男とその周りに好きなようにはさせない」
リゲルは親指をグッと立て、タチアナの肩を叩いた。
家の中に入ったリゲルは感嘆の声を出した。
自分一人でも運び出しやすいようにランスロットの荷物は勿体ないと思いつつも未使用のゴミ袋4つに少しだけ余裕を持たせて詰め込んだ。
タチアナの荷物はトランクが2つと木箱が1つ。
そのトランクももうすぐだった結婚5年目の小旅行にとタチアナが買ったもの。
買った時は初仕事が離婚で家を出るために纏めた荷を入れるだなんて思いもしなかった。
トランクを持とうとするタチアナにリゲルは「忘れ物がないかもう一度見てくるように」と告げて先に木箱を抱え上げた。
「もう無いと思うんですけど」
「思うんじゃなく、ないと確証を持つことが大事だ。昨夜急いで荷造りをしたんだろう?完璧な人間なんていないよ。ここは他家なんだともう一度見て確かめるんだ」
タチアナはリゲルの言葉にもう一度奥の部屋からっゆっくりと忘れ物がないかを見て回った。結果として抱える程ではないが数点そのまま置いておくところだった品が出て来た。
それらをランスロットの袋に入れているとタチアナのトランクを運び終えたリゲルが一緒にもう一度見て回ると言った。
何もない部屋を見られても問題はないだろう。
そう思ったタチアナだったが、リゲルの「見る方法」はどこか違った。
引き出しなどは全て取り出し、奥をしっかり覗く。
その引き出しも二重底になっていないか底蓋と外側の高さを指で計測する徹底ぶり。
照明器具は公爵家のように天井吊りではないが、壁に掛けるタイプのランプも取り外して受け金具に挟まっているモノがないかまで見るのだ。
そしてリビングと寝室の間にある扉の上枠は飾りのように枠が大きくなっていて、そこにリゲルが手を突っ込んだ。
「何かあるな…結構な量だぞ」
「そんなところに?!」
タチアナの背丈では椅子の上に立ってつま先をフルフルさせながらでないと奥まで指先は届かないのだが、リゲルは身の丈が180cm超。
公爵家の持ち物とあって扉の上枠の高さは2m。かなり背の高い扉だ。
リゲルは念のためにと椅子を持って来て、上から覗き込むようにして「詰め込まれた」モノを取り出した。
「何なの…これ…これは給料明細?えっ?係長?でも日付が…」
「タチアナさん、これ、借用書だな。これも…これも」
日付の一番古い給料明細では2年ほど前からランスロットの給料は上がっている。役職も係長となっていてタチアナが知っている支給額ではなかった。
それよりも驚いたのは借用書だ。
日付が古いのは金融商会のものだが、日付が新しくなるに従って民間のちょっと怪しげな店名のものまである。借用書だけでなく督促状と、「遅延利息を含」と書かれた領収書まで出て来た。
「時々こんな場所に「お宝」を隠している奴もいるんだよ。ここは公爵家の持ち物だから何もしていないようだが、経験上、床板に見えるシートを剥がしたら一面に札を敷き詰めていた奴もいるし、壁も食器棚の背面になる部分、向こうの部屋とのたった10cm足らずの隙間を飾り棚に見立てて金塊や宝飾品を隠してた奴もいたよ。全部剥がした時はそりゃ壮観だった」
「リゲルさん…近衛兵もそんな事するんですか?」
「近衛兵はしないけど、俺は近衛と言っても税務部から第二王子を監視するために配属されてた査察官だったから」
「ブェッ?マジですか…」
「知らないのか?家令のロビンさんは元諜報で左目は義眼だぜ?拷問でも口を割らなかった強者だけど、その後隣国のリーブヘルから素っ裸で脱獄した経歴もあるんだぜ」
「素っ裸?!リーブヘルって永久凍土の地にある牢獄でしょう?!」
タチアナも知らなかったリゲルとロビンの過去。
――想像を絶するわね。見た目からは絶対判らないわ――
タチアナはランスロットが隠していた色々な書類を見て「ほんとね」と呟いた。
昇格して給料が上がっていた事も知らなかったし、ランスロットがそれを口にする事もなかった。「直属の部下が出来たんだ」そう話をした時、前置きで「もうすぐ昇格かな?」の言葉に騙された。
そしてこんなに借金をしていた事も知らなかった。
金融商会だけで350万リロ。名前は聞いた事のある金貸しから300万リロ。そして「闇金?」と思うような金貸しからも200万リロ。
――会計課に預けてるのとペイするかしないかくらいね――
住む場所は実家があるんだし、借金が帳消しになるなら生きて行けるだろう。
余りの衝撃にタチアナはもう溜息も出なかったが、リゲルが不穏な言葉を口にした。
「元亭主になにがしか財産があるなら王宮務めだ。32だろ?」
「えぇ…32歳」
「なら1、2‥‥13、14年勤めてるから初級文官でも退職金なんかである程度は相殺出来るだろう。問題はこの借りた金が残る時だな。日付からして婚姻時のものだ。生活に必要だったとか入れ知恵をする者がいたら面倒だぞ」
「でっでもこんなお金…家には入れてくれなかったわ」
「それを証明できるのは当事者のタチアナさんの他に誰がいるんだ?」
タチアナは言いようのない怒りと恐怖で体がブルリと震えた。
途方もない借金の額。その中には怪しげな所からも借りた分もある。
「う、浮気相手に使ったんだと思うの」
「タチアナさん、冷たいようだが…さっきも荷物を見て来いと言った時の言葉、覚えてるか?」
リゲルの目を真っ直ぐみてタチアナは小さく縦に頷いた。
「いい子だ。「思う」じゃダメなんだよ。ハッキリとした確証が無ければこの借金が「生活の為に必要」だったと!夫婦で生活するために必要だったと言い出す方に軍配が上がるんだ」
離縁の確定を大人しく待つだけではダメで。
ランスロットが「夫婦共有の財産」と言う知識はないと思うのも浅はかで。
それに気が付かないようにと祈る事しか出来ないなんて。
タチアナは気が遠くなりそうだった。
泣くつもりはなかったのに、悔しくて目から涙がポロポロと零れてくる。
――なんで浮気までされて、尻拭いまでしなきゃいけないのよ――
「何と言われても平気だという心構えがあれば、旦那様たちも悪いようにはしないと思うぜ」
はと、タチアナは俯いた顔を上げた。
「どういう事?」
「世の中のクズは後始末を手伝ってくれないと判った時、自分の事は棚の上にあげて周りに「こいつは非道なやつだ」と触れ廻り、同情票で雑魚を集める。類は友を呼ぶと言うだろう。そうなれば同調圧力が働いて、間違ってると思っても言い出し難くなって、誤りが正しいと思われ始める。それでも自分を貫けるかどうかだ」
「強く反論しろと?」
「いいや?そんな奴らを情も何もなく事務的に地獄へ叩き落とす振る舞いが出来るかどうかだ。善人は善人の。クズにはクズへの対処法って事だ。仮にそこに幼い子を抱える親がいても罪は罪と断罪する事が出来るかって事だ。特にクズは幼稚な重箱の隅ツツキを始めるからな。それが正論と思ってるんですか~とかな。同調圧力から離れる事も出来ないから仲間に褒められその場の英雄を気取りたがるのさ。嫁いびりの姑に同調するご近所さん。経験はないか?俺の嫁さんはいつも憤慨してるが」
ギュッと手を握る。タチアナは涙をその手で拭った。
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