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かくれんぼのつもりはないのです
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☆前半若奥様、後半エリオナルの視点です☆
☆若奥様の視点です☆
「旦那さん心配してるんじゃないのかい?」
心配そうにわたくしの顔を覗き込むのはここで働くきっかけを作ってくださった野草を行商することで生計を立てているミーナさんです。お子様はもう成人をされて娘さんは嫁がれ隣町に。息子さんは辺境で警備隊長をされておられます。年齢的には嫁いだ時のお義母様と同じくらいですので50代後半か60代前半といったところでしょうか。
腰が痛いと仰いますのでご自宅にお伺いしてマッサージをして差し上げましたら、もう一人の行商人仲間で馬車でもご一緒したケイトさんの旦那様が営むお店で夕食をご馳走になっているのです。
寝台にずっと横たわるお義父様やお義母様の手足、特に腰回りから肩甲骨にかけてはマッサージをすると気持ちが良いと仰って下さったので指圧を専門にされている方の元に伺ってコツを教えて頂いたのが役に立ちました。
雇って頂いている身で言うのもなんですが、1回目のお給料日がまだですので懐が寒いと申しましょうか。
食べていいよと言われた野菜も美味しいのですが、初めてのレストランならぬ大衆食堂には興味津々で御座いました。
子爵家も貧乏でしたので、外食など夢のまた夢。伯爵家でも外食はほとんどなく、外食をする時は領地で採れた野菜の試食会くらいで御座います。
一緒に設営をしてくれた使用人さんは試食会は外食とは言わないと申されましたがわたくしには立派な外食で御座います。
「で?どうなんだい?旦那に手紙でも出したのかい?」
「いいえ。お手紙はもう何年も…と言っても8年ほどですが何通出してもお返事を頂けたことが御座いませんので出しても読まれることはないでしょう」
「酷い旦那だねぇ」
「いえ、でも婚約をしていた時は何通か頂きましたの」
「それは数のうちには入らないわよ。釣った魚に餌はやらないタイプね。どうせ誕生日の贈り物とかなかったんじゃないの?」
そうですね。そう言われれば誕生日に何かを頂いた記憶は御座いません。
あ、一度納税の資料で計算間違いをしていて「頼む」と書かれた置手紙と、書類の差し替えという贈り物?になるのかしら。誕生日にそんな出来事も御座いました。
あの「頼む」というのはお手紙になるのかしら…伝言?そんな事を考えてみます。
「でもさ、かくれんぼは何時かは見つかるものだよ。見つかる前に手紙でも出しときな。そしたら離縁したかどうかも知らせてくれるさ」
「そうでしょうか‥‥」
ですが、先程も申しましたように手紙を読んでくださったかどうかも判らないのです。
リリルの街に来て2か月。
少し間をおいても離縁は成立していると思いますが、まだ家令さんに手紙を出せずにいます。便箋を買うにもお金が必要です。出来れば靴がそろそろ指先が浮いておりますし買いたいので無駄使いは控えたいのです。今のわたくしには手紙より靴のほうがずっと魅力的なのです
ほとんどの方の訛りにも対応可能となったわたくし。
外で働くって素晴らしいですわ。そして旦那様はなかった「休日」というものも頂けたのです。
それまでは試験採用という事で【好きな時に仕事していいよ】と言われ毎日受付に座っておりました。ですが正式に採用されたので固定給、基本給ともいう絶対に頂けるお給金と確定休があるそうなのです。
「来週2日続けてお休みなのです。なので野草取りに同行させてくださいませ」
「同行なんて…畏まって言わなくていいんだよ。来週はそろそろゼンマイやツクシがありそうだね。タケノコも土から出る前なら柔らかくて売り物になるから。こき使うよ。いいのかい?」
「はい、ミーナ様、ケイト様は師匠でございます。何なりとお申し付けくださいませ」
「いやだぁ。師匠だなんて。照れるじゃないか」
ですが、この安息の地での穏かな生活なのに嵐の予感がするのは何故でしょう。
☆エリオナルの視点です☆
国境を超えた者の中に名前はなかった。兵士が見たままの年齢を書き込む欄にも妻と思える年齢の女性の1人旅で国境を超えるものは11ある関所に一人もいなかった。
名前がなかった事に私は安堵した。国内にいるという事は少なくとも国外よりは言葉も通じるし安全である。ただそれも時間の問題である事は確かなのだ。
持って出た金は少ない。毎日安宿であっても宿屋に泊まっていればもう金は尽きているだろう。食べる物も外食をすればあっという間だ。
まだ昼間も気温が上がらない日が続く。朝晩となれば女性が耐えられる寒さではない。
いったい何処に。私だけではなく義兄上も見つけられないでいる。
義兄上は最悪も既に覚悟をされているようだが、私は諦めない。
そして今日は6つ目となる辺境に向かっている。
途中にあるリリルの街はそれなりに栄えていて、他の辺境の地からすると辺境伯の力があるのか盗賊なども少ないと聞く。比較的安全な街だとも言える。それでも夜間の女性の一人歩きなど以ての外だが。
2カ月が過ぎようとしている今、一刻も早く見つけ出し会いたくて堪らない。
何故こうなるまで私は動かなかったんだろう。
もっと早くに行動をしていれば3組の部下は離縁しなくて良かっただろうし、母の手を取り看取る事が出来たかも知れない。たらればと悔やんでも仕方がない。行動をしなかったばかりに襲う後悔はこれで終わりだ。
すっかり無精ひげも伸びて隊長をしていた頃より、太ももと腕周りが大きくなった。
剣を振ることはないが、毎日馬に乗り、預かり場に馬を預けると歩いて尋ねまわる。
時に、馬では無理だと思うような場所にある宿屋にも足を運ぶ。
靴ももうこれで何足目だろうか。たった2カ月の間に8足以上の靴がバカになった。
歩兵の徒歩遠征でもここまで歩かないかも知れない。
馬に揺られてリリルの街の入り口に到着をした。
思った以上に賑わいのある街。ここに居て欲しい。そう思いながら胸のポケットに入れた離縁届けに手を当てる。もう折り目から破れかかっているし、汗でインクも滲んでしまっている。
だがこれは私への戒めなのだ。手放す事は出来ない。そして見つけたら‥‥。
すまないと誠心誠意詫びて、許してもらえるならば彼女にこれを破り捨ててもらうのだ。
「ブルル♪」
珍しくスィートが鼻を鳴らす。私は預かり場にスィートを預けに向かった。
「珍しいね。軍馬じゃないか」
「わかるのか?」
「そりゃね。こう見えても騎士だったんだ。今はこれで退団したがね」
そう言ってズボンの裾を捲る預かり場にいた男は義足だった。負傷兵という事だろう。
戦はないが野盗の類とやり合えば命を落とす事も在る。
軍馬のスィートを預けて、先ずは人が行きそうなところ。おそらく金はもうさほどにないだろうから職を探す筈だ。彼女ならきっとそうする。誰かの世話になるより自分で稼ごうとするはずだ。
「この辺りで仕事を紹介、斡旋してくれるところはないだろうか」
すれ違った男性に聞くと、目線が私を頭のてっぺんからつま先まで2、3回往復する。
無精ひげの上、薄汚れた上着にズボンの騎乗服。途中軽めの砂嵐にも巻かれたから顔も汚れている。きっと傭兵か辺境の警護兵の志願者と思われたのだろう。
「この先に辺境伯様のやってる斡旋所があるから行ってみなよ。ガタイは良さそうだから雇ってもらえるんじゃないか?」
いや、違うのだ。私ではなく…そう言おうとしたが男性は手を振って行ってしまった。
だが、もしかすると兵士だけではなく、兵士に食事などを出す給仕などの仕事もあるかも知れない。そういう仕事であれば女性も働ける筈だ。
少し歩くと「兵士志願、臨時兵申請所」と書いた看板が見えた。
文字よりも兵士をモチーフにした絵の方が大きいのは文字が読めない者も多いのだろう。
通りを子供たちが走っていく。「コッチコッチ。早く隠れないと!」かくれんぼをしているようだ。
私も似たようなものだ。いつまでも見つける側でもう2カ月になる。
中を覗くと女性だろうか。受付で何か書き物をしているようで他に申請者はいないようだ。
私は雇われるつもりはないが、どんな小さな手掛かりでもいい。
そう思ってドアノックに手をかけてコンコンと鳴らした。
☆~☆
ついに!次回若奥様とヘタレポンコツ夫が出会う?!
Σ( ̄□ ̄|||) なんてこった!!もうラストまで片手を切ったじゃないか!
☆若奥様の視点です☆
「旦那さん心配してるんじゃないのかい?」
心配そうにわたくしの顔を覗き込むのはここで働くきっかけを作ってくださった野草を行商することで生計を立てているミーナさんです。お子様はもう成人をされて娘さんは嫁がれ隣町に。息子さんは辺境で警備隊長をされておられます。年齢的には嫁いだ時のお義母様と同じくらいですので50代後半か60代前半といったところでしょうか。
腰が痛いと仰いますのでご自宅にお伺いしてマッサージをして差し上げましたら、もう一人の行商人仲間で馬車でもご一緒したケイトさんの旦那様が営むお店で夕食をご馳走になっているのです。
寝台にずっと横たわるお義父様やお義母様の手足、特に腰回りから肩甲骨にかけてはマッサージをすると気持ちが良いと仰って下さったので指圧を専門にされている方の元に伺ってコツを教えて頂いたのが役に立ちました。
雇って頂いている身で言うのもなんですが、1回目のお給料日がまだですので懐が寒いと申しましょうか。
食べていいよと言われた野菜も美味しいのですが、初めてのレストランならぬ大衆食堂には興味津々で御座いました。
子爵家も貧乏でしたので、外食など夢のまた夢。伯爵家でも外食はほとんどなく、外食をする時は領地で採れた野菜の試食会くらいで御座います。
一緒に設営をしてくれた使用人さんは試食会は外食とは言わないと申されましたがわたくしには立派な外食で御座います。
「で?どうなんだい?旦那に手紙でも出したのかい?」
「いいえ。お手紙はもう何年も…と言っても8年ほどですが何通出してもお返事を頂けたことが御座いませんので出しても読まれることはないでしょう」
「酷い旦那だねぇ」
「いえ、でも婚約をしていた時は何通か頂きましたの」
「それは数のうちには入らないわよ。釣った魚に餌はやらないタイプね。どうせ誕生日の贈り物とかなかったんじゃないの?」
そうですね。そう言われれば誕生日に何かを頂いた記憶は御座いません。
あ、一度納税の資料で計算間違いをしていて「頼む」と書かれた置手紙と、書類の差し替えという贈り物?になるのかしら。誕生日にそんな出来事も御座いました。
あの「頼む」というのはお手紙になるのかしら…伝言?そんな事を考えてみます。
「でもさ、かくれんぼは何時かは見つかるものだよ。見つかる前に手紙でも出しときな。そしたら離縁したかどうかも知らせてくれるさ」
「そうでしょうか‥‥」
ですが、先程も申しましたように手紙を読んでくださったかどうかも判らないのです。
リリルの街に来て2か月。
少し間をおいても離縁は成立していると思いますが、まだ家令さんに手紙を出せずにいます。便箋を買うにもお金が必要です。出来れば靴がそろそろ指先が浮いておりますし買いたいので無駄使いは控えたいのです。今のわたくしには手紙より靴のほうがずっと魅力的なのです
ほとんどの方の訛りにも対応可能となったわたくし。
外で働くって素晴らしいですわ。そして旦那様はなかった「休日」というものも頂けたのです。
それまでは試験採用という事で【好きな時に仕事していいよ】と言われ毎日受付に座っておりました。ですが正式に採用されたので固定給、基本給ともいう絶対に頂けるお給金と確定休があるそうなのです。
「来週2日続けてお休みなのです。なので野草取りに同行させてくださいませ」
「同行なんて…畏まって言わなくていいんだよ。来週はそろそろゼンマイやツクシがありそうだね。タケノコも土から出る前なら柔らかくて売り物になるから。こき使うよ。いいのかい?」
「はい、ミーナ様、ケイト様は師匠でございます。何なりとお申し付けくださいませ」
「いやだぁ。師匠だなんて。照れるじゃないか」
ですが、この安息の地での穏かな生活なのに嵐の予感がするのは何故でしょう。
☆エリオナルの視点です☆
国境を超えた者の中に名前はなかった。兵士が見たままの年齢を書き込む欄にも妻と思える年齢の女性の1人旅で国境を超えるものは11ある関所に一人もいなかった。
名前がなかった事に私は安堵した。国内にいるという事は少なくとも国外よりは言葉も通じるし安全である。ただそれも時間の問題である事は確かなのだ。
持って出た金は少ない。毎日安宿であっても宿屋に泊まっていればもう金は尽きているだろう。食べる物も外食をすればあっという間だ。
まだ昼間も気温が上がらない日が続く。朝晩となれば女性が耐えられる寒さではない。
いったい何処に。私だけではなく義兄上も見つけられないでいる。
義兄上は最悪も既に覚悟をされているようだが、私は諦めない。
そして今日は6つ目となる辺境に向かっている。
途中にあるリリルの街はそれなりに栄えていて、他の辺境の地からすると辺境伯の力があるのか盗賊なども少ないと聞く。比較的安全な街だとも言える。それでも夜間の女性の一人歩きなど以ての外だが。
2カ月が過ぎようとしている今、一刻も早く見つけ出し会いたくて堪らない。
何故こうなるまで私は動かなかったんだろう。
もっと早くに行動をしていれば3組の部下は離縁しなくて良かっただろうし、母の手を取り看取る事が出来たかも知れない。たらればと悔やんでも仕方がない。行動をしなかったばかりに襲う後悔はこれで終わりだ。
すっかり無精ひげも伸びて隊長をしていた頃より、太ももと腕周りが大きくなった。
剣を振ることはないが、毎日馬に乗り、預かり場に馬を預けると歩いて尋ねまわる。
時に、馬では無理だと思うような場所にある宿屋にも足を運ぶ。
靴ももうこれで何足目だろうか。たった2カ月の間に8足以上の靴がバカになった。
歩兵の徒歩遠征でもここまで歩かないかも知れない。
馬に揺られてリリルの街の入り口に到着をした。
思った以上に賑わいのある街。ここに居て欲しい。そう思いながら胸のポケットに入れた離縁届けに手を当てる。もう折り目から破れかかっているし、汗でインクも滲んでしまっている。
だがこれは私への戒めなのだ。手放す事は出来ない。そして見つけたら‥‥。
すまないと誠心誠意詫びて、許してもらえるならば彼女にこれを破り捨ててもらうのだ。
「ブルル♪」
珍しくスィートが鼻を鳴らす。私は預かり場にスィートを預けに向かった。
「珍しいね。軍馬じゃないか」
「わかるのか?」
「そりゃね。こう見えても騎士だったんだ。今はこれで退団したがね」
そう言ってズボンの裾を捲る預かり場にいた男は義足だった。負傷兵という事だろう。
戦はないが野盗の類とやり合えば命を落とす事も在る。
軍馬のスィートを預けて、先ずは人が行きそうなところ。おそらく金はもうさほどにないだろうから職を探す筈だ。彼女ならきっとそうする。誰かの世話になるより自分で稼ごうとするはずだ。
「この辺りで仕事を紹介、斡旋してくれるところはないだろうか」
すれ違った男性に聞くと、目線が私を頭のてっぺんからつま先まで2、3回往復する。
無精ひげの上、薄汚れた上着にズボンの騎乗服。途中軽めの砂嵐にも巻かれたから顔も汚れている。きっと傭兵か辺境の警護兵の志願者と思われたのだろう。
「この先に辺境伯様のやってる斡旋所があるから行ってみなよ。ガタイは良さそうだから雇ってもらえるんじゃないか?」
いや、違うのだ。私ではなく…そう言おうとしたが男性は手を振って行ってしまった。
だが、もしかすると兵士だけではなく、兵士に食事などを出す給仕などの仕事もあるかも知れない。そういう仕事であれば女性も働ける筈だ。
少し歩くと「兵士志願、臨時兵申請所」と書いた看板が見えた。
文字よりも兵士をモチーフにした絵の方が大きいのは文字が読めない者も多いのだろう。
通りを子供たちが走っていく。「コッチコッチ。早く隠れないと!」かくれんぼをしているようだ。
私も似たようなものだ。いつまでも見つける側でもう2カ月になる。
中を覗くと女性だろうか。受付で何か書き物をしているようで他に申請者はいないようだ。
私は雇われるつもりはないが、どんな小さな手掛かりでもいい。
そう思ってドアノックに手をかけてコンコンと鳴らした。
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ついに!次回若奥様とヘタレポンコツ夫が出会う?!
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