元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru

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侯爵令嬢のお土産

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エレインは進みます。パッカパッカと若い馬はなかなかに馬力があります。
と言っても荷物は全てマジック系に放り込んでいますのでエレインを乗せているだけです。
ふと、どうしようか考えている事があるようです。

「うーん。お土産はどうしたらよいかしら?」

どうやら辺境の地に行く際に、どうやってもパトリックの屋敷をスルーするわけにもいきません。
何といっても、別邸の鍵をもらわないと許可があってもただの空き巣が住み着いただけになってしまいます。
その時にお土産を渡すべきかどうか。

困ったわねぇ…パトリックさんと土産物か被ればありきたりな物になるし、何処にでもあるようなせんべい、饅頭、クッキー系ですと近くの「街道の店」の上り線で買ったと思われてしまいますわね。
少し先の「ハブ空港」ならぬ「ハブ宿場」ですと各地のお土産が揃っておりますが、明らかに王都から来たってものを選ぶにも裏面の製造、販売者の名前が辺境の地だと適当に買ったと思われてしまいますもの。

と、言う事でちょっとだけ寄り道をして、親友ではないけれどちょっとだけ親しい間柄かと思ったんですけど違いましたかね?って程度の友達の家がやっている菓子屋にやってきました。
ま、学園時代に1年生の時だけクラスメイトだったって感じでしょうか。
勿論、値切るつもり何て全然ありませんし、定価で買えと言われれば見切り商品を選ぶだけです。

「あら、うわぁ懐かしい!どうされたの?」

懐かしいと言われるほどは離れておりません。2学年の時に同じクラスでしたし、3学年最後で第三王子のやらかしの場にもいましたわよね?

と、思いつつ土産に出来そうな日持ちと量に優れたお菓子を見繕ってもらいます。
ひと昔の披露宴と同じく、とにかくデカい箱もので嵩張るような者なら年配者は納得しますからね。

「これなんかどうかしら?」
「これは何ですの?」
「箱の中に一つだけ当たりがあるモナカクッキーですわ」
「ハズレは何ですの?」
「落雁ですわ、全部コーティングがモナカですから見ただけではわかりませんわ」

それは口の中がパッサパサになる上にモナカは口の中で上に引っ付いてしまいますわよ?
大丈夫なんでしょうか?
しかも当たりは1個だけ。72個入りで1個。考えてしまいますわ。

「ちなみに当たりは何ですの」
「酢の物味ですわ!唯一味がしますの」

正直、全部ハズレな気もしますが、酢の物を菓子にするという意気込みを買いますわ。

「では2箱お願いしますわ」
「ありがとうございます!初めて売れました!」
「え”…それは…それは…おめでとうございますですわ」

丁寧に包んでくださいます。熨斗までつけて頂けるそうですが使いまわしですよね?
明らかに違う家名も入っておりますわ。

「あの、お供物ではなくて…そうですね…粗品?」
「エレイン様っ!ウチの菓子を‥‥粗品だなんて酷いっ」
「そう言う訳はないのですけれど‥‥では文字なしで」
「えっ?でも…熨斗が白と黄色しかないんです」
「なら熨斗はなしで結構ですわ」

お金を払い、商品を受け取るエレイン。おっと伝え忘れていた事があるようです。
紙袋を手渡しながら、学園時代の知り合いは満面の笑みで言います。

「当たりはランダムで入れているのでもしかしたら、入ってない事もあります」
「えっ?それでは夜店のくじ引きではありませんか」
「違いますよ?入ってない【かも】知れないだけで2個、3個と入った大当たりな時もあります。夜店のくじは入ってませんから」

と、言う事は酢の物味が数個という事もあるのですわね?
わたくし的には、その当たりの方がハズレだと思うのですが店の方が言うのなら当たりなのでしょう。

無事お土産も手に入れたエレイン。ついに辺境の地に進みます。

少し遅れて出発したパトリック御一行は休むことなく進みます。先に出たエレインをなんとか確保しないともし途中で事故なんかに遭遇してたら陛下が激怒しますのでね。
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