11 / 56
侯爵令嬢のお土産
しおりを挟む
エレインは進みます。パッカパッカと若い馬はなかなかに馬力があります。
と言っても荷物は全てマジック系に放り込んでいますのでエレインを乗せているだけです。
ふと、どうしようか考えている事があるようです。
「うーん。お土産はどうしたらよいかしら?」
どうやら辺境の地に行く際に、どうやってもパトリックの屋敷をスルーするわけにもいきません。
何といっても、別邸の鍵をもらわないと許可があってもただの空き巣が住み着いただけになってしまいます。
その時にお土産を渡すべきかどうか。
困ったわねぇ…パトリックさんと土産物か被ればありきたりな物になるし、何処にでもあるようなせんべい、饅頭、クッキー系ですと近くの「街道の店」の上り線で買ったと思われてしまいますわね。
少し先の「ハブ空港」ならぬ「ハブ宿場」ですと各地のお土産が揃っておりますが、明らかに王都から来たってものを選ぶにも裏面の製造、販売者の名前が辺境の地だと適当に買ったと思われてしまいますもの。
と、言う事でちょっとだけ寄り道をして、親友ではないけれどちょっとだけ親しい間柄かと思ったんですけど違いましたかね?って程度の友達の家がやっている菓子屋にやってきました。
ま、学園時代に1年生の時だけクラスメイトだったって感じでしょうか。
勿論、値切るつもり何て全然ありませんし、定価で買えと言われれば見切り商品を選ぶだけです。
「あら、うわぁ懐かしい!どうされたの?」
懐かしいと言われるほどは離れておりません。2学年の時に同じクラスでしたし、3学年最後で第三王子のやらかしの場にもいましたわよね?
と、思いつつ土産に出来そうな日持ちと量に優れたお菓子を見繕ってもらいます。
ひと昔の披露宴と同じく、とにかくデカい箱もので嵩張るような者なら年配者は納得しますからね。
「これなんかどうかしら?」
「これは何ですの?」
「箱の中に一つだけ当たりがあるモナカクッキーですわ」
「ハズレは何ですの?」
「落雁ですわ、全部コーティングがモナカですから見ただけではわかりませんわ」
それは口の中がパッサパサになる上にモナカは口の中で上に引っ付いてしまいますわよ?
大丈夫なんでしょうか?
しかも当たりは1個だけ。72個入りで1個。考えてしまいますわ。
「ちなみに当たりは何ですの」
「酢の物味ですわ!唯一味がしますの」
正直、全部ハズレな気もしますが、酢の物を菓子にするという意気込みを買いますわ。
「では2箱お願いしますわ」
「ありがとうございます!初めて売れました!」
「え”…それは…それは…おめでとうございますですわ」
丁寧に包んでくださいます。熨斗までつけて頂けるそうですが使いまわしですよね?
明らかに違う家名も入っておりますわ。
「あの、お供物ではなくて…そうですね…粗品?」
「エレイン様っ!ウチの菓子を‥‥粗品だなんて酷いっ」
「そう言う訳はないのですけれど‥‥では文字なしで」
「えっ?でも…熨斗が白と黄色しかないんです」
「なら熨斗はなしで結構ですわ」
お金を払い、商品を受け取るエレイン。おっと伝え忘れていた事があるようです。
紙袋を手渡しながら、学園時代の知り合いは満面の笑みで言います。
「当たりはランダムで入れているのでもしかしたら、入ってない事もあります」
「えっ?それでは夜店のくじ引きではありませんか」
「違いますよ?入ってない【かも】知れないだけで2個、3個と入った大当たりな時もあります。夜店のくじは入ってませんから」
と、言う事は酢の物味が数個という事もあるのですわね?
わたくし的には、その当たりの方がハズレだと思うのですが店の方が言うのなら当たりなのでしょう。
無事お土産も手に入れたエレイン。ついに辺境の地に進みます。
少し遅れて出発したパトリック御一行は休むことなく進みます。先に出たエレインをなんとか確保しないともし途中で事故なんかに遭遇してたら陛下が激怒しますのでね。
と言っても荷物は全てマジック系に放り込んでいますのでエレインを乗せているだけです。
ふと、どうしようか考えている事があるようです。
「うーん。お土産はどうしたらよいかしら?」
どうやら辺境の地に行く際に、どうやってもパトリックの屋敷をスルーするわけにもいきません。
何といっても、別邸の鍵をもらわないと許可があってもただの空き巣が住み着いただけになってしまいます。
その時にお土産を渡すべきかどうか。
困ったわねぇ…パトリックさんと土産物か被ればありきたりな物になるし、何処にでもあるようなせんべい、饅頭、クッキー系ですと近くの「街道の店」の上り線で買ったと思われてしまいますわね。
少し先の「ハブ空港」ならぬ「ハブ宿場」ですと各地のお土産が揃っておりますが、明らかに王都から来たってものを選ぶにも裏面の製造、販売者の名前が辺境の地だと適当に買ったと思われてしまいますもの。
と、言う事でちょっとだけ寄り道をして、親友ではないけれどちょっとだけ親しい間柄かと思ったんですけど違いましたかね?って程度の友達の家がやっている菓子屋にやってきました。
ま、学園時代に1年生の時だけクラスメイトだったって感じでしょうか。
勿論、値切るつもり何て全然ありませんし、定価で買えと言われれば見切り商品を選ぶだけです。
「あら、うわぁ懐かしい!どうされたの?」
懐かしいと言われるほどは離れておりません。2学年の時に同じクラスでしたし、3学年最後で第三王子のやらかしの場にもいましたわよね?
と、思いつつ土産に出来そうな日持ちと量に優れたお菓子を見繕ってもらいます。
ひと昔の披露宴と同じく、とにかくデカい箱もので嵩張るような者なら年配者は納得しますからね。
「これなんかどうかしら?」
「これは何ですの?」
「箱の中に一つだけ当たりがあるモナカクッキーですわ」
「ハズレは何ですの?」
「落雁ですわ、全部コーティングがモナカですから見ただけではわかりませんわ」
それは口の中がパッサパサになる上にモナカは口の中で上に引っ付いてしまいますわよ?
大丈夫なんでしょうか?
しかも当たりは1個だけ。72個入りで1個。考えてしまいますわ。
「ちなみに当たりは何ですの」
「酢の物味ですわ!唯一味がしますの」
正直、全部ハズレな気もしますが、酢の物を菓子にするという意気込みを買いますわ。
「では2箱お願いしますわ」
「ありがとうございます!初めて売れました!」
「え”…それは…それは…おめでとうございますですわ」
丁寧に包んでくださいます。熨斗までつけて頂けるそうですが使いまわしですよね?
明らかに違う家名も入っておりますわ。
「あの、お供物ではなくて…そうですね…粗品?」
「エレイン様っ!ウチの菓子を‥‥粗品だなんて酷いっ」
「そう言う訳はないのですけれど‥‥では文字なしで」
「えっ?でも…熨斗が白と黄色しかないんです」
「なら熨斗はなしで結構ですわ」
お金を払い、商品を受け取るエレイン。おっと伝え忘れていた事があるようです。
紙袋を手渡しながら、学園時代の知り合いは満面の笑みで言います。
「当たりはランダムで入れているのでもしかしたら、入ってない事もあります」
「えっ?それでは夜店のくじ引きではありませんか」
「違いますよ?入ってない【かも】知れないだけで2個、3個と入った大当たりな時もあります。夜店のくじは入ってませんから」
と、言う事は酢の物味が数個という事もあるのですわね?
わたくし的には、その当たりの方がハズレだと思うのですが店の方が言うのなら当たりなのでしょう。
無事お土産も手に入れたエレイン。ついに辺境の地に進みます。
少し遅れて出発したパトリック御一行は休むことなく進みます。先に出たエレインをなんとか確保しないともし途中で事故なんかに遭遇してたら陛下が激怒しますのでね。
496
あなたにおすすめの小説
私も貴方を愛さない〜今更愛していたと言われても困ります
せいめ
恋愛
『小説年間アクセスランキング2023』で10位をいただきました。
読んでくださった方々に心から感謝しております。ありがとうございました。
「私は君を愛することはないだろう。
しかし、この結婚は王命だ。不本意だが、君とは白い結婚にはできない。貴族の義務として今宵は君を抱く。
これを終えたら君は領地で好きに生活すればいい」
結婚初夜、旦那様は私に冷たく言い放つ。
この人は何を言っているのかしら?
そんなことは言われなくても分かっている。
私は誰かを愛することも、愛されることも許されないのだから。
私も貴方を愛さない……
侯爵令嬢だった私は、ある日、記憶喪失になっていた。
そんな私に冷たい家族。その中で唯一優しくしてくれる義理の妹。
記憶喪失の自分に何があったのかよく分からないまま私は王命で婚約者を決められ、強引に結婚させられることになってしまった。
この結婚に何の希望も持ってはいけないことは知っている。
それに、婚約期間から冷たかった旦那様に私は何の期待もしていない。
そんな私は初夜を迎えることになる。
その初夜の後、私の運命が大きく動き出すことも知らずに……
よくある記憶喪失の話です。
誤字脱字、申し訳ありません。
ご都合主義です。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?
藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。
目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。
前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。
前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない!
そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜
みおな
恋愛
大好きだった人。
一目惚れだった。だから、あの人が婚約者になって、本当に嬉しかった。
なのに、私の友人と愛を交わしていたなんて。
もう誰も信じられない。
〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……
藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」
大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが……
ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。
「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」
エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。
エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話)
全44話で完結になります。
「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう
天宮有
恋愛
「お前との婚約を破棄したい」それが伯爵令嬢ルナの婚約者モグルド王子の口癖だ。
侯爵令嬢ヒリスが好きなモグルドは、ルナを蔑み暴言を吐いていた。
その暴言によって、モグルドはルナとの婚約を破棄することとなる。
ヒリスを新しい婚約者にした後にモグルドはルナの力を知るも、全てが遅かった。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵令息から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる