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第36話 サンドリヨンの就職先
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国王は顔をすこし横に向けて「サンドリヨン」先程とは打って変わって優しい声で名を呼んだ。
「はい」
「愚息が迷惑をかけた。侘びて済む事ではないが申し訳なかった。謝罪を受けるかはそなたの自由だが、面倒な立場だ。謝罪の意思はあったのだとだけ思ってくれると有難い」
玉座から立ち上がった国王は、壇上から降りることは出来ないのでここからで申し訳ないがと、王妃と共にサンドリヨンに頭を下げた。
「そんなっ!畏れ多いです!わっ私は寝る場所もフカフカで食べるものもあったし、着るものだってほら!こんなに良い物を頂いているので何も!!謝らないでください!殿下抜きなら感謝してるんです…ございます!」
★
ガラス宮から王宮に移動したサンドリヨンはドゥライブ直々の聞き取りで「妃にはなりたくない」ことと「チャミングは嫌」だという事、そしてこれからは「何処かで働きたい」と告げた。
「お妃様って…すみません。合わないって言いますか…無理だなって思うんです」
「では、この先、何か希望はあるかい?」
「そうですね。働く時に文字の読み書きが生かせるといいかなって思います。字が読めて書けるように・・・と言ってもまだまだなんですけど、嬉しいんです。この気持ちを他の人にも知ってもらえる仕事が良いです」
そんなサンドリヨンの願いを聞き入れ、今回、チャミングの婚約者として発表はしたが国王の名においてその事を取り消す事と、当面の身辺警護、迷惑に対しての金銭的補償を確約した。
★
国王は事前のサンドリヨンの言葉も報告を受けていて、その上で「お願い」としてサンドリヨンに仕事を1つ紹介した。
「サンドリヨン。そなたにはこの先ジョルジュの指導の元、語学を学んでもらう。勿論給金も支払う。その上で学んだ語学を市井の民に、年齢、性別問わず普及させる仕事をしてもらいたい。頼まれてはくれまいか」
「はい!で、でも教えて貰っている期間もお給金って…」
「学びも仕事だ。教える方も教えられる方も。な?」
「そうなんですね…。はい!解りました」
「では、ジョルジュをここへ」
国王の声に左右の扉が開き、片方からはジョルジュ、もう片方からは別の従者が入って来た。サンドリヨンはジョルジュを見て・・・。
やはり知らない事は最強なのだ。
「こっち!」と小さく国王の目の前で手を振った。
王妃がクスっと微笑ましいなと笑うのにジョルジュは気が気ではない。
手を下ろして!と小さく身振りで返すのだが、同時に「あれ?」と首を傾げた。
ガラス宮に従者として出向いていた時とは違い、今は国王の前でもあるので素顔を曝け出している。両親でさえ気が付かなかったのにサンドリヨンは同時に入って来た従者は一切見ずにジョルジュに小さく手を振ったのだ。
隣まで歩いてジョルジュはサンドリヨンに小さく尋ねた。
「どうして僕だと判ったんですか?」
「え?だってあの人はジョルジュじゃないもの」
「今までと顔が違うでしょ??ほら、目も鼻も違うんだけど」
「そうね。今日は陛下の前だからおめかし?」
サンドリヨンには髪型を変えたとか、ネクタイの色や模様を変えたとかその程度の違いにしか見えなかったのだ。
「ジョルジュはね。なんて言うのかなぁ…ジョルジュって雰囲気があるの。間違わない自信があるわ」
得意そうに笑うサンドリヨンにジョルジュの心臓が1つ高鳴ったのは国王も気が付かなかった。
小さな声で何かを言い合う2人を見て国王はうんうんと頷きジョルジュの名を呼んだ。
「ジョルジュ・ブロンダン。サンドリヨンの事を頼んだぞ」
「陛下のお言葉。しかと」
「ブロンダン??」
サンドリヨンだけがキョトンとする。ジョルジュは王太子妃の諜報を担ってはいるが、出自はブロンダン公爵家。ただし庶子なので公爵家を継ぐ事はないが、身元はしっかりとした男性だった。
サンドリヨンは「ジョルジュって姓があったんだ。なんで教えてくれなかったの?」と何処の家だとか爵位がどうではなく、ただ秘密にされていた事がちょっと悔しかった。
サンドリヨンとジョルジュが退出をした後、ジョルジュと反対から入室してきた従者が国王に書簡を差し出した。
「さて、チャミング。お前のこれからを言い渡す」
ビクリとチャミングの肩が跳ねた。
「隣国の第3王子殿に憧れていたそうだな。お前にも同じように王都からは距離があるが北の最果てにある管轄地を管理する役目を与える。過酷な環境故に現在は住む者も逃げ出してしまったが、そんな地でも王家の者がいれば、ここも領土だと民も安心する。開拓も必要な地だが、開拓さえ出来れば日々の食料にもありつけるだろう。しっかりと治めて欲しい。頼んだぞ」
「そんな!!死ねと言っているのですか!」
「お前は何を聞いていた。管理する役目を与えると言ったのだ。死ねなど一言も言ってはおらん。誰かの真似をし、誰かに生き方も決めてもらわねばならないようだが、間違った選択をすれば死に直結する。その地なら自分で決める事の大事さもよく理解出来るだろう」
「嫌だ!父上!お願いです!行きたくない!行きたくないぃぃぃーッ!」
暫くは暴れたチャミングだったが、その日の夕方には北の最果ての地に向かって幌馬車が出立した。御者と馬には1日2食が保証されているが、幌馬車の中で脱走しないように鉄格子の檻に入ったチャミングには「食事は調達出来たら供給する」と伝えられている。
「大丈夫です!1日、2日は我慢して頂くかも知れませんが1週間、10日だと殿下も辛いでしょうからね。何か食べられそうなものを頑張って探します!!あの日、麻袋を担いであげられなかったので今度はお役に立てる所を見せたいと思ってます!」
麻袋は担げなかったけれど、チャミングを送り届けて王都に戻ってくる頃には、支払われても使えない給料が貯まっている。出立前に婚約者には「あと4年待って!」と頼んだが、その婚約者は現在13歳。
年の離れた可愛い婚約者、帰ってくる頃にはお金も貯まっているし、直ぐに結婚出来る年齢だ。
幌馬車の荷台の部分は直轄地には家屋がないので家屋代わりに置いてくることになっている。帰り道は1人と1頭の文字通り身軽な旅だし、チャミングへの食糧を探す必要もない。
「時短で帰れるかも♡」
従者から御者となるが、男はウキウキ、ワクワク。
馬に鞭を入れて北の最果ての地に出立していったのだった。
「はい」
「愚息が迷惑をかけた。侘びて済む事ではないが申し訳なかった。謝罪を受けるかはそなたの自由だが、面倒な立場だ。謝罪の意思はあったのだとだけ思ってくれると有難い」
玉座から立ち上がった国王は、壇上から降りることは出来ないのでここからで申し訳ないがと、王妃と共にサンドリヨンに頭を下げた。
「そんなっ!畏れ多いです!わっ私は寝る場所もフカフカで食べるものもあったし、着るものだってほら!こんなに良い物を頂いているので何も!!謝らないでください!殿下抜きなら感謝してるんです…ございます!」
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ガラス宮から王宮に移動したサンドリヨンはドゥライブ直々の聞き取りで「妃にはなりたくない」ことと「チャミングは嫌」だという事、そしてこれからは「何処かで働きたい」と告げた。
「お妃様って…すみません。合わないって言いますか…無理だなって思うんです」
「では、この先、何か希望はあるかい?」
「そうですね。働く時に文字の読み書きが生かせるといいかなって思います。字が読めて書けるように・・・と言ってもまだまだなんですけど、嬉しいんです。この気持ちを他の人にも知ってもらえる仕事が良いです」
そんなサンドリヨンの願いを聞き入れ、今回、チャミングの婚約者として発表はしたが国王の名においてその事を取り消す事と、当面の身辺警護、迷惑に対しての金銭的補償を確約した。
★
国王は事前のサンドリヨンの言葉も報告を受けていて、その上で「お願い」としてサンドリヨンに仕事を1つ紹介した。
「サンドリヨン。そなたにはこの先ジョルジュの指導の元、語学を学んでもらう。勿論給金も支払う。その上で学んだ語学を市井の民に、年齢、性別問わず普及させる仕事をしてもらいたい。頼まれてはくれまいか」
「はい!で、でも教えて貰っている期間もお給金って…」
「学びも仕事だ。教える方も教えられる方も。な?」
「そうなんですね…。はい!解りました」
「では、ジョルジュをここへ」
国王の声に左右の扉が開き、片方からはジョルジュ、もう片方からは別の従者が入って来た。サンドリヨンはジョルジュを見て・・・。
やはり知らない事は最強なのだ。
「こっち!」と小さく国王の目の前で手を振った。
王妃がクスっと微笑ましいなと笑うのにジョルジュは気が気ではない。
手を下ろして!と小さく身振りで返すのだが、同時に「あれ?」と首を傾げた。
ガラス宮に従者として出向いていた時とは違い、今は国王の前でもあるので素顔を曝け出している。両親でさえ気が付かなかったのにサンドリヨンは同時に入って来た従者は一切見ずにジョルジュに小さく手を振ったのだ。
隣まで歩いてジョルジュはサンドリヨンに小さく尋ねた。
「どうして僕だと判ったんですか?」
「え?だってあの人はジョルジュじゃないもの」
「今までと顔が違うでしょ??ほら、目も鼻も違うんだけど」
「そうね。今日は陛下の前だからおめかし?」
サンドリヨンには髪型を変えたとか、ネクタイの色や模様を変えたとかその程度の違いにしか見えなかったのだ。
「ジョルジュはね。なんて言うのかなぁ…ジョルジュって雰囲気があるの。間違わない自信があるわ」
得意そうに笑うサンドリヨンにジョルジュの心臓が1つ高鳴ったのは国王も気が付かなかった。
小さな声で何かを言い合う2人を見て国王はうんうんと頷きジョルジュの名を呼んだ。
「ジョルジュ・ブロンダン。サンドリヨンの事を頼んだぞ」
「陛下のお言葉。しかと」
「ブロンダン??」
サンドリヨンだけがキョトンとする。ジョルジュは王太子妃の諜報を担ってはいるが、出自はブロンダン公爵家。ただし庶子なので公爵家を継ぐ事はないが、身元はしっかりとした男性だった。
サンドリヨンは「ジョルジュって姓があったんだ。なんで教えてくれなかったの?」と何処の家だとか爵位がどうではなく、ただ秘密にされていた事がちょっと悔しかった。
サンドリヨンとジョルジュが退出をした後、ジョルジュと反対から入室してきた従者が国王に書簡を差し出した。
「さて、チャミング。お前のこれからを言い渡す」
ビクリとチャミングの肩が跳ねた。
「隣国の第3王子殿に憧れていたそうだな。お前にも同じように王都からは距離があるが北の最果てにある管轄地を管理する役目を与える。過酷な環境故に現在は住む者も逃げ出してしまったが、そんな地でも王家の者がいれば、ここも領土だと民も安心する。開拓も必要な地だが、開拓さえ出来れば日々の食料にもありつけるだろう。しっかりと治めて欲しい。頼んだぞ」
「そんな!!死ねと言っているのですか!」
「お前は何を聞いていた。管理する役目を与えると言ったのだ。死ねなど一言も言ってはおらん。誰かの真似をし、誰かに生き方も決めてもらわねばならないようだが、間違った選択をすれば死に直結する。その地なら自分で決める事の大事さもよく理解出来るだろう」
「嫌だ!父上!お願いです!行きたくない!行きたくないぃぃぃーッ!」
暫くは暴れたチャミングだったが、その日の夕方には北の最果ての地に向かって幌馬車が出立した。御者と馬には1日2食が保証されているが、幌馬車の中で脱走しないように鉄格子の檻に入ったチャミングには「食事は調達出来たら供給する」と伝えられている。
「大丈夫です!1日、2日は我慢して頂くかも知れませんが1週間、10日だと殿下も辛いでしょうからね。何か食べられそうなものを頑張って探します!!あの日、麻袋を担いであげられなかったので今度はお役に立てる所を見せたいと思ってます!」
麻袋は担げなかったけれど、チャミングを送り届けて王都に戻ってくる頃には、支払われても使えない給料が貯まっている。出立前に婚約者には「あと4年待って!」と頼んだが、その婚約者は現在13歳。
年の離れた可愛い婚約者、帰ってくる頃にはお金も貯まっているし、直ぐに結婚出来る年齢だ。
幌馬車の荷台の部分は直轄地には家屋がないので家屋代わりに置いてくることになっている。帰り道は1人と1頭の文字通り身軽な旅だし、チャミングへの食糧を探す必要もない。
「時短で帰れるかも♡」
従者から御者となるが、男はウキウキ、ワクワク。
馬に鞭を入れて北の最果ての地に出立していったのだった。
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