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閑話休題♡絶対角度は45度
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「リー。困っていることはないだろうか」
細い目になってガウルテリオを見ているマリー。
職場では秘書官と呼べと何度訂正を求めたか判らない。
団長室にはイグナシオとファルコン。冷や汗が何度頬を伝っただろうか。
余程にペナルティが欲しいのだろうかと性癖を疑ってしまいそうだ。
「困っている事は愛称呼びでしょうか」
「愛称呼び・・・っと他にはないか?」
――団長!それですよ!気が付かないのは何~故~――
「計算をしている途中で、質問をされることでしょうか」
「計算の途中・・・質問は不可っと…他には?」
――だぁかぁらぁ!団長!それを指摘されてんですよ!――
「団長様、意見書を書くのは構いませんが後にして頂けませんか」
「何故だ」
――何故だと聞く?こっちが何故だ!ですよ!――
「この経費報告書。昼休憩明けには会計課に持って行きたいのです。清算を待っている騎士様の数が多いですし、ラウール副団長がお戻りになればまた遠征費の計算も御座いますので、今日のうちに終わらせたいのです」
「リーの口から他の男の名が出るのはどうかと思うが、そう言う事なら後にするか」
「そうして頂けると助かります」
「俺も近くにいてくれると、心穏やかになって助かるよ」
――団長!口説くのは時間外にしてくださいよ!――
そしてイグナシオとファルコンは気が付いてはいけない事実に気が付く。
ガウルテリオのデスクは部屋の奥にあるのだが、向かって右側にファルコンたちのデスクが3つ並ぶ。左手側にマリーのデスクがあるのだが、ガウルテリオの椅子に座った状態が問題である事に気が付いた。
――どうして左斜め45度?ヤンキーの運転?――
イキったヤンキーは金がないので2人乗りの荷馬車の御者席に恋人と乗っているのだが、何故か恋人を左側に座らせて、体を45度捩じり、片膝を立てて馬を操る。
手綱こそないが、角度はまさにヤンキー。
――オラオラ系だったんですか?――
流鏑馬なら角度は90度なのに、30を超えてワルを気取っても仕方ないですよと心で盛大に叫ぶ2人。
団長室の中心で叫ばないだけ配慮をしているのである。
そんなガウルテリオ。
今日は真面目に書類を読んでいるなと思えば先程の意見を頂戴な書類。
「なぁ、ファルコン」
「なんですか?俺、今計画書清書してるんでイグナシオにお願いします」
「えっ?俺に振る?ここで?」
「振られたら困るのか?イグナシオ」
「いえ、まぁ…世間一般で答えられるような事ならイケます」
ん?と考えたガウルテリオだが、如何せん‥‥脳筋。
まぁいいかと思えば、次に進める。非常に便利な脳内。
「聞きたいんだが、何秒女性を見つめると失礼になるんだ?」
「はっ?意味が解りませんが」
「ココにな。書いてるんだ。例として5分見つめられると気持ち悪い等…などってどういう事だ。4分ならいいのか」
「そう言うのは…ちなみに団長は見られる側なら何分耐えられるんですか?」
「あはっ♡」
<< きもっ! >>
「何時間でも耐えられる自信があるな。リー限定でだが」
「3秒が限界です」
<< えぇっ? >>
いつもならそんな話題は華麗にスルーするのにマリーが反応した事にガウルテリオも驚くのだが、その上を行くのがガウルテリオだった。
「じゃ、インターバルは瞬きって事でカウントし――」
ガタッと立ち上がったマリー。書類を手にガウルテリオの前にやって来る。
――新婚さん、いらっしゃぁい――
思わず心にそんなフレーズが走ったイグナシオとファルコン。
「団長様、確認をお願いします」
「うん。何だ…衝立?そんなものが何処に必要なんだ?」
「ココです」
マリーは自分のデスクとガウルテリオのデスクの間を示した。
「高さとしての希望は天井まで。床との隙間も無くて結構です。組み立て式なら3分で組み立てられるものがありますので至急お願いしたいのですか」
「どうして必要なんだ?」
――うわっ。まさかの設置方向で考えてる?――
「団長様の業務を円滑に進めて頂くためです。現在、1時間のうち50分は余所見。10分は席空きになっておりますので」
――団長~。仕事しましょうよぅ~――
「俺の目から癒しを奪うのではないか?好きなものを愛でたいんだが」
部屋の中に「ピシッ」っと音がするのはまだ設置をしていない筈の衝立だろうか。いや違う。空気が凍り付いたようだとイグナシオとファルコンが悟るまで0.2秒だった。
細い目になってガウルテリオを見ているマリー。
職場では秘書官と呼べと何度訂正を求めたか判らない。
団長室にはイグナシオとファルコン。冷や汗が何度頬を伝っただろうか。
余程にペナルティが欲しいのだろうかと性癖を疑ってしまいそうだ。
「困っている事は愛称呼びでしょうか」
「愛称呼び・・・っと他にはないか?」
――団長!それですよ!気が付かないのは何~故~――
「計算をしている途中で、質問をされることでしょうか」
「計算の途中・・・質問は不可っと…他には?」
――だぁかぁらぁ!団長!それを指摘されてんですよ!――
「団長様、意見書を書くのは構いませんが後にして頂けませんか」
「何故だ」
――何故だと聞く?こっちが何故だ!ですよ!――
「この経費報告書。昼休憩明けには会計課に持って行きたいのです。清算を待っている騎士様の数が多いですし、ラウール副団長がお戻りになればまた遠征費の計算も御座いますので、今日のうちに終わらせたいのです」
「リーの口から他の男の名が出るのはどうかと思うが、そう言う事なら後にするか」
「そうして頂けると助かります」
「俺も近くにいてくれると、心穏やかになって助かるよ」
――団長!口説くのは時間外にしてくださいよ!――
そしてイグナシオとファルコンは気が付いてはいけない事実に気が付く。
ガウルテリオのデスクは部屋の奥にあるのだが、向かって右側にファルコンたちのデスクが3つ並ぶ。左手側にマリーのデスクがあるのだが、ガウルテリオの椅子に座った状態が問題である事に気が付いた。
――どうして左斜め45度?ヤンキーの運転?――
イキったヤンキーは金がないので2人乗りの荷馬車の御者席に恋人と乗っているのだが、何故か恋人を左側に座らせて、体を45度捩じり、片膝を立てて馬を操る。
手綱こそないが、角度はまさにヤンキー。
――オラオラ系だったんですか?――
流鏑馬なら角度は90度なのに、30を超えてワルを気取っても仕方ないですよと心で盛大に叫ぶ2人。
団長室の中心で叫ばないだけ配慮をしているのである。
そんなガウルテリオ。
今日は真面目に書類を読んでいるなと思えば先程の意見を頂戴な書類。
「なぁ、ファルコン」
「なんですか?俺、今計画書清書してるんでイグナシオにお願いします」
「えっ?俺に振る?ここで?」
「振られたら困るのか?イグナシオ」
「いえ、まぁ…世間一般で答えられるような事ならイケます」
ん?と考えたガウルテリオだが、如何せん‥‥脳筋。
まぁいいかと思えば、次に進める。非常に便利な脳内。
「聞きたいんだが、何秒女性を見つめると失礼になるんだ?」
「はっ?意味が解りませんが」
「ココにな。書いてるんだ。例として5分見つめられると気持ち悪い等…などってどういう事だ。4分ならいいのか」
「そう言うのは…ちなみに団長は見られる側なら何分耐えられるんですか?」
「あはっ♡」
<< きもっ! >>
「何時間でも耐えられる自信があるな。リー限定でだが」
「3秒が限界です」
<< えぇっ? >>
いつもならそんな話題は華麗にスルーするのにマリーが反応した事にガウルテリオも驚くのだが、その上を行くのがガウルテリオだった。
「じゃ、インターバルは瞬きって事でカウントし――」
ガタッと立ち上がったマリー。書類を手にガウルテリオの前にやって来る。
――新婚さん、いらっしゃぁい――
思わず心にそんなフレーズが走ったイグナシオとファルコン。
「団長様、確認をお願いします」
「うん。何だ…衝立?そんなものが何処に必要なんだ?」
「ココです」
マリーは自分のデスクとガウルテリオのデスクの間を示した。
「高さとしての希望は天井まで。床との隙間も無くて結構です。組み立て式なら3分で組み立てられるものがありますので至急お願いしたいのですか」
「どうして必要なんだ?」
――うわっ。まさかの設置方向で考えてる?――
「団長様の業務を円滑に進めて頂くためです。現在、1時間のうち50分は余所見。10分は席空きになっておりますので」
――団長~。仕事しましょうよぅ~――
「俺の目から癒しを奪うのではないか?好きなものを愛でたいんだが」
部屋の中に「ピシッ」っと音がするのはまだ設置をしていない筈の衝立だろうか。いや違う。空気が凍り付いたようだとイグナシオとファルコンが悟るまで0.2秒だった。
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