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第45話 遠慮は何処に行った?
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ミアの言葉から閃いたアナベルは聞きたくもない声の遮断を見る間に習得していく。
1つを覚えれば後は応用。
もともと探求心も旺盛で、覚えも早いアナベルはマジルカ王国に来て1年目には6割ほどの制御が出来るようになっていた。
ケルンは「愛の力だねぇ」と言ったがあながち間違いでもない。
暑苦しいほどのツェーザルの愛。
開き直ったアナベルもどうせ心の声も筒抜けなんだからとモフリ捲る。
そしてアナベルの定位置が決まった。
それがツェーザルの膝となるのに時間はかからない。
最初は横抱きのようにされていた。
毎日、毎日‥‥食事もその態勢のままでツェーザルが女性向け小説を読んで覚えた「あーん」をさせようとして却下された。
「1人で食べられますってば!。この頃セサル様はどうしちゃったの?!」
「どうもしない。愛しているという事を言葉だけでなく態度で示すのも大事だろう?」
「そんなの恥ずかしいからダメっ!」
一言一句違わぬアナベルの心の声と実際の声がツェーザルに突き刺さる。
実はその先を・・・と想像したのだが「危ない、危ない」と奥に封印。アナベルには気付かれていない。
気付かれてはいないものの、アナベルの指先はツェーザルの我慢の限界を探して今日も動く。
サワサワ‥‥(あうっ)サワサワ・・・(ふぉぐっ)
「アナベル、その先はダメだ」
「え?どうして?」
「どうしてって!!ここから先はご両親に挨拶をしてからだ」
「そうなんだけど、ここの毛・・・一番フワフワかも」
すりすりとアナベルの手がうなじから背中に差し込まれて艶めかしく動く。
つい先日までは暑い日が続いていてシャツのボタンを3番目まではだけていたツェーザル。
男性にも僅かな膨らみの双璧は残骸のようにあるのだが、胸毛をサワサワとしていたアナベルがそれに気が付いた。
「これ・・・なんだろう?(カリっ)」
「ワヒョウォゥッ!」
そして段々と手がモフモフを堪能しながら臍迄到達。
ツェーザルのベルトの穴が数個横に亀裂を作り、留めるという役割を果たさなくなった。
「前は禁止!」となり背中になったのだが、冬の寒い日。
冷たい手が背中に差し込まれるとソワソワしてしまう。
「これは横向きだから限界点が近いのかも知れない」
横抱きは片手が背を支えているので防御が甘くなるという事もツェーザルは知ったのだった。
考えたツェーザルはどうせならと初日やらかしたときのようにツェーザルの胸に背を預けた方が良くないか?と提案し今に至る。
時期が真冬というのも功を奏したかも知れない。
ツェーザルを背にするとまるで綿か羽毛に包まれているようで温かい。
勿論、ツェーザルの燃えるような熱い思いが体温になっている。
「花は何が好きだ?バラ?蘭?アザミ?」
「えらく差があるんですね…何でも好きですけど・・・買うのはダメです」
「え?どうして?」
「何軒の仕立て屋さんが他の方の注文を断わる羽目になりましたか?青果店だってお店に品物がなくなったら誰も買い物出来ないでしょう?魚屋さんもお肉屋さんも!食べる量にも限界があります!」
――おかしいな。確かリンゴとかイチゴとか喜ぶとあったが――
教本にしている本が明らかに偏っていることが原因だが、ツェーザルがレクチャーしてもらおうにも王族のお歴々は全員が幼い頃に婚約をしてお互いを知りながら成長してきて、一般で言う「愛」は後天的なもの。
相手の趣味嗜好を知った上での関係なので無駄になる買い物がない。
あとはクルトくらいなのだが、クルトとミアに聞いてみれば「なんとなく」
恥を忍んで年の離れた長兄と次兄に聞いてみるも、全く参考にならない。
「困ったな。アナベルに何か贈りたいんだが、欲しいものが俺には判らないんだ」
「それを言うなら私もよ?セサル様の欲しいものが判らないからこの前も剣を磨く時の粉?にしたんだもの。これじゃないなぁって思いながらだったんですよ?」
「あの粉、大事にとってあるよ。開封したら風化するから永久保存だ」
「それだと贈った意味がないでしょう?!使ってください」
「無理だ。使えない。使ったら減る」
会話を部屋の隅で聞くクルト「勝手にしてください」と気もそぞろ。
悪阻らしい悪阻も無かったミアは最近お腹が出て来て、赤子の胎動も感じるようになった。
クルトがお腹に手をあてるとポコンと小さな衝撃がある。
お腹に向かって童話を読み聞かせるのがこの頃の日課。
余りにも童話を読み聞かせていると、お姫様を間違い先日、小指姫と紫頭巾ちゃんの話をごっちゃにしてしまい、ミアに叱られたばかり。
今夜もお腹に話しかけねばならないので、童話の復唱に忙しい。
ポワポワとした空気が流れるツェーザルの屋敷だが、アナベルは時計を見ると定位置から立ち上がった。
「そろそろ時間よ」
「くわぁぁ・・・緊張する・・・陛下から始めて褒賞を受け取った時はあくびできたのに!」
「そんな失礼な事を?!」
「だってさ。祝辞で45分なんだ。眠くならない方がおかしいって」
「それよりも!シャツのボタンは今日だけは一番上まで留めるのっ」
何処に行くのかと言えばアナベルの母国であり、カトゥル侯爵家。
アナベルの両親に挨拶に向かうのである。
ツェーザルが転移で一緒に行けるのは1人が限界。
しかも行った事のある場所にしか飛べないため、転移先の教会からは侯爵家まで歩かねばならない。
この日にしたのはカトゥル侯爵が領地に出向いていて、帰宅する日をあわせてのこと。
使用人に見送られて2人は転移したのだった。
1つを覚えれば後は応用。
もともと探求心も旺盛で、覚えも早いアナベルはマジルカ王国に来て1年目には6割ほどの制御が出来るようになっていた。
ケルンは「愛の力だねぇ」と言ったがあながち間違いでもない。
暑苦しいほどのツェーザルの愛。
開き直ったアナベルもどうせ心の声も筒抜けなんだからとモフリ捲る。
そしてアナベルの定位置が決まった。
それがツェーザルの膝となるのに時間はかからない。
最初は横抱きのようにされていた。
毎日、毎日‥‥食事もその態勢のままでツェーザルが女性向け小説を読んで覚えた「あーん」をさせようとして却下された。
「1人で食べられますってば!。この頃セサル様はどうしちゃったの?!」
「どうもしない。愛しているという事を言葉だけでなく態度で示すのも大事だろう?」
「そんなの恥ずかしいからダメっ!」
一言一句違わぬアナベルの心の声と実際の声がツェーザルに突き刺さる。
実はその先を・・・と想像したのだが「危ない、危ない」と奥に封印。アナベルには気付かれていない。
気付かれてはいないものの、アナベルの指先はツェーザルの我慢の限界を探して今日も動く。
サワサワ‥‥(あうっ)サワサワ・・・(ふぉぐっ)
「アナベル、その先はダメだ」
「え?どうして?」
「どうしてって!!ここから先はご両親に挨拶をしてからだ」
「そうなんだけど、ここの毛・・・一番フワフワかも」
すりすりとアナベルの手がうなじから背中に差し込まれて艶めかしく動く。
つい先日までは暑い日が続いていてシャツのボタンを3番目まではだけていたツェーザル。
男性にも僅かな膨らみの双璧は残骸のようにあるのだが、胸毛をサワサワとしていたアナベルがそれに気が付いた。
「これ・・・なんだろう?(カリっ)」
「ワヒョウォゥッ!」
そして段々と手がモフモフを堪能しながら臍迄到達。
ツェーザルのベルトの穴が数個横に亀裂を作り、留めるという役割を果たさなくなった。
「前は禁止!」となり背中になったのだが、冬の寒い日。
冷たい手が背中に差し込まれるとソワソワしてしまう。
「これは横向きだから限界点が近いのかも知れない」
横抱きは片手が背を支えているので防御が甘くなるという事もツェーザルは知ったのだった。
考えたツェーザルはどうせならと初日やらかしたときのようにツェーザルの胸に背を預けた方が良くないか?と提案し今に至る。
時期が真冬というのも功を奏したかも知れない。
ツェーザルを背にするとまるで綿か羽毛に包まれているようで温かい。
勿論、ツェーザルの燃えるような熱い思いが体温になっている。
「花は何が好きだ?バラ?蘭?アザミ?」
「えらく差があるんですね…何でも好きですけど・・・買うのはダメです」
「え?どうして?」
「何軒の仕立て屋さんが他の方の注文を断わる羽目になりましたか?青果店だってお店に品物がなくなったら誰も買い物出来ないでしょう?魚屋さんもお肉屋さんも!食べる量にも限界があります!」
――おかしいな。確かリンゴとかイチゴとか喜ぶとあったが――
教本にしている本が明らかに偏っていることが原因だが、ツェーザルがレクチャーしてもらおうにも王族のお歴々は全員が幼い頃に婚約をしてお互いを知りながら成長してきて、一般で言う「愛」は後天的なもの。
相手の趣味嗜好を知った上での関係なので無駄になる買い物がない。
あとはクルトくらいなのだが、クルトとミアに聞いてみれば「なんとなく」
恥を忍んで年の離れた長兄と次兄に聞いてみるも、全く参考にならない。
「困ったな。アナベルに何か贈りたいんだが、欲しいものが俺には判らないんだ」
「それを言うなら私もよ?セサル様の欲しいものが判らないからこの前も剣を磨く時の粉?にしたんだもの。これじゃないなぁって思いながらだったんですよ?」
「あの粉、大事にとってあるよ。開封したら風化するから永久保存だ」
「それだと贈った意味がないでしょう?!使ってください」
「無理だ。使えない。使ったら減る」
会話を部屋の隅で聞くクルト「勝手にしてください」と気もそぞろ。
悪阻らしい悪阻も無かったミアは最近お腹が出て来て、赤子の胎動も感じるようになった。
クルトがお腹に手をあてるとポコンと小さな衝撃がある。
お腹に向かって童話を読み聞かせるのがこの頃の日課。
余りにも童話を読み聞かせていると、お姫様を間違い先日、小指姫と紫頭巾ちゃんの話をごっちゃにしてしまい、ミアに叱られたばかり。
今夜もお腹に話しかけねばならないので、童話の復唱に忙しい。
ポワポワとした空気が流れるツェーザルの屋敷だが、アナベルは時計を見ると定位置から立ち上がった。
「そろそろ時間よ」
「くわぁぁ・・・緊張する・・・陛下から始めて褒賞を受け取った時はあくびできたのに!」
「そんな失礼な事を?!」
「だってさ。祝辞で45分なんだ。眠くならない方がおかしいって」
「それよりも!シャツのボタンは今日だけは一番上まで留めるのっ」
何処に行くのかと言えばアナベルの母国であり、カトゥル侯爵家。
アナベルの両親に挨拶に向かうのである。
ツェーザルが転移で一緒に行けるのは1人が限界。
しかも行った事のある場所にしか飛べないため、転移先の教会からは侯爵家まで歩かねばならない。
この日にしたのはカトゥル侯爵が領地に出向いていて、帰宅する日をあわせてのこと。
使用人に見送られて2人は転移したのだった。
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