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阿修羅と化したオーロラ
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母の実家の領地であるペッパー領にやって来たオーロラ。
街はお祭りの準備でさらに活気がありますね。
大きな荷を運ぶ荷馬車から降ろされた荷物に子供たちが興味津々で周りを囲っています。
「凄いわねぇ。思わず踊りたくなるほどだわ!」
「やめてくださいませ」
「どうして?折角こんなに賑わっているのに?」
「賑わっていようとダメです。はしたないですよ。お嬢様」
わいわいとにぎわっているペッパー領ではオーロラも髪の色は元に戻しております。
3週間の休みのうち、10日間を過ごしますよ。
滅多に会えない母方の祖父母に孫を堪能させるオーロラ。
「ローラ♪このドレスはどう?」
「お婆様、もうこれで5着目ですわ」
「だめよぉ。色んなドレスを着て見せて頂戴!この年になるともう王都にはいけないもの。こうやって来てくれるのもあと何年かしら」
「卒業したらまた来ますわお婆様」
「これこれ。私も忘れないでおくれ。ローラ!こっちに来てごらん」
そう言って、オーロラを取り合いをする祖父母。
何処に行ってもジジ&ババの孫への甘々は変わりません。
「明日からお祭りね。楽しみだわ!」
「このドレス‥‥すこし裾が長いわねぇ…ベラのドレスだけどもうちょっと裾上げが必要ねぇ・・」
祖父母の前に昔母が着ていたというドレスを着用させられたオーロラ。
窓の外からは前夜祭行われている広場から賑やかな音楽が聞こえてきておりますが・・・そこに。
「大旦那様、お客様が‥‥」
「客?そんな約束をしたものはいないはずだが。アルマド(息子でベラの兄)にではないか?」
「い、いえ、旦那様元には既に行ったと。その上で大旦那様にと」
「全く…引退した儂にだと?誰だ?」
「それが‥‥エリック第三王子殿下でございます」
「何だと?す、すぐにお通しするのだ。あぁ…オーロラも直ぐに…オーロラ?どうした?」
「お爺様!追い返してくださいまし」
オーロラが第三王子と生まれてすぐに婚約をしたのは知っていますが、ここ最近の事は祖父母に心配をかけまいとベラも教えておりません。
勿論オーロラも折角楽しい毎日なのに水を差すような事を言いたくもないし、なにより第三王子に無関心になってもらう前に、この頃は存在を忘れてたので言うにも言えなかったのもあります。
オーロラ…作戦を仕掛けて自分が忘れていたのか!!やるじゃねぇか!!
「どうしたんだい?殿下は婚約者だろう?」
「そうですけど‥‥殿下には愛する女性が他におられますし、わたくしは‥‥」
「身を引こうと思ったのかい?」
フルフルと首を横に振るオーロラですが、バっと祖父の顔を見上げると言い放ちます。
「身を引くなどとトンデモナイ!!!」
ソファーテーブルの上にガン!っと飛び乗り、裾を踏んでおっとっと。
これこれ、お行儀が悪いですよ!!
「え?あの‥‥オーロラ?」
「お爺様、聞いてくださいまし!」
「あ、う、うん。聞くよ?聞くよオーロラなんだい?」
「だいたいですわよ?今時、男の後ろを3歩下がってついて歩け?ハっ!後々剥げる後頭部に毛があった事を証明させるためにわたくしはいるのではありませんわ!」
その通り!よく言ったオーロラ!山●君!座布団2枚!!
「教科書を破っただの、到底出来ない事を私がやったのだろうと!違うと言えばやってみろと無理難題を押し付けてきますのよ??わが校の教科書は厚さが7センチですのよ!そこまでの握力あるなら今頃アームレスリング界の女帝として君臨してますわ!」
確かに厚さが7センチも有ったら破れませんよねぇ‥‥でもアームレスリング界の女帝って・・。
「半年前などは、わたくしが実験で使った鉛の片づけをしていたら、腕にぶら下げている女の髪飾りを壊したんだろうと言いがかりをつけるのですよ?思わず直径20cmの鉛の玉をぶち投げて、ペラッペラの花畑脳みそを干し柿の如く吊るして飾ってやろうかと思いましたわ!」
あ、あの‥‥一般男子の砲丸でも重さ7キロで直径13センチだよ?直径20センチの鉛を片付けようとしてた事の方が驚きだよ??200kg近くはあるよ??マジ??
アームレスリングの女帝どころじゃないよ??
「自分の男が他の女を連れているのはイケてる男が自分の男だと自慢しろだぁ??ほざいてるんじゃないわよ!
ブラブラ、ブラブラ娼婦崩れ下げて歩くのを自慢するチェリーの癖に!!股間のボール、リンゴのように握りつぶしてやろうかと何度この拳を押さえた事か!!」
え・・っとあの…一応侯爵令嬢ですよね??股間のボールって…まさか??それ以上は言っちゃダメ!!
「叩き返してくださいまし!!お爺様が出来ないのならこのオーロラが!!」
「待て!待つんだオーロラ!!」
「いいえ待ちません!可愛い振りしたあの子は何も致しませんっ!」
「それでも待つんだ!!」
「お爺様!お放しくださいまし!止めないでくださいましぃぃ!」
「ハンナっ(お婆様の名前)!止めてくれ!殿中!殿中でござるぅぅ~!!」
殿下を待たせているのも忘れて、目の前で阿修羅と化した孫娘を必死で止める祖父。唖然とする祖母。
裾の長いドレスにしがみ付く祖父を引きずって、勝ち名乗りをあげると鼻息荒いオーロラ。
余程不満があったんでしょうねぇ・・。
街はお祭りの準備でさらに活気がありますね。
大きな荷を運ぶ荷馬車から降ろされた荷物に子供たちが興味津々で周りを囲っています。
「凄いわねぇ。思わず踊りたくなるほどだわ!」
「やめてくださいませ」
「どうして?折角こんなに賑わっているのに?」
「賑わっていようとダメです。はしたないですよ。お嬢様」
わいわいとにぎわっているペッパー領ではオーロラも髪の色は元に戻しております。
3週間の休みのうち、10日間を過ごしますよ。
滅多に会えない母方の祖父母に孫を堪能させるオーロラ。
「ローラ♪このドレスはどう?」
「お婆様、もうこれで5着目ですわ」
「だめよぉ。色んなドレスを着て見せて頂戴!この年になるともう王都にはいけないもの。こうやって来てくれるのもあと何年かしら」
「卒業したらまた来ますわお婆様」
「これこれ。私も忘れないでおくれ。ローラ!こっちに来てごらん」
そう言って、オーロラを取り合いをする祖父母。
何処に行ってもジジ&ババの孫への甘々は変わりません。
「明日からお祭りね。楽しみだわ!」
「このドレス‥‥すこし裾が長いわねぇ…ベラのドレスだけどもうちょっと裾上げが必要ねぇ・・」
祖父母の前に昔母が着ていたというドレスを着用させられたオーロラ。
窓の外からは前夜祭行われている広場から賑やかな音楽が聞こえてきておりますが・・・そこに。
「大旦那様、お客様が‥‥」
「客?そんな約束をしたものはいないはずだが。アルマド(息子でベラの兄)にではないか?」
「い、いえ、旦那様元には既に行ったと。その上で大旦那様にと」
「全く…引退した儂にだと?誰だ?」
「それが‥‥エリック第三王子殿下でございます」
「何だと?す、すぐにお通しするのだ。あぁ…オーロラも直ぐに…オーロラ?どうした?」
「お爺様!追い返してくださいまし」
オーロラが第三王子と生まれてすぐに婚約をしたのは知っていますが、ここ最近の事は祖父母に心配をかけまいとベラも教えておりません。
勿論オーロラも折角楽しい毎日なのに水を差すような事を言いたくもないし、なにより第三王子に無関心になってもらう前に、この頃は存在を忘れてたので言うにも言えなかったのもあります。
オーロラ…作戦を仕掛けて自分が忘れていたのか!!やるじゃねぇか!!
「どうしたんだい?殿下は婚約者だろう?」
「そうですけど‥‥殿下には愛する女性が他におられますし、わたくしは‥‥」
「身を引こうと思ったのかい?」
フルフルと首を横に振るオーロラですが、バっと祖父の顔を見上げると言い放ちます。
「身を引くなどとトンデモナイ!!!」
ソファーテーブルの上にガン!っと飛び乗り、裾を踏んでおっとっと。
これこれ、お行儀が悪いですよ!!
「え?あの‥‥オーロラ?」
「お爺様、聞いてくださいまし!」
「あ、う、うん。聞くよ?聞くよオーロラなんだい?」
「だいたいですわよ?今時、男の後ろを3歩下がってついて歩け?ハっ!後々剥げる後頭部に毛があった事を証明させるためにわたくしはいるのではありませんわ!」
その通り!よく言ったオーロラ!山●君!座布団2枚!!
「教科書を破っただの、到底出来ない事を私がやったのだろうと!違うと言えばやってみろと無理難題を押し付けてきますのよ??わが校の教科書は厚さが7センチですのよ!そこまでの握力あるなら今頃アームレスリング界の女帝として君臨してますわ!」
確かに厚さが7センチも有ったら破れませんよねぇ‥‥でもアームレスリング界の女帝って・・。
「半年前などは、わたくしが実験で使った鉛の片づけをしていたら、腕にぶら下げている女の髪飾りを壊したんだろうと言いがかりをつけるのですよ?思わず直径20cmの鉛の玉をぶち投げて、ペラッペラの花畑脳みそを干し柿の如く吊るして飾ってやろうかと思いましたわ!」
あ、あの‥‥一般男子の砲丸でも重さ7キロで直径13センチだよ?直径20センチの鉛を片付けようとしてた事の方が驚きだよ??200kg近くはあるよ??マジ??
アームレスリングの女帝どころじゃないよ??
「自分の男が他の女を連れているのはイケてる男が自分の男だと自慢しろだぁ??ほざいてるんじゃないわよ!
ブラブラ、ブラブラ娼婦崩れ下げて歩くのを自慢するチェリーの癖に!!股間のボール、リンゴのように握りつぶしてやろうかと何度この拳を押さえた事か!!」
え・・っとあの…一応侯爵令嬢ですよね??股間のボールって…まさか??それ以上は言っちゃダメ!!
「叩き返してくださいまし!!お爺様が出来ないのならこのオーロラが!!」
「待て!待つんだオーロラ!!」
「いいえ待ちません!可愛い振りしたあの子は何も致しませんっ!」
「それでも待つんだ!!」
「お爺様!お放しくださいまし!止めないでくださいましぃぃ!」
「ハンナっ(お婆様の名前)!止めてくれ!殿中!殿中でござるぅぅ~!!」
殿下を待たせているのも忘れて、目の前で阿修羅と化した孫娘を必死で止める祖父。唖然とする祖母。
裾の長いドレスにしがみ付く祖父を引きずって、勝ち名乗りをあげると鼻息荒いオーロラ。
余程不満があったんでしょうねぇ・・。
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