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第46話 氷点下の本気②―②
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「その気持ちは…きっと――」
「愛だ」
「ダリウス・・・違うわ」
「違わない」
「でもダメなの。身分差だってあるし、年の差だってあるし、ダリウスの隣に立つって事は侯爵家を背負うって事でもあるでしょう?私には無理。教育だって…全然で…」
思っているのと言葉にするのは違う。
アリアは言っていて段々と悲しくなった。
それほどの格差がある事を思い知らされる気がして胸が痛くなる。
何時の間にかアリアもダリウスと結ばれるには差があるのだからと、好きになってしまっている事を言い訳を探して誤魔化してしまっていた事に気が付いた。
そんなアリアをダリウスは髪を優しく撫でた。
「アリー。愛してはいけない、好きになってはいけない理由を探さないでくれ。心配なら1つ1つ解決していこう?」
「解決できない事だってあるの!」
「身分差?だったら私は侯爵家を潰す。年齢差?たった9歳だ。私はアリーに侯爵夫人になって欲しいんじゃない。私の妻になって欲しいんだ。修復の仕事は続けていい。やめる必要なんてない。どうしてもって言うなら宝刀が直るまで妻でいてくれ。修復が終わらないようにするから」
――ナンデスッテ?終わりのない仕事をさせる気?――
つい仕事の事を持ち出されてしまうと表情に出てしまったようで、ダリウスは「困るだろ?」とアリアの頬を指でツンと突いた。
「エストス侯爵家の男はね。生涯に唯1人の相手しか望まないんだ」
「気持ちが冷めたらどうするの」
「温めればいい。でも私がアリーに対するこの気持ちを冷やすことはない。屋敷に来てから1日とて同じアリーはいない。毎日違っていて毎日新鮮で刺激を受けている。もっと熱くなることはあっても冷めることはない」
ダリウスは「それに」と付け加えて恐ろしい事を言った。
「今日の晩餐会。私は王族と高位貴族の前でアリーを愛していると宣言する。爵位だの年齢だの言う奴は国王陛下であっても蹴り飛ばす」
「それが私でも?」
「・・・・・なら口をこうやって塞がないとな」
ダリウスはアリアの後頭部に手を回し、最初は軽めの唇が触れるだけのキス。そして角度を変えて何度も長いキス。顔を離すと、指先でアリアの唇に触れた。
「氷点下侯爵と言われているけど、熱いだろう?」
熱の籠った目で言われたが、アリアはダリウスが今度は何年物の古書からこんな事を知ったのだろう。そんな事を考えてしまったが、色々考えていると百面相をしてしまったのかダリウスはアリアの顔をじっと見て、目じりを下げ微笑んだ。
「こんなにも愛しいアリー。私から離れようなんて考えられないようにせねばな」
「そんなぁ…脅しじゃないの!」
「アリーの不安は取り除くんだから離れる理由なんてないだろう?」
「そんなに私の事が好きなの?」
「あぁ、好きだし、大好きだし…愛している」
「また歯の浮くようなセリフ!!どの本に書いてあったの」
「全部だ。どんな時もチャンスはその時だけと思え、気持ちは言葉と態度にして伝えないといけない、どの本にも書いてあった」
――全部読んだんだ?ってか蔵書であったんだ?――
ここまではっきりと言うなんて思ってもいなかったアリアは「これは諦めるしかない」いや違う「もう一度、今度はダリウスを愛してみよう」そう思った。
ショーンも握ってくれなかった手。
今はかなり改善されたけれど、アリアの部屋にはダリウスが贈ってくれたハンドクリームもある。半分ほど使うと新しいものに交換をされている。
ダリウスは手の事は口にしないけれど、アリアが気にしているのだと思えば黙って良くなるようにと手配をしてくれる。
アリアは手袋を取ると手をダリウスの頬にあてた。
「マッサージしてくれるのか?」
「えぇ。お城に到着するまでだけど」
「アリーの手は気持ちがいい」
「そんな事を言うのはダリウスだけよ」
「当たり前だ。他の男にそんな事は言わせない」
まだ少し荒れているけれど、ダリウスはアリアの指先、手の平、手の甲、手首とキスを落とす。
「今夜は寝かせられそうにない。覚悟しておいてくれ」
「無理。晩餐会なんて初めてだから昨日以上に爆睡しちゃうと思うわ」
「それは困った。では寝顔と寝相を堪能させてもらうかな」
「寝相は余計!!」
アリアはダリウスの頬をキュっと抓った。
「愛だ」
「ダリウス・・・違うわ」
「違わない」
「でもダメなの。身分差だってあるし、年の差だってあるし、ダリウスの隣に立つって事は侯爵家を背負うって事でもあるでしょう?私には無理。教育だって…全然で…」
思っているのと言葉にするのは違う。
アリアは言っていて段々と悲しくなった。
それほどの格差がある事を思い知らされる気がして胸が痛くなる。
何時の間にかアリアもダリウスと結ばれるには差があるのだからと、好きになってしまっている事を言い訳を探して誤魔化してしまっていた事に気が付いた。
そんなアリアをダリウスは髪を優しく撫でた。
「アリー。愛してはいけない、好きになってはいけない理由を探さないでくれ。心配なら1つ1つ解決していこう?」
「解決できない事だってあるの!」
「身分差?だったら私は侯爵家を潰す。年齢差?たった9歳だ。私はアリーに侯爵夫人になって欲しいんじゃない。私の妻になって欲しいんだ。修復の仕事は続けていい。やめる必要なんてない。どうしてもって言うなら宝刀が直るまで妻でいてくれ。修復が終わらないようにするから」
――ナンデスッテ?終わりのない仕事をさせる気?――
つい仕事の事を持ち出されてしまうと表情に出てしまったようで、ダリウスは「困るだろ?」とアリアの頬を指でツンと突いた。
「エストス侯爵家の男はね。生涯に唯1人の相手しか望まないんだ」
「気持ちが冷めたらどうするの」
「温めればいい。でも私がアリーに対するこの気持ちを冷やすことはない。屋敷に来てから1日とて同じアリーはいない。毎日違っていて毎日新鮮で刺激を受けている。もっと熱くなることはあっても冷めることはない」
ダリウスは「それに」と付け加えて恐ろしい事を言った。
「今日の晩餐会。私は王族と高位貴族の前でアリーを愛していると宣言する。爵位だの年齢だの言う奴は国王陛下であっても蹴り飛ばす」
「それが私でも?」
「・・・・・なら口をこうやって塞がないとな」
ダリウスはアリアの後頭部に手を回し、最初は軽めの唇が触れるだけのキス。そして角度を変えて何度も長いキス。顔を離すと、指先でアリアの唇に触れた。
「氷点下侯爵と言われているけど、熱いだろう?」
熱の籠った目で言われたが、アリアはダリウスが今度は何年物の古書からこんな事を知ったのだろう。そんな事を考えてしまったが、色々考えていると百面相をしてしまったのかダリウスはアリアの顔をじっと見て、目じりを下げ微笑んだ。
「こんなにも愛しいアリー。私から離れようなんて考えられないようにせねばな」
「そんなぁ…脅しじゃないの!」
「アリーの不安は取り除くんだから離れる理由なんてないだろう?」
「そんなに私の事が好きなの?」
「あぁ、好きだし、大好きだし…愛している」
「また歯の浮くようなセリフ!!どの本に書いてあったの」
「全部だ。どんな時もチャンスはその時だけと思え、気持ちは言葉と態度にして伝えないといけない、どの本にも書いてあった」
――全部読んだんだ?ってか蔵書であったんだ?――
ここまではっきりと言うなんて思ってもいなかったアリアは「これは諦めるしかない」いや違う「もう一度、今度はダリウスを愛してみよう」そう思った。
ショーンも握ってくれなかった手。
今はかなり改善されたけれど、アリアの部屋にはダリウスが贈ってくれたハンドクリームもある。半分ほど使うと新しいものに交換をされている。
ダリウスは手の事は口にしないけれど、アリアが気にしているのだと思えば黙って良くなるようにと手配をしてくれる。
アリアは手袋を取ると手をダリウスの頬にあてた。
「マッサージしてくれるのか?」
「えぇ。お城に到着するまでだけど」
「アリーの手は気持ちがいい」
「そんな事を言うのはダリウスだけよ」
「当たり前だ。他の男にそんな事は言わせない」
まだ少し荒れているけれど、ダリウスはアリアの指先、手の平、手の甲、手首とキスを落とす。
「今夜は寝かせられそうにない。覚悟しておいてくれ」
「無理。晩餐会なんて初めてだから昨日以上に爆睡しちゃうと思うわ」
「それは困った。では寝顔と寝相を堪能させてもらうかな」
「寝相は余計!!」
アリアはダリウスの頬をキュっと抓った。
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