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第24話 人が消えた街
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王家とオーブルストン公爵家に対して他の高位貴族の話し合いが頓挫し、1か月後。遂に王都で隣国に蔓延し何万人も死者を出した感染症の患者が出た。
しかも1人、2人ではなく同じ症状を訴えて医師に診察をしてもらった中堅どころの伯爵家の当主夫妻とその子供、そして数人の使用人。
隣国には出向いていないが、1か月前、最初に患者が確認された伯爵領の領主でもある。一家で使用人を連れて出向いていた時に感染したと考えられる。潜伏期間の間が移動だったのだろう。王都に到着する数日前に発熱し、一行は急いで王都に戻ったのだ。
王都に戻って発症した者は感染したことに気が付かずに熱っぽいと思いながらもいつも通り過ごしたため、領地には出向かなかった使用人、そして伯爵家に日用品や野菜などをの納品している業者も同じ症状を訴えてきた。
最悪なのは、仕事を休めないのは市井で暮らす平民なら当たり前のことで、納入業者は感染し微熱であったり完全に発熱をしていても無理を押して各家を回ったので18の家で使用人が発熱をしたと報告も齎された。
王都の街からはあっという間に人が消えた。
買い物に行こうと歩いていたら石礫や鍋などが飛んでくる。外出をする者は病原菌、そんな扱いになってしまった。
この時に備えて食料を備蓄した高位貴族やその傘下にある貴族からは感染者は出ていない。
使用人たちも衛生観念を徹底させ、場合によっては家族も一時屋敷の使用人部屋に住まわせたりと対応を取ったためである。
後手に回った貴族や隣国で感染症が流行っている事を知らされていなかった市井の民の感染者は熱に浮かされ、なけなしの金を握り医師の元を訪ねるが扉は固く閉ざされていて中に入れても貰えない。
あの医院は診察してくれると聞いた民衆で医院の回りは患者だらけ。診察を受けても薬はない。体力のない者から天に召されて行く。
オーブルストン公爵家では食料の備蓄もしておらず、日々の食事が彩を失ったことに夫人が癇癪を起していたが、通いの使用人たちは感染者が出たとの一報が報じられて何の対策も取らない公爵家には来なくなった。
住み込みだった使用人も1人、2人と夜になると屋敷を抜け出して消えていく。
更に人数が減って清掃も洗濯も食事の用意も滞り始めた。
住み込みの使用人で全てを回しているが、納品に毎日やって来ていた商会も来ない。
「誰か!食料を持って来いと伝えてきなさい!」
「ですが…今、街を歩いていると――」
「だから何だというの!私にこんなものを食べろというの!」
ガシャーン!大きな音を立ててメインを盛りつけた皿が床で砕け散る。
そこに空気を読まないカイルもやってきた。
「ワインがない。一昨日頼んでおけと言ったはずだ!それに娼婦も来ないじゃないか。ちゃんと知らせたのか」
使用人は誰一人口を開かなかった。
この状況下で娼婦を招き入れるなんてとんでもない話だ。
ワインが来ないのは業者が来ないからだ。
今がどんな時なのかこの母子は解ってるんだろうかと呆れてしまう。
「誰でもいいから買って来いよ!このボンクラ!」
近くにいたメイドの髪を掴んで、ワインを買いに行かせるとカイルはソファに腰を下ろしてテーブルに置かれた菓子籠を引き寄せたが、中は空っぽ。籠を投げつけた。
「くそっ。苛つくな。女でも抱いてないと苛ついて仕方がない。おい。お前、相手をしろ」
「わ、私ですか?」
「あぁ。お前で我慢してやるよ」
「お断りします!私っ、仕事があるので!」
カイルに相手をしろと言われたメイドは部屋から走って逃げだすと二度と返ってこなかった。
★~★
一方ロッカス伯爵家は隣国の感染症の事は侯爵家にも野菜を納品している業者から知らされて早くから手を打っていた。
食料や医療品など今は備蓄も十分で侯爵家同様に近所で感染者が出たかもしれないという使用人の家族を屋敷に呼び、使用人たちも様子見の期間はあったが感染者はまだ出ていなかった。
しかし、傍観はしていられない。
「脱脂綿を大至急納品出来ませんか」
「脱脂綿ですか…出来なくはないですけどここで作ってはいないので試供品程度になると思います」
「試供品じゃ話にならない!」
「しかし工房は安全が発表されるまで閉鎖したので試供品程度しか作れないんです」
「でしたら在庫の綿花を回してください」
「当家の綿花はなんと申しましょうか。布にするにはランクも落ちる綿花なので‥」
「構いません。布にする訳じゃないです。脱脂綿にするんです。まだ稼働している工房をもつ商会にこちらから話をします。隣国から綿花が入らなくて全然足らないんです」
倉庫にあるストック分の綿花を運んでもらうにも誰が感染者になってるか判らない状況では誰も手伝ってはくれない。仕方なく、倉庫の前にロッカス伯爵家側が荷を出す、出した荷を運んで行ってもらうと接触避けた納品をするしか方法がなくなった。
何年分もあった在庫はあっという間に空になってしまった。
ロッカス伯爵は悩んだ。
エメリーは15年前のような、いや、今はその時以上の力を発揮できる。
このまま在庫だけを吐き出し、抜本的な事は何もしなければ試算で王都の人口の2割は死亡するとまで聞こえてくる噂。
噂なんだと聞き流す事も出来る。
出来るのだが、このままでいいのかと悩んだ。
「あなた…エメリーを呼ぶの?」
「迷っているんだ。エメリーも感染するかもしれない。だが…大事な事を知らされずただ死を待つだけの人が多く出る事が判っていて何もしないなんて…それは人として許される事なんだろうか」
15年前にロッカス伯爵も自分の目で見た。ぱっくりと傷口が開いていたのに突然光に包まれると傷口は跡形も無くなっていた。負傷していた本人もだがロッカス伯爵も驚きすぎて腰が抜けたのだ。
その後、12歳を過ぎたあたりからエメリーは病人やケガ人が使用人の中に居れば魔力を使って治してきた。目の前で骨折して外に骨が飛び出ていたのに一瞬で何事もなかったようになる。神の所業だと思った。
使用人には固く口止めをしてきて、皆が守ってくれた。
今、自分が皆に口止めをした事なのに言い出しっぺの自分が破ってしまってもいいのだろうか。
色んな思いに迷いに迷ってロッカス伯爵はエメリーに手紙を書いた。
人の生死が関わる事。王家や公爵家にバレてしまう事は仕方がないと諦めて魔導師の元に行き、魔鳩でエメリーに手紙を送ってくれと頼んだのだった。
が、暢気な人は何処にでもる。
「あれぇ?!不織布つくる綿花まで出しちゃだめじゃーん!!(じゃーん、じゃーん)」
エメリーの兄、シュライクの叫び声が空っぽになった倉庫に反響していた。
しかも1人、2人ではなく同じ症状を訴えて医師に診察をしてもらった中堅どころの伯爵家の当主夫妻とその子供、そして数人の使用人。
隣国には出向いていないが、1か月前、最初に患者が確認された伯爵領の領主でもある。一家で使用人を連れて出向いていた時に感染したと考えられる。潜伏期間の間が移動だったのだろう。王都に到着する数日前に発熱し、一行は急いで王都に戻ったのだ。
王都に戻って発症した者は感染したことに気が付かずに熱っぽいと思いながらもいつも通り過ごしたため、領地には出向かなかった使用人、そして伯爵家に日用品や野菜などをの納品している業者も同じ症状を訴えてきた。
最悪なのは、仕事を休めないのは市井で暮らす平民なら当たり前のことで、納入業者は感染し微熱であったり完全に発熱をしていても無理を押して各家を回ったので18の家で使用人が発熱をしたと報告も齎された。
王都の街からはあっという間に人が消えた。
買い物に行こうと歩いていたら石礫や鍋などが飛んでくる。外出をする者は病原菌、そんな扱いになってしまった。
この時に備えて食料を備蓄した高位貴族やその傘下にある貴族からは感染者は出ていない。
使用人たちも衛生観念を徹底させ、場合によっては家族も一時屋敷の使用人部屋に住まわせたりと対応を取ったためである。
後手に回った貴族や隣国で感染症が流行っている事を知らされていなかった市井の民の感染者は熱に浮かされ、なけなしの金を握り医師の元を訪ねるが扉は固く閉ざされていて中に入れても貰えない。
あの医院は診察してくれると聞いた民衆で医院の回りは患者だらけ。診察を受けても薬はない。体力のない者から天に召されて行く。
オーブルストン公爵家では食料の備蓄もしておらず、日々の食事が彩を失ったことに夫人が癇癪を起していたが、通いの使用人たちは感染者が出たとの一報が報じられて何の対策も取らない公爵家には来なくなった。
住み込みだった使用人も1人、2人と夜になると屋敷を抜け出して消えていく。
更に人数が減って清掃も洗濯も食事の用意も滞り始めた。
住み込みの使用人で全てを回しているが、納品に毎日やって来ていた商会も来ない。
「誰か!食料を持って来いと伝えてきなさい!」
「ですが…今、街を歩いていると――」
「だから何だというの!私にこんなものを食べろというの!」
ガシャーン!大きな音を立ててメインを盛りつけた皿が床で砕け散る。
そこに空気を読まないカイルもやってきた。
「ワインがない。一昨日頼んでおけと言ったはずだ!それに娼婦も来ないじゃないか。ちゃんと知らせたのか」
使用人は誰一人口を開かなかった。
この状況下で娼婦を招き入れるなんてとんでもない話だ。
ワインが来ないのは業者が来ないからだ。
今がどんな時なのかこの母子は解ってるんだろうかと呆れてしまう。
「誰でもいいから買って来いよ!このボンクラ!」
近くにいたメイドの髪を掴んで、ワインを買いに行かせるとカイルはソファに腰を下ろしてテーブルに置かれた菓子籠を引き寄せたが、中は空っぽ。籠を投げつけた。
「くそっ。苛つくな。女でも抱いてないと苛ついて仕方がない。おい。お前、相手をしろ」
「わ、私ですか?」
「あぁ。お前で我慢してやるよ」
「お断りします!私っ、仕事があるので!」
カイルに相手をしろと言われたメイドは部屋から走って逃げだすと二度と返ってこなかった。
★~★
一方ロッカス伯爵家は隣国の感染症の事は侯爵家にも野菜を納品している業者から知らされて早くから手を打っていた。
食料や医療品など今は備蓄も十分で侯爵家同様に近所で感染者が出たかもしれないという使用人の家族を屋敷に呼び、使用人たちも様子見の期間はあったが感染者はまだ出ていなかった。
しかし、傍観はしていられない。
「脱脂綿を大至急納品出来ませんか」
「脱脂綿ですか…出来なくはないですけどここで作ってはいないので試供品程度になると思います」
「試供品じゃ話にならない!」
「しかし工房は安全が発表されるまで閉鎖したので試供品程度しか作れないんです」
「でしたら在庫の綿花を回してください」
「当家の綿花はなんと申しましょうか。布にするにはランクも落ちる綿花なので‥」
「構いません。布にする訳じゃないです。脱脂綿にするんです。まだ稼働している工房をもつ商会にこちらから話をします。隣国から綿花が入らなくて全然足らないんです」
倉庫にあるストック分の綿花を運んでもらうにも誰が感染者になってるか判らない状況では誰も手伝ってはくれない。仕方なく、倉庫の前にロッカス伯爵家側が荷を出す、出した荷を運んで行ってもらうと接触避けた納品をするしか方法がなくなった。
何年分もあった在庫はあっという間に空になってしまった。
ロッカス伯爵は悩んだ。
エメリーは15年前のような、いや、今はその時以上の力を発揮できる。
このまま在庫だけを吐き出し、抜本的な事は何もしなければ試算で王都の人口の2割は死亡するとまで聞こえてくる噂。
噂なんだと聞き流す事も出来る。
出来るのだが、このままでいいのかと悩んだ。
「あなた…エメリーを呼ぶの?」
「迷っているんだ。エメリーも感染するかもしれない。だが…大事な事を知らされずただ死を待つだけの人が多く出る事が判っていて何もしないなんて…それは人として許される事なんだろうか」
15年前にロッカス伯爵も自分の目で見た。ぱっくりと傷口が開いていたのに突然光に包まれると傷口は跡形も無くなっていた。負傷していた本人もだがロッカス伯爵も驚きすぎて腰が抜けたのだ。
その後、12歳を過ぎたあたりからエメリーは病人やケガ人が使用人の中に居れば魔力を使って治してきた。目の前で骨折して外に骨が飛び出ていたのに一瞬で何事もなかったようになる。神の所業だと思った。
使用人には固く口止めをしてきて、皆が守ってくれた。
今、自分が皆に口止めをした事なのに言い出しっぺの自分が破ってしまってもいいのだろうか。
色んな思いに迷いに迷ってロッカス伯爵はエメリーに手紙を書いた。
人の生死が関わる事。王家や公爵家にバレてしまう事は仕方がないと諦めて魔導師の元に行き、魔鳩でエメリーに手紙を送ってくれと頼んだのだった。
が、暢気な人は何処にでもる。
「あれぇ?!不織布つくる綿花まで出しちゃだめじゃーん!!(じゃーん、じゃーん)」
エメリーの兄、シュライクの叫び声が空っぽになった倉庫に反響していた。
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