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Prologue
おさかなふたつ
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あの時が1番しあわせな時間だったと思う。
私と君のおさかなふたつが入った、1パックをカゴに入れて
君が好きだと言っていた、手間のかかるじゃがいもとほうれん草のお味噌汁を作って
夜23時にお米が炊けたことを教えてくれる炊飯器のメロディと、仕事終わりの君を待ちわびながらごはんを作るの。
そのメロディと君が軋む玄関の扉を開ける音はしあわせが訪れる音だから好き。
けど、もう聞けない。
あの炊飯器も、
あの部屋も、
君も、
私からなくなっちゃったから。
これから始まる私のもぐもぐノートは、
君と出会って、
君と付き合って、
君とお別れする、
エンディングまでが綴られているノート。
それでも今、このノートを開いちゃうのは
君が好きと言ってくれた
お肉なしの肉じゃがを食べたくなっちゃったから。
あの肉じゃがはちょっと作るのが難しいから
今日もこのノートを開いて
君じゃない人と一緒に食べるの。
君は今、誰とごはんを食べているのかな。
私と君のおさかなふたつが入った、1パックをカゴに入れて
君が好きだと言っていた、手間のかかるじゃがいもとほうれん草のお味噌汁を作って
夜23時にお米が炊けたことを教えてくれる炊飯器のメロディと、仕事終わりの君を待ちわびながらごはんを作るの。
そのメロディと君が軋む玄関の扉を開ける音はしあわせが訪れる音だから好き。
けど、もう聞けない。
あの炊飯器も、
あの部屋も、
君も、
私からなくなっちゃったから。
これから始まる私のもぐもぐノートは、
君と出会って、
君と付き合って、
君とお別れする、
エンディングまでが綴られているノート。
それでも今、このノートを開いちゃうのは
君が好きと言ってくれた
お肉なしの肉じゃがを食べたくなっちゃったから。
あの肉じゃがはちょっと作るのが難しいから
今日もこのノートを開いて
君じゃない人と一緒に食べるの。
君は今、誰とごはんを食べているのかな。
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