エンディングノート

環流 虹向

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BOYFRIEND

つるつる年越

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なんで聞いてこないんだろう…。

いや、自分から言わないとダメなんだろうけど、まだ勇気が出ない。

私は信之の家でお願いされたうどんを湯がきながら信之のお風呂掃除が終わるのを待つ。

昨日の忘年会から1日経って年も明けちゃうのに、こんなモヤモヤが残ったまま新しい1年を始めたくなんかないよな。

…よし、信之がお風呂掃除終えて戻ってきたらちゃんと話そう。

成くんと会うのをやめること、ちゃんと伝えよう。

私はそう心に決めて、ゆで時間2分前にうどんをザルに移してお湯を切り出汁の入った丼茶碗に入れ、エビ天とほうれん草の具を乗せてあのコタツに食事の準備をする。

信之「ごはん作ってくれてありがとう。お風呂お湯張ったから好きな時に入って。」

明人「うん。ありがとう。」

信之はあの日のように私の隣に座ったけど、ごはんを食べるからか体がくっつく距離感には座ってくれない。

信之「明人はどれ派?」

と、普段通りの信之はテレビをつけて番組表を写しながら私に聞いてきた。

明人「…20時台に出るnemuco見たいからその間はジャリ使見たいな。」

信之「俺もその時間に好きなアーティスト出るからちょうどいいね。」

なんで信之はいつも通りずっと優しくしてくれるんだろう。

絶対、嫌じゃん。

よく分からない男が急にこの間彼女になった女に抱きついて、好きとかほざいて…。

…最低だ、私。

自分がされて嫌だったことまんま信之にしてるよ。

成くんと信之がいいって言っても私がよくないって思うよ。

明人「昨日は…、ごめんなさい。」

私はいただきますを言ってうどんを口にしようとした信之に謝る。

信之「ん?何が?」

明人「成紀くんのこと。もう会わないことにした。」

信之「え?なんで?」

明人「…え?だって、彼氏の目の前でもお構いなしに抱きつく男の人と一緒いてほしくないでしょ?」

私がそう言うと信之は自分の手に持っていたうどんと箸をテーブルに置き、唇をひょっとこみたいにして目線を私から外して何かを考える。

私はその顔にまたきと思ってしまったけど、ちゃんと話をしたいからキスはまた後で。

信之「成紀さんが明人のこと好きなのは出会って10分でなんとなく分かったよ。だから距離感近いんだろうなって思ってたし。」

明人「…そっか。」

信之「でも、明人だけじゃなくて叶さんや薫、俺のことも考えて行動出来る良い人だなって俺は思ったから、そういう人とは繋がりを絶ってほしくないと思う。」

明人「…え?でも、抱きついたよ?」

本当にちゃんと考えてるなら彼氏の目の前で抱きついたりしないでしょ。

信之「んー…、まあ許容範囲かな。」

え?そんなことある?

好意見え見えな相手とのハグはアウトだと思うんだけど。

信之「あれ以上のはダメね。」

そう言って信之はその許容範囲の広さに驚いていた私にキスをしてくれた。

信之「これとこの後することは他の人とあんまりしてほしくないかも。」

と、信之は浮気のボーダーラインを教えてくれる。

明人「なんで、『かも』なの?してほしくないって言えばいいのに。」

もっと私のこと絞めてくれていいのに。

なんで信之はそんなに執着を見せてくれないんだろう。

…そういうの寂しいよ。

信之「生きてる限りなにがあるか分からないし、もしそうなった時に明人が自分のことを責めてきつい思いをするのが嫌だなって思うんだ。」

明人「…そんなことしないよ。」

信之「うん。分かった。」

と、信之は優しい笑顔を見せてくれたけど、いつでも自分がいなくなってもいいようにしている信之が嫌で私は笑顔が作れなかった。

やっぱり、このお付き合いってどこかで終わらせないといけないのかな。

けど、私がきと思えた人と付き合いたいし、出来れば結婚して一緒にいたいよ。

信之があの日に教えてくれたことはちゃんと覚えてるから、その気持ちを変えられるようにもう少し側にいさせてね。


…………
朝・なし
昼・梅干しおにぎり2つ お味噌汁
夜・年越しうどん

ひょっとこ信之可愛い。
もっとその顔でいろんな顔みせてね。
おやすみ、信之・明人
…………


環流 虹向/エンディングノート
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