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BOYFRIEND
つうぺあ紙札
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んー…、なかなか見当たらないな。
私は人混みを掻き分けながらすれ違う人とカードを見せ合ったり軽く自己紹介しながらその場を過ごしていると、だんだんと景品が減っていく。
まだ成くんが言ってた3番の景品は残ってるけど、ペアになった人同士で相談して決め合うからいつなくなるか分からない。
私は今MGRにいる雨瑞くんと最近入った通信の高校に通っているというバイトちゃんにお土産を作れるようにペアの人を探していると、肩を叩かれた。
成「順調?」
と、呑気な成くんが私の邪魔をしにきた。
明人「順調なわけないじゃん。見つからないから壇上に上がれないんだよ?」
成「明人はなんのカードなの?」
明人「豚の貯金箱みたいなやつ。」
私は豚の背中にお金が刺さっている絵を見せると、成くんは吹き出し笑いをした。
成「ラッキーピッグって言うの。ドイツで幸運のシンボルなんだ。」
明人「へー…。成くん詳しいんだ?」
成「たまに旅行で行くからね。明人も行く?」
明人「海外は行ったことないな。」
成「そういうことじゃなくて、一緒に行く?」
何言ってんだこいつ。
私は彼氏いるって言ってるのにまだ理解出来ないのかよ。
明人「行くわけないじゃん。彼氏いるんだから。」
成「いなかったら行くの?」
明人「…どっちにしろ仕事で行けない。」
成「俺の奥さんになったら働かないで海外行けちゃうよー。」
明人「なりません。」
成「なんでだよー。」
明人「…こういう話するなら本当に会うのやめるよ?」
成「え、ごめんごめん。冗談です。会ってください。ごはん食べたいです。」
いや、冗談じゃないだろ。
下心丸見えなんだから嫌になるなと思っていると、私は背後から肩を叩かれたので後ろを振り向く。
「あの…、これと一緒ですか?」
と、モデルみたいな綺麗なお姉様が私と同じカードを見せてきた。
明人「…あ、はい!一緒です!」
成「おっ!おめでとう!ハヤセさんと明人がペアだったんだねー。」
成くんとこの女性は仕事仲間らしく、成くんは嬉しそうにして私たちを壇上に上げる。
成「どれにします?」
明人「…あ、あの、3番にしてもいいですか?」
ハヤセ「中身、知ってるんですか?」
明人「天子さんがオススメって教えてくれたんです。」
ハヤセ「おい。天子、それはご法度だろ?」
成「すみませー…ん。じゃあ明人、3番あげるっ。」
と言って成くんは紙袋に入った軽い景品を私に渡して壇上から降り、人混みに逃げてった。
私はその場で中身を開けてみると海鮮と霜降り肉の商品引換券が2枚ずつ入っていた。
明人「あ、いいお魚といいお肉の引換券みたいです。」
私が紙袋に手を突っ込み、ハヤセさんに渡そうとするとハヤセさんは先に壇上から降りていってしまう。
明人「ハヤセさん!待ってください!」
ハヤセ「それで天子とデートでも行ってきて。私はそれ使わなくても食べられるから。」
そう言って颯爽に歩いていき、会場の奥で険しい顔をしている男性の中にハヤセさんが1人入っていくと、一気にその場の雰囲気が和んだのか笑顔が伝染していた。
ああいう人が仕事が出来るって言われるんだろうなぁと私はまた尊敬出来る人を見つけて、待ち合わせした時間よりも少し早めに綺咲さんがいる出入り口の大きい扉前に行くと綺咲さんがいなくなっていた。
ここにずっといるって言ってたのに…、トイレに行っちゃったのかな。
私はその場で綺咲さんのことを待つことにした。
…………
美味しい海鮮と美味しいお肉。
お土産に出来て良かった!
ハヤセさん、ありがとうございます。
…………
環流 虹向/エンディングノート
私は人混みを掻き分けながらすれ違う人とカードを見せ合ったり軽く自己紹介しながらその場を過ごしていると、だんだんと景品が減っていく。
まだ成くんが言ってた3番の景品は残ってるけど、ペアになった人同士で相談して決め合うからいつなくなるか分からない。
私は今MGRにいる雨瑞くんと最近入った通信の高校に通っているというバイトちゃんにお土産を作れるようにペアの人を探していると、肩を叩かれた。
成「順調?」
と、呑気な成くんが私の邪魔をしにきた。
明人「順調なわけないじゃん。見つからないから壇上に上がれないんだよ?」
成「明人はなんのカードなの?」
明人「豚の貯金箱みたいなやつ。」
私は豚の背中にお金が刺さっている絵を見せると、成くんは吹き出し笑いをした。
成「ラッキーピッグって言うの。ドイツで幸運のシンボルなんだ。」
明人「へー…。成くん詳しいんだ?」
成「たまに旅行で行くからね。明人も行く?」
明人「海外は行ったことないな。」
成「そういうことじゃなくて、一緒に行く?」
何言ってんだこいつ。
私は彼氏いるって言ってるのにまだ理解出来ないのかよ。
明人「行くわけないじゃん。彼氏いるんだから。」
成「いなかったら行くの?」
明人「…どっちにしろ仕事で行けない。」
成「俺の奥さんになったら働かないで海外行けちゃうよー。」
明人「なりません。」
成「なんでだよー。」
明人「…こういう話するなら本当に会うのやめるよ?」
成「え、ごめんごめん。冗談です。会ってください。ごはん食べたいです。」
いや、冗談じゃないだろ。
下心丸見えなんだから嫌になるなと思っていると、私は背後から肩を叩かれたので後ろを振り向く。
「あの…、これと一緒ですか?」
と、モデルみたいな綺麗なお姉様が私と同じカードを見せてきた。
明人「…あ、はい!一緒です!」
成「おっ!おめでとう!ハヤセさんと明人がペアだったんだねー。」
成くんとこの女性は仕事仲間らしく、成くんは嬉しそうにして私たちを壇上に上げる。
成「どれにします?」
明人「…あ、あの、3番にしてもいいですか?」
ハヤセ「中身、知ってるんですか?」
明人「天子さんがオススメって教えてくれたんです。」
ハヤセ「おい。天子、それはご法度だろ?」
成「すみませー…ん。じゃあ明人、3番あげるっ。」
と言って成くんは紙袋に入った軽い景品を私に渡して壇上から降り、人混みに逃げてった。
私はその場で中身を開けてみると海鮮と霜降り肉の商品引換券が2枚ずつ入っていた。
明人「あ、いいお魚といいお肉の引換券みたいです。」
私が紙袋に手を突っ込み、ハヤセさんに渡そうとするとハヤセさんは先に壇上から降りていってしまう。
明人「ハヤセさん!待ってください!」
ハヤセ「それで天子とデートでも行ってきて。私はそれ使わなくても食べられるから。」
そう言って颯爽に歩いていき、会場の奥で険しい顔をしている男性の中にハヤセさんが1人入っていくと、一気にその場の雰囲気が和んだのか笑顔が伝染していた。
ああいう人が仕事が出来るって言われるんだろうなぁと私はまた尊敬出来る人を見つけて、待ち合わせした時間よりも少し早めに綺咲さんがいる出入り口の大きい扉前に行くと綺咲さんがいなくなっていた。
ここにずっといるって言ってたのに…、トイレに行っちゃったのかな。
私はその場で綺咲さんのことを待つことにした。
…………
美味しい海鮮と美味しいお肉。
お土産に出来て良かった!
ハヤセさん、ありがとうございます。
…………
環流 虹向/エンディングノート
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