絶対的支配者である暴虐王太子の義弟は愛玩の檻の中

椎葉たき

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◆2.褥教育 (3)◆

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 逃さないとばかりに腹周りを抱えられていた腕が移動し、凹んだ白い腹を撫でられ擽ったくてピクッと震える。

「ちゃんと食べていないじゃないか。だから見窄らしい体なんだ」
「あふっ……ごめん、なさいっ」

 片手で乳首を苛められ、片手で腹を擽られ、尻の薄い肉に割って入り後孔の入り口に布越しの怒張を押し当てられて、全身あちこち責められる。まだ誰にも触れられたことのない処女しいペニスが充血し、痛いくらいに張り詰める。余裕のないフェレルは顔を真っ赤に染めグズグズと泣きながら身悶えた。

「新しく朝食を用意させよう。沢山食べなさい」
「んっ、は、い……」

 フェレルの前に温かい食事が沢山用意された。「食べなさい」と命令されたのだから、スプーンを手に取るも、責められ続けて手に力が入らずぷるぷると震える。なんとかポタージュを一匙飲んだ。

「早く食べないと冷めてしまうよ」
「ひゃいっ!」

 王太子の前で粗相をしないようにと、教師たちから教えられたテーブルマナーに従い、絶えず与えられる快感に震える手でカトラリーを操る。

 焼き立てのパンはふかふかで、ポタージュは濃厚、サラダは瑞々しく、トロリとしたスクランブルエッグに、高価で香り高い胡椒が使われた分厚いベーコンステーキ、黄金に匹敵する白砂糖がたっぷり使われたフルーツケーキ。
 王太子宮のテーブルに並ぶのに相応しく作られた食事は、どれも上質な高級食材で美味しいはずなのに、全く味がしない。口に収めるだけで必死だった。

「美味しいかな?」
「お、いしい、です」
「どれが一番良かった?」
「ベーコン……? ひゃあっ!」
「嘘は良くないな。淫乱なフェレルは乳首が一番イイだろう?」
「やぁ……!」
「こんなに硬くしてよがっているのに、なにが嫌なのだ?」
「ご、めん、なさい!」
「正直に言ってごらん?」
「んはっ、あい! ち、くび、気持ちイイ、ですっ、ひぅっ」
「冗談だ。フェレルはベーコンが好きなんだね?」
「あひっ、はい」

 楽しそうにコロコロ笑うヴァルグードだけど、その手を止めて許してはくれなかった。グリグリと弄られ、押しつぶされて転がされ、抓られ引っ張られて、爪で引っ掻かれる。ずっと弄られ過ぎて、ぷっくりと腫れて熟れたサクランボみたいに赤く色づいていた。

 ――うう、ジンジンして……取れちゃいそう。

 痛みなのか快感なのかわからない。

 止めてなんて、王太子のすることを遮る権利はフェレルにはない。食事も痛みも快感も、与えられるものを有り難く甘受しなければならなかった。

「フェレルはこのベーコンが好きか。なら、これを作った精肉屋を買ってやろう。ついでに、肉を育てる牧場も付けよう」
「そんな……」
「フェレルは、謙虚でいじらしい。遠慮するな。フェレルにはオーナーなんて出来ないから、義兄さんが面倒をみてやろう。安心してベーコンを食べなさい」
「ありがとうございます……?」

 なにがなんだかわからないが、安易に好きだと言ったら、とんでもないものを貰ってしまった気がした。

「全部食べなさい」
「全部……?」

 それぞれの皿には三人前はありそうな量が乗っていて、種類も多い。少食なフェレルは、唖然と食卓を眺めた。

「フェレルの為に用意させたのだ。義兄さんが毎日食べさせてやれればいいけれど、忙しくて食事に呼んでやれないときもあるだろう? 晩餐は国王と共にしなければならないから、卑しいお前は呼べない。食べられるときに食べておきなさい」

「ありがとうございます、義兄上」

 フェレルのために食事は用意されない。

 家畜である平民の子供でも働いているのに、フェレルは王宮にいて、なにもできない、なにもしない。フェレルの血に豊穣の加護があり、フェレルが生きているおかげで国は毎年実り豊かなのだが、本人には教えられていなかった。役立たずの極潰しだと罵られるそれを真に受け、自分のために用意される食べ物なんてないのを当たり前として生きてきた。

 ヴァルグードが食事に呼んでくれなければ、とっくに餓死している。

 それが、フェレルの成長を妨げるため、フェレルに抵抗したり逃げ出したりする体力をつけさせないために、ヴァルグードの命令で意図的に食事を抜かれているとは知らず、義兄が食事をくれるのはフェレルを大切に思ってくれている愛だと信じた。

 いつも優しく甘やかしてくれるヴァルグードに、体も心も、抵抗する気も、逃げ出す気も起こさせまいと、徹底的に尊厳を踏みにじられ、躾けられているなんて、夢にも思わない。

 いつでも食べられる立場にないフェレルは、沢山食べさせようとしてくれる義兄の思いやりに、じわりと心が暖かくなる。
 物心つく前から従順になるよう躾けられ、義兄の命令に素直に従った。
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