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21 クラーク
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「卒業しても、ふたりの愛は変わらないわ」
そんな綺麗事を言ったシーナは、直ぐに連絡をくれなくなった。
はっきり言葉にして、別れを告げられたのでは無いが、この状況はそういうことなんだろうな、と大人ぶってクールな男を気取っていたクラークは、自分からは連絡しなかった。
シーナ目当てで入部したボランティア部で、次の彼女を作ろうと思った。
ボランティア部は部内の恋愛発展件数が他の部に比べて格段に多いので、密かに恋愛部と揶揄されていた。
最初からシーナやシェリー・オドネルのように、それが目的で入部した女生徒も多いから、焦らなくても次は直ぐに見つかると思っていた。
そんなクソみたいな別名で嗤われている部内にも、全く恋愛に関わろうとしない奴等も居て。
医療科のリデル・カーターもそんな1人で、真面目に活動に精を出していた。
リデルはこの国では珍しい黒髪の持ち主で。
一見地味だが良く見ると、その肌は透き通るように白く、目鼻立ちも派手ではないが整っていて。
これは学生時代はシーナみたいに目立たなくても、大人になればしっとりした色気が出る女だと思った。
最初はそんな風に、自分だけがその魅力に気が付いたのは、他の奴等とは経験値が違うからな、としたり顔でリデルを分析して。
こんな女なら、俺は好きに出来るだろうと思い。
簡単に落とせると信じて。
絶対に俺を好きにさせると決心した。
……リデルとなら、俺も綺麗な大人になれる、と思ってたのに。
どこで、俺は彼女をあきらめたんだろう。
◇◇◇
リデル・カーターと別れたので、シーナ・ワトリーと結婚するつもりだ、と夕食の席で話すと。
クラーク以外の家族3人の手が止まった。
ダイニングテーブルを挟んで斜め前に座る母は口元を押さえ、向かい側の妹フローもカトラリーを手にしたまま兄の顔を凝視している。
そして隣に座る父は。
普段なら、クラークが何をしようと、何を話そうと。
母とは違って、息子にうるさく干渉しない父が立ち上がって、彼の襟を掴み、持ち上げるようにして立たせた。
父はクラークよりも頭ひとつ身長が高く、若い頃は現場で働いていた事もあって、力自慢で腕も太い。
「おい、今のは俺の聞き違いか?」
「え……」
成り上がりだと陰口を叩かれる事も多いが、イングラムでは1番と言われるまでにライナー商会を大きくしてきた父は見た目が厳つい事を気にして、人前では絶対に荒い声をあげない。
それは家族に対してもそうで、クラークはそれを有り難く思っていたが、妹はそうとは受け取らず、
「父さんは商売にしか興味が無くて、家族なんかどうでもいいからよ」と冷めたように言っている。
そんな家族に興味の無いはずの父の声は低く、向けられる圧がすごくて。
ただそれだけで、実は小心者のクラークは震えが来てしまう。
「答えろ、カーターの娘と別れたのは、本当か」
「あ、ああ……今日……リデルを呼び出して……言ってやりました……」
言葉を続けるにしたがって、父の圧と襟元を締める力は強くなり、大きく身体を揺さぶられたが、母はそれを見ても止めてくれない。
「どうしてそんな事をした?」
「だっ、だからシーナと……」
「は、シーナ・ワトリーか。
お前はあんな女を選んで、カーターの娘と別れたんだな?」
改めて確認されたクラークがかくかくと何度も頷くと、父は舌打ちをして、手を離した。
「もう少し、お前は頭が回る奴だと思っていたが。
フローに婿を取ってもいいな」
まるで落とされるように襟から手を外されて。
堪らず床に座り込んだクラークに、父は目もくれずに、それを捨て台詞にしてダイニングルームを出ていく。
父はリデルの事をカーターの娘、と2回繰り返した。
それがさも、重要な事であるかのように。
そしてそれが、クラークを不安にさせた。
デイヴ・カーターの娘であるリデルと別れた事は、こんなに父の怒りを買い、失望させることなのか?
そう考え項垂れるクラークに、呆れた様子の母が声を掛けた。
「お父様は貴方とリデルの結婚で本邸の治療士の父親と親戚になって、騎士団の仕事を貰おうとしてたのよ。
そしてそれを足掛かりにして、行く行くは貴方の代には本邸御用達の看板もあり得るだろう、と考えていらっしゃったのに」
少し前まで母は父の事を『父さん』と言っていたのに、いつの間にか『お父様』と呼ぶようになり、お上品ぶるようになった。
それはもしかしたら、クラークがリデルと交際を始めた半年前くらいからだったかもしれない。
父と共に、ご領主様御用達の夢が現実に近付いた、と思っていたからだったのか。
そんな事は聞いていない。
教えてくれていたら。
ただ父は母から聞いたのか、リデルと会う前日はクラークの部屋まで来て、
「足りているか」と、小遣いを渡してくれていた。
今から考えると、それは充分に金を使いリデルを楽しませろ、という事だったんだろう。
だが父には言わなかったが、リデルはデートをしてもクラークに奢られることを良しとせず、自分の分は自分で払いたがるお堅いところがあったので、それも可愛げない、とクラークには思えていた。
そんな事は聞いてない、教えてくれていたら、と両親を恨めしく思い、臍を噛むクラークに、フローが止めを刺した。
「あーあ、リデルさんにお嫁に来て欲しかったなぁ。
家族に看護士が居るなんて、便利だったのに。
それに誰とでも寝るシーナと結婚したら、ライナーの色を持たない子供が生まれる可能性は高いよね」
母も妹も、クラークを残して出ていった。
クラークは立ち上がり、父の書斎を訪れた。
覚悟はしていたが、意外にも追い返されなかった。
黙って煙草を燻らせ、息子が何を言いに来たのか、父は待っている。
緊張を解すため、クラークは、大きく息を吸い込み吐いた。
「父さんの期待に、応えます。
必ず、リデルを取り戻します」
そんな綺麗事を言ったシーナは、直ぐに連絡をくれなくなった。
はっきり言葉にして、別れを告げられたのでは無いが、この状況はそういうことなんだろうな、と大人ぶってクールな男を気取っていたクラークは、自分からは連絡しなかった。
シーナ目当てで入部したボランティア部で、次の彼女を作ろうと思った。
ボランティア部は部内の恋愛発展件数が他の部に比べて格段に多いので、密かに恋愛部と揶揄されていた。
最初からシーナやシェリー・オドネルのように、それが目的で入部した女生徒も多いから、焦らなくても次は直ぐに見つかると思っていた。
そんなクソみたいな別名で嗤われている部内にも、全く恋愛に関わろうとしない奴等も居て。
医療科のリデル・カーターもそんな1人で、真面目に活動に精を出していた。
リデルはこの国では珍しい黒髪の持ち主で。
一見地味だが良く見ると、その肌は透き通るように白く、目鼻立ちも派手ではないが整っていて。
これは学生時代はシーナみたいに目立たなくても、大人になればしっとりした色気が出る女だと思った。
最初はそんな風に、自分だけがその魅力に気が付いたのは、他の奴等とは経験値が違うからな、としたり顔でリデルを分析して。
こんな女なら、俺は好きに出来るだろうと思い。
簡単に落とせると信じて。
絶対に俺を好きにさせると決心した。
……リデルとなら、俺も綺麗な大人になれる、と思ってたのに。
どこで、俺は彼女をあきらめたんだろう。
◇◇◇
リデル・カーターと別れたので、シーナ・ワトリーと結婚するつもりだ、と夕食の席で話すと。
クラーク以外の家族3人の手が止まった。
ダイニングテーブルを挟んで斜め前に座る母は口元を押さえ、向かい側の妹フローもカトラリーを手にしたまま兄の顔を凝視している。
そして隣に座る父は。
普段なら、クラークが何をしようと、何を話そうと。
母とは違って、息子にうるさく干渉しない父が立ち上がって、彼の襟を掴み、持ち上げるようにして立たせた。
父はクラークよりも頭ひとつ身長が高く、若い頃は現場で働いていた事もあって、力自慢で腕も太い。
「おい、今のは俺の聞き違いか?」
「え……」
成り上がりだと陰口を叩かれる事も多いが、イングラムでは1番と言われるまでにライナー商会を大きくしてきた父は見た目が厳つい事を気にして、人前では絶対に荒い声をあげない。
それは家族に対してもそうで、クラークはそれを有り難く思っていたが、妹はそうとは受け取らず、
「父さんは商売にしか興味が無くて、家族なんかどうでもいいからよ」と冷めたように言っている。
そんな家族に興味の無いはずの父の声は低く、向けられる圧がすごくて。
ただそれだけで、実は小心者のクラークは震えが来てしまう。
「答えろ、カーターの娘と別れたのは、本当か」
「あ、ああ……今日……リデルを呼び出して……言ってやりました……」
言葉を続けるにしたがって、父の圧と襟元を締める力は強くなり、大きく身体を揺さぶられたが、母はそれを見ても止めてくれない。
「どうしてそんな事をした?」
「だっ、だからシーナと……」
「は、シーナ・ワトリーか。
お前はあんな女を選んで、カーターの娘と別れたんだな?」
改めて確認されたクラークがかくかくと何度も頷くと、父は舌打ちをして、手を離した。
「もう少し、お前は頭が回る奴だと思っていたが。
フローに婿を取ってもいいな」
まるで落とされるように襟から手を外されて。
堪らず床に座り込んだクラークに、父は目もくれずに、それを捨て台詞にしてダイニングルームを出ていく。
父はリデルの事をカーターの娘、と2回繰り返した。
それがさも、重要な事であるかのように。
そしてそれが、クラークを不安にさせた。
デイヴ・カーターの娘であるリデルと別れた事は、こんなに父の怒りを買い、失望させることなのか?
そう考え項垂れるクラークに、呆れた様子の母が声を掛けた。
「お父様は貴方とリデルの結婚で本邸の治療士の父親と親戚になって、騎士団の仕事を貰おうとしてたのよ。
そしてそれを足掛かりにして、行く行くは貴方の代には本邸御用達の看板もあり得るだろう、と考えていらっしゃったのに」
少し前まで母は父の事を『父さん』と言っていたのに、いつの間にか『お父様』と呼ぶようになり、お上品ぶるようになった。
それはもしかしたら、クラークがリデルと交際を始めた半年前くらいからだったかもしれない。
父と共に、ご領主様御用達の夢が現実に近付いた、と思っていたからだったのか。
そんな事は聞いていない。
教えてくれていたら。
ただ父は母から聞いたのか、リデルと会う前日はクラークの部屋まで来て、
「足りているか」と、小遣いを渡してくれていた。
今から考えると、それは充分に金を使いリデルを楽しませろ、という事だったんだろう。
だが父には言わなかったが、リデルはデートをしてもクラークに奢られることを良しとせず、自分の分は自分で払いたがるお堅いところがあったので、それも可愛げない、とクラークには思えていた。
そんな事は聞いてない、教えてくれていたら、と両親を恨めしく思い、臍を噛むクラークに、フローが止めを刺した。
「あーあ、リデルさんにお嫁に来て欲しかったなぁ。
家族に看護士が居るなんて、便利だったのに。
それに誰とでも寝るシーナと結婚したら、ライナーの色を持たない子供が生まれる可能性は高いよね」
母も妹も、クラークを残して出ていった。
クラークは立ち上がり、父の書斎を訪れた。
覚悟はしていたが、意外にも追い返されなかった。
黙って煙草を燻らせ、息子が何を言いに来たのか、父は待っている。
緊張を解すため、クラークは、大きく息を吸い込み吐いた。
「父さんの期待に、応えます。
必ず、リデルを取り戻します」
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