【完結】俺はずっと片想いを続けるだけ

Mimi

文字の大きさ
9 / 23

天使と歩んで行く ~クリストファー~

しおりを挟む
愛する天使、愛する妻からの
いつの誕生日のものか判らないバースデープレゼント。
恥ずかしかったけれど、俺の心と手は震えてしまった。

グレイスがくれた初めてのバースデープレゼント。

この喜びを見た神が今こそと、お迎えに来られても。
俺は喜びを隠さない。

「す、凄く嬉しいよ!
 ここで開けて見ても?」

『勿論です、喜んで貰えて嬉しいです。』と。
微笑むグレイスは、やっぱりベスト・オブ・エンジェルス!

先程まで男が座っていたベンチに、グレイスをエスコートした。

真っ赤なリボンをほどいて、箱を開けてみる。
中身と、どうしてそれを選んだのかの理由を顔を赤らめて
説明するグレイスに、俺は自ら昇天しそうになった。

「去年の貴方のお誕生日は婚約前だったからお祝い出来なくて。
 今日はこちらで、ふたりきりで過ごせるから、
 去年の分をお渡ししたかったのです。」

あぁ、もうそれ以上、俺を喜ばせないで。
俺へのお迎えの足音が近づくから。
今年の分だと、前渡しにしてもいいのに。
俺を知る前の、去年の分をプレゼントしてくれるの?

「それより、クリストファーに謝りたい事があります。」

「え、なになに?」

今の俺は何でも受け入れられるよ。

「お腹が空き過ぎて、お先にひとりで食べてしまいました。」

だろうね、空腹なのはわかっていたよ。

「何を食べたの?」

あれと、これと、と指折りしながら教えてくれるが片手の指は
全部折れてしまい、まさか両手でいくのか!と
今更なグレイスの食べっぷりに身構えたが、
結局片手で終わった。

5本の指で数えられたメニューはどれも店頭で立ち食い
出来るもので、
彼女の実力からしたら、大したものじゃない。
俺とのディナーに影響はない。

「お誕生日じゃない、誕生日ディナー
 これから予約していいかな?」

グレイスは胃の辺りを押さえて了承した。
出陣可能みたいだ。

日が暮れかけて、若干風も強くなった。
潮風がグレイスの金髪を乱した。


ディナーの後、カリーナおすすめの夜の海を見た。
月の光か、夜光虫の輝きか。
海は静かで波音が繰り返し繰り返し…

『朝早くの海も見てみたいです』と、
グレイスが言った。



その夜、スケスケをグレイスは着てくれた。
感動して、また俺は口を押さえた。
最上階から下の階に、俺の叫びを響かせる訳にはいかない。

気がついて、慌ててグレイスに説明する。
これはディナーを戻す前兆ではないと。

そして。
今宵、ゴールこそは決められなかったけれど。
前より3歩は進めた気がする。


ただ寄り添って。
ふたりで朝を迎えて。
明日の午後、王都に戻ったら。

狭くても良かったら。
俺の寝室で毎晩寝ませんか? と
尋ねよう。


明日の朝、ふたりで波打ち際を散歩する。

その時に。


 
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

新婚初夜に『白い結婚にしてほしい』と言われたので論理的に詰めたら夫が泣きました

ささい
恋愛
「愛人がいるから、白い結婚にしてほしい」 政略結婚の初夜にそう告げた夫ルーファス。 妻カレンの反応は—— 「それ、契約不履行ですよね?」 「あなたの感情論、論理的に破綻してますよ?」 泣き落としは通じない。 そして初夜の翌朝、夫は泣いていた。 逃げ道は全部塞がれ、気づけば毎日論破されていた。 これは、論破され続けた夫がなぜか幸せになる話。

居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤

しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。 父親は怒り、修道院に入れようとする。 そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。 学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。 ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。

十年越しの幼馴染は今や冷徹な国王でした

柴田はつみ
恋愛
侯爵令嬢エラナは、父親の命令で突然、10歳年上の国王アレンと結婚することに。 幼馴染みだったものの、年の差と疎遠だった期間のせいですっかり他人行儀な二人の新婚生活は、どこかギクシャクしていました。エラナは国王の冷たい態度に心を閉ざし、離婚を決意します。 そんなある日、国王と聖女マリアが親密に話している姿を頻繁に目撃したエラナは、二人の関係を不審に思い始めます。 護衛騎士レオナルドの協力を得て真相を突き止めることにしますが、逆に国王からはレオナルドとの仲を疑われてしまい、事態は思わぬ方向に進んでいきます。

不遇な令嬢は次期組長の秘めたる溺愛に絡め取られる。

翼 うみ
恋愛
父の会社を立て直す交換条件のため、ほぼ家族に身売りされた形で関東最大級の極道・桜花組の次期組長に嫁入りしたジェシカ。しかし母を亡くして以降、義母と義妹に虐げられていたジェシカは実家を出られるなら、と前向きだった。夫となる和仁には「君を愛することはない」と冷たく突き放される。それでもジェシカは傷つくことはなく、自分にできることを探して楽しんでいた。 和仁には辛い過去がありそれ故に誰のことも愛さないと決めていたが、純真で健気なジェシカに段々と惹かれてゆき――。 政略結婚から始まる溺愛シンデレラストーリー。

後妻の条件を出したら……

しゃーりん
恋愛
妻と離婚した伯爵令息アークライトは、友人に聞かれて自分が後妻に望む条件をいくつか挙げた。 格上の貴族から厄介な女性を押しつけられることを危惧し、友人の勧めで伯爵令嬢マデリーンと結婚することになった。 だがこのマデリーン、アークライトの出した条件にそれほどズレてはいないが、貴族令嬢としての教育を受けていないという驚きの事実が発覚したのだ。 しかし、明るく真面目なマデリーンをアークライトはすぐに好きになるというお話です。

「美しい女性(ヒト)、貴女は一体、誰なのですか?」・・・って、オメエの嫁だよ

猫枕
恋愛
家の事情で12才でウェスペル家に嫁いだイリス。 当時20才だった旦那ラドヤードは子供のイリスをまったく相手にせず、田舎の領地に閉じ込めてしまった。 それから4年、イリスの実家ルーチェンス家はウェスペル家への借金を返済し、負い目のなくなったイリスは婚姻の無効を訴える準備を着々と整えていた。 そんなある日、領地に視察にやってきた形だけの夫ラドヤードとばったり出くわしてしまう。 美しく成長した妻を目にしたラドヤードは一目でイリスに恋をする。 「美しいひとよ、貴女は一体誰なのですか?」 『・・・・オメエの嫁だよ』 執着されたらかなわんと、逃げるイリスの運命は?

女王は若き美貌の夫に離婚を申し出る

小西あまね
恋愛
「喜べ!やっと離婚できそうだぞ!」「……は?」 政略結婚して9年目、32歳の女王陛下は22歳の王配陛下に笑顔で告げた。 9年前の約束を叶えるために……。 豪胆果断だがどこか天然な女王と、彼女を敬愛してやまない美貌の若き王配のすれ違い離婚騒動。 「月と雪と温泉と ~幼馴染みの天然王子と最強魔術師~」の王子の姉の話ですが、独立した話で、作風も違います。 本作は小説家になろうにも投稿しています。

「一晩一緒に過ごしただけで彼女面とかやめてくれないか」とあなたが言うから

キムラましゅろう
恋愛
長い間片想いをしていた相手、同期のディランが同じ部署の女性に「一晩共にすごしただけで彼女面とかやめてくれないか」と言っているのを聞いてしまったステラ。 「はいぃ勘違いしてごめんなさいぃ!」と思わず心の中で謝るステラ。 何故なら彼女も一週間前にディランと熱い夜をすごした後だったから……。 一話完結の読み切りです。 ご都合主義というか中身はありません。 軽い気持ちでサクッとお読み下さいませ。 誤字脱字、ごめんなさい!←最初に謝っておく。 小説家になろうさんにも時差投稿します。

処理中です...