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第56話
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冷たい雨の匂いと共に。
邸に父と兄と騎士隊の皆が戻ってきました。
全員濡れて泥まみれで、疲れているだろうに両の瞳だけは暗く光っていて。
「ふたりは後で、綺麗になって帰ってくる。
後からアシュフォード殿下が御出になる」
ただそれだけを告げて、父は椅子に倒れ込みました。
祖母が指示していた大量のお湯に、布が浸され、ひとりひとりに手渡され。
父と兄にはお湯に浸かり冷えた身体を温めるようにと、祖母が言ったのですが、父は椅子から立ち上がれず、ただ目元を押さえ嗚咽を漏らすのみでした。
では、せめて兄だけでも、と祖母は言いましたが。
兄も騎士隊員達と同じ様に、お湯で顔を洗い手を温めただけでした。
簡単な食事を勧めても、誰も欲しく無さそうで。
それでも、何か口にして欲しくて、私は母が仕舞っていたチョコレートを一粒ずつ、お疲れ様でした、と言いながら皆に配りました。
『疲れた時には、甘いものを口にするといいんだよ。
元気が出るから』
いつだったか、殿下が教えてくれたから。
温かい飲み物を配って貰おうと思い、部屋を出ると。
廊下では、家令と侍女長と料理長、レニーとロレッタと……
この邸内で働く皆が、全員集まって。
皆が泣いていました。
母と姉は戻っていないのに、皆が泣いていました。
きっと帰ってきたら、もう泣く時間はないから。
今の内に泣けるだけ泣こう、と決めていたように。
私も悲しくて泣いていたのに。
こんなにあの夜の事を、皆の様子を、鮮やかに思い出せるのはどうしてなのでしょう。
悲しくて、申し訳なくて、辛くて、泣いていたのに。
しばらくしたら、兄が場所を作らなきゃ、と言い出しました。
明日はたくさんの人がお別れに来るから何処にしましょうか、御者はどちらに寝かせますか、と兄が父に聞いても、座ったまま動かなくて。
このような父を見たのは初めてで、皆が戸惑っていました。
仕方なく兄と家令と侍女長で、母達は大きな広間に安置したらいい、御者の方は小さい方で、と決めて。
教会には母と姉の葬儀とは別に、小さい方の聖堂で御者の葬儀を翌日に、とのお願いの使いを出して。
花屋には明日早朝にこちらに花を飾って貰うように。
御者の家族は呼んでくれたかな、と家令に確認もして。
先代には既に早馬を飛ばした事も報告を受けて。
兄は父の分も動かないと、と思ったようでした。
「後からアシュフォード殿下が来てくださるからね。
アグネスの事を大層気にしていらしたよ」
「お兄様は会われたのですか?」
「父上が早馬を出して報告してからだから、夜になってからだけど。
馬を飛ばして現場に来て、ふたりを叔父上に預けて見送るまで。
……最後まで付いていてくださった」
「……」
殿下は最後まで、姉の側で付いていてくださったのだ。
長い時間、暗くて寒い森の中で……
それを聞いても、もう嫉妬する事はありません。
姉の側に遅くまで付いていてくださった事に、お礼を言いたいくらいでした。
昨日、温室で。
うつむいた殿下の頭を抱き締めて、その綺麗な金髪を撫でて。
『貴方には悪魔が憑いているのよ。
大丈夫、苦しまなくていい様に私が払ってあげる』
あの時は姉が悪魔だと思っていた、貴方を誘惑する悪魔だと。
でも、殿下を苦しめて、泣かせた本当の悪魔は私だった。
私は左手に巻いていた、あの組み紐をほどきました。
あの夏にいただいて、湯船に浸かる時以外、肌身離さず……
いい加減、くたびれて、端から糸がほどけると、慌てて針で繕って。
握り締めて階段を駆け上がり、部屋に戻り、文箱の中に仕舞いました。
いつか処分しなくてはいけないもの、と心に決めました。
母と姉が叔父の家族と共に、スローンの邸に帰ってきました。
夜遅かったので、6歳の従妹チェルシーは眠そうでした。
「お姉様、会いたかった~」
「こんばんは、チェルシー」
明るく笑ってチェルシーが私に飛び付こうとして、従兄のケネスに止められていました。
「大丈夫?」
全然、大丈夫じゃないけれど。
『大丈夫』そう言うしかなくて。
だから、その後殿下がマーシャル様と邸に来てくださって。
私の前に跪いて手を握ってくれて。
「直ぐに来れなくて、ごめん……」
「……父と兄から聞いていましたから。
姉の側に居てくださっていたんでしょう。
私はここで待っていただけですもの」
「色々調べる事があってね。
今夜は君の側に居たいんだ」
私の側に?
そんなに優しくしないで欲しい。
どうして、組み紐を結んでいるの?
殿下は知らないの、昨夜私が何をしたか。
こんな事になったのは、私のせいなの。
◇◇◇
「びっくりしたよ、あれさ、君。
アシュフォード殿下と、仲いいんだ?」
調理場に行って、お水を貰っていた私の後を追いかけて声をかけてきたのは、従兄のケネスでした。
ケネスは私より3歳年上で、中等部の3年生です。
幼い頃はそれなりに遊んだりはしていましたが、この5年程は彼はうちには遊びに来なくなっていましたし、私達が叔父の邸に行っても、会うこともなかったので、本当に言葉を交わすのは久しぶりでした。
さっき、顔を合わせた時彼の背が高くなっている事、声が低くなっている事、そして今。
お前ではなく、君と呼び掛けられて。
ケネスがすっかり、大人になったのだと思いました。
どう答えていいのか、わからず……黙ったままの私に彼は続けました。
「クラリスとどうとか、噂には聞いてたんだけど。
プレストンも何も言わないしね。
だけど、あれを見たら殿下は君の事が……」
「やめて、そんなんじゃない」
「……」
「私の片想いなの、殿下はお優しいから冷たく出来ないの。
お姉様がお好きだったの!」
ケネスは何も悪くないのに、きつい言い方をしてしまいました。
決まり悪くてだまっていると。
「俺から見たら、違うけどな……、ちゃんと聞いたの?」
いつかのリーエと同じような事を言われましたが、殿下はきっと私にははっきり断らないのは、わかっていましたから。
姉との仲を遠回しに知らせる事が出来たであろう婚約披露の夜会は、もう開かれない。
だから、私にはもう言えない。
「本当はお話するのが怖い。
ふたりきりにならないように、私と殿下の間に入ってくれる?」
私は嫌がるケネスに、そう頼んだのです。
邸に父と兄と騎士隊の皆が戻ってきました。
全員濡れて泥まみれで、疲れているだろうに両の瞳だけは暗く光っていて。
「ふたりは後で、綺麗になって帰ってくる。
後からアシュフォード殿下が御出になる」
ただそれだけを告げて、父は椅子に倒れ込みました。
祖母が指示していた大量のお湯に、布が浸され、ひとりひとりに手渡され。
父と兄にはお湯に浸かり冷えた身体を温めるようにと、祖母が言ったのですが、父は椅子から立ち上がれず、ただ目元を押さえ嗚咽を漏らすのみでした。
では、せめて兄だけでも、と祖母は言いましたが。
兄も騎士隊員達と同じ様に、お湯で顔を洗い手を温めただけでした。
簡単な食事を勧めても、誰も欲しく無さそうで。
それでも、何か口にして欲しくて、私は母が仕舞っていたチョコレートを一粒ずつ、お疲れ様でした、と言いながら皆に配りました。
『疲れた時には、甘いものを口にするといいんだよ。
元気が出るから』
いつだったか、殿下が教えてくれたから。
温かい飲み物を配って貰おうと思い、部屋を出ると。
廊下では、家令と侍女長と料理長、レニーとロレッタと……
この邸内で働く皆が、全員集まって。
皆が泣いていました。
母と姉は戻っていないのに、皆が泣いていました。
きっと帰ってきたら、もう泣く時間はないから。
今の内に泣けるだけ泣こう、と決めていたように。
私も悲しくて泣いていたのに。
こんなにあの夜の事を、皆の様子を、鮮やかに思い出せるのはどうしてなのでしょう。
悲しくて、申し訳なくて、辛くて、泣いていたのに。
しばらくしたら、兄が場所を作らなきゃ、と言い出しました。
明日はたくさんの人がお別れに来るから何処にしましょうか、御者はどちらに寝かせますか、と兄が父に聞いても、座ったまま動かなくて。
このような父を見たのは初めてで、皆が戸惑っていました。
仕方なく兄と家令と侍女長で、母達は大きな広間に安置したらいい、御者の方は小さい方で、と決めて。
教会には母と姉の葬儀とは別に、小さい方の聖堂で御者の葬儀を翌日に、とのお願いの使いを出して。
花屋には明日早朝にこちらに花を飾って貰うように。
御者の家族は呼んでくれたかな、と家令に確認もして。
先代には既に早馬を飛ばした事も報告を受けて。
兄は父の分も動かないと、と思ったようでした。
「後からアシュフォード殿下が来てくださるからね。
アグネスの事を大層気にしていらしたよ」
「お兄様は会われたのですか?」
「父上が早馬を出して報告してからだから、夜になってからだけど。
馬を飛ばして現場に来て、ふたりを叔父上に預けて見送るまで。
……最後まで付いていてくださった」
「……」
殿下は最後まで、姉の側で付いていてくださったのだ。
長い時間、暗くて寒い森の中で……
それを聞いても、もう嫉妬する事はありません。
姉の側に遅くまで付いていてくださった事に、お礼を言いたいくらいでした。
昨日、温室で。
うつむいた殿下の頭を抱き締めて、その綺麗な金髪を撫でて。
『貴方には悪魔が憑いているのよ。
大丈夫、苦しまなくていい様に私が払ってあげる』
あの時は姉が悪魔だと思っていた、貴方を誘惑する悪魔だと。
でも、殿下を苦しめて、泣かせた本当の悪魔は私だった。
私は左手に巻いていた、あの組み紐をほどきました。
あの夏にいただいて、湯船に浸かる時以外、肌身離さず……
いい加減、くたびれて、端から糸がほどけると、慌てて針で繕って。
握り締めて階段を駆け上がり、部屋に戻り、文箱の中に仕舞いました。
いつか処分しなくてはいけないもの、と心に決めました。
母と姉が叔父の家族と共に、スローンの邸に帰ってきました。
夜遅かったので、6歳の従妹チェルシーは眠そうでした。
「お姉様、会いたかった~」
「こんばんは、チェルシー」
明るく笑ってチェルシーが私に飛び付こうとして、従兄のケネスに止められていました。
「大丈夫?」
全然、大丈夫じゃないけれど。
『大丈夫』そう言うしかなくて。
だから、その後殿下がマーシャル様と邸に来てくださって。
私の前に跪いて手を握ってくれて。
「直ぐに来れなくて、ごめん……」
「……父と兄から聞いていましたから。
姉の側に居てくださっていたんでしょう。
私はここで待っていただけですもの」
「色々調べる事があってね。
今夜は君の側に居たいんだ」
私の側に?
そんなに優しくしないで欲しい。
どうして、組み紐を結んでいるの?
殿下は知らないの、昨夜私が何をしたか。
こんな事になったのは、私のせいなの。
◇◇◇
「びっくりしたよ、あれさ、君。
アシュフォード殿下と、仲いいんだ?」
調理場に行って、お水を貰っていた私の後を追いかけて声をかけてきたのは、従兄のケネスでした。
ケネスは私より3歳年上で、中等部の3年生です。
幼い頃はそれなりに遊んだりはしていましたが、この5年程は彼はうちには遊びに来なくなっていましたし、私達が叔父の邸に行っても、会うこともなかったので、本当に言葉を交わすのは久しぶりでした。
さっき、顔を合わせた時彼の背が高くなっている事、声が低くなっている事、そして今。
お前ではなく、君と呼び掛けられて。
ケネスがすっかり、大人になったのだと思いました。
どう答えていいのか、わからず……黙ったままの私に彼は続けました。
「クラリスとどうとか、噂には聞いてたんだけど。
プレストンも何も言わないしね。
だけど、あれを見たら殿下は君の事が……」
「やめて、そんなんじゃない」
「……」
「私の片想いなの、殿下はお優しいから冷たく出来ないの。
お姉様がお好きだったの!」
ケネスは何も悪くないのに、きつい言い方をしてしまいました。
決まり悪くてだまっていると。
「俺から見たら、違うけどな……、ちゃんと聞いたの?」
いつかのリーエと同じような事を言われましたが、殿下はきっと私にははっきり断らないのは、わかっていましたから。
姉との仲を遠回しに知らせる事が出来たであろう婚約披露の夜会は、もう開かれない。
だから、私にはもう言えない。
「本当はお話するのが怖い。
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