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第87話 アシュフォードside
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「で、結局……今年はアグネスはしなかった?」
シュルトザルツの帝都ボーヘンのカフェで、大学帰りのプレストンと会っていた。
俺は先程聞いた話を、確認の為もう一度繰り返して尋ねた。
俺の問いにプレストンが頷く。
1月にプレストンから教えられたアグネスの奇行の話だ。
この秋、帰国したアグネスが姉の誕生日に、2年前と同じ行為をしたのか、それを知らせる便りが侯爵家の家令から着いたのだ。
「昼には一度部屋に入ったが、1時間以内。
朝も夜も部屋には行っていません。
その後は温室とピアノ室、庭園を散歩。
私が覚えている限り、姉が好んでいた場所です」
温室か……俺には苦い思い出の場所だが、クラリスの好きな場所だったとは知らなかった。
……初めて案内された温室で、俺は偽りを口にして、アグネスを傷付けたのだ。
彼女がそこを散歩したと聞いて、複雑な気持ちになった。
「やはり単に、偲んでいるだけ、なんでしょうね」
これが結論だと、決めつけた様にプレストンが言い切った。
もしそうなら、俺からはアグネスには何も尋ねないと、決めていた。
彼女が彼女なりの方法で、クラリスの死を受け入れようとしているのなら。
姉の部屋で、時間がかかっても別れを受け入れようとしているのなら。
それなら俺は余計な口出しをせず、アグネス本人が納得するまで続けたらいいのではないかと、思ったからだ。
この年、俺は2回シュルトザルツ帝国へ赴いた。
夏に2週間派遣されたのは、秋のバロウズ王国ーシュルトザルツ帝国間の二ヶ国租税条約の締結に向け、外務が根気よく続けていた地ならし交渉の仕上げの為だった。
王族として参加する公式行事や接待の宴席で、帝国側の顔を覚え、間違えることなく、帝国の発音で名前を呼び。
親しげに話す振りをして、色々としゃべらせて、その情報を如何に使うかを決める。
それが仕上げと呼ばれる、俺の仕事だった。
前国王陛下退位後、兄の新国王がまず取り組んだのが、諸外国との各種条約の見直しだった。
前々国王の時代に締結されたそれらの条約は、全て時代にそぐわない古いものだったが、前国王は改めようとせず、そのままにしていたのだ。
母国にとって、不利な条件のままの条約の見直しを、新国王は最優先とした。
即位式に列席してくださった各国トップとの短い会談で、好感触を得た国から交渉を始めていて、同時期から開始したリヨン、ラニャン、とは既に締結していた。
国王陛下にとって幸いだったのは、二国のトップである王位に、バロウズと同じく新たな顔触れが就いたからだ。
兄がバロウズの国王となった後に即位したリヨンのフォンティーヌ女王、クライン王配殿下の兄であるラニャンのバイロン新国王の即位で、世代交代が続いたのだ。
彼等は一様に領地拡大の侵略戦争に国力を割く事を嫌い、国内の安定と自国権利の保持に重きを置いている。
そして、シュルトザルツ帝国は。
大帝国と呼ばれていたのは昔の話。
積年の念願だった隣国のトルラキア王国への侵攻にかまけ過ぎたせいで、植民地諸侯に反乱を起こされ独立されてしまって、今の領地は全盛期の1/3になった。
が、それでもまだ帝国は強大で、大陸の教育、及び文化の中心国だ。
帝国は他とは違い皇帝は代わってはいないが、世界の流れに取り残されるわけにはいかないと、シュルトザルツ側から打診されたのだった。
多分、来年バロウズがトルラキアと和親条約を結ぶ事を知ったからだろうと、思われた。
2週間の日程でバタバタしていた夏と違って、表立っては外務大臣が動いてくれる秋は余裕が出来て、留学中のプレストンとも帝都で何度かお茶や酒を楽しめるようになっていた。
話す内容も個人的な事が増えてきて、スローン侯爵家が長らく勤めていた財務に進まず、法務で力を試したいと、言う。
父上は賛成してくれていると、プレストンは胸を張った。
プレストンには夏にも法務の面で世話になった。
国際法学を学ぶ為に留学していたので、外務の面々は彼からの助けで、かなり楽をさせて貰ったと、帰国した暁には外務に引っ張りたがっている。
バロウズはこれまで王城の官吏職も世襲制だったが、国王陛下はこれもいつかは改めたいと考えていた。
プレストン本人にはそんな事は耳に入れていないのに、自ら父親の地位を継がないと勉学に励んでいるのは、慧眼だと思う。
世襲君主制に触れる事なく、血筋よりも能力に合った人材の育成確保をどう進めるのかが、国王陛下の課題だった。
プレストンが話し出す。
「狐の子供……子狐とはどうなりました?」
吊り気味の細い目をしたウィルヘルム皇帝を狐、娘のアンヌ・ゾフィ皇女を子狐と、バロウズ関係者内では呼んでいる。
「どう、って、あれか……」
子狐こと、17歳のゾフィ皇女との縁組を皇帝から打診されたのだった。
もちろん、その場で断った。
内々に決まった、国王陛下も認めている婚約者が居るから、と。
はっきり伝えないと、この手の話は大きくなり、ろくな事にならないからだ。
どこからこの話が、プレストンに漏れたかな。
同行していた大使館の首席事務官か。
口の軽いあいつは、更迭候補だ。
前国王の元、南の彼方へ送り込もうか。
「きっぱりと断ったから、絶対にアグネスには言わないで」
「あいつも、何を考えていているのか……
我が妹ながら、さっぱりです」
「卒業するまで待ってと、言われているから」
俺を気遣って、妹を悪く言いかけたプレストンを止めた。
本当は俺だって聞きたい。
卒業まで待ってと、君は言ったけれど。
3年したら、本当に君は俺の手を取ってくれるのか?
「これからもお忙しいのが、続くのですか?」
「そうだな、あちらこちらの仕上げがあるんだ。
だから丁度いい……3年なんてあっという間だよ」
アグネスもバロウズに居ないのだから、あちらこちら行かされるのも丁度いいのだと、思おうとしていた。
ここが済めば、また休暇でアグネスに会える。
来年の春先には、北のキラール王国。
年末は東の国のジャカランタへ行く。
そして再来年は……2年先まで外国訪問予定は続く。
国王陛下の治世は始まったばかり。
疲れているのは俺だけじゃない。
国の為には走り続けないといけない時もある。
◇◇◇
そう信じて、それからの年月も過ごした。
ひとつの国でひとつの仕事を終えて、まとまった休みを取り、アグネスに会いにトルラキアへ行く。
王弟の身分のままで、外国に不動産を持つことはやめて欲しいと、外務から言われて別荘購入を諦めた。
俺だけのヴァンパイア王の肖像画を手に入れる機会は、公爵になるまでお預けになった。
仕方なく王家御用達の高級ホテルに滞在して、何人ものトルラキアの影を引き連れて、アグネスやストロノーヴァ先生と会う。
そんな日々が続くと思っていたのに。
この年の11月でアグネスが卒業するという夏の終わりに。
前ダウンヴィル伯爵夫人、アグネスのおばあ様が亡くなった。
ベアトリス・ダウンヴィル前伯爵夫人は、時にのんびりと、時にからかうように。
『あらあら』と、笑いながら仰っしゃるひとだった。
思わぬお別れに、アグネスを想い、心が焦った。
遺言で葬儀は彼女が愛したトルラキアで行われる事になり、たまたま外遊から帰国していた俺は、スローン侯爵やダウンヴィル伯爵と前後して、入国出来た。
学生だったアグネスを支えて動いてくださったのはイェニィ伯爵夫人と、この国で夫人の最初の友となったホテルの女主人ナルストワ・リンゼイ夫人だった。
トルラキアでは貴族よりも、平民を愛し、彼等から愛された女性だった。
異国の前伯爵夫人の葬儀には、たくさんの人間がお別れにやってきた。
そして俺は……
葬儀で久し振りに会ったアンナリーエ夫人から、アグネスが調べようとしていた『死人還り』の話を。
一緒に居た先生と共に聞かされる事になった。
シュルトザルツの帝都ボーヘンのカフェで、大学帰りのプレストンと会っていた。
俺は先程聞いた話を、確認の為もう一度繰り返して尋ねた。
俺の問いにプレストンが頷く。
1月にプレストンから教えられたアグネスの奇行の話だ。
この秋、帰国したアグネスが姉の誕生日に、2年前と同じ行為をしたのか、それを知らせる便りが侯爵家の家令から着いたのだ。
「昼には一度部屋に入ったが、1時間以内。
朝も夜も部屋には行っていません。
その後は温室とピアノ室、庭園を散歩。
私が覚えている限り、姉が好んでいた場所です」
温室か……俺には苦い思い出の場所だが、クラリスの好きな場所だったとは知らなかった。
……初めて案内された温室で、俺は偽りを口にして、アグネスを傷付けたのだ。
彼女がそこを散歩したと聞いて、複雑な気持ちになった。
「やはり単に、偲んでいるだけ、なんでしょうね」
これが結論だと、決めつけた様にプレストンが言い切った。
もしそうなら、俺からはアグネスには何も尋ねないと、決めていた。
彼女が彼女なりの方法で、クラリスの死を受け入れようとしているのなら。
姉の部屋で、時間がかかっても別れを受け入れようとしているのなら。
それなら俺は余計な口出しをせず、アグネス本人が納得するまで続けたらいいのではないかと、思ったからだ。
この年、俺は2回シュルトザルツ帝国へ赴いた。
夏に2週間派遣されたのは、秋のバロウズ王国ーシュルトザルツ帝国間の二ヶ国租税条約の締結に向け、外務が根気よく続けていた地ならし交渉の仕上げの為だった。
王族として参加する公式行事や接待の宴席で、帝国側の顔を覚え、間違えることなく、帝国の発音で名前を呼び。
親しげに話す振りをして、色々としゃべらせて、その情報を如何に使うかを決める。
それが仕上げと呼ばれる、俺の仕事だった。
前国王陛下退位後、兄の新国王がまず取り組んだのが、諸外国との各種条約の見直しだった。
前々国王の時代に締結されたそれらの条約は、全て時代にそぐわない古いものだったが、前国王は改めようとせず、そのままにしていたのだ。
母国にとって、不利な条件のままの条約の見直しを、新国王は最優先とした。
即位式に列席してくださった各国トップとの短い会談で、好感触を得た国から交渉を始めていて、同時期から開始したリヨン、ラニャン、とは既に締結していた。
国王陛下にとって幸いだったのは、二国のトップである王位に、バロウズと同じく新たな顔触れが就いたからだ。
兄がバロウズの国王となった後に即位したリヨンのフォンティーヌ女王、クライン王配殿下の兄であるラニャンのバイロン新国王の即位で、世代交代が続いたのだ。
彼等は一様に領地拡大の侵略戦争に国力を割く事を嫌い、国内の安定と自国権利の保持に重きを置いている。
そして、シュルトザルツ帝国は。
大帝国と呼ばれていたのは昔の話。
積年の念願だった隣国のトルラキア王国への侵攻にかまけ過ぎたせいで、植民地諸侯に反乱を起こされ独立されてしまって、今の領地は全盛期の1/3になった。
が、それでもまだ帝国は強大で、大陸の教育、及び文化の中心国だ。
帝国は他とは違い皇帝は代わってはいないが、世界の流れに取り残されるわけにはいかないと、シュルトザルツ側から打診されたのだった。
多分、来年バロウズがトルラキアと和親条約を結ぶ事を知ったからだろうと、思われた。
2週間の日程でバタバタしていた夏と違って、表立っては外務大臣が動いてくれる秋は余裕が出来て、留学中のプレストンとも帝都で何度かお茶や酒を楽しめるようになっていた。
話す内容も個人的な事が増えてきて、スローン侯爵家が長らく勤めていた財務に進まず、法務で力を試したいと、言う。
父上は賛成してくれていると、プレストンは胸を張った。
プレストンには夏にも法務の面で世話になった。
国際法学を学ぶ為に留学していたので、外務の面々は彼からの助けで、かなり楽をさせて貰ったと、帰国した暁には外務に引っ張りたがっている。
バロウズはこれまで王城の官吏職も世襲制だったが、国王陛下はこれもいつかは改めたいと考えていた。
プレストン本人にはそんな事は耳に入れていないのに、自ら父親の地位を継がないと勉学に励んでいるのは、慧眼だと思う。
世襲君主制に触れる事なく、血筋よりも能力に合った人材の育成確保をどう進めるのかが、国王陛下の課題だった。
プレストンが話し出す。
「狐の子供……子狐とはどうなりました?」
吊り気味の細い目をしたウィルヘルム皇帝を狐、娘のアンヌ・ゾフィ皇女を子狐と、バロウズ関係者内では呼んでいる。
「どう、って、あれか……」
子狐こと、17歳のゾフィ皇女との縁組を皇帝から打診されたのだった。
もちろん、その場で断った。
内々に決まった、国王陛下も認めている婚約者が居るから、と。
はっきり伝えないと、この手の話は大きくなり、ろくな事にならないからだ。
どこからこの話が、プレストンに漏れたかな。
同行していた大使館の首席事務官か。
口の軽いあいつは、更迭候補だ。
前国王の元、南の彼方へ送り込もうか。
「きっぱりと断ったから、絶対にアグネスには言わないで」
「あいつも、何を考えていているのか……
我が妹ながら、さっぱりです」
「卒業するまで待ってと、言われているから」
俺を気遣って、妹を悪く言いかけたプレストンを止めた。
本当は俺だって聞きたい。
卒業まで待ってと、君は言ったけれど。
3年したら、本当に君は俺の手を取ってくれるのか?
「これからもお忙しいのが、続くのですか?」
「そうだな、あちらこちらの仕上げがあるんだ。
だから丁度いい……3年なんてあっという間だよ」
アグネスもバロウズに居ないのだから、あちらこちら行かされるのも丁度いいのだと、思おうとしていた。
ここが済めば、また休暇でアグネスに会える。
来年の春先には、北のキラール王国。
年末は東の国のジャカランタへ行く。
そして再来年は……2年先まで外国訪問予定は続く。
国王陛下の治世は始まったばかり。
疲れているのは俺だけじゃない。
国の為には走り続けないといけない時もある。
◇◇◇
そう信じて、それからの年月も過ごした。
ひとつの国でひとつの仕事を終えて、まとまった休みを取り、アグネスに会いにトルラキアへ行く。
王弟の身分のままで、外国に不動産を持つことはやめて欲しいと、外務から言われて別荘購入を諦めた。
俺だけのヴァンパイア王の肖像画を手に入れる機会は、公爵になるまでお預けになった。
仕方なく王家御用達の高級ホテルに滞在して、何人ものトルラキアの影を引き連れて、アグネスやストロノーヴァ先生と会う。
そんな日々が続くと思っていたのに。
この年の11月でアグネスが卒業するという夏の終わりに。
前ダウンヴィル伯爵夫人、アグネスのおばあ様が亡くなった。
ベアトリス・ダウンヴィル前伯爵夫人は、時にのんびりと、時にからかうように。
『あらあら』と、笑いながら仰っしゃるひとだった。
思わぬお別れに、アグネスを想い、心が焦った。
遺言で葬儀は彼女が愛したトルラキアで行われる事になり、たまたま外遊から帰国していた俺は、スローン侯爵やダウンヴィル伯爵と前後して、入国出来た。
学生だったアグネスを支えて動いてくださったのはイェニィ伯爵夫人と、この国で夫人の最初の友となったホテルの女主人ナルストワ・リンゼイ夫人だった。
トルラキアでは貴族よりも、平民を愛し、彼等から愛された女性だった。
異国の前伯爵夫人の葬儀には、たくさんの人間がお別れにやってきた。
そして俺は……
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