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末っ子次男は甘えん坊
しおりを挟むもうどれだけの時間キスをしていたかも分からない。
何か流される感じで圭一郎とキスをしてしまったけど、本当にこれで良かったのかな。でも結局こんなに幸せに思ってるって事は・・・そういう事なんだろう。全く抵抗もなく受け入れて、しかも自分から強請るような言葉を吐いてしまった。恥ずかしい。でも・・・
―――このまま好きになっていいのか?
「直樹?どうしたの?何を考えてるの?」
「・・・なあ・・・いや・・・」
「もしかして後悔してる?俺とこんなことしてるの。」
「後悔・・・は・・・してない。ただ・・・」
少し怖いんだ。たぶん俺は圭一郎の事を好きなんだろう。後戻りできないくらいには。でも、圭一郎も俺も少し前まで普通に女子と付き合ってた。でも圭一郎は男で、好きかもって自覚したのもついさっきだし。でも、圭一郎と離れたくないと思ってしまってるけど、圭一郎はどうなんだろう。この先はどうなる?周りはどう思うかな。順一とか健介とか友也に言えるか?俺はよくても圭一郎が何か言われたりしたらやだな。
「直樹は俺の事好き?」
「・・・圭一郎とキスをして幸せだと思った。だから好きなんだと思う。」
あ。圭一郎の優しい笑顔だ。
「俺も男を好きになった事ないし、直樹の事を好きかもって思ったときは凄く怖かったんだ。俺はゲイだったのかって悩んだよ。」
そう言うと頬に優しく触れるだけのキスをしてくる圭一郎の感触に、やっぱり幸せを感じてしまう。
「でもね、直樹。他の男は受け入れられないし、いくら可愛い女の子が言い寄ってきてもダメなんだ。男とか女とかじゃなくて・・・直樹じゃないと駄目なんだよ。直樹が好きなんだ。男同士なんて周りから見たらキモイだけかもしれないけど、お前と一緒に居れるならキモくてもいいと思ってる。そのくらいの覚悟は出来てるんだよ。」
そうか。圭一郎も悩んで怖かったけど俺を選んでくれたのか。
「じゃあ、深く考えずに圭一郎を好きになってもいいの?」
「いいよ。・・・直樹も俺のところまで堕ちてきてよ。」
この先何があるか分からないけど、今はこの気持ちに素直になってもいいのか。
ここで圭一郎の手を取らずに一人で後悔するよりは、二人で進んでいく方が良いに決まってる。
俺って本当に単純だよな。笑えるくらい。
自分の気持ちを自覚して認めてしまうと、こんなにも気持ちが軽くなるんだな。
「うん。俺も圭一郎が好きだよ。」
俺は圭一郎にチュッとキスを贈った。恥ずかしいけど。めちゃくちゃ恥ずかしいけど、今の俺の精一杯の気持ちを伝えようと思って。
「直樹・・・俺、お前を抱きたい。」
・・・え?なななんだと?抱きたい?え?まあそうか、そうだよな。両想いの二人がキスの次にする事は分かってる。でも男同士のやり方とか知らんぞ。
「俺・・・男同士とかやり方知らない。てか、俺相手に勃つの・・・か?」
「大丈夫。俺が知ってるから任せて!・・・ほら、俺こんなになってる。」
俺の手をつかみ、圭一郎が自身のそこへ誘導していく。
うわっ!圭一郎の息子さんガッチガチじゃないですか!何触らせてんだよ!!
しかも、そんなに目を輝かせるな!キラッキラじゃないか!
「ちょっ・・・恥ずかしい・・・。」
「大丈夫だから、優しくする。・・・だから、俺に抱かれてよ。」
えええい。もう仕方ない。こんなキラッキラな目をされたら断れないじゃないか!
覚悟を決めるんだ俺。
「や・・・優しくしてよ?」
すると圭一郎はクローゼットの奥から何やら紙袋を引っ張り出してきて中身を机の上に並べる。
あーーーローション、コンドーム・・・ん?か、浣腸?なになになに?浣腸するの?あ、そうかそうか綺麗にしないといけないのね。本来は出すところに突っ込むんだもんな。それくらい俺も知ってるよ。
てかローション何本あるんだよ!
重要な事を忘れていた。圭一郎は「抱かせて」と言った。という事は俺が突っ込まれる方か!
た、確かに俺の方がそうなんだろうな体格的にも。王子様は突っ込む側だろうな、見栄え的にも。いや、誰かに見せるわけじゃないけど!
はっ!!じゃあ浣腸するのは俺じゃないか!!!
俺がグルグルと思考を巡らせている間に、サッとトイレに連れていかれ浣腸を突っ込まれて腹痛に耐えながらスッキリ出したら「いい子だね」と頭ヨシヨシされて、そしたら今度は風呂に連れていかれてシャワーで中を洗われて、終わったらまたヨシヨシされて、その間に何故か俺の息子を扱かれ射精させられた。
風呂から出る頃には疲れてフラフラ。(主に精神的に)
さっきまでの甘~い雰囲気はどこへいった?男同士ってエッチするのも大変なんだな。
それよりも、やっぱり言葉で確認しておこう。いや、確認と言っても確定している案件の確認なんだけども・・・。
「なあ、圭一郎。やっぱり俺が突っ込まれる方なんだよな?」
「うん。大丈夫!デレッデレのトロットロに甘やかして優しくするから!」
・・・だから目をキラッキラさせるなよ!・・・あー仕方ねえな。俺とヤルのがそんなに嬉しいのかよ。
「いっぱい甘やかして。優しくしてよ?」
俺は次男で末っ子だから基本的に甘えたいし甘やかされるの好きなんだよ。
力いっぱい抱きしめられて、そのまま抱えられて圭一郎の部屋に戻った。
俺たちは、これから未知の世界の扉を開くんだ。
圭一郎、マジで優しくしてくれよ?
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